気がついたら俺は神様のいた真っ黒な空間でない何処かの家の中ででずっと寝ていた。見渡すと部屋が暗い。
「知らない天井だ…」
起き上がるとそこには母親と子供がおりリビングに向かうと母親らしき人物が夕食を作っていた。
「あら?起きたのかしら?」
この2人が俺を家に入れてくれたんだろう。倒れていた俺を拾って部屋に寝かせておいた。これで合ってるかな。
「目が覚めた?よく眠っていたのよ?」
鏡を見ていたら髪が赤くなっており、今まで大きかった体が急に小さい子供にまで変わってしまった。
普通の体だと怪しまれるし、小さい方が好都合だが、不憫な点は
ちっちゃすぎて機体に乗れない。てゆうか操作の方はこんな小さい腕と足でどうすればいいの?
「ねぇ?どうして君はあそこにいたのかしら?親は?」
「分からない…気づいたら置き去りにされてた。親も名前も知らない…」
ひとまず俺は何も覚えていない記憶喪失の子として俺は彼女らに預からせてもらい、義理の兄として住ませてもらったのだ。
1日目の夜にこの家に家族として就寝する。俺は母親から自分の部屋を教えてもらい寝転んでいたが、
(初めまして。私、レヴェンと申します。)
「⁉︎腕輪が喋った‼︎」
突然音がなることにビックリして、起き上がった。腕輪がなんの前触れもなく急にしゃべりだしたから驚いても無理ない。でも、デバイスって喋れるんだな。
(休息中大変申し訳ありません。私はアルケーガンダム、アルヴァアロンの倉庫、特典の管理に貴方を全力でサポートする者です。)
「へぇ…レヴェン。ちゃんと出るときはひとまず何か合図してほいしな?」
寝転んでいた突然に話しかけたんだからな。俺一人しかいないのに。
ホラーだと感じてしまうだろ。
(早速ですが、この世界の『クロスアンジュ』という世界の情報収集を行うので7日間はかかるでしょう。その間貴方は私のサポートなしで生きてください。では)
すると光っていたのが止まり、俺はひとまずこの七日間の間はここで平和に過ごす方がいいなと思った。
4日目
ここに居候するので、流石に何もしないというわけにはいかないので、母親の家事の手伝いをしていたのだ。
ヒルダの部屋の片ずけもなかなかやらずに
もう母親から掃除屋と言われた俺も一緒にやってくれたが
「あっ」
「それ私の下着!」
思いっきり俺はぶたれて、妹が泣いてしまい。誤解を招く羽目にもなったが、ヒルダが俺に付き添っており、俺に対して好印象なのだ。ヒルダの世話もちゃんとやっている。そして、俺の仕事終わりに母親はいつもアップルパイを作ってくれる。
俺とヒルダはそれをつまむ。
「レイゼルおにーちゃん!おやつだよー!」
「あぁ分かったよ」
ここまではごく普通なのだ。
風呂はゆっくりしたいんだけれどね…俺は子供で男だ。だが、精神年齢は19だがな。
こんなことはゆゆゆゆゆゆ許させるのだろうか…ごめん俺思いっきり動揺している。こんな展開リアルじゃありえないから。
こんなのロリによる犯罪レベルだよ⁉︎
お互い子供体型だからだから悪くないってか⁉︎
「お風呂に一緒に入っていーい?」
「⁉︎ちょっと待っ」
ヒルダは待ってくれなかった。
そう、いつも一緒に入るのが日常茶飯事になっていたのだ。母親も気に留めはせず、最初入るときはお互い気こちなかったが。今では心置きなく入ってくる。いいことなのか悪いことなのか…俺は仕方なく二人一緒に風呂に入らざるおえなかった。
裸の付き合いというか。二人の真正面からさらけ出す場所であると想像してくれ。
「私ね…ノーマなの」
「…え?ノーマって何?」
俺の場合はまずそこからだった。彼女から説明を聞いていくうちに内容としてはノーマというものは何やら不快な存在なのかと、ヒルダは段々俺の顔色を見て不安な顔ばかりしている。俺はヒルダの両肩に両手を置いて面向かってハッキリと俺の思いを口にした。
俺の妹がこんなに色んな意味で積極的な訳がない。
「い、いいか!お前が何であろうと俺はお前の兄であり、お前の味方だ。
お前は俺のかけがえのない妹だ!
愛する妹を嫌悪なんてしない!
危険な目に合って欲しくない!
俺が…何が何でも助けてやる!
お前がなんであろうとお前はお前だ!」
「お兄…ちゃん」
なんかさ、俺から見たら瞳が涙目なんだよね。こんな妹を偏見な目で見るわけがないだろう?むしろ妹から見られそうなんだが。
でも、ノーマでも隠せば支障はきたさないはず。甘く考えていた俺はこのまま過ごすのだろうかと思っていた…この世界が差別とやらで何もかもが歪んでいるということに気づいていない間は。
7日目真夜中の夜
この世界についてレヴェンが調べてくれた結果を聞いていた。
(調べた結果、まず話さなければならないことがあります)
「話さなければならないこと?なんだ?」
(それは、この世界が『人間』と『ノーマ』という二種類に分別されているということです。差別世界といってもいいでしょう)
この世界にはまず『マナ』ものがあり、生まれてくる赤ちゃんがマナを使わない場合はノーマとして断定され、マナだけが唯一一般の人として真面に生きる権利を与えられる。ノーマの存在自体が罪に晒されていたのだ。
しかもノーマが女性しかいない。
(更に貴方にはノーマでありマナを使用することが使えない。この意味が分かりますね?)
「俺も妹と同様にノーマだからマナを使用することができない。となれば妹と一緒に連れていかれるってわけか…」
俺はマナを知らないし、ノーマであることはこの時点で確定された。だから、風呂でヒルダの話聞いていた俺と他人事ではない。更にノーマと断定された場合は何処かに連れて行かれ全ての物を奪われるそうだ。
(…ええ、ブレスレットを取られる。つまりは、貴方が持っている特典を没取されるのも同然です。ヒルダさんの危機もありますが、貴方にも危険が及びます)
「仮に彼女をどうにかしたとしても、逆に俺も危ないんだな…」
もし、ノーマだと気付かれた場合を備えて俺とレヴェンは話し合った。
(まず、検査される前に特典を私が預かっているアルケーガンダムかアルヴァアロンを使って、ここから逃げてください。)
俺が神からもらった特典を使ってここから逃げるのは同意見だ。ノーマだと断定されたとしてもステルス性能はこっちの方が上。見つけられることもないし、いざという時は通信障害を起こす設定をオンにしてGN粒子をばらまいて逃げればいい。
「なら、俺とヒルダを連れて一緒に逃げ(いいえ。残念ですが無理です)…は?」
けど、俺の発想はレヴェンによってことごとく無謀だと指摘された。唯一助けれるとして俺しかいないと。
(この際、貴方にとっては厳しいでしょうがハッキリと言わせてもらいます。今の貴方に彼女を連れて逃げ生き延びるのは不可能でしょう)
「約束したんだよ…なんで。なんでいけないんだ⁉︎俺には二つ機体があるじゃないか⁉︎」
(まず、貴方の貰った特典で逃げながら生きるという選択を選んだとしてヒルダさんを庇いながら生活するのは至難と言ってもいいでしょう。整備やGNの回復は私でなんとかなりますが、食料や洗濯機とかの調達は機体ではなく生身で外に出歩かなければなりません。王の財宝はあくまで食料と武器の『倉庫代わり』ですよ?)
「くっ⁉︎」
幼い子供が買い物など怪しいと思われても仕方ない。それに、警官が俺に訪ねてきていきなり調べさせられるのは困るし。問題は機体から離れたは確実に俺は弱体化する。
(そしてもう一つ。貴方の体が余りにも幼すぎるからです。本来の体をしていたならば機体にも乗りやすく、捕まれられたとしても、素早く逃げることはできます。
ですが、機体の操縦がぎこちない点や外に出て、幼くても怪しまれることなく捕らえることから逃れますか?この二つの条件を背負いながら貴方は彼女を何年、いや何十年も逃走の日々を続けて生きる自信がありますか?生身の場合こそ危険ですし、捕まえられたらその時点で貴方とヒルダは
終了です。)
できれば助けたかった。
ヒルダがノーマだったことである。そして同時に、 俺もまたマナというものがないためにノーマとして扱われるだろう。
二人で何処かに逃げるか?
何処に逃げばいい?ノーマの存在を否定する世界の何処に逃げ道がある?町に出れば機体を持って出れるわけないし、無防備のまま確実に狙われる。むしろ、妹だけがノーマとして連行される方が安全なのではないのか?しかも俺はノーマだと断定されにくい。どの道ヒルダがノーマだと知られるのは周りからの通報もあり得る、それこそ時間の問題だった。
そして、遂にその日が来てしまったのだ。雨の日、警官達が雨の中でヒルダはノーマだと断定され連れていかれた。
「お願いです!ヒルダは私の娘です!」
母親は叫びながらヒルダを返して欲しいと要求する。俺もまた確認される恐れがあるだろうからここを立ち去ることにした。俺は何としても、どんなことをしてもヒルダを助けたい一心だった。けれど、それをしても逃げ道はない。
操作はサポート役のレヴェンが勝手にやってくれるそうだから安心だが、
「こうなることは分かっている…あぁ。分かってる。筈なのに」
(貴方は何も悪くありません。この平等も人間的価値が大幅に崩れているこの世界が歪んでいるからです。
貴方が力不足という点はありますが、ノーマに対して何の価値も見出せない。我々は、彼らに対してノーマが最低な種族だと教えられた無知なばかりに…侮辱し、罵り、罪悪感を持つことをしない無能極まる人間達には罰を与えるべきだと私は思っています。だから貴方は…己自身と神から貰った特典を強くしなさい。それが、貴方の今やるべきことです)
「なぁ、レヴェン?涙が止まらないんだ?俺は特典を捨てて兄として身を投げてでも助けるべきだったのだろうか」
(…貴方は普通です。助けるという約束は裏切られる形でしょう…ですが。貴方がこの世界に抗うのだとすればまず貴方はここで連行されるわけにはいかないのです…)
母親と別れなければならない。理由は俺がノーマであり、俺もまた連れていかれるのは非常に不味い俺を捕まえるために、特典を奪われるのは違いないだろうから。俺の命の綱あるこれを奪われるわけにはいかない。
「今まで、短い間でしたが育ててくれてありがとう。そして、さよなら…」
俺にとって、平和で理想的で凄くいい場所だった。けれど、俺の安息な地を失なう以上自分の身を守るために今持っている特典で逃げることを決めた。ヒルダを俺の機体に乗せて旅をするっていうのも悪くないと思ってた。けれど、もし俺がヒルダを連れて行くことになればまだ幼い俺たちは二人一緒にどうやって暮らしたり過ごせばいいんだ?
人殺しを見せないといけない時が起きてもおかしくはない。なら俺はどうか連れていかれた妹が無事に生きていることを願うしかなかった。
俺はアルケーガンダムに乗って今までの場所を去った。