紅と黄金   作:斬刄

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アンジュとタスクとシルヴィア後編

次の日

雨の中私は濡れないように物陰に隠れてひっそりと考え事をしてました。

タスクさんはまだヴィルキスの修理をやってましたが、そんな知識もないですし手伝えれませんでした。

昨晩のことでタスクさんとアンジュさんに距離ができていることに不安を感じてます。あんなことがありましたから無理もありませんけど…お姉様だけじゃなく私の方も結構落ち込んでました。

 

 

「ハァ…」

「こんなところにいたのか?」

 

タクトさんはまだ復活してはいませんが、一応刹那さん一人だけ復活しました。彼はアンジュとタスクの2人に距離ができたことに疑問に思っていたらしく、何があったのかよく分かっておりません。ただ、二人が喧嘩したというのは状況から見て察したとのこと。

 

 

「タスクとアンジュの間で、何があったか分からないが。なにやらシルヴィアの様子がおかしいってことで俺が直接お前に話にきた」

「刹那さん…」

 

 

 

刹那さんの方は2人に聞き辛かったから私の方に聞いてきた。

私の方は全て話しました。刹那さんはそれを真面目に聞いており、ああなったことに理解したと。

 

 

「レヴェンさんの方は女神の方で女神を奪われた組織を取り戻すためにゲームを終わらせるって目的ですが…あなた達の方は?私のデバイスであるラグナは彼の目的を聞いてもはぐらかしますし…」

「悪いが…俺たちの方はどこの女神に属しているのかも何が目的なのかというのも記憶消失をしているから何も知らないんだ。ただ一つだけ分かるのはタスクという男を守れということだけは覚えている。」

「えっ⁉︎」

 

ここに来た時はマスターと言ってはいましたが、二人とも根本の目的を忘れいる…ということは記憶消失ですか。とりあえず呼んでくれたタスクを守ろうとのことで二人はタスクさんと一緒に行動している。

 

 

 

「お前の気持ちは分からなくもない。だが、二人の仲はやはりアンジュとタスクの二人でどうにかしないといけないんじゃないのか?まだ、俺たちは二人がどうするかを眺めるしかできない」

「そう、ですわね」

 

夕方頃には雨が止んで、ラグナの方に応答をしようと再度試みましたが全然連絡も通信も来ていない。

今頃何をどうしているのか、生きているのか不安でなりません。

「ハァ、今日も繋がりませんか…ん?」

 

私はお姉様がタスクさんはヴィルキスの整備をしている中、ゆっくり忍び寄ってネックレスを側に置いているのを見かけました。タスクさんはそれに気づいてお姉様から貰ったネックレスを首にかけてくれている。

 

お姉様の方は顔を赤くしながら小さい声で

 

 

「あの、ごめん…なさい」

「「えっ⁉︎」」

 

その言葉を聞いた私はタスクさんと同じく驚きました。

まさかお姉様が素直に謝るとは思いませんでしたし、結構頑固で強情って印象ですから謝るにしてもすぐにというわけでもなかったですから。…悪いことをしたら謝るというのは当然といえば当然なのですが…お姉様の性格上こう素直に謝れるとは意外でしたし。

「君って謝れたんだ⁉︎」

「なによそれ!」

 

 

するとタスクさんの方はアンジュさんのほうに手を差し伸べて

 

「俺もきつくあたってごめん」

 

アンジュの方も仲直りとしてタスクさんが差し伸べた手をお姉様はその手を握って、トラゴンになっているヴィヴィアンの方も抱いていた。それを見て心が少しスッキリしていたその時に、

「隠れてないで出てきたらどうなんだ。シルヴィア?」

 

 

後ろにいた刹那さんのせいで、物陰に隠れていた私に気付かれてしまいました。

き、気づかなかった。それよりも気配を消していつの間にかいたのですか⁉︎

お姉様が私の方に寄ってきました。慌てふためいた私は何もできなくなってしまい右往左往してました。

心の準備ができてないっていうのに⁉︎

 

 

「心配かけさせてごめんなさい」

 

お姉様はそう言いながら抱きしめられて、さっきまでの慌てふためきは心が落ち着いて無くなってしまいました。私は抱かれたことに安心して

 

 

「…おやすみぃ」

「え?シルヴィア⁉︎ち、ちょっと起きなさい‼︎こんな時に眠られたら私が困るでしょ⁉︎」

 

色々悩んでいたことが多かったですから眠ろうとしていましたのに、数分で起こされてしまいました。安心したから急にどっと疲れが出ていたのでしょう。

仕方ありませんね。

その夜、タスクさんがヴィルキスの整備中くしゃみをしており、上を見上げてみると、今度は雪が降ってきました。なお、刹那さんの方はタスクのデバイスに戻って静かに長時間眠っているとのこと。

 

「タスク〜!凄いものを見つけたわ!」

 

 

そこはアンジュと一緒に探していたヴィヴィアンがホテルを見つけ、その場所に行くこととなりました。電気は機体から入れるとして、屋根もベッドもお風呂もある。そのホテルは奇跡的な保存状態になっていたことに驚きました。

 

お姉様とヴィヴィアンだけでなく、私も一緒に風呂に入ることになって、タスクさんの方は部屋の掃除を頼んでもらった。

 

「一緒に入るわよシルヴィア!」

 

こうしてお姉様と私はヴィヴィアンの大きな身体を洗ったりして、風呂にも浸かっていていました。ヴィヴィアンの身体を洗った後にお姉様が突然

「ねぇ…シルヴィア。私のこと恨んでない?」

「えっ⁉︎」

 

不安げな顔をして私の顔を見て聞いた。多分お兄様のこともありますし、お姉様と一緒にいることで危険を伴うこともあるのかもしれません。

ですが、

 

「いいえ。これっぽっちも思ってません。お姉様はお姉様ですし。私は私です。これから先、私自身しっかりしなきゃいけないと思ってますわ」

「そう…良かった。いつもありがとう」

 

風呂から出た後は1人席のソファで座ったまま眠ようと思っています。一緒に寝ることも考えてましたが、タスクさんとお姉様による二人のベッドインを邪魔するわけにもいかないので。

 

ヴィヴィアンの方は私が寝る前に寝ています。

「沢山のことを知っているし、冷静だし、優しいし。頼りにしてる。私は駄目ね。すぐに感情的になって、意地になって、パニックになって」

「仕方ないよ、こんな状況になってたら誰だってそうなるさ。皇女様がノーマになって、ドラゴンと戦う兵士になって、とんでもない兵器に乗せられて、変な組織に目をつけらたことで僕らの命を狙われて…気づいたら五百年後になってたんだから」

「色々ありすぎよね。でも、タスクとヴィヴィアンに…レイゼルとヒルダの兄妹。いろんなことも分かったわ、最後まで分かり合えなかった人もいたけど

 

 

 

ねぇ?エンブリオって何者?」

エンブリオについてはラグナの情報によればこの世界を作った創造主というデータがありましたが、あれだけじゃものたりませんですし。

私の方も分からずじまいでした。ただ、レイゼル達もまた彼を倒さないといけない敵であることはわかる。

 

「文面の全てを影から掌握し、世界を束ねる最高主導者。俺たちが倒すべき最強最大の敵の筈だった」

五百年前の話となった。それでも、私達はまだこうして生きている。

 

 

「生きてさえすればなんとかなるでしょ?」

「強いね。アンジュは」

 

 

二人の関係が良くなってきていて、嬉しく思ってる。タスクさんが寝ようとした大きいソファが崩れて、ビックリして起きてしまいました。

お姉様の方は一緒のベッドで寝るって誘っているけどタスクさんが

 

 

「そ、そうだ!妹のシルヴィアに…ってまだ起きてたのにすでに寝てる⁉︎」

 

 

咄嗟の寝たフリですよタスクさん。

さぁさぁ私のことは構わず、二人とゴートゥーベッドにダイブしちゃってベットインして下さいな。これで二人とも顔を赤くしてベッドインをしようとしていますね。

 

今私は、落ちていたソファーの集まりを枕、毛布代わりにして地べたで寝ています。部屋の明かりを消して甘々のような声がわたしのほうにもうっすらと聞こえている。

 

それと、タスクさんがお姉様が寝たのを確認した後にベッドから出ようとしている。

 

ちょっとなにやってるんですか⁉︎今すぐ起きて注意したいところなのですが…

 

「しないの?」

「ええっ⁉︎」

 

 

お姉様がそれに気づいてタスクさんを引きとめようとしている。

あぁ、この甘々さ。

見ているこっちは心が和んでにやけてしまいそうで。なんといいますか、プトレマイオスにいるレイゼルとヒルダの兄妹のバカップルによるベットインってこんな感じなのでしょうか。

 

「いやいやいやいや⁉︎僕はヴィルキスの騎士だ!君に手はずなんて」

「もしかして、私のこと嫌い?」

「そんなことあるわけないだろ⁉︎…だから、その、恐れ多くて…10年前。

ええと、正確に言えば548年前。

リベルタスが失敗し、右腕を失ったアレクトラは二度とヴィルキスには乗れなくなり、俺の両親も仲間も死んだ。

 

 

俺にはヴィルキスの使命だけが取り残された。でも、怖かった。見たことも会ったこともない誰かのために戦うその使命が。

 

俺はあの深い森に逃げ、戦う理由も生きる理由を見当たらずに逃げた。

 

そんな時に君と出会った。レイゼルとヒルダの二人にも出会って、その出会いは色々としっちゃかめっちゃかだったけど。無人島でゼラード組織の再現データ達が僕らが襲撃された時

 

 

君は機体に乗っていたけれどたった一人で戦って争っていた。大軍を敵にして。数分経てばヒルダやレイゼル達の味方であるミランダとココと協力していたけれど、みんなが敵である大軍に向かっていっているのを見て目が覚めたんだ。

それを何もできずに眺めて、彼らに守られている俺は…何をやってんだって。なんで何もできずにポツンと一人で眺めているんだって。

 

俺はやっと騎士である意味を見つけ、歩き出せたんだ。押し付けられた使命じゃなく自分の意思で。

 

力になれなずに悔しがっていたけれど、あの洞窟にあったアヴァランチエクシアにすぐさま乗って君を助けたんだ。

今は、レイゼルさんのおかげでその機体を活用している。

 

君を守るために…だから俺は君を守れば、それでいいというか…」

「ヘタレ、でも。純粋」

 

タスクさんも成長したなぁと思いつつ何やらお姉様が男の目の前で脱ぎ始めているのてすが…やっぱりこんな感じで兄妹もデレデレなのでしょうね。

 

 

「私は…血まみれ。人間とドラゴンを殺して、兄ですら死においやった。妹のシルヴィアに恨まれてもおかしくないのにね」

 

 

あの〜お兄様の方は確かレヴェンがエンブリオを狙うつもりでしたのに間違えた方向に撃って葬ってしまいましたから…お姉様はこのことについては仕方なかったとしか何も言えませんよ。

 

あ、お姉様の方は全然恨んでいませんよ。

 

 

「私は、血と罪と、死にまみれている。貴方に守ってもらう資格なんて」

「そんなことない!アンジュ、君は綺麗だ‼︎君がどれだけ血にまみれても俺だけは君のそばにいる‼︎」

「暴力的で、気まぐれで、好き嫌いが激しいけど」

 

 

見つめあうお姉様とタスクさん。

熱い情熱な視線。あぁ、ラグナも一緒に見ていたならどんなに楽しいことか。

 

 

私は寝ているふりをしながら、それをこっそり録画していました。あ、空気はよんでいますし、ちゃんと口を閉じて黙ってますよ。ネタフリをしてはいますが…私はニヤニヤとしながらキスしようとしたところを録画しようとしていたその時に、

 

 

 

 

 

エンダァァァァァァイヤァァァァァァ‼︎

 

 

 

 

 

という…さっきまでの空気をぶち壊しにするような…私の受信機がこんな時に鳴ったことにため息をついた。…少しはタイミングというものを考えて欲しいですわ!

 

 

 

「ごめんなさい…私の受信機です」

「ら、ラグナからもらったの?」

 

さっきまでの空気ぶち壊しでしたが、ラグナの方に連絡が繋がっているのなら何かどうなっているのか話せれるかもしれない。

お姉様もタスクさんもわたしの方により電話による話を聞こうとしていました。私は鳴っている受話器を取りましたが、

 

(シルヴィア‼︎やっと連絡がつながったか⁉︎)

(ちょっとラグナ幾ら何でも心臓に悪すぎますわよ‼︎あとそれと、無事だったのですね。聞きたいことがありますわ…貴方は今どこにいるのですか!そちらはどうなっているのですが⁉︎」

(長話する時間は悪いがそんな場合じゃない…いいかよく聞け‼︎ゾーラのデバイス…シャオクトに会うときは絶対に気をつけろ‼︎奴は)

 

 

そこで、プツンとラグナによる電話の回線は途切れた。私達の方は質問に答える暇もなくシャオクトに気をつけろと言っているだけ。あまりにも唐突だったために話が追いつけず、動揺してならない。

 

 

シャオクトに会う時には気をつけろですって…一体どういうことですの?まさか…襲われているっていうの⁉︎

 

「ちょっとラグナ⁉︎返事し…⁉︎」

 

電話にやっと応答してくれたのにラグナが突然切って動揺していた時に

建物がユラユラと揺れて窓が壊れていった。

 

「救難信号を出していたのはお前達か?」

 

 

声のしていた方を見てみると壊れた窓の先には大型ドラゴンに乗っていた2人がいた。

 

 

「ようこそ、偽りの民…我らの世界本当の地球に」

 

 

 

次回予告

ヒルダ「とうとう次回で会えるな!」

アンジュ「ええ、てゆうか。ヒルダとサリアまでいるなんてね」

タスク「いつも集まるよねこの四人!」

レイゼル「にしてもレヴェンの奴サリアとどう説得させたんだろ…あれだけじゃ分からないぞ」

レヴェン「…そんなに知りたいのなら次回の話を使わせてもらうぞ」

レイゼル「マジで?」

ヒルダ「え、またお預け⁉︎」

 

番外編サリアとレヴェン

 

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