アーコチラレヴェンダ。
レイゼルとヒルダの二人が出会って以降気持ちがゆるゆるになってしまい、いろいろ顔を赤らめながら言い合いになっている。
もう、俺からしたらリア充爆発しろと言いたいのだが。
俺の方は彼ら(ドラゴン娘たち)からもらった飲み物でくつろいではいるもののサリアが、黙ったままなにやら座り込んでブツブツ言っている。
「いつまで苛々している。そんなに怒っても何も始まらんだろ」
「あのねぇ⁉︎貴方に助けられたのは感謝するけど、アレクトラに見捨てられて、裸を見られて、こんなわけのわからない場所に転移されて、
そんなのもぅ…もう私自身どうしたいのか分からないのよ!」
サリアは絶対尽くすタイプだが、いい男に釣られて、その男の思うがままに良いように利用されるだろ。
それにしても俺がこのコスプレ少女をからかった頃を思い出すなぁ。コスプレ服を送ったりして、釣られていたけれど。
「そんなに自暴自棄になるな。命があるだけまだいい方だろう」
「私、なんのために…」
サリアが何処かに行こうとはしている。しかし、ここに詳しいわけでもなく道に迷うだろと思ったのだが、あんな状態で何を言っても話を聞こうとはしない。
「あの、どこに」
「一人にさせて…」
サリアは一人でその場所から離れていった。どこに行くつもりかは分からないがそっとしておこう。
考えるのに疲れて早く帰ってくるだろうと思うがな。
下手に声をかければ逆に怒る。
彼女の情報によるとリベルタスのことも知っていて、ジル司令という女の為に忠実に頑張っていた。
「まぁあんな命令女に耳を傾くつもりは毛頭ないがな。個人的に嫌いだしつまらん。
やつのやり方ははっきり言って好かん、イライラする、そして気に食わん。サリアは奴と同様に命令口だが結構からかい甲斐があるから許せれるがな」
これはまた、相当誰のために頑張るか見失ったことでどうしたらいいか悩んでいるな。何か彼女の心を晴らすにはどうするべきか…
*****
ミランダとココの二人は彼らのおかげて生きてはいるし、パラメイルよりも強い機体も持ってるし前までは新人だったのにかなり強くなってる。
それに比べて私は…
「なにやってるんだろ…私」
これからどうすればいいんだろう。
誰のために生きればいいのかずっとこの一日中悩んでばかりいた。
カレクトラの仇を討とうとみんなよりも努力して、ジルの為に人一倍頑張ってはいた。
でも、ヴィルキスをアンジュに奪われ目的を見失って。アレクトラに助けられずに見捨てられて…レイゼルっていうヒルダの兄が妹を連れて帰って。
誰かが助けてくれたと思ったら、レヴェンっていう私にコスプレさせた男が死にそうなところを助けられた。
私、男とはレヴェンで初めてあったのにあんな形で出会うなんて思わなかった。
メール交換では交流してるけど実際どんな姿か分からない。男か女かレヴェンって人はよくわからなかった。
アレクトラに捨てられて死ぬかと思っていたのにまだこうして生きている。
でも、私は生き残っても何のために生きればいいの?やっぱり一人になっても結局どうすればいいか分かずじまいで途方に暮れていた。
ヒルダにはまだ生きる理由がある。
前は生きるためにドラゴンを殺したり、ゾーラを敬愛していた。
それにアルゼナルに離れても、義理の兄のレイゼルって人と一緒になってくっついている。しかも私から見てもベタ惚れしてることが分かってた。
「お、サリア。レヴェン見なかったか?」
「見てないわ、ずっと一人で途方に暮れてたから」
夜にさっきの場所に戻っている途中に、レイゼルが機体の整備をしていた。
ヒルダの方は色々あったから先に休んだりしている。レイゼルの方はいつ襲われるか準備をするためにこうして点検している。
「ねぇ…貴方が、ヒルダの義理のお兄さんよね。アルゼナルで賞金首になったけど」
「あぁ、レヴェンが教えてくれてな。お前の方こそレヴェンにまんまと釣られたサリアって子か?」
「悪かったわね。あの時二人が怪しかったから…」
二人に対しては怪しくて目を光らせていたけれど、私の秘密が二人にばれて。もう二人を疑うことをしなくなってしまった。
それから、ヒルダとアンジュが私と一緒にコスプレしてきた時はミランダとココの三人で飲み物を吹いてしまったって。
誰だってビックリするし、元々アンジュが二人を驚かせるために提案していたのだけれど。
「それにしてもこの機体、どこで手に入れたの?」
「それは、レヴェンの許可が必要かな。ヒルダにもまだ言ってない。
それでもヒルダは俺のことを信用してくれている」
機体の方は何も言ってなかった。
ゾーラ隊長のパラメイルは破損されているけれど、隊長のデバイスであるシャオクトって男がレグナントを与えている。
それによってゾーラはかなり強くなった。
でも、シャオクトって人もまたその機体を私達に調べさせてくれなかった。下手に調べようとしたら容赦なく機体が勝手に動いて襲う。
操縦はゾーラ隊長だけど最高の管理下はシャオクトだからって。
「ヒルダが酷い目にあったら。貴方はどうしてたの?」
「間違いなく発狂するだろうな。絶対に、問答無用でヒルダを強引に連れて帰って…アルヴァアロン使ってアルゼナル吹き飛ばしてる。多分撃っちゃダメって言っても聞く耳持たなかったろうし」
「容赦、ないのね…」
「でもあそこにもヒルダの仲間がいるから撃ちたくてもやりづらいし、強引に連れて帰っても本当にヒルダがそれを望んでいるのかも
困ったもんだよ。一応、そっちにあるアウローラを守ろうとは考えてるかな。恩はあるし」
この人は、自分が無力だったためにヒルダがノーマとして連れて行かれたことを悔やんでいた。
たとえ人間じゃないノーマであっても彼はヒルダを見捨てようとはせずに連れて帰ろうと考えて襲撃してきた。
私達がヒルダを虐げたわけじゃなく育ててもらっているために多少の恩はある。
「リベルタスの協力は?」
「それは無理かな…レヴェン曰く、司令であるジル…いやアレクトラ・マリア・フォンレーヴェンヘルツだっけ?
あの人命令口煩い女に従うなんて真っ平御免だってさ。あいつの場合はいつも単独行動だから」
確かに…アルゼナルに襲ってきたマナ達相手にたった一機の大型で殲滅させたのだから…しかも、あんなふざけた人がジル司令の命令を聞くわけがないわね。
それどころか逆上するでしょ。
「レイゼル…その、だいたいのことはレヴェンから聞いたけど兄妹の話をまた詳しく聞いてもいい?」
「あぁ。いいぞ?」
始まりは地べたに転がっていたのをヒルダの母親に助けられ、義理の兄もまたノーマだから街を出ていった。
その10年後にヒルダの元に必死に会おうと頑張って、アルゼナルから連れて行こうと考えた。最初はヒルダを連れて帰るつもりがミランダとココの二人を連れて帰るつもりはなかったらしくて困っていた。
でも2人が協力してくれたおかげでヒルダを連れて行くのは良かったものの二人仲良く無人島に着いてしまった。
遂に10年ぶりの再会をして、ヒルダはフェスタの日でアルゼナルから抜け出して、無理をしてでも母親に会いに行こうとしていた。
赤ん坊から連れ去られた私達には母親の顔を知らない。だから、アンジュやヒルダがどうして出て行ったのか私達にはよくわからなかった。
母親との再会の時に義理兄のレイゼルもいたけれど、母親が10年前に連れて行かれたノーマの娘であることが発覚したことで、ヒルダを拒絶した母親にレイゼルが本気で怒った。
それを見て怯えたヒルダは元々血の繋がりのないレイゼルを拒絶した。
その後は自分を見失い、もう死ぬことを覚悟していたものの。最後の最後で和解してこうして幸せになって現在に至った。
「サリア、お前泣いて」
「その、ごめんなさい!私こういうのには本当にいつも弱いの!気にしないで‼︎」
もう、苦しくてならなかった。いつの間にか酷い顔をして泣いて赤くしていた。映画とかで運命の再会っていうのはあったけど…こんなことが本当に起こるなんて思ってもみなかった。
彼のような馬鹿で、鈍感で、考え無しだけど…結果として妹のことを諦めずに思いっきり告白した彼に、ヒルダは好かれてこの人に心を許したんだ。
絶対にヒルダの心の底では彼に救われて、思いっきり泣いて、嬉しかった。
「私、ヒルダに酷いこと言った…」
アルゼナルに小さい頃にずっといたからどうして脱走したのかなんて分からないのは仕方ないのかもしれないけど、
「…ヒルダは、多分君のことを責めてないと思うよ?それに俺も酷いことしてしまったからな」
「なんで、私を責めてないってそんなこと」
「分かるよ、俺はヒルダの兄だから」
彼とヒルダの血は繋がっていなくても小さい頃から一緒にいるために何を考えているのかは彼が私よりも一番よく知っていた。
その時に後ろから音がして振り向くと、レヴェンが走って駆けつけてきた。
「そこにいたのかサリア‼︎ようやく見つけたぞ‼︎」
「え?私のこと探していたの?」
「当たり前だ‼︎あの後行方が分からなくて本気で心配していたから…ん?どうしたのだ?目の周りが真っ赤だぞ?」
「その、ごめんさない」
「まぁ、無事で良かった…だが涙で酷い顔している。何があったかは知らんが一応これでふけ」
レヴェンが持ってきたタオルを私に差し出した。彼の足音が大きいから走ってたようだけど…心配、してくれたのね。
「その…ありがとう」
「あれ、朝はサリアが一人になった後にロックオンとレヴェンは追いかけ回されたはずだぞ?ここって成人男性が珍しいから二人はドラゴンの女達に追われているんじゃないの?俺の方はまぁサラマンディーネともつきっきりにされそうになってるから追われるのは無いとして」
「もうロックオンに任せた。あいつなら戦場で駆け巡っている男だ。どんな逆境にも乗り越えれるだろう」
「お前、ロックオンに押し付けて逃げたな」
「はて…なんのことか」
「ハァ…どうなっても知らんぞ」
レイゼルさんの方はちゃんと言うことを聞いてくれるし、ヒルダも兄と一緒なら強いと思う。
持っている機体もパラメイルとの差が大きすぎる。
レヴェンっていうこの人は目的としては実行するけど、やり方に関してはやりたい放題好き勝手にやる人だ。
ガデラーザっていう機体で襲ってきた艦艇を殲滅したのだから切り札って言っても過言じゃない。
でもあんな性格だから。
なおさら、陣形を取ろうとしても話し聞く気なんてないわよね…レイゼルとヒルダの二人だけの言うことしか聞かないでしょ。
「もう、これからもうなんのために頑張ればいいのか分からない。前まではジル司令為に尽くしていたけれど、捨てられた。誰のために頑張れば」とにかく自分が頑張ってその後に楽しいことを考えればいい「えっ…?」
「自分の目的、楽しみ…色々あるが愛する人のために尽くすのはいいが、その愛する人がお前を道具扱いみたいに利用する輩だっている。
まず、自分のしたいことをする為に頑張る。そこから始めてもいいんじゃないのか?
確かにエンブリオを倒すというのは勿論根本的な目的であり、それは必ずやらなくてはならない。
例えばほらお前が楽しんでたじゃないかコスプレとか?」
リベルタスもなんのために戦うか段々よく分からなくて。
目的を見失って、今まで尽くすことを頑張った私に、今度は自分の為に頑張れってこと?
「バッカみたい…」
「バカみたいなことだが、命ある限りは前を向いて考えたりした方が楽しく生きられる。考え込んでも時間が経つばかりで身動きが取れないぞ?
まぁちゃんとメリハリつければいい。少なくともそれが趣味でも俺は素晴らしいと思う。確かにお前はジルに利用され、ヴィルキスにも選ばれず、いくら努力してもどうしようもできなかったったというのは辛いことだろう。
もう一度言うが、根本な目的としては我々はエンブリオも倒さないと平和も訪れない。
だが、たまに楽しいことを考えてもいいんじゃないのか?俺のように」
「貴方の場合はガス抜きし過ぎでしょ…でも」
「なら。そんなに尽くすことに一生懸命なら…俺はお前をサポートするから、お前は俺とお前自身のために頑張る。どうだ?」
「私は…」
メールとの交流の時は私をからかって、色々魔法少女のような服を着させたり、まぁ希望ある夢や素敵な物語が一杯あったけど。
でも、彼が無視して助けてくれなかったら死んでいたのね。
アレクトラは私を助けたりしなかった、でも助けてくれたこの人なら私…信用できるかもしれな
「レヴェンさん!【サリアン!超ドキドキコスプレ動画集】の保存完了しました」
「よし良くやった!城ヶ崎姉妹‼︎」
…は?
どう言うこと?
サリアン超ドキドキコスプレ?
「いやーそうそう。俺に尽くすのなら俺が手に入れたコスプレ服を着せ替えしてもらいたいのだが?
あれは楽しーものでしたなぁ。
貧乳であっても服を変えることによってとても目に良いぞ。いろんな意味で眼福なものだよ。いやほんとマジで」
「そんなのするわけないでしょ‼︎今すぐに消しなさい‼︎でないと殺す‼︎」
「フハハ‼︎ヴァカめ!あれはもう永久保存版だ‼︎他の端末機にも入れてあるのだから諦めろ!さぁ潔く私の着せ替え人形になるのだぁ〜」
さっきの真面目な話が、こんなふざけた状況になってしまった。
メールでもらった私のコスプレを絶対に堪能して、調子に乗っている。
釣られた私が悪いんだけど、この人はそんな私を目の前でからかっている姿に…
やっぱりこの男にからかわれるのは本当にイライラする!
そんな気持ちでならない。さっきから当てようとしているのにビュンビュンと私のナイフを避けてくる。銃器はいつの間にかレヴェンに回収されてしまったし、凶器として持っているものとしてはこれくらいしかない。
「フハハ‼︎当たらなければどうということはない!」
「なんか楽しそうだなぁー」
レイゼルは加勢しようとはせずにそのまま眺めている。
レヴェンが攻撃を面白おかしく避けている姿を見てだんだん笑えて、ナイフで刺す気もなくなった。
腰が抜けてしまった。
「?サリア」
「ちょっとおかしいから笑って」
確かにレヴェンっていう人にコスプレで釣られて、からかわれて、利用されているかもしれないけれど。
「なんかスッキリした」
「?俺は避けただけでお前には何もしてないぞ?」
この人と一緒にいても存外『苦』じゃないって思ってる。この人は
私のことをちゃんと見てくれるだけで嬉しかったのかもしれない。この人に好きっていうのは本当にどんな人か詳しく分からないからはまだ言えないし、お互いのことを理解したら言おう。
私にとってまだ彼は愛じゃないけど密かな気持ちとしては好き。
彼のことはまだヒルダとレイゼルのような好きでも、お互いのことはまだよく分からないからいきなり親密になるのは難しいけど。
私に彼のような男の友達ができてすごく落ち着いていた。
「もう良いわよやってやるわよ…ただし!着替えを覗かない!許可なしに触ったりしない!私がそれを着ても大丈夫なコスプレ衣装を頼むわね!
この条件を呑んだら貴方のコスプレ服を着てあげるし、お互いのことを理解して親密になったら…その触ってもいいわよ」
「ほぅ、まぁ悪くないな。だが一つ聞きたいことがあるんだけど…ちょこーっとつまむのは?」
「ダメに決まってんでしょ‼︎」
この人に騙されたと思って彼に釣られて、それを見て面白がるだろう。
でも彼は騙してもからかっても、それでも私のことをちゃんと見てくれている。
真面目な話は聞いてくれるし、愛ってほどはないけど。愛するのは時間がかかるけど、私の方はこの人と一緒にいると心が安らぐ。
この気持ちは胸にまだ留めたい。
言うのはちゃんと彼と友達から初めて、付き合ってから言おう。
私は私自身のために、レヴェンのために頑張ることに決めた。レヴェンのために尽くすっていうのも考えたけどまだそんな関係じゃない。尽くしたいときは、彼のことをよく知ってからにしたいって思っている。
私の迷いは彼のおかげで吹っ切れた。
次回予告
レヴェン「どーせ俺には彼女歴=年齢と同じなんですよぉ‼︎マスターはいいよな妹がいて、タスクだって変なことしてもアンジュに愛されている‼︎マスターの方なんか妹と結婚したとしても法律的には合理的だし、リア充共爆ぜろ‼︎」
レイゼル「お前、マスターの幸せは俺の幸せとか言ってなかったっけ?それとキャラぶっ壊れ過ぎるだろ。てゆうかあんなんで解決したけどあれでいいのか?」
サリア「いいのよ。彼に騙されたと思ってやるつもりよ。
彼と一緒にいて吉か凶だったっていうのは長くいてから決めるわ」
アンジュ「それにしてもいよいよ私達の登場ね?」
タスク「ずいぶん待ったような気がするんだけど」
ヒルダ「それにレヴェンあんたの方は恋愛フラグたったじゃないのさ。サリアと」
サリア「ち、ちょっとヒルダ!」
サラ「レイゼルさんは私かヒルダさん…どちらを取るのでしょうかねぇ?」
ヒルダ「そういえば…前回はそうだったねぇ?」
レイゼル(もうこれ、二人が俺の取り合いを勃発するよね)
次回、巡り会う四人