FF14で現代ダンジョン   作:黒蓮華

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30:再びの狂騒の話

 

【悲報】『山の家』の価格設定、強気すぎて全俺たちが死亡wwww【最高15億円】

 

1:名無しの探索者

おい価格発表来たぞ!!!!!

 

Sサイズ:1億円

 

Mサイズ:5億円

 

Lサイズ:15億円

 

……ファッ!?!?!?wwwwww

 

4:名無しの探索者

【悲報】森の家の3倍に跳ね上がる。

Sサイズで1億とか一般探索者お断りエリアで草。

 

11:名無しの元投資家

15億……15億だと……!?

金塊売った端金でなんとか数千万円溜め込んだ俺の夢が、一瞬で露と消えたんだが????

 

18:名無しのBランク探索者

>>11

森の家がSサイズ5000万、M1億、L5億だったから「まあ倍くらいかな〜」と思ってた俺、無事死亡。

職人神(@Craft_God_Unknown)の「金準備しておけよ」はガチの警告だった件。

 

25:名無しのAランク探索者

でも現地に行ってみたけど、この値段の理由が一発で分かったわ。

崖の淵に立つと、足下に本物の雲海が広がっててマジで天空の城。

こんな絶景のプライベート空間買えるなら、Lサイズ15億でも安いレベル。

 

32:名無しのギルド関係者

うちのギルド、第一層で現金引き出しパニックが起きた『森の家』の教訓を生かして、D口座にプールしておいて正解だったわ。

Lサイズ15億、ギルド資金総動員で買いに行くぞ!!

 

41:名無しの生産職

現地立ち入りできるから行ってきたけど、空気清浄すぎるし静かだし最高だな。

まだ家一軒も建ってないまっさらな区画が広がってるだけなのに、どこ切り取っても絵になりすぎてヤバい。

 

52:名無しの探索者

そういえば引越し仕様も判明したな。

『森の家』から『山の家』に引越しした場合、元々持ってた森の家は即座に自動撤去されて、土地が再抽選に回されるらしい。

 

63:名無しのCランク探索者

>>52

マジか!! じゃあトップギルドとか富豪が『山の家』に鞍替えして引越してくれたら、諦めてた『森の家』の5000万の空き区画が市場に出てくるってことじゃん!!

 

71:名無しの一般人

>>63

そっちのワンチャンあるの熱いな!!

山の家は雲海絶景の超ハイエンド向けで、森の家は親しみやすい高級住宅街として流動化するわけだ。

 

84:名無しのギャザラー

山の家の区画、崖のギリギリに建てる予定の場所が多くて笑う。

庭にプライベートエーテライト置くのは必須だな。

歩いて下山しようとしたら絶対崖から滑落するわwww

 

95:名無しの探索者

森の家の時みたいに「現金で払わなきゃ!」って銀行に押しかける馬鹿が今回はいなくてスムーズだなw

みんなD口座からサクッと何十億も決済する準備進めてて、時代の変化を感じるわ。

 

108:名無しのSランク探索者

15億か……ソロで買うにはなかなか骨が折れる額だが、第七層と第八層の希少素材をオークションに出しまくれば届かない額じゃない。

山の家の最優良区画、絶対に俺が落札してみせる。

 

119:名無しの生産職

家自体はまだ建ってないのに、建築予定地のロープ囲みだけで世界中の富豪がツバ飲み込んでて草。

抽選開始日、サーバーとD口座の決済パンクしないことを祈るわ!

 

 

◆

 

 

【大移動】『森の家』住民、一斉に『山の家』狙いで市場が大混乱の模様wwww

 

1:名無しの探索者

『山の家』発表から数時間、富豪と大手ギルドの動きが早すぎて草生える。

今持ってる『森の家』の土地を手放してでも『山の家』のLサイズ(15億)を狙うって息巻いてるギルドが多すぎるだろwww

 

8:名無しの不動産関係者

引越し機能の仕様が神がかってるわ。

買い替えが成立した瞬間に旧物件が自動解体されて再抽選へ回る仕組みだから、第二波の不動産バブルが確定した。

Sサイズ5000万円で『森の家』を買いたかった中堅層が、一斉にD口座の残高確認始めてる。

 

15:名無しのBランク探索者

今まで「15億なんて出せるか!」って叩いてた奴らも、現地の雲海の写真が一枚アップされた瞬間に手のひらクルックルで残高かき集めてるの笑う。

あの景色を毎日独占できるなら、15億は妥当どころか破格だわ。

 

27:名無しの一般人

職人神の一言で、世界中の数千億円規模の資産がD口座経由でシステムへ直接吸い上げられて消滅していくの、いつ見ても凄まじいな。

経済のインフレを抑え込んでるのが「天空のマイホーム」という夢なのが最高に面白い。

 

34:名無しのクラフター

山の家にピッタリな和風ログハウスの家具とか、雲海を眺めるための露天風呂家具のレシピ、早く職人様が投下してくれないかな〜!

買い替えの抽選発表が待ち遠しすぎるぜ!

 

 

◆

 

 

 北米大陸、アメリカ合衆国。

 

 彼らが挑むダンジョンは、日本のそれと地形の細部こそ異なれど、出現するモンスターや階層の構造は全く同じ「もう一つの世界」だった。

 

 第七層『大霊峰』の山腹に設営された前線ベースキャンプ。

 

 アメリカ最強のSランクギルド『リバティ・アイアンズ』のリーダーである戦士のレオンは、凍てつくような冷たい風を避けながら、テントの中で深く息を吐き出していた。

 

「……クソッ、またオピニコスの烈風で前衛が崩された。あの巨大な鳥獅子め、空に逃げられると近接攻撃が届かないぞ」

 

 巨大な戦斧を傍らに置きながら、レオンは苦々しく呟いた。

 

 アメリカはかつて、世界のダンジョン攻略において他国を寄せ付けない圧倒的なトップを独走していた。世界最先端の軍事技術と莫大な資本を投じ、数の暴力でダンジョンを蹂躙してきたのだ。

 

 だが、第五層の終盤――その力関係は、極東の島国によって完全に覆された。

 

 原因はただ一つ。日本に突如として現れた『名無しの職人』の存在だ。

 

 名無しの職人がもたらした完璧なインゴットのレシピ、デジョンとテレポの呪符、そしてマウントの獲得方法。

 

 それらの情報恩恵を最も早く、そして最も正確に享受した日本の探索者たちは、あっという間にアメリカを抜き去っていった。

 

 極めつけは第六層のボス『氷獄竜』だった。

 

 日本には氷獄竜を一撃で粉砕したという謎の『光の騎士』なる人物が現れたらしいが、アメリカにはそんな救世主は来なかった。レオンたちアメリカの攻略連合軍は何週間も血反吐を吐くような死闘の末に、ようやく討伐を果たしたのだ。

 

(あの死闘の最中に【魂の再構築】が実装されていなければ、アメリカのトップ層は全滅していたかもしれないな……)

 

 そして現在。

 

 レオンたちは第七層のボス、巨獣『オピニコス』に挑んでいる真っ最中だった。

 

 空を飛び回り、凶悪な竜巻を放つオピニコスを前に、レオンたちは三度の撤退を余儀なくされ、攻略は完全に足踏み状態となっていた。

 

「おい、レオン! 日本のタイムラインを見たか!?」

 

 テントの入り口をバサッと開け、副リーダーの黒魔道士が血相を変えて飛び込んできた。彼の手にあるタブレット端末には、自動翻訳された日本のSNSが映し出されていた。

 

「日本がどうかしたのか? また新素材でも発見したか?」

 

「日本の奴ら、『オピニコス』を倒したらしい!」

 

「なっ……なんだと!? また先を越されたのか!」

 

 レオンは身を乗り出し、タブレットの画面をひったくった。

 

 そこには、日本のSランク探索者たちがオピニコスを撃撃したというニュースと、あの絶対的な預言者――『名無しの職人』の最新ツイートが表示されていた。

 

『@Craft_God_Unknown

 

 オピニコスの討伐お疲れ。

 

 七層のボス倒したから、新しいハウジングエリア【山の家】が解禁されたぞ。今度は標高が高い山の上だから、八層の雲海を一望できる絶景の土地ばかりだ。見晴らしの良いマイホーム建てて優雅に景色楽しみたい奴らは金を準備しておきな』

 

「ハウジングエリア……『山の家』だと……!?」

 

 レオンの目が驚愕に見開かれた。

 

「レオン、日本の掲示板じゃ大騒ぎだぜ。第八層の雲海が見渡せる、天空の別荘地だってよ。今頃、日本の富豪とトップギルドは土地の抽選に向けて金を集めているらしい。Sサイズで一億円、最高Lサイズで15億円だとさ!」

 

「15億円(約1000万ドル)……! ハウジングにそれほどの値を付けるのか!」

 

 レオンは感嘆の息を漏らした。

 

 彼らアメリカ人にとって、不動産とは単なる住処ではなく、ステータスであり最大の投資対象だ。ニューヨークの最高級ペントハウスやビバリーヒルのメガ・マンションが数十億円で取引される国において、15億円という数字は「出せない額」ではない。

 

 彼らアメリカのトップギルドも、第六層クリア時に解放された『森の家』には運良く当選し、前線基地として大いに活用している。温かいシャワーとふかふかのベッドが、どれほど彼らの命を繋いできたか計り知れない。だが、今回の『山の家』は単なる拠点を超えている。第八層の雲海を一望できる唯一無二のロケーション。成功を掴んだ真の勝者だけが所有を許される、超プレミアムなプライベート空間なのだ。

 

 さらにタブレットをスクロールすると、現地の区画写真が添付されていた。雲を眼下に修め、突き抜けるような青空と神々しい陽光が降り注ぐ崖の上の土地。

 

 レオンの頭の中に、壮大な雲海を見下ろすバルコニーで、高級なバーボンを傾けながら勝利の美酒に酔いしれる自分たちの姿が鮮明に浮かび上がった。

 

「……オピニコスを倒せば、アメリカのダンジョンでも『山の家』が解放されるってことだな?」

 

「ああ、それは間違いないだろう。すでにうちのギルドのオーナーも『いくら出してもかまわん、最優先でLサイズの土地枠を確保しろ』って本国から叫んできてる!」

 

 その瞬間、テントの中にいたメンバーたちの目の色が変わった。

 

 数分前までオピニコスの竜巻に心を折られかけていたのが嘘のように、彼らの身体から猛烈な闘志が湧き上がり始めたのだ。

 

「……おい、お前ら」

 

 レオンは巨大な戦斧を肩に担ぎ上げ、獰猛な笑みを浮かべて立ち上がった。

 

「日本に先を越されたままじゃ、自由の国のプライドが廃るってもんだ。それに……雲海が見える絶景のマイホーム、欲しくないか?」

 

「「「Hell Yeah(当たり前だ)!!!」「USA! USA!」」」

 

 テントの中が、割れんばかりの雄叫びと歓声で震えた。

 

 日本から届いた「オピニコスを倒せば絶景の別荘が手に入る」という情報。それは、どんな強力なバフ魔法よりも強烈に、アメリカの探索者たちの士気を天元突破させた。

 

「各部隊に伝達しろ! これより『オピニコス討伐作戦』を再開する!! 狙うは第八層の扉と……雲海を見下ろす最高の別荘地だ!!」

 

 猛吹雪の吹き荒れる第七層の山腹に、アメリカ最強ギルドの怒号が響き渡る。

 

 彼らは職人神の真の姿を知らない。だが、遥か海を越えた日本から放たれた一つの書き込みが、アメリカのトップ探索者たちを再び絶望の戦場へと駆り立てたのだ。

 

「待ってろよ、オピニコス! その首と引き換えに、俺たちは天空のリゾートを手に入れるんだ!」

 





ダンジョンは国別に存在します。
日本サーバー、アメリカサーバーみたいなイメージでお願いします。
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