FF14で現代ダンジョン 作:黒蓮華
【美容革命】ダンジョン素材の高級美容液『エーテル・ヴェール』効果ヤバすぎワロタwww【マイナス10歳】
1:名無しの探索者
先週発売された『エーテル・ヴェール』。
嫁に泣きつかれて給料の半分飛ぶ値段だったけど買ってあげたんだ。
……今、目の前に結婚前の20代の頃の嫁がいるんだが???
4:名無しの一般人
うちのオカン(55)が使って1週間経ったんだけど、マジで40代前半、下手したら30代に見えるようになってて親父が動揺しまくってる。
12:名無しの一般人
お前らステマだろw 美容液で10歳若返るわけないやんけw
18:名無しの探索者
>>12
マジなんだよなぁ……。ダンジョンのポーション成分を希釈して、肌のターンオーバーを強制促進させてるらしい。
シワとかシミとかたるみを「肌のダメージ」としてシステム的に修復してる感ある。
25:名無しの一般人
嫁が使ってるけど、初日の翌朝の時点で「肌の張りが段違い!」って洗面所で悲鳴上げてたわ。
1週間塗り続けた結果、マジでほうれい線が消滅しててビビる。ダンジョンの魔法ヤバすぎだろ。
33:名無しの一般女性
これ美容業界というか、美容整形外科の歴史終わったでしょ。
数十万かけてリフトアップの糸入れたりレーザー治療したりするより、エーテル・ヴェールを毎晩塗った方がノーリスクで効果絶大とか。
42:名無しの一般人
「高すぎる!」って文句言われてたけど、効果がガチだと判明してからは「逆に安すぎる」ってなって転売ヤーが群がりまくってる。
今、フリマアプリで定価の5倍で売れてて草も生えない。
55:名無しのクラフター
ちょっと待って!
製薬会社と化粧品メーカーがポーションの材料を無限に買い上げてるせいで、ダンジョン第一層~第三層の『薬草』と『天然水』の買取価格が先月の10倍になってるんだけど!!?
61:名無しの探索者
>>55
それなwww
昨日、初心者Dランク探索者のガキ共が、スライムから逃げ回りながら必死こいて薬草むしってるの見て笑ったわ。
今、低層で安全に草むしりしてるだけで時給数万の超絶バブルだぞwww
74:名無しの女性探索者
私、Aランクの魔法使い(38歳)。
今までダンジョンの乾燥と紫外線対策で日焼け止めと保湿クリーム何個も持ち込んでたけど、エーテル・ヴェール1本あれば完璧。
モンスターの返り血浴びて肌荒れしても、夜にこれ塗って寝れば翌朝には赤ちゃん肌。一生手放せない。神。
88:名無しの探索者
これ元を辿れば、職人神が昔公開した『ポーションの基礎レシピ』のおかげなんだよな。
95:名無しの一般人
職人神、ついに女性たちから「美の神」として崇められ始めてて草。
105:名無しの探索者
職人神「探索者共がすぐ死ぬから回復薬のレシピ教えたるわ」
製薬会社「これコスメに応用できるのでは!?」
女性たち「神!!!」
おっさん探索者「俺の嫁が10歳若返った! 神!!!」
職人神「えっ」
112:名無しの探索者
>>105
絶対こうなってるわwwww
125:名無しの一般人
ただこれ、効果が劇的すぎるせいで、会社とかで「あれ? 〇〇さん急に若返ってない?」ってざわつかれるらしいな。
132:名無しの一般人
うちの女性課長(48)、今週月曜日に出社してきたら肌ツヤツヤのピッチピチになってて、部署内の男どもが全員二度見したわ。
誰も触れられなくて変な空気になってるwww
140:名無しの新種族(ミコッテ)
私たち新種族にとっても嬉しいです!種族が変わったから既存の化粧品が合わなったりするみたいなんですが、ポーション由来なら問題無く使えます!
155:名無しの探索者
職人神様、マジで頼むから素材の枯渇防ぐために上級の美容レシピは出さないでくれよ……!
昨日うちのタンクのおっさんが「俺もシミが消えるかな」って嫁の美容液勝手に使って、ガチの夫婦喧嘩になってるんだから!!
168:名無しのクラフター
全クラフターとギャザラーに告ぐ。
今夜から第一層の『薬草』狩り尽くすぞ!!
化粧品メーカーからの発注が止まらねぇ!!! 時代は武具じゃねぇ、ポーションコスメだ!!!
◆
【悲痛】大手化粧品メーカー研究員だけど『エーテル・ヴェール』の前に絶望してる【廃業の危機】
1:名無しの研究員
もう無理だ……。
うちの会社、今年度の目玉として何億もかけて開発した新成分の抗シワ美容液が来月発売なんだよ。
でもエーテル・ヴェールを試した社内の女性研究員たちが「うちの新製品、売るのやめません……? 比較されたら会社終わりますよ」って青ざめた顔で報告してきて開発室が通夜状態。
5:名無しの一般人
>>1
マジで競合他社は溜まったもんじゃないだろうな……。従来の「有効成分を肌に浸透させる」とかいう概念そのものが、ダンジョン成分の魔法的修復の前では児戯に等しいし。
12:名無しのコスメ業界人
うちのマーケティング部も大パニックを起こしてるわ。
これまで「毎日の地道なお手入れが大事」ってブランディングしてきたのに、一晩で肌のダメージを完全に修復するようなバケモノ商品が出てきたら、従来の化粧品なんてただの気休めって思われちゃうじゃん……。
19:名無しの研究員
>>12
本当にそれなんだよ。
既存の有効成分をどう組み合わせても、ポーションの「組織再生・細胞の強制不活性化解除」みたいな反応は絶対に再現できない。
上層部からは「我が社もすぐにダンジョン素材を使った類似品を作れ!」って怒号が飛んでるけど、ポーションの抽出精製ラインなんて一朝一夕で組めるわけないだろ……。
24:名無しの研究員
今から真似しようにも、まずは素材を大量買い占めなきゃいけない。でも肝心の『薬草』は探索者協会経由で争奪戦になってて、原材料の確保すら怪しい状態なんだ。
30:名無しの開発担当
私、別の大手化粧品メーカーの企画にいるけど、マジで今夜は眠れそうにない。
社内の研究員たちが「職人神様のポーション基礎レシピを読み直して、ゼロから調合の勉強し直します」って言い出して、化学者がみんな錬金術師の教本を開いてるカオスな状況になってる。
45:名無しの一般人
化学の敗北、錬金術の勝利って感じで歴史の転換点を目撃してる感あるな。
まあでも、既存の化粧品会社も倒産するよりは、必死にダンジョン素材の研究にシフトして、もっと安くて良いものを普及させてほしいわ。
◆
美容業界が『エーテル・ヴェール』の登場によって空前の熱狂と激震に包まれていた裏で、現代医療の現場にも、静かで、しかし確実な革命の波が訪れようとしていた。
都内にある大学病院の特別病棟。
先天的な重度の臓器疾患を患い、ベッドから起き上がることすらままならない少年、颯太の病室を、主治医である白川が訪れていた。
「先生……颯太の容態は……」
すっかりやつれてしまった母親の問いかけに、初老の医師である白川は、優しく、しかしどこか力強い眼差しで頷き返した。
「お母さん、颯太くん。今日はお二人に、とても大切で、そして前向きなお話を伝えるために来ました」
白川はベッドの傍らにパイプ椅子を引き寄せ、颯太と目線を合わせるようにして座った。
彼が手にしたカルテの横には、一本の小さなガラス小瓶が大切に添えられていた。中には、星屑を溶かし込んだような、神秘的で淡い虹色の液体が満たされている。
「実は最近、ダンジョンの『エリクサー』を応用して新たに開発された、画期的な治療薬の臨床試験の承認が下りたのです」
「エリクサー……! それなら、颯太の病気もすぐに……!」
母親が縋るように身を乗り出すが、白川はゆっくりと首を横に振った。
「誤解されがちですが、通常のエリクサーはゲームの中のような『全回復する万能薬』ではありません。怪我を治癒し、体力を回復させることはできても、病気そのものを消し去ることはできないのです」
白川は小瓶をそっと手に取り、真摯な声で続けた。
「ですが、研究者たちは諦めませんでした。エリクサーの成分を極限まで精製し、『患部に直接働きかけて組織の再生を爆発的に促進させる方法』を見つけ出したのです」
「患部に、直接……?」
「はい。このお薬単体で病気が治るわけではありませんし、癌のような細胞の異常増殖を伴う病気には適応できません。しかし――外科手術と組み合わせた時、このお薬は真価を発揮します」
白川は颯太の小さな手を、自分の温かい手で包み込んだ。
「颯太くんの病気は、これまで体力の問題と、手術に耐えうるだけの組織の再生力がないため、メスを入れることができませんでした。ですが、手術中に患部へこの新薬を直接投与すれば、傷ついた組織が奇跡的な速度で定着し、手術を乗り切れる可能性があります。……まだ実用化前の段階で、安全性や有効性を最終確認するための『治験』という形になりますが、颯太くんはその第一号の患者として選ばれました」
「ほんとうに……? ぼく、またお外でサッカーできるようになるの……?」
酸素マスクをつけた颯太が、弱々しい声で、けれどかすかな希望の光を宿した瞳で白川を見つめた。
「ええ。とても難しい手術になりますし、治験である以上『絶対に大丈夫だ』という魔法の言葉は言えません。……でも、私はこの新薬が、颯太くんの未来を繋ぐ希望の光になると信じています。お母さん、治験への同意をいただけますか?」
白川の真摯な言葉と治験説明に、母親は涙を流しながら深く頷き、書類に震える手でサインをした。
「お願いします……っ。あの子が、また元気になれる可能性があるのなら……どうか、颯太を助けてください……!」
「お母さん、ありがとうございます。一緒に頑張りましょう。颯太くん、お医者さんたちも全力で君をサポートするからね」
数週間後。
治験計画に基づき、厳重な医療体制が敷かれた無影灯の下で、颯太の手術が行われていた。
メスが入り、長年少年の身体を蝕んでいた病巣の切除と、複雑な縫合が行われていく。通常であれば、これほどの大規模な切除と再建は、少年の体力がもたず術中死のリスクが極めて高い。
「――治験薬、投与します」
白川の合図とともに、シリンジに吸い上げられた虹色の液体が、縫合されたばかりの患部へと直接滴下された。
その瞬間だった。
淡い光が患部に染み渡ると、顕微鏡越しのモニターに映る細胞組織が、信じられない速度で結びつき、定着していく。まるで時間を早送りしたかのように、術部のダメージが修復され、生命の力強い鼓動が蘇っていくのだ。
「……定着を確認! バイタル、極めて安定しています!」
助手の震える声に、白川はマスクの下で深く安堵の息を吐いた。
さらに数日後。
病室のベッドの上で、颯太は穏やかな寝息を立てていた。ずっと不規則だった心拍や血中酸素濃度の数値は、今や嘘のように正常な波形を描き、青白かった頬には健康的な赤みが差している。
「……先生、息が……苦しくないよ……。体が、あったかい……」
微かに目を開けた颯太の言葉に、病室を包んでいた張り詰めた空気が、歓喜の涙へと変わった。
「ああ……良かった。治験は大成功だ。本当によく頑張ったね、颯太くん」
白川は目頭を熱くしながら、少年の頭を優しく撫でた。
これまでどれほど医学の粋を集めてもメスを入れられなかった命が、ダンジョンからもたらされた神秘の力と、それを人々の命を救うために安全な形で応用しようと尽力した者たちの執念によって、今ここに救い出されたのだ。
エリクサーの力を用いるこの新たな治療の成功は、やがてこれまで手術不可能とされてきた多くの難病患者たちに、確かな「明日を生きる希望」をもたらすことになる。
人類とダンジョンの共存は、いよいよ医療という最も尊い領域において、静かな、しかし確実な夜明けを迎えようとしていた。