FF14で現代ダンジョン 作:黒蓮華
【朗報】『第九層』攻略完了!! 第十層への扉が開かれたぞおおおwww【歓喜】
1:名無しの探索者
きたああああああああああああああああ!!!!
第九層突破完了!!!!!第十層解禁速報キタァァァァァッ!!!!!
4:名無しの探索者
うおおおおおマジかよ!!
『防雷のマテリア』が出回り始めてから一気に加速したな!
わずか三ヶ月で突破とか、日本の攻略組有能すぎるだろ!!
11:名無しのAランク探索者
最奥の『雷電竜』を倒してクリアってことだよな?
あの巨大な黒い龍、画像で見てるだけでも威圧感ヤバかったのに、一気に押し切った攻略部隊マジで凄いわ。
18:名無しの一般人
お前らおめでとう!!
これでまた新しい階層の素材とか買い取りが始まるのかな?
雷雲の次はどんな世界が待ってるのか楽しみすぎる!
25:名無しのギルド関係者
現場から第一報が上がってきたけど、何か様子がおかしいぞ……?
33:名無しの探索者
>>25
え? どういうこと?
42:名無しのギルド関係者
>>33
いやなんか、光の騎士が現れたって…
51:名無しの探索者
は????????
光の騎士ってあの!?
63:名無しの一般人
おいおいマジか!!??
あの第六層で『氷獄竜』を一撃で粉砕して姿を消した、あの【光の騎士】がか!?
78:名無しの探索者
嘘だろwwww 再び降臨したってこと!?
雷電竜を倒した直後に現れたんか!?
89:名無しの一般人
【朗報】光の騎士様、再び降臨した模様wwwww
95:名無しのAランク探索者
現場にいた精鋭たちの書き込みがSNSに上がってきてるけど、マジで光の騎士が現れたっぽいぞ。
でも情報が錯綜してる、何がなんだか分からん……
◆
【衝撃】第九層の『真の階層主』と光の騎士の真相がヤバすぎる件www【鬼武者】
108:名無しのSランク探索者
現場にいたから真相を話すわ。
結論から言うと、俺たちが死闘を繰り広げてた『雷電竜』は、ただの前座だった。
115:名無しの探索者
ファッ!?!?!?wwwwww
あの雷電竜が前座ぁ!?!?
あんな化け物が中ボスとか第九層狂ってんだろwww
123:名無しのAランク探索者
>>108
マジかよ……。じゃあ本当の階層主は誰だったんだ??
132:名無しのSランク探索者
>>123
雷電竜にトドメを刺した直後、広場の奥の洞窟から尋常じゃない殺気?闘気?みたいなものを感じたんだ。
そこに全員で突入したら、広大な地下闘技場があって……四本腕で赤熱した大太刀を構えた、昆虫甲殻の巨漢――『四刀流の鬼武者』が光の粒子になって崩れ落ちてるところだった。
141:名無しの一般人
四刀流の鬼武者……!?
名前聞いただけで絶望的な強さなの分かるんだが???
155:名無しのSランク探索者
ああ。あんなの絶対、攻略組全員で挑んでも半滅以上の被害が出るレベルの化け物だったぞ。
で、その崩れ去る鬼武者の残骸の真ん中に立っていたのが――純白の甲冑を纏った『光の騎士』様だったんだよ。
168:名無しの探索者
うおおおおおおおおお!! マジで光の騎士様が一人で裏ボス倒してたのかよ!!
179:名無しのBランク探索者
つまり、攻略組が命がけで前座の『雷電竜』と戦っている間に光の騎士様が真の階層主『四刀流の鬼武者』をタイマンで撃破。
攻略組が駆けつけた時には、すべてが終わっていたってこと?
190:名無しの一般人
>>179
光の騎士様スタイリッシュすぎだろwwww
かっこよすぎて濡れたわ。
205:名無しのAランク探索者
俺もその場にいたけど…光の騎士は、崩れ去る鬼武者を見届けた後、一言も発することなく去っていった。
一目見ただけで格が違うって分かる、声も掛けられないほどの神聖な圧があった……。
218:名無しのギルドマスター
第六層の氷獄竜に続き、第九層でも救っていただくとは……。
マジで光の騎士様には足向けて寝られないわ。各ギルドでお金を出し合って感謝の礼拝堂建てたいレベル。
230:名無しの探索者
で、その鬼武者の後ろにあった大門の先はどうなってたんだ!?
第十層の様子は!?
242:名無しのSランク探索者
>>230
大門をくぐった先は……言葉を失ったわ。
今までみたいな洞窟とか雲海じゃなくて、果てしなく巨大『神殿エリア』だった。
255:名無しの一般人
神殿エリアぁぁぁぁぁ!!??
また新しいファンタジー要素キタコレ!!
268:名無しのAランク探索者
天井がどこにあるのか分からないくらい高くて、荘厳な大理石の巨大な柱がどこまでも立ち並んでて、ホント凄かった。
建造物のスケールがデカすぎて、まるで巨人族の神殿に迷い込んだみたいだったよ。人間がゴミみたいに小さく感じる。
275:名無しのSランク探索者
しかも、その巨大な神殿の壁一面にあるアーチ状の窓からは、雲一つない青空が広がってたんだよ。
まるで天空の城に来たような不思議な感覚だったわ……。絶対これかなりの高所にあるぞ。
281:名無しの生産職
天空の神殿ってことは、古代の魔導具とか財宝がゴロゴロ眠ってそうな予感……!
クラフター的にもワクワクが止まらねぇぞ!!
295:名無しの探索者
前座の雷電竜、真ボスの鬼武者単独討伐、そして第十層『神殿エリア』の開幕……。
今日一日で情報量が過密すぎて頭パンクしそうだわwww
310:名無しの一般人
何はともあれ、光の騎士様のおかげで無傷で第十層に到達できたのは大勝利だな!
職人神様もそろそろ神殿エリアの解説か新レシピ投下してくれるだろ! 楽しみに全裸待機するわ!
◆
シュォォォン……ッ!
テレポの眩い光が収束すると、そこは静寂と心地よい海風に包まれたミスト・ヴィレッジの我が家――白亜の豪邸のテラスだった。
第九層の地下闘技場で繰り広げた四本腕の鬼武者との激闘、そして間一髪での『光の騎士』への換装と緊急脱出。
張り詰めていた緊張感が一気に弛緩し、閃はシステムウインドウを操作して純白の甲冑をサッと解除した。
ギアセットに登録してあるいつもの漆黒のジャケット姿に戻ると、そのままテラスのフカフカなソファーへと背中から倒れ込む。
「ふぅぅ……っ、あっぶねぇ……。マジでギリギリだったな」
天井の木漏れ日を見上げながら、閃は深く息を吐き出した。
もしあの鬼武者を倒した直後、他の探索者たちに「Aランク探索者・日下部閃」として鉢合わせしていれば、今頃世界中のニュースとSNSが「期待の若手探索者が単身で階層主をソロ討伐!」という大パニックで埋め尽くされていたはずだ。
(あいつら、雷電竜を倒してすぐに雪崩れ込んでくるとは思わなかったぜ……。ギアセットがなかったら完全にアウトだったな)
閃はぽりぽりと頭を掻きながら、ポケットから真珠のような小さな球体――『リンクパール』を取り出した。
耳元に添えて指先で魔力を込め、離れた第九層の最奥にいる仲間たちへ【念話】の回線を開く。
同じ『リンクシェル』から作られたこのパールを持つ者同士は、ダンジョンの階層や物理的な距離に関係なく、エーテルを介して直接脳内で念話ができる。
前世のゲーム時代、閃が立ち上げていた三つのリンクシェルがそのまま手元に残っていたため、つい最近になってエリカたちに配ったのだ。
以前、ボロアパートでエリカといちゃついて帰宅が遅れた時、ルトラたちから「今後はいつでもどこでも連絡を取れるようにしてくださいね?」と冷たい笑顔で詰め寄られたのが導入の最大の理由なのだが、それは思い出したくない。
『――あー、俺だ、みんな聞こえるか?』
一瞬の静寂の後、安堵の混ざった三人の声が脳裏に直接響いた。
『あ、閃くん! 無事に帰れたのね!』
『マスター、お疲れ様でございました。見事な手際と早着替えでございましたね』
『マスター凄かったにゃ! 洞窟に入ってきた周りの探索者たち、みんな口開けて固まってたにゃー!』
脳内で賑やかに弾ける声に、閃は思わず苦笑いを浮かべた。
『まあ、なんとか正体がバレずに済んで良かったよ。……それで頼みなんだけど、俺は雷電竜を倒した後、一足先に帰ったってことにしておいてくれないか?』
『了解したわ! 周りの人たちも「光の騎士様が真の階層主を倒して道を切り拓いてくれたんだ!」って大盛り上がりで誰も私たちのことなんて気にしてないから、上手く話を合わせておくわね』
『はい。第十層の大門の確認と撤収作業が終わりましたら、私たちもすぐに帰還いたします』
『美味しい夕飯準備して待っててにゃー!』
「おう、気をつけて帰ってこいよ」
念話を切り、閃は「やれやれ」と肘掛けに身を預けた。
これでひとまず「日下部閃」としての平穏な立ち位置は保たれたわけだ。静かな波の音を聞きながら、テーブルに置かれていた冷めたハーブティーを一口含もうとした――まさに、その時だった。
『第九層が攻略されました。【マテリアシステム】を全面開放します』
「……ぶっ、ゴホッ!?」
脳裏に響いた澄んだシステムアナウンスに、閃は思わずむせ返った。
「やっぱり来たか……いや、だが……全面開放、だと…」
先日の第八層クリア時に解禁されたのは、あくまで特定属性のダメージを抑える『耐属性マテリア』という限定的なものだった。
しかし、今アナウンスされたのは【マテリアシステムの全面開放】である。
それはつまり、武具に装着することで『クリティカル率』や『スキルスピード』『意思力』といった、戦闘ステータスそのものを爆発的に引き上げる本丸の解禁を意味する。
そして――。
(クラフター用の『作業精度』や『加工精度』、ギャザラー用の『獲得力』を上げる生産・採集用マテリアもすべて開放されたってことだろ!?)
防雷のマテリアによる恩恵だけでも、世界中の探索者とクラフターが大バズりし、市場経済と装備需要が激震したばかりだ。
そこに加えて、あらゆるステータスを直接底上げするマテリアが世に出回るとなれば――もはやこれまでの装備品や戦術の常識は、根底から完全に覆ることになる。
(これは……世間の探索者やクラフター達がまた騒ぎ出すぞ……)
ダンジョン内のモンスターを狩り、低確率でドロップするマテリアを集め、クラフターに大金を払って武具に装着してもらう。さらなる高みを目指す探索者たちにとって、どこまでも強さを追求できる無限の収集・強化システムだ。
……しかし、このシステムには更なる深淵が存在していた。
モンスターからのドロップ以外にも「マテリアを入手するもう一つの特殊な手段」が存在すること。
そして、安全な装着の限界を超えた先には、資産を丸ごと溶かしかねない「地獄のような強化の試練」が待ち受けていること。
第九層の過酷な雷雲を突き抜け、ついに二桁台――第十層の『神殿エリア』へと扉が開かれたこの日。
また一つ、世界の攻略速度と経済を異次元へと引き上げる壮大なシステムが開放されたことを確信し、閃は呆れ交じりの、けれどクラフターとしての高揚感を隠しきれない笑みを浮かべるのだった。