依頼を受けて、荷物を運び届けて、報酬を貰う。
それだけで充分、それだけが私の役目で私の仕事。
荷物を運ぶ、時には足で、時には車両で、如何なる手段を用いて必ず依頼人の所へ届ける。
客を選ぶ事はしない、キヴォトスの大物から一般人、凡そ堅気とは呼べない人間であっても構わない、何故なら私は荷物を届けるだけだ、それでいい。
本日の依頼はアビドス高等学校、結構なお得意様で内容物は大凡弾薬や医療品等の補給物が多数、結構多めに注文が入るので気持ち多めに持って行く事にしている。
実を言うならばあの学校の状況は知り得ている、なんでも多額の借金があり自治区も少しずつ切り崩して二束三文の金で利息を払っているんだとか、まぁ根無草の私には関係ないが。
砂漠地帯があるからか乾燥している、水分はこまめに補給しておかなくてはならない、普通はこんな道使わないが私は普通に使う、街中だと変な輩に絡まれる可能性がある、無論返り討ちに出来なくはないがそれでは荷物が傷ついてしまう恐れがある、無用な争いは避けるに限る。
こまめに左肩のセンサーを発動させて生体反応から地形の情報まで読み取る、どうやらヘルメット団や機械兵は居ないらしく駆け抜けるチャンスだ、迅速に且つ慎重に、最優先事項は荷物の安全だ。
暫く走らせているとバイクのエネルギー残量が少なくなってきたのか警告音が出ている、出発前には満タンだったはずだがどうやら悪路+長距離で早くも黄色信号の様だ……コイツとも長い付き合いだから経年劣化もあるか、これは今回の報酬内容は決まったかな。
特に何事も無く学校に到着、最後の生徒会の一員である小鳥遊ホシノが対応してくれている、まぁ廃校対策委員会は非公式の部活だからな、早めになんとかした方がいいのだがそれを態々伝えるのは深入りしすぎという物だ。
「……うん、荷物の状態は完璧だよ、いつも悪いねぇ」
「問題ない、頼まれたならきっちり運ぶ、それが私の仕事だからな」
報酬に関してだが基本は現金だが得意先になるとある程度融通を効かせれる、というのも先程も述べたがこの学校には金銭的な余裕がない、なので代わりに車両の充電と柴関というラーメン屋にてご馳走に預かっている、締めて充電代とご飯代がアビドスへの配達の報酬という訳だ。
なにしろここのラーメンは美味い‼︎一仕事を終えた後なのもあってより美味さを感じ取れる、良い仕事は良い食事からとはよく言ったものだ。
そんな事もあってかここの大将ともすっかり顔馴染みとなった、愛嬌のある犬顔だが粋な心も持ってる、カイザーからの立ち退き命令が出ていた筈だがそれを突っぱねる度胸もある、私としてもこの店の味が失われるのは本望では無いし何よりここで未だ暮らす人々は心が強い、ちょっとやそっとでは崩れないだろう。
ここでの仕事は終わった、少しばかり道草を食ったが問題はない、すぐに次の依頼に移ろう。
「あぁ、靴も新しくしなきゃいけないな……」
なんてぼやきながらバイクを走らせていると行く手を阻む様にして人影が立ちはだかった、そのまま跳ねてもよかったのだが車体が凹むのは気分が凹むので律儀に止めてやった、一律してヘルメットをしてる辺りこの辺りを張ってるヘルメット団だろうな。
「荷物奪取ならもう遅いぞ、今し方荷下ろしを終えたばかりだ」
そういうとリーダー格らしい奴が周囲の手下を下がらせてのこのこと出てきた、このらしい、というのはどいつもこいつも似た様な
「荷物に用は無い、用があるのはお前の身柄だ」
「すまないが私にそっちの趣味は無い」
「私等にもねえよ‼︎」
違うらしい。
「ッチ、お前が荷物配達と称してあのアビドスに補給品を渡してるのは知ってる、それがこっちとしては目障りなのさ」
「だったらそっちも私に依頼すれば良いだろ、私は人を選んで仕事しない主義なんだ」
私の発言にヘルメット団に少しばかりの動揺が現れる、どうやら情報を仕入れたのはヘルメット団ではなく別の団体、まぁ凡そカイザーだろうなアイツ等私の事毛嫌いしてるしな、まぁ奴等が抱え込む配達シェアの5〜6%が私に移ったからなんだが。
後私の発言も別に嘘じゃない、私は荷物を運べれば良い、仕事に対して無責任になりたくないから最低限報酬は貰ってはいるが、本当に最低限だ。
「とにかくだ‼︎こっちとしてはお前にこれ以上ここで仕事されると困るんだよ」
「《お前達》が、じゃなくて《お前達のケツモチ》がだろう、お前達は所詮使い捨ての雑兵、居なくなっても困る物じゃない。
さっさと降りた方が良いぞ、沈没寸前の泥舟なんていつまでも乗るものじゃないしな」
早くどっか行ってくれ、後がつっかえてるんだよ。
「〜‼︎この運び屋風情が、調子乗ってんじゃねえ‼︎」
「──あ?」
予定変更、コイツ等を潰す。
人には其々地雷がある、それの起爆条件は様々だが態度や行動、言動なんかが大凡の起爆条件。
コイツは今、私の前で言っちゃならない事を言ってしまった。
運び屋なんかじゃない
「御理解頂けたかな?その旧世代の耳の穴と頭の中によく馴染ませておくんだな」
私は首に紐が巻き付き苦しそうにしているヘルメット団を足蹴にそう言った、別に返事は聞きやしない、どうせ喋れないからな。
当然の様に無傷、この程度の生徒が頭数だけ揃えただけで制圧される程私はやわじゃない、荷物を完璧に届けるには相応に強くなくてはならないのだ。
尤も私は配達人であって傭兵じゃない、戦闘は本業じゃないし人を徒に痛め付ける趣味もない、私がやる事は依頼を受けて、荷物を届ける事。
主人公:糸岸パズ(愛称としてパスと呼ばれる事が多い)
年齢:18歳 性別:女 所属:フリー
身長:170cm位をイメージ 体重:配達業で鍛えられてるからか結構重
趣味:荷物配達
強さ:天井組が10とするなら6〜8辺り、荷物の有無で変動する
得意武器:特に無し、強いて言うならハンドガンタイプ
ホシノが対応してるけどちゃんと他の四人はいるよ、この世界のアビドスは配達人に依頼してるので本編軸より物資には幾らか余裕がある。
まぁ本編ストーリーに毛の先ほどの影響があるかなくらい