ドタバタ!秋の温泉旅行!   作:キズカナ

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ご無沙汰してます。
今回、友人の方からコラボのお誘いを受け私が執筆させていただきます。

注意事項を読まれたとは思われますが、かなり独特な内容が含まれますので、それを念頭に置いた上でご覧下さい。

それではどうぞ。


始まりの鐘

 10月某日。

 夏の蒸し暑さも解消され、過ごしやすくなった時期。街ゆく人は徐々に袖の長い服へと衣替えをし、木々は緑の葉が黄色やオレンジ色に変わり始めている。後2ヶ月で1年が終わるという事もあり、それに向けて準備を始める人もいるだろう。

 

 この日、先田みちるは友人の佐倉勇と水澄千歌を連れて商店街で買い物をしていた。

 

「ふう……。とりあえず買い出しはこんなもんかな?」

「いや〜、助かったわ。やっぱ3人で探すと早いな〜」

 

 一通り集まったものをベンチに置いて3人はひと息ついていた。

 

「それにしても……これって先田さんのお父さんから引き受けた仕事のお使いですよね?」

「そや?」

「今回買ったものって結構ジャンルバラバラでしたけど……先田さんのお父さんってなんのお仕事をされてるのですか……?」

「んー、ウチにもわからん。なんか色んなことやってる仕事とは聞いとるけどな」

「は……はぁ……」

 

 みちるの返答に千歌は釈然とはしないものの、そう返すしか無かった。

 

「そういえば買い物をした際にこんなものをいただきましたが」

 

 千歌は懐から10枚の抽選券を取り出し、みちるに渡した。

 

「あ、それ俺も貰った」

 

 勇も15枚の抽選券を取り出した。

 

「ウチが持ってるので25枚かぁ……」

「とりあえず抽選会場に向かいますか」

「だね」

 

 3人の抽選券をみちるに集中させた所でチラシに書いてある抽選会場へと向かう。

 ちなみに今回はみちるの父から頼まれたお使いであり、お金もみちる父持ちであるから、抽選はみちるが全部行っていいということになったのだった。

 

 

〇 〇 〇 〇 〇

 

 

「はい、参加等のポケットティシュです!」

 

 抽選会場では2人の女性店員が対応を行っていた。1人がお客さんに対応し、もう1人が景品を持ってきていた。

 

「次の方どうぞー!」

 

 そんな中、勇たちの番が回ってきた。聞きなれた声だな……と思っていた勇だが、声の主の顔を見ると全ての合点がいった。

 

「つくし?」

「勇さん!?」

 

 そこに居たのは勇とも縁が深い二葉つくし、そして彼女と同じく羽沢珈琲店のバイトをしている椎名立希だった。

 

「今は……バイト中?」

「はい! 商店街の皆さんで担当時間をきめて店番をしてるんです! それで今は羽沢珈琲店が担当する時間なんですけどつぐみさんはお店番があるのでバイトに来てた私たちできたんです!」

「そっか。流石つくしだな」

「勇さん……。私はリーダーですから! これくらい当然です!」

 

 勇に褒められて照れながらも「ふふーん!」と自信満々に胸を張った。

 

「流石二葉さんですね。そしてもう1名は……」

 

 千歌がそういった時、奥の方に行っていた立希が戻ってきた。

 

「あ、立希、お疲れ様」

「お疲れ様です……、げっ……」

 

 立希は声をかけてきた勇に挨拶をしていた矢先、一緒にいた千歌の顔を見て怪訝な顔をした。

 

「……(とりあえず気づいてないふりを…)」

「お疲れ様です椎名さん。人の顔を見て『げっ』とは随分なご挨拶ですね」

「……オツカレサマデス」

「椎名さん、なぜ目を逸らすんですか?」

 

 千歌に詰め寄られるものの立希は頑なに視線を逸らし続けた。

 軽く説明すると立希は燈のことになると暴走しがちであり、そこに獅音という少年が絡むと普通の人には手がつけられなくなるほど暴れ散らかしてしまう。その度に千歌と颯樹、そして京介による処罰が執り行われてる為、彼女からすれば千歌と出会うとろくな事が無いという認識なのだろう。

 

 まあ、自業自得と言われれば否定は出来ないが。

 

「ま、まあまあ! 勇さん、抽選でしたよね? 抽選券を確認してもいいですか?」

「あ、うん。まあ、やるのは俺じゃないんだけど……」

「はーい!」

 

 みちるが元気に手を挙げ「私がやります!」と言わんばかりの覇気を見せた。

 

「えーっと、25枚あるので5回お願いします」

「よっしゃ! 絶対当てたるでー!」

「みちる、壊さないようにな?」

「流石にそんなことせぇへんわ!!」

「それをやりそうなのが貴女なんですが……。ところで一体何を狙ってるんですか?」

「うーん……、あ! あれええな!」

 

 そう言ってみちるが指さしたのは3等の『最新型ミシン』である。

 

 

「あれって……」

「確か最近発売された万能ミシンですね。従来のミシンより性能がいいと聞いています」

「せや! あれならいろんな服作るの捗るからな! 後もしまたバンドで集まる時に皆の服作るのに役立ちそうやし……、それに前から気になっとったんよ!」

「……なるほど。それにしてもこの抽選、景品がすごい豪華ですね」

 

 千歌はそう言って景品を見た。特賞は2泊3日の大人数温泉旅行、1等は最新型掃除機、2等はみちるが狙ってる多機能ミシン、3等は蟹、4等はお肉、5等にお菓子詰め合わせ、そして参加賞のポケットティッシュとなっている。

 

「ちなみに大丈夫なんですか? 景品をこんなに豪華にして……」

「はい。今回商店街の記念フェスって事なので景品もかなり奮発したって聞いてます。」

「なるほど。その分お客さんが買い物をして還元するって形ですか」

 

 つくしから話を聞いて「よく考えられてますね」と納得してる千歌を他所に、みちるは軽く両肩を回して気合十分といった感じで新井式回転抽選機のハンドル部分に手をかけた。

 

「勇、ちかちー、ミシン当てたら2人の服作ったるから待っときや」

「取らぬ狸の皮算用はいいので回してください」

「てかこれ、下手すりゃ死亡フラグでは?」

 

 勇と千歌の心配のもと、みちるは抽選機を回し始めた。

 

 

 

〇 〇 〇 〇 〇

 

 

 

 

「ううっ……」

 

 抽選が全て終わり、3人は羽沢珈琲店に移動していた。

 みちるは顔をテーブルに伏せて泣き崩れており、勇と千歌は「どうしたものか」と言わんばかりに彼女を見ていた。

 

「……先田さん、そんなに凹むことはありませんよ。確率を考えれば仕方ないことですし」

「ううっ……ミシン……、ウチのミシン……」

「いや、別にみちるの物では無いんだけど」

 

 この光景を見てくれればわかる通り、結論から言うとミシンは当たらなかった。机の上には先程獲得した参加賞のポケットティッシュが4つ散乱しており、何袋かは既に涙を拭う為に使用されていた。

 

「……まあ、あの結果はそれ以上の驚きでしたけどね」

「まぁなぁ……。てか寧ろ運が良かったと言うべきなのかどうか……」

 

 そう言って勇がカバンのクリアファイルから取り出した封筒。それにみちるが抽選した最(・)後(・)の(・)1(・)つ(・)の(・)景(・)品(・)が入っていた

 

 

 その封筒の中には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんと特賞の『温泉旅行券』が入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、どうするんですかこれ」

「さあね。一応確認したら最大9人で行けるって話らしい」

「なんでそんな大人数で行くこと想定で組み込まれてるのか些か疑問ではありますが……、宛が無いようなら私たちで人を集めていくしか無いでしょうね」

「……で、みちるはどうすんの?」

「……い゛き゛た゛い゛!!」

「そんな涙を噛み締めながら言わなくても」

 

 とりあえずチケットを封筒とクリアファイルに戻して3人は意見を出し合っていた。

 

 

 その時、

 

「誰かと思ったら勇たちか」

 

 そこに《盛谷颯樹》が現れた。

 

「やっほ、奇遇だね」

「……あれ? 確か今日は純田さんのお仕事にご一緒してた筈では?」

「それが思ったより早く終わっちゃって。で、時間が出来たから一服しようと思ったらみんなを見かけたんだ」

 

 そのまま颯樹が「相席いいか?」と尋ねると、千歌が壁際に寄り、その間スペースに颯樹が座った。

 

「で一体何してるの? なんかみちるが凄い顔してるし」

「あー取り敢えず簡潔に説明すると……、実はうんぬんかんぬんでな……」

「いや、それで伝わる訳が……」

「成程。それで温泉旅行に行くメンバーを探していると」

「なんで伝わるんですか?」

 

 謎のやり取りで完結してしまった勇と颯樹の会話に千歌は唖然としていた。

 

「因みに行くとしても日付の目星はついてるの?」

「それなら11月頭の3連休はどうかって感じなんだよな。そこなら予定空いてる人もいるかもしれないし」

「……その日なら僕も同行できそうだな」

 

 傍らでスケジュール帳を取り出し、確認した颯樹はそう呟いた。

 

「いいんですか? 確か純田さんのお仕事のお付き合いもある筈じゃ」

「この3連休は今のところ仕事が入る予定は無いのはほぼ確定してるからね。まあ他のスタッフが急な仕事持ってこなければだけど……」

「そういうのフラグになりません?」

「まあ、その辺は上手く伝えとくよ」

 

 颯樹はスケジュール表を閉じて、そのまま鞄にしまった。

 

「これで後5人かぁ」

「一応僕の方から京介や莉々にも声をかけてみる。もしかしたらそこから来るメンバーが揃うかもだし」

「りょーかい。こっちは明と優希に聞いてみる」

 

 こうして、各々が温泉旅行に向けて動き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【オマケ】

 

 

 ある日のこと、椎名立希はとある場所に呼ばれていた。

 

「ようこそおいでくださいました椎名さん。さあ、こちらにお座り下さい」

 

 そこに待ち構えていたのは颯樹と千歌の友人である少女【藤宮 美優】。そしてその隣には彼女が好きなバンドグループ《Afterglow》のメンバーにしてリーダーである【上原ひまり】がいた。

 

「……あの、どこに座れば……」

「あら、不思議な事を仰いますのね? 勿論地べたにですわ」

「せめて座布団くらい……」

「良いから座りなさい」

「はい」

 

 流石に地べたに座らせるのは如何なものかと講義の声をあげるも、即効で無効にされた為立希はその場に体育座りをするのだったが……

 

「あら? ここは正(・)座(・)が基本ですわよ?」

「え? いやそれは……」

「せ・い・ざ」

「ハイ」

 

 そのまま立希は地べたで正座をすることになったのだった。

 

 

「椎名さん、早速ですが何故あなたが呼ばれたのか……お分かりですか?」

「……」

「無言は困りますわ。何か言ってください」

「……わかりません」

 

 詰め寄られた立希は目を逸らしながらそう呟いた。

 

「そうですか。でしたら改めておさらいして差し上げましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方がお好きな《Afterglow》の上原さんの前で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉を聞いた瞬間、立希の思考は固まった。

 

「はぁ!? 流石にそれはやり過ぎでしょ!!?」

「貴方がしでかそうとした事よりだいぶマシだと思いますが? それと敬語を忘れてますわよ。ご自身の立場を自覚なさってください」

「……くっ」

 

 何も言い返せずに歯ぎしりをする立希を他所に美優はこうなった原因を話し始めた。

 

 

 

 

 始まりは昨日のこと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇 〇 〇 〇 〇

 

 

 

 

「お……おめでとうございます!! 特賞の温泉旅行券です!!」

 

 みちるが回した最後の1回、そこで出たのは金の玉。この抽選で最上級の景品である証だ。

 

「ま……まさか……」

「すっご……。特賞とかホントに入ってるんだ」

「こういうのって良く中抜きされてる事ありますからね……」

「お2人はこの抽選をなんだと思ってるんですか!!?」

 

 若干訝しんでいた2人が思わず本音を零してつくしにツッコミを入れられた。

 そして引き当てたみちる本人はと言うと……。

 

「わ……わぁ……」

「泣いちゃった」

 

 突如ちいさくてかわいいアイツのように泣き始めた。

 

「何も泣くほど喜ばなくても……」

「ミシンが欲しかったんや……」

「そっちの涙ですか」

 

 涙の意味を理解した千歌はそれ以上は突っ込まなかった。

 

 それからというもの、取り敢えずその場に景品は無いのでつくしから指定された案内所に向かい、景品の交換と注意点などを聞いて欲しいという話の元3人は移動を始めようとした。

 

 その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……この気配は」

 

 立希が突然なにかに反応したかのように声を上げた。

 

「立希ちゃん!? 何かあったの!?」

「燈が……燈が近くにいる!!」

「……え?」

 

 何事かと思ったつくしが声をかけるも、その返答が予想外すぎて困惑していた。

 

「その距離300メートル……近い!!」

 

 立希は勢いよくその先に視線を向けた。

 

「いた!! 燈!! ……と、ん?」

 

 そして視線の先に目的の少女《高松 燈》を捉えた。

 しかし、その横にもうひとつの影が……

 

「な……なぜ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜあのク〇ライオンが一緒にいる!!!?」

 

 

 

 燈の隣にいたのは……《雨宮 獅音》という少年。燈が想いを馳せてる男子であり、それ故に立希から敵視されている。

 

「あ、あいつめ……。一体どんな手を使って燈の隣を……」

「いや、普通にお出かけしてるだけじゃ……。若しくはデートか」

「デート、いいなぁ」

 

 そんな2人を見ながら立希は嫉妬に狂い、勇は立希の反応に苦笑いをし、つくしは獅音と燈を見ながら羨ましそうにしていた。

 

「こうしちゃいられない!! 燈をあのク〇ライオンから守護らないと!!」

 

 遂に立希はどこから取り出したのかと言わんばかりの重火器を某筋肉モリモリマッチョマンの変態の如くフル装備し始めた。

 

「いや、どっから出したのそれ!!?」

 

 思わずツッコミを入れるつくしの声も届かず、今にも飛びかかりそうな勢いの立希。

 

「さあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンタータイムだぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして遂に動き出した時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「椎名さん……?」

 

 千歌がそう呟くと立希はその足を急停止し、恐る恐る彼女の方を向いた。

 

「そういうことをするから私たちは怒るんですよ?」

 

 千歌の顔は笑顔なのだが……どことなく恐怖を覚える笑顔なのだった。

 

「止めるな!! アイツは私の獲n……」

 

 立希がそういった時、彼女は日本刀のようなものを取り出した。

 

「や め な さ い ?」

「……それ俺のー」

 

 圧をかけた千歌と彼女が持つ日本刀を見ながら勇もまた呟いた。

 

「とにかく、このことは颯樹……いえ、また彼を手こずらせる訳にはいきませんね。今回は藤宮さんに連絡します。

 あなたの処罰は彼女から通告が来るでしょう……」

「……くっ、だったら……、うっ!!?」

 

『それならヤツを倒してやる!』と動こうとした立希だが突如としてその行動が停止した。

 千歌が彼女の背後に回り、首元に手刀を食らわせて気絶させたのだ。

 

「二葉さん、申し訳ありませんが椎名さんは今日早退ということにしておいて下さい」

「は……はい」

 

 目の前の光景に唖然としたつくしはそのまま立ち尽くしていた。

 

「……私ひとりになっちゃった」

「つくし、俺で良かったらヘルプ来るまで手伝うよ?」

「いいんですか!? ありがとうございます!」

 

 その後、千歌が羽沢珈琲店に連絡を入れてイヴがヘルプに来るまで勇とつくしの2人で会場をまわしていたのだった。

 

 

 

 

〇 〇 〇 〇 〇

 

 

 

 

「という訳ですわ」

「くっ……」

「立希ちゃん……、私恥ずかしいよ」

 

 ひまりにそう言われた立希は「いっその事〇してくれ」と言わんばかりに顔を伏せていた。

 

「それで……貴方の処分はもう決まってますわ」

「……一体何をやらせるつもりですか」

「実はもう1人、大罪人がいらっしゃるのです。その方と一緒に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は………はぁ!!!?」

 

 

 罰の内容を聞いた立希は大きな悲鳴を上げた。

 

 

 果たしてその内容とは

 

 

 

 

 

 

 

多分続く

 

 

 





それではまた次回。

夢で会いましょう。
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