十種転生ーお姉ちゃんと一緒に本気出すー   作:NARです。

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お試し投稿です。本格的に連載を始める場合は、現在執筆中の二次小説に区切りが付くか、最終話まで書き上げてからと考えています。また、その時の都合で本当に連載するかどうかは確約できません。
まさに、「思いついたから一話だけ書いてみた」です。

そんな感じで書いてみたものですが、それでもよろしければこのまま本編へどうぞ。


双子の白と黒

スンスンと匂いを嗅ぐ。

胸がいっぱいになるほど吸って、必死に匂いを探る。

 

……ダメだ、どこを嗅いでも水の匂いしかしない…………。

 

『お姉ちゃん、メグのにおい、見つからないよぉ……。』

『スンスン……スンスン…………大丈夫、見つけた!こっち!』

『ホントに!?さすがお姉ちゃん!』

 

ずぶ濡れになった白い毛並みのお姉ちゃんが、僕の前を走っていく。僕はお姉ちゃんを見失わないようにその後ろを追いかけた。

 

すっかり暗くなり、空からザーザーと雨の降る夜道をお姉ちゃんと走る。

向こうから歩いてくるスーツを来た大人のヒト達を避けながら突き進み、メグの姿を探す。

 

『___!お姉ちゃん!僕にもにおいが感じられた!メグは近くにいるよね!?』

『その通り!あそこを曲がった先にメグがいる!』

 

そう断言したお姉ちゃんについて行き、一緒に角を曲がった。

 

そして、その先に見えた道からずぶ濡れになったメグが歩いてくるのが見えた。

ツンツンの頭は雨に濡れてヘナヘナになっているメグは、不安そうに周りをキョロキョロと見渡していた。すると、建物の角から飛び出した僕たちと目が合った。その途端、メグはぶわっと目元に大粒の雫を貯めて、僕たちに向かって走ってきた。

 

「シロォ!クロォ!」

『メグ!』

『良かった!無事だ!』

 

僕とお姉ちゃんはメグに駆け寄り、小さなメグの胸元に飛び込んだ。うっかりそのまま押し倒してしまわないように気をつけながら、すっかり冷たくなったメグの体に僕たちの身体を擦り付ける。

 

「こわかったよぉ!さびしかったよぉ!」

『大丈夫だよ、メグ。僕たちがちゃんとご主人さ___お父さんのところに連れて行ってあげるから。』

『ほら!急いで帰るよ!ご主人様たちにメグの無事を知らせなきゃ!』

 

お姉ちゃんはメグの前を歩き、僕はメグの背中を押して元来た道を引き返す。我慢できない様子でステップを踏んでいたお姉ちゃんは僕たちを置いていきそうな距離にまで走っていき…………

 

…………そして何故か戻ってきた。

 

『クロ、家ってどっちだっけ?』

『お姉ちゃん…………僕たちはあっちの道から来たんだよ。ほら、早くメグを連れて帰ろう。』

 

その時だった。僕たちが元来た道の方から、ご主人様の声が聞こえてきた。奥様の声も聞こえる。

 

「この声……お父さん?お母さん?」

『そうだよメグ。もう少しで会えるよ。』

『おーいご主人ーー!こっちだよーー!』

 

お姉ちゃんが大きな声でご主人様たちを呼ぶ。すると、お姉ちゃんの声に気づいたらしいご主人様と奥様が曲がり角の奥から現れた。

 

「メグ!シロとクロが見つけてくれたのか!」

「無事で良かった!ありがとう、シロ!クロ!」

「お父さん!お母さん!」

 

メグがご主人様たちに向かって手を広げ、全力で駆け出した。

僕とお姉ちゃんもメグの後を追いかけようとする。

 

 

その時、視界が急に明るくなった。

 

 

眩しい光の差す方へ目を向ける。

広い道の向こうから、ものすごいスピードで大きなトラックが走ってきていた。

トラックは不安定そうにフラフラして、前にいた男のヒトをドンッと撥ね飛ばした。

そしてそのまま、勢いの消えないままにこっちへ向かってきた。

 

そのトラックが向かった先は___

 

 

『お姉ちゃん!!メグを!!』

『っ!?メグっ!こんちくしょおーー!!!』

 

 

 

僕はお姉ちゃんと一緒にメグの小さな背中に体当たりし______

 

 

 

ドカンッ!!と大きな音がして、目の前が真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お姉ちゃん。メグ、怪我してないかな。

 

___大丈夫。最後にチラッとだけ見えた。メグはご主人の腕の中にいたよ。

 

そっか……良かった……。僕たち、ご主人さ……お父さんとお母さんに恩返し、できたよね。

 

___うん、できたと思う。間違いないよ。……あーあ、もっとメグと一緒に遊びたかったなー!

 

僕も、メグとお姉ちゃんと一緒に、もっと”呪術師ごっこ”したかった……。

 

___もっとお父さんとお母さんに甘えたかったなー!

 

僕も…………この先もずっと撫でてほしかった。

 

 

 

 

 

お姉ちゃん。

 

___ん?

 

僕たちは、これからもずっと一緒だよね。

 

___…………ふん、何言ってんの。

 

 

 

 

 

 

___そんなの、当たり前でしょ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クロ!!さっさと起きろー!もう朝だぞーー!!」

「うひゃあ!?」

 

お耳がキーンとする。お姉ちゃんの大きな声さえも聞こえなくなった。

体が勝手に反応して飛び起きると、ベッドの傍にお姉ちゃんの姿があった。

 

「やっと起きた!クロにしては珍しく寝坊助じゃん!」

「……うん、ごめん。ちょっとね。」

「??まあいいか!ほら、さっさと着替えて朝ごはん食べて!シロヒゲの手伝いしに行くよ!」

「シロヒゲじゃなくておじいちゃんでしょ……。」

「真っ白なヒゲの生えたヒトなんだからシロヒゲじゃない!」

「ダメだこれ。」

 

僕はキャンキャンと吠えるお姉ちゃんにせっつかれるまま、いそいそとヒトの服を着替えて出かけられる格好になった。朝ごはんは小さくて硬いパン1個だったから、外に向かいながら食べることにしよう。

硬いパンを齧りながら玄関の扉を空いている方の手で開け、家の外に出る。

今日も青い空が見えていていい天気だ。丘の上にある家から見る景色は広大で、どれだけ離れているのか分からないほど遠くにあるギザギザの山脈を背景に、日の陽ざしを受けた金色の麦の畑が遠くまで見渡せた。

 

「クロー!早く行かないとまたシロヒゲが怒ってくるぞー!」

「うん!すぐ行くよ、お姉ちゃん!」

 

手を振りながら先を行くお姉ちゃんの背中を、僕はいつものように追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕とお姉ちゃんはメグを守って死んだ後、ヒトの姿になって生き返っていた。

 

その事実に気づいた時期は具体的には覚えていないけど、多分犬だった時みたいに四足で歩き回れるようになった頃だったと思う。それより前の記憶はふわふわしていてよく分からない。

幸いにも、僕は一緒にいた子供がお姉ちゃんだとすぐに気づいたし、お姉ちゃんも僕のことにすぐ気づいてくれた。まずにおいが一緒だったし、毛並みの色が白と黒で一緒だったから。

 

メグよりももっと小さくて二足で立ち上がれなかった僕たちの世話をしてくれていたのは、お姉ちゃんがシロヒゲと呼んでいるおじいちゃんだ。もちろん、シロヒゲというのはおじいちゃんの本当の名前ではない。他のヒト達からはイードさんと呼ばれていたから、たぶんそれがおじいちゃんの名前だ。

じゃあなんでお姉ちゃんはシロヒゲなんて呼んでいるのかというと……お姉ちゃんの白い毛色とおじいちゃんの髭と髪の色が一緒なのが気に入らないかららしい。まあ、おじいちゃんっていつも声が大きいし、常に何かに怒っているからね。

 

ご主人様と奥様は、残念ながらここにはいなかった。姿を探してもどこにも見当たらなかったのだ。おじいちゃんに聞こうにも僕たちの知っている言葉はここのヒト達には分からないらしく、そもそも僕たちも上手く喋ることができなかった。だから、まずは言葉を覚えることから始めなくちゃいけなかった。

そして、雪の降る時期を二回越した後、お姉ちゃんよりも早く言葉を覚えた僕はおじいちゃんにご主人様と奥様の居場所を聞いてみた。だけど、おじいちゃんは「そんなこと知らなくていい。」としか答えてくれなかった。おじいちゃんを訪ねに家へやって来た他のヒト達に聞いてみても同じような反応だった。お姉ちゃんは「ここに二人はいないんじゃない?」と考えたみたいだけど、それなら皆「知らない」って言えばいいはずだ。何か僕たちに隠しているような気がするが、悪意というものは感じ取れないので、気にせず二人を探すためにできることをやろうと考えている。

 

言葉を覚えるのに苦労はしたけど、走り回れるようになるのは早かった。滑らかに言葉を話せるようになった僕とお姉ちゃんは、頻繁に家の外へ出かけるようになった。

だけど、おじいちゃんは「勝手に外に行くんじゃねえ!」と僕たちによく怒鳴っていた。しかし、僕とお姉ちゃんは鼻がいいから道を迷わずに来た道を帰ることができる。まあ、お姉ちゃんはにおいを嗅ぐのを忘れて道を見失うことがあるけどね……。その時は僕がお姉ちゃんを連れて帰ることができるから何も問題は無いはずだ。だけど家に帰ったらおじいちゃんはいつも怒るから、外出はいつもより控えるようにした。控えるだけだけどね。

 

雪の降る時期_冬をさらに三回越した後、僕とお姉ちゃんは一度森に入ろうとした。

おじいちゃんは家にいない間、”ゆみ”という道具と”や”というものを背負って森に入っていく。そして帰ってくると、死んだシカやイノシシを担いで家の傍にある小屋で捌くのだ。

つまり、おじいちゃんの仕事は森に入ってご飯を獲って来ることだ。これに真っ先に興味を示したのはお姉ちゃんだ。僕たちがご主人様と出会う前は、お姉ちゃんがご飯を探してくれていたのだ。興味を持ったのもそのせいだと思う。

とはいえ、おじいちゃんはやはり怒鳴って僕たちを家に放り込んでしまった。こっそり森へついて行ったのがバレた時は頭に拳骨を落とされてしまった。お姉ちゃんが怒っておじいちゃんの手に噛みついたときはもっと大変だった。

 

それからというもの、おじいちゃんは僕とお姉ちゃんを森に近づけようとしなくなった。ご主人様と奥様を探していない場所は、あと森の中しか残っていない。まあ、ご主人様と奥様が森の中にいる可能性が低いのは分かっているから、そこまで問題という訳でもない。

となると、あと探していないのはこの土地の外_ブエナ村という村の外だけだ。

 

「村の外、か。」

「どうしたの、クロ?山の方なんか見て。何か見えたの?」

「お姉ちゃん!ちょっとね、村の外へ行く方法を考えていたんだ。」

「?普通に村の出入口から行けばいいんじゃないの?」

「そういう訳にもいかないんだよ。」

 

僕は、僕たちが家の外に出たり、森に勝手に入ったりするとおじいちゃんが怒る理由について考えた。別に物を壊したり、汚したりしたわけでもないのになんで僕たちを怒るんだろう?って。

そこで僕は情報を集めるために村の中を歩いてたくさんの大人のヒト達に聞いて回った。犬だった頃はにおいを探したり目や耳に入ってくる情報だけを頼りにしていたけど、今の僕には言葉がある。つまり、ヒト達が喋っているのを聞くだけじゃなく、自分から情報を聞き出すこともできるのだ。

そうして情報を集めた結果、森には”まじゅう”という生き物が住んでいることが分かった。”まじゅう”は鹿や猪よりも強く、さらに熊よりも危険な存在らしい。僕とお姉ちゃんもご主人様と森を散歩中に熊と出会ったことがあるけど、二匹で精一杯吠えて追い返すのが限界だった。そんな熊よりも恐ろしい生き物が森の中にいるというのだ。

つまり、おじいちゃんは僕たちが危険な目に遭うのを避けるために、家の外に出したがらなかったのだ。

それをお姉ちゃんに説明すると、ふーんと気の抜けた返事を返した。

 

「ソレと村の外に行けない理由って、何か関係があるの?」

「お隣のおじさん曰く、”まじゅう”は森の中だけに住んでいるわけじゃないらしいんだ。僕たちが安全に暮らせるのはこの柵に囲われた村の中だけで、その外にはどんな危険があるか分からないんだって。」

「ふーん、なるほどね。」

「お姉ちゃん、本当に分かってる?」

「分かってる分かってる。つまり、村の外に行くには準備が必要ってことでしょ?」

「そういうこと。」

 

村の外に出るには、”まじゅう”に出会しても生き残るための準備がいる。それに危険なのは”まじゅう”だけじゃないし、気にしなければならないことは山ほどある。今のところ思いつくのは「ご飯を手に入れるための道具と知識」「”まじゅう”から身を守るための武器と技術」「傷つきやすい柔肌を守るための丈夫な衣服」「寒い冬でも凍えないための装備」「これらを持ち運ぶための入れ物」かな。

たぶん、本当はもっと必要なものが多いのだと思う。それに、用意すべきなのは物だけじゃない。

 

ちょっと隣の家まで走ったら息切れしてしまう、この貧弱な体力!

巻き割りをするための斧が重たくて持てない、この未熟な肉体!

そして、金色の麦畑に入ったらほぼ何も見えなくなってしまう、この小さすぎる体!

 

危険な土地を出歩くには、僕たち自身にも足りないものがあまりに多かった。

 

「僕たちはまだ村の外には出られない。行けるようになるのは……ざっと見積もって10年後?」

「10年後って……どれくらい?」

「メグと一緒にいた時間よりももう少し長いくらい。」

「長っ!?そんなに待てないよ~!もっと早く行けないの~!?」

「僕たちの身体の成長速度からして、村の大人のヒト達と同じくらい身体がしっかり成長するには、これくらいは必要なんじゃないかな。」

「そんな~~!……それまで、ご主人達を探しに行くのを我慢して、あのシロヒゲと同じ家にいなくちゃいけないのか。」

「お姉ちゃんって、ホントにおじいちゃんが嫌いだね。」

「嫌いってわけじゃないよ!ご飯もくれるし!ふかふかのベッドで寝られるし!ただ気に入らないだけ!」

「あはは、それならよかった。」

 

僕は草原から立ち上がり、家のある方向に歩き出した。

村の外に行くための準備を僕たちだけでするのは難しいだろう。知識は大人のヒト達に教わらないと分からないし、道具も使い方を聞いたり見たりしないとどうにもならない。そもそも物自体が無い。

だから、まずはおじいちゃんに相談してみよう。いつも怒っているけれど、言葉や服の着方、食器の使い方、簡単な道具の使い方を教えてくれたのもおじいちゃんだ。家に帰って話をすれば、面倒くさそうにしながらもなんとかしてくれるかもしれない。

 

そう思ってお姉ちゃんと並んで道を歩いていた時だった。

向こうから騒がしい声が聞こえてくる。そこには同い年と思われる五人の子供の姿があった。

耳をぱたつかせ、声のする方に向けてみれば、聞こえてくる内容から喧嘩だと分かった。目を凝らせば、三人が石を持って一人の子供に投げつけていて、相手の子は手から水を出して投げ返していた。三人の子供の近くには、泥だらけになって蹲る白い服の子供がいた。

う~ん、この光景、昔に似たようなのを見たことがある。黒い服を着た高校生というヒト達が四人いて、その内三人が残りの一人に石を投げていたことがあった。ご主人様と公園で散歩中にその光景と出会した僕とお姉ちゃんは、怪我をしているヒトを助けるために乱暴者の三人に襲い掛かったことがあった。結果は僕とお姉ちゃんの巧みなコンビネーションによる大勝利だった。

僕はお姉ちゃんに目配せする。するとちょうどお姉ちゃんと眼が合った。

 

「どうしようか?」

「それはもちろん、あの泥だらけの子と水を投げているあの子を助ける!」

「あっ、待ってよお姉ちゃん!もうしょうがないなあ!」

 

僕は先に駆け出したお姉ちゃんを追いかけ、共に石を投げている三人に背中から襲い掛かった!

 

「おりゃああああ!!!!」

「ぐはぁっ!?」

「な、なんだ!?」

 

僕より前にいたお姉ちゃんが全速力の勢いのまま、ジャンプして両足で三人のうち一人に強烈なキックを命中させた。背中からまともに攻撃を受けたその子は吹き飛び、地面に倒れてピクピクと痙攣している。

豪快なキック(ドロップキック)をしたお姉ちゃんは両手とお尻を地面に付けた状態で、立ち上がるまでにやや時間がかかる。そんなお姉ちゃんに拳を振り上げようとしていた一人に僕は襲い掛かった。

 

「させない!」

「なっ!?もうひと、り~~~~!?」

 

僕はその子が振り上げていた腕を掴み、走ってきた勢いのままにぶん回した。

するとその子はコマみたいにクルクルと回り、そのまま目も回って地面に倒れた。

残った体の大きい子は、顔を歪めて一歩後ろに後退った。その子の前に僕と、泥だらけになって立ち上がったお姉ちゃんとで立ちはだかり、牙を見せつけて威嚇する。

 

「残りはアンタだけだけど、どうするの!」

「っ、くそっ!覚えてろ!」

「あっ!?アイツ逃げた!」

「追いかけなくていいよ、お姉ちゃん!それよりも、気にすべきはこの子たちの方でしょ。」

 

拳を振り上げて追いかけようとしていたお姉ちゃんの服の襟を掴み、その場に残った二人の方へ向き直る。

水を投げてた子は男の子で、泥だらけの子は女の子のようだ。男の子みたいな恰好で紛らわしいけど、お姉ちゃんみたいな女の子のにおいがする。男の子は女の子の前に自然と立ち、僕たちの様子を伺っているようだ。

 

「うーん、ちょっと警戒されちゃってるかな?」

「私たちのこと怖がってるってこと?なんで?」

「多分、歯を見せて威嚇してるのが見えちゃったのかも。」

「なるほど。それなら私たちは敵じゃないってことを教えてあげればいいんだ!ねえ!!アンタ達、大丈夫!?」

「お、お姉ちゃん、声を抑えて。それだとびっくりさせちゃうよ。」

「っ!分かった!ねえ!アンタ達大丈夫!?(小声)」

 

お姉ちゃんは両手をついてしゃがんで警戒する二人に話しかける。その姿は、転んで泣いているメグの涙を舐め取ろうとするお姉ちゃんの姿と重なるが、アレは犬だった時の慰め方だ。今の僕たちはヒトだから、正しいやり方は別にある。

僕は苦笑しながらお姉ちゃんの服の襟を掴んで立たせると、かつてご主人様がメグにしていたのを思い出しながら、僕は片膝をついて二人に向けて柔らかく微笑んだ。

 

「こんにちは、怪我はありませんか?」

「えっ、あっ、うん。僕は大丈夫。」

「______。(首を緩く横に振る)」

「それは良かった。僕はクロ、クロ・ハルピアって言います。」

「私はシロ!安心して!私たちはアンタ達の味方だから!」

「えっと、助けてくれてありがとうございます。

 

 

僕はルーデウス・グレイラットと言います。」

 

男の子改め、ルーデウスは落ち着いた笑みを浮かべてそう名乗った。

 

 

 

 

 

 

僕とお姉ちゃんはあの日、ご主人様と奥様の息子であるメグをトラックから守り、身代わりになって死んだ。

 

そして気がついたら、僕たち二匹は揃って見慣れない土地で、ヒトの姿になって生き返っていた。

 

 

 

これは、犬だったはずの僕とお姉ちゃんが、二匹で力を合わせて剣と魔法の世界を生き抜く物語だ。

 




【双子のシロとクロの情報】
名前:シロ・ハルピア
年齢:8歳
性別:女
種族:獣族(狼)
【性格】
・甘えん坊で元気いっぱいな女の子。
・少しやんちゃなところがあり、我儘な一面もある。
・弟のクロをよく気にかけていて、姉として守ろうとする気概がある。
・人懐っこく、よっぽどのことが無い限り本気で怒ることはない。逆に本気で怒るような相手と出会った場合、誰の手にも付けられなくなってしまう。

【身体的特徴】
・少し癖があり、固い髪質の白髪を肩甲骨の辺りまで伸ばしている。
・頭頂部にはオオカミ耳が生えている。腰にはふさふさの尻尾もある。
・額には逆三角の痣があり、前髪で少し隠れている。
・瞳は金色。

【人間関係】
・クロ←「私の弟はチョー賢い!聞けばなんでも教えてくれる!だけどちょっと怖がりな所があるから、悪い奴がいたら私が噛みついてやる!」
・イード←「声がうるさい!頭叩いてくるから痛い!なのに私と毛色が一緒だからムカつく!でもご飯はおいしいしベッドはフカフカで気持ちいいから許してあげる!」
・ルーデウス&シルフィ←「アンタたち誰!?大丈夫!?」

【能力】
・クロより鼻がいい。雨の中でもにおいを追いかけられるし、他にも嗅ぎ分けられる”におい”がある。
・かけっこが得意。
・その他、現時点では不明。


名前:クロ・ハルピア
年齢:8歳
性別:男
種族:獣族(狼)
【性格】
・大人しくて控えめな性格な男の子。
・臆病だが、いざという時には戦える勇気もある。
・鋭い観察力と強い好奇心を併せ持っており、元犬とは思えないくらい知恵が回る。
・姉のシロを頼もしい存在として見ていて、優しくて強い姉を慕っている。そのため、姉のうっかりなところや能力的に足りていないところは自分が支えようと考えている。
・基本的に、年上や目上のヒトの言うことには従う。

【身体的特徴】
・少し癖があり、固い髪質の黒髪を肩甲骨の辺りまで伸ばしている。姉と一緒。
・頭頂部にはオオカミ耳が生えている。腰にはふさふさの尻尾もある。
・額には三角の痣があり、前髪で少し隠れている。
・瞳は金色。

【人間関係】
・シロ←「ちょっと抜けているところがあるけど、この世で一番信頼しているお姉ちゃん。お姉ちゃんが困っているときは、僕が全力でサポートする。僕達は二匹で一つの存在なんだ。」
・イード←「声が大きいし、ちょっと乱暴なところがあるおじいちゃん。だけど僕とお姉ちゃんの育ての親で、ヒトとして生きていくための色んな事を教えてくれた。お姉ちゃんが本気で嫌っていないことからも分かる。おじいちゃんは善いヒトだ。」
・ルーデウス&シルフィ←「イジメられてたのは女の子の方で、ルーデウスは助けようとしてたのかな?女の子はなんでイジメられてたんだろう?それに、ルーデウスはどこから水を出してたんだろ?すごく気になるな。」

【能力】
・シロよりも賢い。犬の頃から日本語を言葉として理解していた程で、転生してからは日常的に使う「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を書くこともできる。見たことが無い文字については音として覚えている。
・計画立案。
・その他、現時点では不明。
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