初めての感想いただきました!!!
本当に嬉しいです...!!
過去作でもいただいてはおりましたが、中の人の諸事情で過去作の投稿を止めていたので本当に嬉しいです...
これからも頑張ります。長い目でご覧いただけたら幸いですm(_ _)m
朝、アビドス高校にて。
俺とホシノが登校してから30分ほど。
対策委員会の部室では、絶叫が響いていた。
「し、シロコ先輩、その人は誰ですか!?」
「も、もしかしてとうとうシロコちゃんが誘拐!?」
「みんな落ち着いて!!早急に問題を解決しないと!!まず、この人をどこかへ監禁して...!!」
「ん...みんな、落ち着いて」
あんまりに騒ぐので、屋上にいた俺とホシノの方にまで声が聞こえてきた。
「...なぁに騒いでんだ?」
「さぁねぇ...でも、朝からみんなが元気なのはいい事だよ」
のんびりと日向ぼっこしながらぐてーと屋上に置かれたマットの上で眠るホシノはそう言って動く気を見せない。
だが、あれだけ騒いでいるとなにか面倒事かもしれない。
俺の中のアラートが鳴り響くのを感じ、俺はホシノの腕を取り引き起こす。
「そうだな。でも、面倒事だったら不味いし行くぞホシノ」
「うへぇ〜!?おじさんはここで寝てるからライセが行けばいいじゃ〜ん!!」
そう言いながらもなんだかんだ自分で歩き着いてきてくれるホシノは後輩思いだよな...と思いながら、俺たちは屋上をあとにした。
***
「初めまして、アビドス高校のみんな。シャーレの先生です。よろしくね」
黒髪に太すぎず細すぎずの身体、優しげな顔立ち。
そして、スーツを身にまとい、首から連邦捜査部シャーレの紋章が着いたカードを下げている大人。
昨日話していた先生が、俺たちの前で自己紹介を始めた。
何故か知らんが、朝学校に来る途中で行き倒れているのをシロコが発見。
何故行き倒れていたのか経緯を聞くと、アビドス高校に用があるとのことで連れてきたらしい。
「よろしくね〜先生〜」
「よろしくお願いします」
みんな各々に挨拶をする中、ライセは一人、腕を組みながら先生を眺めていた。
その事が不思議だったのか、先生はライセと目を合わせ
「どうしたの?」
と、声をかけてくる。
そんな先生に対してライセは淡々と言葉を返す。
「...いえ、先生って案外普通なんだな、と。」
「うへ〜、たしかに連邦生徒会の下部組織って聞くともっとすごい人のイメージあったねぇ〜」
「ん...たしかに。」
「み、皆さん失礼ですよ!!」
「気にしないでアヤネ。たしかに、私がみんなの立場でもそう思うから」
苦笑いでアヤネを宥める先生眺めていると
「...どう?ライセ」
と、不意にホシノに声をかけられ俺は目を閉じる。
「わからん...まぁ、悪い人じゃないと思う。あんだけ言っても怒んねぇし、人の良さそうな顔してるしな。何より、不快感がない」
「...まぁ、頼りなさそうだけどねぇ〜...」
「...まぁ否定しないが...」
俺たちが小声で話していると、先生との会話が終わったのかいつも通りアヤネが定例会議を始める...と声をあげようとした時だった。
***
外で、銃声が鳴った。
雰囲気の変わった先生が急いで窓に駆け寄り確認すると先生目掛け発砲される。
咄嗟にシロコが先生を引き倒していなければ先生の額に風穴が空いていただろう。
「...あの子たちは...」
「カタカタヘルメット団!!」
先生の呟きに答えるようにセリカが声をあげ、武器を手に取る。
それに続くように、みんなそれぞれ武器を携え装備を着用し、戦闘態勢を整える。
「先生はここにいて。」
短く告げると、シロコが窓から飛び降り、真っ先に校庭へ...と思われたが、シロコより素早く飛び出す影があった。
「...また懲りずにやってきたのか」
「ゲッ!?出たな死に損ない!!」
黒いボロ布のようなものを羽織り、ショットガンを携えたライセがヘルメット団と向かい合うように校舎の前に降り立つ。
だが、先生はそんな光景より先に、ヘルメット団の発した言葉が気になっていた。
「...死に損ない...?」
それは、一体どういう意味だろうか。
この廃校寸前の学校を存続させようとしてる事だろうか?
いや、それなら対策委員会全員がそう呼ばれるはずだ。
なら、何度挑んでも後者を守る姿勢からか?
いや、それならライセを見て言うのはおかしい。
そんな先生の思考の波は次に鳴り響いた銃声でかき消され、現実へと戻ってきた。
対策委員会vsカタカタヘルメット団
数も装備もヘルメット団の方が上であり、いくら障害物を置き防衛しやすくしているとはいえ、圧倒的に対策委員会の方が不利...そう、先生は思っていた。
だからこそ、隠れながらその腕の中にある"シッテムの箱"を動かし、援護をしようとする...が。
先程までと違い、破裂音のような銃声が数発辺りに響いた。
すぐさま体を反転し窓から外を除けば、ライセが1人、ヘルメット団と戦闘を開始していた。
通常であれば、劣勢。
数の暴力とは恐ろしく、この状況では遮蔽を利用し地道に相手を削る他ない。
...だがその戦闘能力は凄まじいの一言だった。
「シロコ、右に展開しろ。セリカは左、ノノミはシロコに隠れながら敵が遮蔽より前に出たら掃射。ホシノはセリカの援護。前は俺が出る」
素早く動きながら、右腕に纏ったアーマーをまるで小型の盾のように扱い、飛んでくる銃弾を弾きながら味方が被弾しそうなたまを全て叩き落としている。
さらに、銃弾が意味をなさないと前に出てきた敵も肉弾戦で勝利をもぎ取るか、左腕に持つショットガンで吹き飛ばし、まとめてノノミがマシンガンの掃射で片付けている。
まさに、前線指揮官。
先生の目に、ライセは他の生徒と違って見えた。
ただ、ライセがすごいだけで勝てるほど、戦場は甘くない。
「っ...!!」
「ちょ、シロコ先輩!?きゃっ!!」
ライセが前を貼っているとはいえ、弾が全く飛んでこない訳ではない。
ある程度...大きくダメージになりそうな弾だけをライセは捌いているようで、自身やみんなもそれなりに被弾が増えてくる。
そして、敵からの射線を嫌ったシロコが左にそれた時、その場にいたセリカと衝突した。
そして、連鎖する様にホシノの足元にグレネードが飛び、ノノミも銃弾を浴び遮蔽の裏に落っこちた。
「...ほんとに、厄介だなテメェら...!!」
「こっちのセリフだ!!とっとと倒れろ!!」
その様子を見て苦虫を噛み潰したような顔で一人敵に向かうライセだが、何故か何発弾を食らっても一向に動きが鈍らない。
そんな彼が不思議ではあったが、先生は起動したシッテムの箱を持ち、声を上げた。
「みんな!!」
「あぁ?誰だあの大人...」
「先生出てくるな!!死ぬぞ!!」
一斉に、銃口が先生に向く。
ヘイローを持たない先生に取って、銃弾は1発でも致命傷になる。
それを理解しているからか、ライセは無理やり先生と銃口の間に割って入る。
「君たちは、なんでこの学校を守りたいの?!」
「この状況で何を...」
「大事なことなんだ」
銃口が向いている。
先生からすれば、死神の鎌が首にかけられているようなものだ。
だと言うのに、この大人は何を言っているのだろうか。
ライセはそう思うと同時に、真っ直ぐな先生の瞳に何かをみた。
そして
「...そんなの、私たちの居場所だから...!!」
シロコが声をあげる。
「みんなも、同じかい?」
その問いに、皆が答えた。
...1人を、除いて。
だが、そんな自信に関係の無いことを敵が待ってくれるわけがない。
当然、向けられる銃口とともに罵声が飛んでくる。
「突然出てきて、テメェはなんなんだ!!」
「さっきもライセが叫んでくれただろう?私は先生だよ。」
「先生ぇ?」
「そう。アビドス高校のみんなを助けるために来た先生だよ。...悪いけど、この学校は渡せない。君たちには退散して貰うよ」
「...突然出てきて偉そうにっ!!蜂の巣にしてやるぜ!!」
相手の声に対抗するように、鳴り響く銃声の中先生の声が響く。
「行くよ!!みんな!!」
「言われるまでもねぇッ!!!」
先生の合図とともに、ライセが先生へ向かう凶弾を跳ね除け、前線に入り込む。
「ノノミ!!敵に向かって弾幕を!!」
「お任せ下さい!!☆」
激しいミニガンの連射により、砂煙が巻き上がる。
それと同時に、激しい爆裂音が砂煙の中で一際大きく鳴り響く。
「■■■■■■ーッ!!!」
弾幕の中、ライセの声が響き激しい振動を地面が伝う。
だが、そんな中でも対策委員会は怯まない。
「セリカ!!敵を確実に狙って!!ホシノはライセを援護!!シロコはそのまま前進!!」
「了解だよ〜!!」
「ん!!」
先生の指示で、2人も砂煙の中を突き進む。
「くそ、何も見えねぇ...!!」
「おい気をつけろ!!どっからか銃弾が...!!」
バリンッ!!!バリンッ!!
「うわっ!?」
「きゃっ!!!」
音を立て、ヘルメット団のバイザーが砕け、その場にへたり込む。
その隙を見逃さず、ホシノもシロコも次々敵を潰していく。
「くそっ...!!近寄んなぁああ!!!」
とうとう1人になったヘルメット団のリーダーは弾幕を張り、なんとかライセを食い止めようとするが...
「あいにく、俺は盾なんでな。」
距離を詰め、銃を弾くとライセは思い切り後ろに飛んだ。
...まるで、すぐ後ろに彼女が迫っているのを分かっていたかのように。
「相変わらずナイススイッチだね相棒」
「...うっせぇ。さっさと終わらせてくれ」
短い会話の後、ホシノの愛銃が唸りをあげた。
***
「ふぃー...疲れた疲れた...」
「さぁすがに今回は量が量だっただけにおじさんもバテバテだよ〜...」
部室に戻り、消費した弾数や相手の構成などについて話し合ったあと、俺とホシノは机に突っ伏していた。
「ずっと前貼ってくれてるライセ先輩はわかるけど、ホシノ先輩は会議中も寝てたでしょ〜が!!」
「うへ〜、そんな怒んないでよセリカちゃぁんおじさんはもう歳だから、あれだけ動いたら眠くなっちゃうんだよ〜!!」
「ひとつしか変わんないでしょ!!」
先程までとはうって代わり、明るい声が響く対策委員会室では、今後の予定を決めるための会議...もとい、雑談会が開かれていた。
内容は単純。
今回襲撃に来たカタカタヘルメット団の勢力を今後も不定期に迎え撃ち続けるか、はたまたアジトへ乗り込み、完全に根を絶つかだ。
「でも、ヘルメット団の攻め落としか...できなかないだろうが、リスクも大きいぞ?」
「しかし、やるだけのメリットはあります。もし攻め落とした拠点に、ヘルメット団に出資しているバックの存在を明らかにする書類等があれば大きな情報になります。」
「...そこまで言うなら、構わないが...」
危険を裂けたい俺的には否定したかったが、久々に完全な返り討ちにしたヘルメット団の拠点を落とすなら、たしかに今しかチャンスはないだろう。
「うへ、相棒は心配症だね〜。」
「防衛と攻め込みじゃ、攻め込む方は防衛側の3倍の戦力が必要ってのが戦術作戦としては一般的だ。
それに対して、こっちはあっちの1/10いればいいとこだろ」
「うへへ、そこはおじさんとライセで突っ込めばおっけーって寸法だよ〜」
「...短絡的すぎやしねぇか?」
「でも、実際今回はかなり相手を消耗させたし、攻め切るならこのタイミングしかないよ〜。それに、アヤネちゃんがここまではっきり主張してくれてるんだし、行くだけ行くのでもいいとおじさん思うな〜」
「...わーったよ。ただし、俺が危ねぇと判断したらすぐ撤退。これだけは譲らねぇぞ。それでいいなら、いこう。...反論はあるか?ホシノ、アヤネ」
「い、いえ!!私もその案で賛成です!!」
「おじさんも構わないよ〜。」
ホシノの主張も、俺的には頷ける内容だった。
何より、今年入ってきてくれた可愛い後輩のわがままくらい先輩として叶えてやりたい。
そう思っちまった時点で俺の負けだが、渋々2人の主張を受け入れ、代わりと言わんばかりに俺の主張を通させる。
幸いにも俺の主張は通ることになり、俺達はそれぞれ準備をはじめる。
目指すは、ヘルメット団のアジトだ。