伸びねぇ〜……まあ諦めて5話書ききって終わりにしよ。
最早投げやりです。書ききらなくてもこの小説消そうかな?
魔導書を借り始めてから1週間が経った。
僕にはあの日以降、幻覚が見えるようになった。それも全て、エリの幻覚だった。
『大丈夫ですか?』
『それじゃあ魔法をかけますね♪』
僕が痛みに悶えていると、彼女は僕に暗示をかけてくれた。僕に暗示をかけてくれるエリはとても優しくて、僕がかける暗示では体に滲む痛みもダルさも消えないのに幻覚のエリがかける暗示は僕の痛みもがあった。
それは幻覚だと言うことは分かってる。幻覚のエリは本物のエリがいると消えるし、幻覚のエリは
それと同時に僕は絵を描けるようになってしまった。けれどそれは結局誰も見向きもしない絵だった。酷評がつけられるならどれだけ良かったことか。僕の絵は評価をつけるにも値しない程に目に付かず、価値がないと言われたような、そんな気分だった。それでも寮監隊にいた頃は描き続けて、それなりの評価は貰っていたはずなのに。
僕は命を削って初めて価値があると言われたような気分だった。
僕は結局、才能なんてなくて命は安い消耗品でしかなかった。量を減らしながら治療、なんて言いつつ結局治療できずただ漠然と生きているだけだった。
でもまだ、僕は一人じゃないから、エリがいるから。そんな自己催眠をかけて日々を乗り切っていた。
「ベルさんベルさん!今日は!」
「そうかい……よかったね」
そして僕の意識は、日を追う事にはっきりしなくなっていた。残る薬液は残り2本半。最近は自己催眠で服用頻度をかなり落とせている事と量を減らしていく治療で何とか離脱症状を抑え3日に一回の服用で何とかしているが、それでも僕の漠然とした痛みは消えないままだ。
「そう言えば僕、最近魔法の研究をしているんだけど」
「おぉ!!!!」
エリがめちゃくちゃ食いつきがいい。まあそりゃオカルト好きで魔法ちゃんと真面目に研究してるとか話聞きたくなるよね。
「今度ノートに纏めて渡そうか?」
「なんと……いいんですか!!!!」
そう言うエリは純粋過ぎる光に満ちた眼差しで僕の事を見てきた。僕の研究と言うか、本に書いてあった催眠は実際の所効果自体はあった。僕にかける分には、効果は全然なかったけれどね。
それよりも幻覚のエリがかけるあの催眠は良く効く。それはまるで魔法のように……幻覚のエリがかけるように僕自身でかけてみると成功する。とても不思議だったけれど、成功しているのも事実だ。
「そう言えば、久方ぶりにベルさんのお気に入りの場所に行ってみたいです!」
「久方ぶりなんて難しい言葉を使うなんてね。僕のマネ?」
「それもありますが、呪文の詠唱で使うからです!」
「へぇ……」
エリの言うお気に入りの場所とは、僕とエリが始めて出会ったあの花畑だ。そう言えば最近は行けなかったっけ。
あの薬液の陶酔感と幻覚のエリに癒されるのに入り浸ってて、行こうとは思えなかった。半分は自暴自棄みたいな。もうどうせ治らないから、
いつ見てもこのグラジオラスの花畑は美しく、
僕とエリはこの花畑の側の小屋から必要な道具を取り出し、このグラジオラスの花畑を描く事にした。
「この絵は……うーん……」
僕ははっきり言うべきなのか迷った。はっきり言ってしまえば構図を意識していない絵で何処に目線を持っていくつもりなのか分からなかったし、色の使い方もかなり感情任せで考えていないと言う感想が出てしまう。
「ここは忖度無しです!」
「…………分かった」
僕はその言葉に従った。従ったからこそ、僕は言葉を選ばずに言ってしまった。
「まず構図ができてない。何を見せたいのかが分からない」
「ぐっ……」
「それから色の扱いで何処に視線を誘導するつもりなのか考えてないのが分かる」
「うぐっ…………」
「タロット占いで任せているからっていい絵が描けるわけじゃない」
僕はそう断言した。このときは気付かなかったけれどこれは僕の悪癖だ。僕はエリの好きなものを否定していたんだ。エリのそう感じている事なんて考えないで、ただ直すべき事実として、突きつけたんだ。
「ベルさん……酷いです……!」
僕は酷いと言われる理由がすぐにはわからなかった。本当に美しい絵を描きたいならタロットなんて運任せにはしないはずだ。もっと構図や色使い、陰影、そこに気を遣うはずだ。
「やっぱり……ベルさんには才能があるから…………」
「
じゃあ、僕はどうして死に近づくようになってから描けるようになったんだ?僕は今までがむしゃらに描いて描いて描いて描いて、目につく限りのものを描いて、それで、それで……
「いいじゃないか……エリは普通に描けるんだから……」
僕のこれは描きたくても描けないんだ。描けたってそれは落書き程度でしかなくて、僕が納得の行く作品じゃないしできたとしても今まで必死に積み上げてきたものじゃなく、僕の命が差し迫って初めて形になっただけだ。
「僕は描きたくても……ずっと描けなかったんだよ。僕は、苦しんで初めて絵が描けた。それを才能?何も僕のことを分かってないくせに……っ!」
私は言った後に、何を言ったのか理解して咄嗟に手で口を塞いだ。言ってしまった。言うべきではなかったことを言い放ってしまった。僕はなんで口を塞いだのかすぐには分からなかったけど、言ってはいけない事を言ってしまった気がした
「っ!……」
「……分からなくて、いいよ………!」
けれど僕は今更訂正するのも怖くて、謝らなかった。そして吐き捨てるようにそう言って振り返らずに走り去った。
謝れなかったんじゃない、それを選んだのは僕だ。けれど僕はその選択を良かったとはどうしても思えなかった。
気付けば僕はワイルドハントの敷地のあまり人通りのない場所まで来ていた。何も見ずに戻ってこれた事に僕は驚きこそしたものの喜ぼうとは思えなかった。
ふと道端の草木の陰に置かれていた真っ黒な魔法陣の描かれた本が目に付いた。道の脇の草木に隠すようで、絶妙に気付きそうな所に置かれていて、まるで気付けた奴が拾えと言わんばかりのものだった。
ベル視点はまだ書きません。
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