流れる鋼のヒーローアカデミア   作:魔女っ子アルト姫

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第3話

「常々思ってますけど、ミルコさんってやっぱ馬鹿でしょ」

「生意気だな!!」

「いやだって……此処、何処です?」

「……そう言えば、何処だ此処?」

「はぁぁぁぁぁ……」

 

留年したとはいえ、インターンの権利が喪失する訳ではない。なのでインターン先であるミルコの元へ再び訪れインターンを再開、相変わらず元気なミルコ、だがそれは自分にミルコが被ったある種の責任を感じさせないため―――などではないミルコ自身も既に切り替えているからだろう。それならば自分とてそうしなくてはならないと思ってインターンに臨んだのだが……

 

ラビットヒーロー:ミルコ、事務所を持たない単独行動を基本とする極めて稀なヒーローで活動範囲も基本的に決められていない。プロヒーローが使用するネットワーク、ヒーローネットワークや通報、応援要請などを耳に入れてそこへと向かうのが基本としている。それ故かヒーロー公安委員会であってもミルコの正確な現在地を割り出す事は難しい。心はこれを全国を徘徊する系の幻のポケモンと称している。

 

久し振りのインターンとなった今日も最初は関東圏であったなのにどんどんと北上していき、スマホのGPSで調べてみると……山形県鶴岡市五十川黒滝と表示された、いつの間に東北にまで来てるんだ……。

 

「んじゃ帰るか」

「どうやって」

「……如何するか」

「マジでなんにも考えてないよこの人ぉ……」

 

頭を抱えるとその地域の住民の皆様がヴィランを確保してくれたという事でお礼をしたいと、泊まる事になりそうだったのだが―――

 

「おいハルドメルグ、あっちで事件だ、手ごわそうな感じだが、行くぞ!!」

「えっちょっ!!?あ~えっと、僕は雄英高校1年、ヒーローネームはハルドメルグ!!何かあればそこへ!!ミルコさんちょっと待って!!!」

 

交流する間もなく、ミルコの後を追いかけようとするのだが、遅い!!と言われて抱えられて跳んでいくミルコ、ミルコのインターンではこれが多発する、その分圧倒的に戦闘率が高く経験を積むという点においては他の追随を許さない……だがもう少し、お願いだからもう少し考えてくれ。と言いたくなってしょうがなかった。結局その後、ヴィランを追っているうちに再び関東に戻って来るという何とも言えないコース取りをした後に雄英高校へと戻って来る事が出来た。

 

「……マジでほんとあの人勘弁してほしいんだよなぁ……」

 

悪い人ではない事は重々承知しているのだが、だからと言ってあれらを全て容認できるという事ではないのだ……しかし3か月の間の戦闘経験を積むという意味合いではこれ以上ない相手なのも事実……そんな事も思いながらも家へ到着、扉を開けてと入ると―――

 

「お帰り心ちゃん」

「ただいまレゼ」

 

恋人のレゼが出迎えてくれた、彼女とは雄英高校に入った段階で同棲している。理由としては家から通うにしては遠い為、そこでレゼの親戚が昔使っていたというこの家を使わせて貰っている。

 

「どうだった久し振りのインターンは」

「なんて言えばいいんだろうねぇ~……色んな意味で大変だった、いい意味でも悪い意味でもミルコさんは全然変わってないし……ヴィランを追って山形まで行きましたって普通ないと思うんだよね……」

「本当に変わらないね……私のインターン先に来る?」

 

レゼもインターンを行っている、そのインターン先は福岡のホークス事務所。ホークスは18歳でデビューしその年の下半期にはビルボードチャートトップ10入りを果たしている。10代でトップ10に食い込んだ唯一のヒーローとして知られ、世間から速すぎる男と呼ばれている。そんな所にインターンを行っている訳だが……

 

「でもホークス事務所って基本的に戦闘ないでしょ?良くも悪くもホークスのワンマンって言うか……いやレゼもそれについていけてるのは凄いと思うけど、戦闘経験って意味合いじゃ不向きだと思うんだよね」

「う~ん残念、心ちゃんと一緒のインターンって楽しみだったのに」

「また別の機会って事で一つ」

「じゃあそうするね」

 

手洗いとうがいを済ませて隣に座る、するとごく当たり前のように身体を傾けて自分の膝の上に頭を上げて来るレゼ。目をやると向き変え、上を向いてニッコリとほほ笑む彼女がどうしようもなく愛おしくて頭を撫でる。

 

「こういう時って、僕がレゼの膝を堪能する感じじゃない?」

「早い者勝ち~」

「くっそ~次は僕だからね?」

「どっちにしろ私には得しかないね」

 

そんなやり取りをしつつも、幸せと癒しを甘受する。するとレゼがああそう言えばと、テーブルの上を指さした。そこには何やら箱が置いてあった。

 

「なんか雄英から来てたよ、雄英もハルドメルグ宛てに来てたからこっちに仲介してくれたみたいだよ。山形県の鶴岡市だって」

「あ~……インターンで行った所か」

「また仲良くなったんだね」

「仲良くなったというか、ミルコさんと一緒にヴィラン追いかけつつ、確保して、そして次の目標を見つけたりしてたらいつの間に……って感じ?」

 

ミルコのインターンではその行動的な指針がない為に基本的に日本中を飛び回る事になる。なので現地の人と仲良くなったり、ヴィランを捕まえた事へのお礼と称してこういったものが届く事がよくある。ミルコに送ってくればいいのにと思わなくもないが……事務所を構えない都合上、雄英高校に送ればなんとかなってしまう自分の方に来る。勿論ミルコにも自分が渡したりもしている。

 

「麦切だってさ、なんか調べてみたらうどんみたいな触感の麺なんだって」

「へぇ~……じゃあ今日の夕ご飯、それにしてみる?」

「うんそうしようか、それまで―――もっとして、頭撫でて」

「はいはい」

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