とある地方の山奥の、人より野生動物を見る方が多いような小さな村。
そこに住むひとりの少女は村の感謝祭を抜け出し、山奥の秘密基地に来ていた。
感謝祭の村の喧騒も、灯りも感じなくなるほどの森の奥。普段の狩場とは少し離れた場所の高い高い木の上に作った小屋の屋根の上。
彼女はそこで寝転びながら星を見るのが大好きだった。
今日は晴れててよかったな、と。
そう思いながら村の物見台よりもさらに近くなった輝きに目を凝らし、大昔の人が象ったという形に思いを馳せる。
村に行商にきたお兄さんが教えてくれた、はるか遠くの星々の輝き。
きっと昔の人もこうやって色々な想いをのせて星を見たんだろうと思うと少し親近感も感じる。
「あ、流れ星。」
赤い尾を引き、ほかの星々よりもなお輝く。
お願い事を・・・と考える間もなく、違和感に気づいた。
流れ星がその尾の輝きを失わずにそのまま彼女の方へ向かって飛んできている、と。
そのままの勢いでドカーーーンとクレーターを作りながら木々の真ん中にド派手に着地した流れ星は目を丸くして見ている私に気づくと、こう問いかけてきたのだ。
「はじめまして。今夜は星が綺麗に見えるね。
ところできみ、学びたいことがあったりはしないかな?」
これが、先生を名乗る不審者との最初の出会いだった。
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やあみんな、元気にしているだろうか。
私?私は大体いつも元気だ。
今日は最初の講義なので、せっかくだから私の身の上を話していこうかな、と思っているよ。
興味ない?
まあまあ、そう言わずに聞いていっておくれよ。
・・・・・・
私が生まれたのはこことは違う世界。地球と呼ばれる星に生まれたのさ。
もしかしたら宇宙のどこかに同じ星があるのかもしれないけれど、探してみたいとも思わないし、帰りたいとも思っていないからね。この星にも骨を埋める覚悟があるよ。
向こうの世界で私は一度死んで、ほとんど何もない白い部屋で目覚めた。
目の前にはなんの能力もない私でもわかるほどの凄まじいオーラをまとった女性が1人と、腰掛ける玉座。
直感で分かってしまったよね。これがきっと神様なんだと。
でも私は死んだことを自覚していたし、てっきり天国か地獄か〜みたいな餞別をされると思っていたんだ。
けど、そうはならなかった。
その女神様はこう言ったんだ。「あなたにはもう一度人生をやり直す権利があります」 ってさ。
正直、信じられなかった。
私は自分が何かを成した人間でも、誰かを助けた人間でもないことを自分でよく知っていたからね。
それでも、もう一度人生をやり直せるって。そう言われたのならやり直さない理由は無かった。
「是非、やり直させてください!」
もちろんそう言ったとも。
そうしたら今度は「どんな人間になりたいですか?ある程度プランを立ててあげましょう。」ときたもんだ。
すごいよね。1度死ねば今度は自分の人生の道行さえある程度は決めて動けるって言うんだ。
それはそれで面白くなさそうな気はしたけれど、私にはずっとしたいことがあったのを思い出したんだ。
ーーー教え導く人になりたかった、って。
ひとえに教え導くと言ってもただの学校の先生というわけではない。
教授や師匠、博士と呼ばれるほどの人生の先輩としての導き人になりたかった。
でもね、それをしたいと思った時にはもう私は永くなかったんだ。それに、そういった人になるには何より時間と経験が沢山必要だった。
だからこそ諦めていたその夢を叶えたいと願ったから、僕はここにいる。
みんなもぜひ覚えておいて欲しい。
みんなは若いし、可能性は無限大だ。
自分の考える最高の未来に向かって突き進む自由がある。
なんだか在り来りな結びにはなってしまったけれど、ここまでで終わりにさせてもらおうかな。
明日からよろしくね!みんな!