イカレポンチは意地でも勝ち逃げをし続ける。 作:3分後に死んでる毒
幌の揺れる中、景色一面に広がる小麦を観ながら思う。
荷車の護衛の中、気づいてしまった事がある。ニーサと呼ばれた白銀の髪の美女は活気な性格だと思っていたが、かなり注意深いようだ。下郎共に絡まれても容易くいなす。
チームである二人、特にセリルと呼ばれた黒髪の青年には距離感が近い気がするが、それ以外には守備激硬である。
美人であるためか、通行人に下世話なことをされかけても軽く避ける。食事になにか盛られる前にいなす。寝るときはチーム一緒で寝ているし、それでも襲われそうになる前に軽く一蹴する。こんな事が毎日のようにあった。
彼女が抜けてるように見えるのもあるんだろうが。
……この世界の人間クソすぎないか?
何度か現行犯で処そうかなと思ったんだが、未遂に至る形で彼女に阻止されている。
俺は怖いよ、第二視点があるからこそ下郎に気づけるし彼女の異様さにも気づけたが、彼女自身はどうやって気づいているんだろうか。
少なくともチームの男二人は気づいていないように見える。
問題なのはそれに俺が気づいてしまったこと、彼女は猫を被っているのか何なのか知らないが、セクハラされかけている事とそれを捌いていることは明らかに秘密にしている。
男二人に気づかれないように対処したり、事が大きくなる前に潰したり。
何の目的かは知らないが丁寧に隠している。
それを一時的な同行者である俺が気づいてしまった。
気づいた事がバレたら消されないかな?なぁ消されないかな?ねぇ消されないよね?!
大丈夫、俺はセクハラ共と違って危害を加えていない。
消されることは…ないだろ。
猫被りの裏側で下郎どもに冷酷な目つきをする彼女、ニーナを思い出す。
……大丈夫だよね?そもそもバレなきゃ何も起こらないし。
冷たい風が頬を掠めたので一旦意識を現実に向ける。
ここはヒラリヤ。そして俺は昨日ガキを拾った。どしよ。
アレだ、目下の問題が面倒くさすぎて別の問題を考えてた。そもそも此方の問題はじきに片付く、現状無気力娘をどうするかが課題だ。
基本、自発的には何もしないので、あれやれこれ食えこれ着ろ厠行っとけ寝ろ、と指示中野郎と俺は化した。
外に連れ出すのは無理そうなので、取り敢えず宿屋に留めさせている。
んで、今は此処まで俺を運んでくれた護衛依頼を切りのいい国境までやって依頼達成とする。
昼前には国境に着くと思うから、そしたら
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「ルヴァト少年!またいつかだ!」
「ルヴァト君またね〜」
軽く挨拶して依頼終了。報酬は銀貨5枚、結構いい依頼だったな。道中でエクスさんが剣の手ほどきを片手間でしてくれた上に、移動手段となったのでかなり割がいい。
山間の道を遠ざかっていく幌が見えなくなったあたりで手を振るのを終える。
うし、じゃ帰還するか。
出た場所は借りた部屋の中。件の少女はパンを食べている。どうやら自分から食べることができるようになったみたいだ。良かったね。
「……?!」
「只今戻った。何か欲しいものとかあるか?」
「………」
だんまり、まぁ昨日まで無気力だったから突然聞かれても困るだろうか。
「まぁ思い至ったらいつでも伝えてくれ。夕方位にはこの宿屋に居るだろうから。
ああ、金は置いとくから好きに使いな。」
そいや、宿屋の主人に部屋使ってる人が増えたこと伝えてなかったな。この機にもう一つ部屋借りるか。
「またな。」
それで主人に部屋も一つ借りて、昼食取って出て'掃除'して、今日もいつも通り標的を見つけて剣振り回して突撃。(被弾)まっかっかな体はデカ鍋に入って洗い流す。
通りで晩飯を調達しつつ宿へ向かう。
もうそろそろ、この街から移動した方がいいかな。ゴミが少なくなってきた。
となると無気力っ子はどうしようか…元気になるまでは見といたほうがいい気がするんだが…。戻る場所が指定されるというのは中々不便だ。いっそのこと
いや……それはちょっと宜しくないな。孤児院にでも頃合いを見て引き取ってもらうかな。寄付でもしとけばいいだろ。奪った金ならある。汚い金だが。
そんなこんなで件の子の部屋まで来た。日中に街へ出かけていたようだが、日が暮れる前には宿に戻っていたから居るだろう。ノックする。
「…………」
「俺だ、入るぞー」
特に返事はない。取り敢えず、ご飯食べさせて大釜に浸けて寝かせる。以上。どしよ、昨日と変わらない!
まぁ昨日今日で元気になるなら鬱だの躁だのはただの陰りでしかないか。何かこう、進捗みたいなのが欲しい。
昨日と変わらない?、いや一歩進まなかっただけだから!あーよく見ろ、躙り足だ!
って言えるようなぁ………記録、記録だな、記録が欲しいな。付けるか、記録。
ということで記録形式にします。タグも追加します。
投稿時間って決めたほうがいいですかね?
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