イカレポンチは意地でも勝ち逃げをし続ける。 作:永く輪
あの一週間は凄まじかった。我ながら今生一激動の日々であったと思う。
ハイドしながら街を脱し川を探しにゆくも、そこで何故か人攫いと遭遇しレガシアの近くの拠点へ連れてってくれることになり、ありがたく輸送してもらい拠点の集団に
……どゆこと?
まぁおかげさまで俺の懐が肥える、
ことはなく不遇な事に巻き込まれた人達への支払いで奴等の財産は大方無くなった。人に迷惑かけすぎだろ。
仮にも魔王の脅威が未だ潰えない時代ではあるんだぞ?違法奴隷とか人身売買とか薬物とか人類大丈夫なのだろうか。
巷の噂によると近頃赤鬼の幼体が街中を彷徨く様が目撃されているらしく世は物騒だな。
物騒関連で言うと王女が誘拐された翌日無事助け出されたらしい。世の中が頼もしいのか頼りないのか判断に困る。
話は戻って俺の行いについてなんだが、ゲス貴族をお掃除したとはいえ端的に見れば唐突に貴族が消えただけでしかなく目下犯人捜索中らしく情報提供とそれに連なる報奨金の張り紙がいくつかあった。
勿論名乗り出る理由はなく万が一バレても面倒なのでひそひそと王都南端のスラムで過ごしている。
どういう訳かお掃除翌日に王都の関所の出入りが厳しく制限されていて衛兵の数が凄かったので出るのは辞めといた。
生きていくのにお金は必要で、貯蓄はのこっていたが稼ぐ手段が必要だ。今までは冒険ギルドで依頼を熟していたが、ギルド証を紛失してしまった。
最悪なのは現場に落としてきたパターン。ギルドへ行こうものなら笑顔で出迎えてくれることだろう、武装を添えて。
どう日銭を稼ごうかと悩んだ結果、俺はフリーでお掃除することにした。
やっぱやめとこうかな?字面がヤミヤミしていてよろしくない。
一応弁明の為に、標的の選別手段を開示しておく。(誰に?)
視界が振れてときの……この際名づけるか、第二視点がある状態且つ日の当たるところであれば体の何処かにこぶし大の黒い靄が見える事がある。多分持ち物とかが呪われてるんじゃないかな?
んでそういう奴等をつけてみると大抵
誰も信じてはくれないな。俺にしか見えないし第二視点とかヤク症状かな?スキル鑑定したとしてもスキルが
もうちょっと能力と呼応した名称になんなかったのかなぁ?
まぁそんな感じである。第二視点を人気の少ない通りを中心に移動させて標的を見つけたら追いかけさせる、それでそろそろ尻尾を出しそうになったら俺自身は
一度
そこから発想を得た疑似瞬間移動。俺を中心に大体針の射程と同じ半径10m位なら
そこに俺の第二視点も含まれるため制限はほぼない。第二視点の方は気付いたら無くなってる事があるが意識してれば問題ないし、こちらの距離の制限は今のところ無い。
いつでも何処でも奇襲出来る凶悪コンボの完成。
俺自身は必要な時に
要は日の目を浴びずにおせうじ出来るのでほとぼりが冷めるまで安心安全に過ごすことが出来る。
金の入り具合はどれだけ標的が尻尾出すのが早いかに依るので3日くらい、ただただ遠隔ストーキングするだけになることもあるし、入れ食い状態の時もある。俺は国の治安が心配だよ。
そんなこんなで更に三週間が経過した。どこぞの馬鹿が脈絡もなしに人を消しまくったせいで未だに関所の警備は厳重だし、そこら辺の金のなる芋もいなくなってしまった。
もう街には芋が居ない。
貯蓄してるので当分は困らないが、今までの習慣が出来なくなると焦りが芽生えてくる。
疑似瞬間移動というか亜空間ゲートを習得したし問題なく王都を離れられるんだけど余裕がある今、ただの街でなく街の中で更に城壁で囲まれた王城のおわす貴族街を見てみてもいいのではないだろうか。
悪趣味な大きなお友達を消したいという願望もあるが、王女が一度攫われたらしいこの街で、それこそ街に悪党が居なくなるまで消してもなお、それらしいやつと出会うことはなかった。
王都に来た時に、芋づる式で出てきた貴族がそうなのかも知れないが、だとしてももうちょっと居るだろ。王女ぞ?王女。一貴族だけでは無理があるだろ。
ということで貴族街から王都にて金のなる芋を探すべく探して、掘り出した訳である。
思ったより多かった。二、三貴族くらいかなって思ってたら二、三十貴族だった。一貴族あたり金貨一万枚くらいである。
俺が討伐報酬として取ったのは総額0.05貴族くらい、それ以上は余分すぎるのでほっといた。
見たことない蒼白く輝く硬貨は物凄く硬かったので鈍器として使ってみようと思う。
これで更に2ヶ月かかった。こちらは芋づる式とは中々行かなかったし、暗殺者対策をとてもしていたので非常に疲れた。ドーピングして魔人になるのは違うと思うんですよね。
最後の一体は度々奇襲を仕掛けるも殺しきれず、俺の弱点一つが闇属性である事がバレて、結界にこもられて手出しできなくなってしまった。
後もうちょっとだったのに。
まぁいいもんね。ソイツがなんか頑張って作ってたのを壊してやったし、黒い靄の正体が魔族由来の何かって事が分かったし、アイツとやり取りしていた奴が大陸北端にいるらしいし王都には満足したのでそっちに向かうことにする。
フハハハ!愉快愉快!お前を殺せないから先にお仲間さん襲撃してやるぜ!
ーーーーーーーーーーーーーーー
「アンタその年で傭兵なんてやってるの?」
「まぁ安心しときな俺達、エクセリニカの天翼と一緒にいる間はお前も守ってやるぜ。」
王都を抜け、近郊の街で傭兵と称して荷馬車の護衛になんとか漕ぎ着けた俺は幌の中で男女三人の冒険者に絡まれていた。
「…何か言ったらどうなの?セリルが守ってくれるって言ってくれてるのよ?」
「恥ずかしがりやかぁ?でも傭兵としてやっていくなら人付き合いは大事だぞ。冒険者でも依頼主と仲良くやって損はないからな!」
誰か助けてくれ!初対面の人がめっちゃ絡んでくる!
「そう捲し立てるな、ニーナ、セリル。
彼が傭兵をやっているのは止むにやまれぬ事情があるんだろう。余り人の事情を探るのは良くないぞ。」
事情があるといえばあるけど浅いんです。深読みしないでください考えなしの自分が恥ずかしくなってくる。
…いや深いといえば深いか?ちょっと日の光に当たれない事情と目標があって……まぁこれも生き当たりでなったことか……。
深く考えないようにしよう。なんか…こう…………。
「ねぇ聞いてるの?得意なことなぁにって聞いてるんだけど?」
「え?ああ……剣持って突っ込むのが得意ですかね」
「お前それは大丈夫なのか?」
「傷が治りやすいので問題ないですね」
「ふーん、回復系のスキル持ちなのね。自分以外には使えないの?普通、回復職は後ろでサポートするものだけれど…」
「自分以外には効果が薄いので」
「そう、でもアタシ達がいるならサポートしてなさい。いいわよねエクス。」
「ああ、問題ないそもそも私達だけの予定だったからな。万が一のための警戒を君にはしてもらおうか。基本的にはセリルと一緒に後衛だ。」
「分かりました。」
「後衛だろうと前衛だろうとどちらでも構わないぞ!
俺達がいるなら怪我一つ残すことはない!
そもそも俺が治癒士でありながら前衛だからな!」
「それはアンタが勝手に前に出てくるからでしょ!
なんでもない時にでも出てくるのは意味わかんない、アタシとエクスが前衛でアンタも前に出てきたら皆前衛じゃない!」
「だが、俺だって戦っ「そういうときは私が後衛に回るからね、今までもそうしてきただろう?」
「けど…」
「俺が戦「まぁいいじゃないか、実際問題私達が怪我をする事はほとんどないからセリルが手持ち無沙汰になってしまっているだろ?」
「そうだけど…」
「そ「いざという時に陣営をすぐ戻せればいいさ、それに後衛が狙われることはよくあるだろ?その時に自衛できるのはとてもいいことだよ。」
「…そうね。ごめんねセリィちょっと強く言いすぎちゃったかも」
「いいだろう許してやろう!俺とニナの仲だからな!いざという時にニナを守れんでは一生悔いてしまうからな!」
「もうっ出る気満々じゃないの!」
ニーナ或いはニナと呼ばれた白銀髪の剣士が治癒士と言うよりかは武道家のような体格の黒髪のセリルの脇腹を小突いた。
それを愛おしいものを見るかのように目を細めて金髪の魔法剣士エクスが微笑んでいる横顔がサマになっている。
俺、いらなくないか?もはや邪魔くないか?何なんだよこいつ等幼馴染か?甘々じゃねぇか胸が苦しい。早急に離脱が求められる。
誰か助けて!
……まぁ商人の護衛だしそのうち解放されるか。
次回、閑話。
投稿時間って決めたほうがいいですかね?
-
決めろ
-
決めるな
-
さっさとしろ
-
遅い
-
朝
-
昼
-
ばーん