近未来の世界で活躍する元忍の高校生と仲間たちのダークヒーローアクション…の予定。
ひとまずプロローグをば
広い和室の中央で俺…
「貴景…」
「何だ、ジイ」
「もう忍びは…要らぬ」
「なぜだ!?忍びはまだ…」
狼狽える俺に対し祖父は力なく笑いながら答えた。
「時代に負けたのよ。お前に叩き込んだ儂が言うのもおかしな話じゃがな…」
ジイはゆっくり上体を起こし、開け放たれた縁側の景色に目を向けた。視線の先には高層ビルが連なり、ホログラムの広告が無数に浮かぶ街の風景が見て取れた。
「…最早誰も忍を、我々を必要としてはおらぬ」
「…なら、俺は…」
「よいか貴景…儂からの最後の教えじゃ。心して聞け…ゲフンケフン!」
「ジイ!」
口を抑え咳込むジイを慌てて介抱する。口から離れた掌には真っ赤な血が
「儂はもう長くない。続けるぞ…」
乱れた息を整えるとジイは枕元の忍刀を手に取り抜き放った。美しい銀色の刃は斜陽を受け鈍い光を放つ。
「忍という字は心の刃と書く。たとえ時代が移り変わろうと…忍が消えようと…刃のように決して折れぬ真っ直ぐな心…
「…分かった」
「それで、いい…お前は…お前なの…だ…から…」
「ジイ…」
こうして、俺は忍と同時に唯一の家族を失った。
◇◇◇
その後の
数日後、俺はジイの遺品を整理していた。もうジイはいない。普段なら賑やかな居間は静寂に包まれていた。
ふと引出しの中から薄い木箱を見つけた。蓋を開く。入っていたのは黒い狼の面と
「ジイの遺書…こんなところに…」
綴られた文字の羅列に視線を落とし読み始める。
『儂は、忍が負けたことを認めたくなかった。
だからお前を忍にした。儂のつまらぬ意地にお前を巻き込んですまなかった。 これからは忍ではなく一人の人間として思うままに生きてくれ。
お前のことは
【ゴロンゴ】という店だ。きっとお前の助けになる。
それと代々伝わるこの面と襟巻もお前に託す。
忍の心、忘れるなよ。
達者でな』
「忘れるわけないだろ…勝手なこと言いやがって…」
そう言う俺の内心は酷くグチャグチャで整理がついていなかった。紙を握る手に力が籠る。グシャリと音を立てながら皺が浮き立った。 自分の道を行け、と言われても忍の生き方しか知らない俺には分かったものではない。
「ゴロンゴ、か…」
そこがどういうところか全く分からない。だが唯一示された道はそれだけだ。行くしかない。
そう思い俺はすぐに身支度を始めた。
その先で波乱万丈な毎日が待ち受けていることなどこの時の俺が知る由もない。
字があれば教えていただけると助かります。
半端者ですがぼちぼち追ってもらえると嬉しいんでよろしくお願いします!