戦火の汚泥   作:外道山賊

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予期せぬ出会い

ジューコフの命により護送されることとなったマリア。

しかし、ジューコフはミネルバやその騎士に隔意はあれど、人質として囚われているマリアに対して思うところが無い訳では無い。

 

 

その為、要塞の戦力を減らす事が悪手であると知りながらもマリアに対する護衛はそれなりのものとした。

 

 

 

それは彼の騎士としての矜持のなせるもの。

だが、それはあくまでマケドニアのミネルバ王女やその配下の騎士が信義に反しない場合に限る。

 

 

 

 

人質を任せられるとはそういう事。

 

 

いざとなれば、人質を殺すのも仕事なのだ。

勿論それを任せられる以上、グルニアからジューコフは信用されており

ジューコフの行動ひとつでグルニアの信用は大きく落ちる事にもなり得る。

 

 

 

 

グルニア騎士としてジューコフは恥ずかしい行いは許されないのだ。

 

 

 

だからこそ、マリア王女に対しても配慮する。

 

 

 

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とは言え、余りに多くの兵を動かせば人目を引いてしまう。

考えにくいがマケドニア軍の中にもミネルバ王女やその騎士に同調している者がいる可能性は否定出来ない。

 

 

単に戦闘力の多寡だけで護送する戦力を選別出来ない。

何せ護送対象であるマリア王女は徒歩であり、騎馬では通行出来ない山中をルートとして考えていた。

 

ゲームにおいては騎馬ユニットは自由に乗り降り出来ているが、勿論軍馬が突然消える訳はない。

軍馬を連れて歩く者が必要だ。

 

 

その様な人員まで割ける筈もなく、傭兵を出すのも少しばかり心配。

已む無くジューコフはソルジャーとアーチャーを護衛としたのである。

 

 

 

 

 

しかしジューコフは理解していなかった。

 

長く続く戦いで大陸の治安は彼やグルニアの者達が思う以上に悪化していた事を

 

 

 

 

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ジューコフにマリア王女の護送を命じられた者達はグルニア軍の人間らしく、与えられた命令を忠実に遂行しようとした。

 

 

 

だが、人目を避けるかの様に動く集団。

しかもそれが山中(縄張り)に入ったとなれば、それを放置しない者達がいた。

 

 

 

そう、大陸各地に偏在する山賊達だ。

 

 

 

 

彼等にとって縄張りを荒らされるのは決して許してはならぬ事。

その上相手は大した数でもなく、山中に慣れている様子もない。

 

 

環境の変化とは時に戦力差を覆す。

海で海賊に勝つのは難しく

空を駆ける天馬騎士や竜騎士相手では戦いにもならず

 

 

山の地形を巧みに利用する山賊もまた脅威なのだから。

 

 

 

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私此処で死ぬのかなぁ

 

 

 

 

周りの兵士が次々と倒れる姿を見て、マリアはそう考えてしまう。

回復の杖でもあれば兵士達を癒せるだろうが、人質である自分にそれを持たされる筈もなかった。

 

 

逃げようにも見知らぬ山の中、体力がそこまである訳でもなし。

捕まったとしたら、多分後悔する様な事になるのだろう。

 

 

それは何となく分かる。

 

 

 

⋯でも

 

 

不器用だけど気にかけてくれた兄

いつも優しかった姉

 

 

家族の筈なのに、あんなにも遠い。

 

 

どうしょうもなかった。

何とかしたいと思ったけど、何も出来なかった。

 

 

だから

 

 

⋯もう、いいかな。

疲れちゃった。

 

 

 

自分が死ねば姉は悲しみ、兄も分かりにくくとも悲しんでくれるだろう。

もしかしたら、それで関係が多少良くなるかも知れない。

 

 

 

 

そう思い、目を瞑った。

 

 

 

 

「自殺志願とは贅沢なこった。」

 

そんな声が耳に届いたのは、その瞬間だった。

 

 

 

 

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「⋯戦闘か。」

 

「えっ?」

 

時は少し巻き戻り、ゲレタとリンダ。

2人はワーレン付近の戦闘を終えた後、山の中に入りアカネイアの中心部へ向かっていた。

 

 

その道中、ゲレタが顔を顰めながら呟きリンダは驚く。

 

 

ゲレタは己の魔力を薄く拡散させる事で擬似的なレーダーの様に運用している。

勿論それはゲレタに相応の負担を与える事になるが、ゲレタ一人ならともかくリンダ(連れ合い)がいるのであれば安全を確保するのが最優先。

そう考え、必要経費として割り切った。

 

 

 

更に仄かに血の臭いがするとなれば、現在も戦闘が行われているのは確定。

 

 

 

流石に状況も判然としない中で皆殺しにする程ゲレタも(人間として)壊れてはいない。

 

 

 

遠目でも状況を確認する事とした。

 

 

 

 

 

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あの赤毛のシスター、マリア王女か?

 

 

何となくそう思った。

赤毛のシスターは確かマリアとレナだけだった筈、原作では。

 

 

 

と言うか、シスターの周りの兵士達全滅してるじゃねぇか!?

 

 

 

 

 

流石に慣れない山中の戦闘で山賊集団と戦うのは辛かったか。

 

てか、オイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「自殺志願とは贅沢なこった。」

 

いやマジで焦ったわ。

逃げる素振りも見せねぇとかさぁ。

 

 

 

どうやらマリア王女らしいが、心を痛めているのだろう。

何せ彼女からすれば兄と姉が反目しあっている状況なぞ嬉しい筈もない。

 

 

 

しかし、どういう事だ?

 

仮にもマケドニアの姫であるマリアがこんな山深い所を何故?

 

 

 

 

ゲレタは内心首を傾げていたが、それはそれとして山賊集団はゲレタの手により壊滅していた。

 

 

「⋯あのねぇ。」

 

どうしたものかと困惑するマリアとひたすら思考の海に沈むゲレタ。

その空気はゲレタを追ってきたリンダが来るまで続いたとか何とか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲレタ

 

元山賊(クラスは魔道士)

 

 

 

サムスーフ山に棲む凶悪な山賊集団サムシアンの頭目ハイマンの腹心。

実のところ、ゲレタの加入により多少軟化した部分があり、今まで通りのやり方が出来ない事に腹を立てた者がゲレタを襲っている。

 

 

勿論見せしめの為に惨たらしく殺され、サムシアンの統率を強固なものにする為の材料とされた。

 

「無駄はいかんよ、無駄は。」

 

 

基本的に温厚だが、一定のラインを越えると容赦がなくなるタイプの人間。

広範囲型殺戮魔法とも言えるものを使うが、別に武器で戦えない訳でもない。好んで手の内を見せない人物。

 

 

 

 

 

 

相性

 

 

 

ハーディン、ガーネフ、メディウス、ミシェイル◎

 

マルス、ニーナ◯

 

ミネルバ、カミュ、ガトー✕

 

 

 

 

現実主義者であり、現実を理想に如何にして近付けるか?

一部ではなく大勢を巻き込む事を良しとする。

歴史好きの為、基本人に幻想を抱かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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