異世界から帰ってきた魔神ですが、ダンジョン攻略を始めます   作:Revak

15 / 15
第15話

 

 数日後──五月二十五日。

 ついにディノクのチャンネルが収益化し、スパチャも解禁された。

 

 という訳でディノクはスパチャ初配信をするために愛知県岡崎市に来ていた。

 

「おー、なついわ」

 

 そう呟きながらタクシーから降り、岡崎の大型ショッピングモールに来ていた。

 

 ディノクは不破泰二だったころに何度か岡崎のショッピングモールに来た事がある。

 今回はここで映画を見た後、昼食を食べショッピングをした後岡崎のダンジョンを攻略する予定だ。

 

 そしてショッピングモール内に入っていく。

 

 まだ五月なので熱くも寒くもない。

 ディノクがポケットに手を入れかっこつけながら歩いて行く。

 

 まずは通路を歩き映画館に行く。

 見る映画は決まっている。ふわふわの呼吸で解き明かせ! 小さな体に宿る大きな謎というこの頃流行の映画を三つぐらいくっつけたB級映画だ。

 ディノクはB級映画が好きという訳ではないが、たまには駄作を観ないと名作を名作として認識できなくなるので観ている。

 

 そして映画館に辿り着き、ポップコーンとオレンジジュースを購入する。炭酸は飲めないので。

 

 映画館に入り、スクリーンに向かう。

 取った席は一番後ろの席だ。視力もいいので見やすいのである。

 

 そして席に座ると映画が始まる。

 

 上映開始して十分。ディノクは早速この映画を観た事を後悔していた。

 

 ものすごく帰りたくなって周囲を見る。

 そこには十人ほどの客しかいなかった。

 意識をシャットダウンすることも視野に入れたがクソ映画を観る為という目的があるのでポップコーンを食べながら頑張ってみた。

 十分ぐらいでポップコーンを食いつくしてしまった。

 

 

 そして無駄に長い二時間半の映画を観終えるとため息を吐きながら一介のレストラン街に行く。

 食べる物は決まっていない。

 

 一階にエスカレーターで降りてレストラン街に入る。

 そしてぶらぶら歩き、適当な店に入る。

 入ったのは天ぷら料理店だ。

 いらっしゃいませ、という声を尻目に案内された席に座り注文する。

 頼んだのは一番高い料理だ。

 最近金には困っていない。

 配信外や配信でもダンジョンを攻略し素材を売却しまくってるので金には困らないのだ。

 しかもクソ強いので死の危険は特にないし。

 

 そうして頼んだ天ぷら御膳が来るとそれを食べ、ごちそうさまと言ってから会計をして店を出る。

 

「さて、ダンジョン行くか」

 

 そうしてダンジョンに向かうのだった。

 

 

 

 ■

 

 

 岡崎のダンジョンの第一層にディノクは居た。

 

「こんちゃー。今日も配信すっぞー」

 

 ・こんちゃ

 ・こん~

 ・ついにスパチャ解禁か! 

 

「おう、SNSで告知した通り今日はスパチャ解禁と、岡崎のダンジョンに来てるぞ」

 

 ・よっしゃスパチャや! ¥5000

 ・ワイも少しだけ¥500

 ・うぉー! 俺を読み上げてくれ! ¥10000

 

「お、おい。そんなスパチャして大丈夫か? 金は大事にとっとけよ。俺金持ちだから金には困ってないから」

 

 ・ならなんでスパチャ解禁したんですかねぇ¥10000

 ・うるせぇ! お布施させろ! ¥5000

 

「いやまぁ先輩たちみんなスパチャ解禁してるからその流れに乗って……まぁいいや。今日はこのダンジョンを攻略する。ここは謎解き型のダンジョンだから、視聴者と一緒に攻略していくぞ」

 

 ・このダンジョン面白いよね

 ・モンスターはあまり出ないダンジョンだもんなぁ

 ・しかも短いし、危険性もあんまないよな

 

「ていう訳でいくぞー」

 

 そうしてディノクが進んで行くとそこには石室があった。

 そして扉が三つある。

 それぞれの扉には「太陽」「月」「星」の紋章が刻まれている。

 

 そして石碑があり、こう書かれている。

 

「三つの扉のうち、正しい道へ通じるものは一つだけ。太陽の扉『正しい道は月の扉ではない』。月の扉『正しい道はこの扉である』。星の扉『正しい道は太陽の扉である』。三つの碑文のうち、真実を語っているものは一つだけである……簡単だな」

 

 ・まぁ最初は簡単なのだろうよ

 ・えー? こんな問題も解けないの? こんな問題が溶けないのなんて小学生までだよねー! ぷぷー! 

 ・は? メスガキには負けないが? 

 

「答えは聞く必要あるか?」

 

 ・いやーないでしょ

 ・こんな問題わからねぇわけがねぇべな

 

「んじゃあ太陽の扉開けるぞー」

 

 ・は? 

 ・草

 

 そしてディノクは太陽の扉を開けた。

 その先はなかった。

 

「は?」

 

 ぶっブー、と不正解の音が響いた。

 

「…………」

 

 ディノクは無言で扉から離れる。

 

「……今のは視聴者を試したんだ」

 

 ・何のために? 

 ・あたまゆるゆるか~? 

 ・憐れんで恵んでやろう¥10000

 

「あ、スパチャありがとう……正解はあれだ、星の扉だ」

 

 そう言って今度は星の扉を開けた。

 その先には通路があり、そこにはモンスターが居た。

 

 もはやおなじみとなりつつあるミノタウロスだ。

 と言ってもこの個体はそこまで強くない、雑兵だ。

 

「はいさくっと"死ね"」

 

 即死をぶっパし殺し、死体は放置して先に進む。

 

 ・戦闘力だけは最上位層並みあるよな……

 ・その代わり頭が緩いのかもしれん

 ・またも緩いかもよw

 ・↑ライン越えだぞてめー! 

 

「はいコメ欄で喧嘩しない。荒らしに反応するのも荒らしだからなー……んで次はこれか」

 

 そこには三つの石像があった。

 通路を防ぐようにフードを被って顔をわからなくした石像だ。

 

 その石像の台座には何か書かれている。

 

「これも前の部屋と同じ感じだな……とくると、答えはBの石像だな」

 

 ふん、とディノクは石像をぶん殴って壊した。

 

 ・壊す必要あったか? 

 ・もしや後ろの扉がお見えになっていない?! 

 ・く、くるんちゅ……

 ・これが"ワイルズ"か

 ・何年前のネタだよ

 

「サクサク行くぞー」

 

 そう言って次の部屋に入った。

 

 先には扉があり、扉の前には台座がある。

 台座には四つ横並びで穴が空いている。

 左手側にはテーブルがあり、その上には箱がある。

 箱には四つの石があった。

 

「この石を嵌めろってことだろうが……順番はどこかな、と」

 

 ディノクは台座を見る。

 そこにはこう書いてあった。

 

「赤の魔石は、青の魔石より左にある。緑の魔石は、赤の魔石の隣には置かれない。白の魔石は、一番左にも一番右にも置かれない。青の魔石は、白の魔石の隣に置かれる……こういうの苦手なんだよなぁ」

 

 そう言って適当にカチャカチャ石を並び変える。

 

 ・適当にやっても開かんぞー

 ・だからと言って壊すのはなしだよ

 

「赤白緑青か?」

 

 ・ちゃうぞ

 ・答えは赤青白緑や¥1000

 

「お、そうか。サンキュー」

 

 そしてその順番に石を嵌め直すと扉が開いた。

 

「お、開いたな……じゃあ先へ進むぞー」

 

 

 

 ■

 

 

 あの後更に三つほど問題を解いて最奥に辿り着いたディノクはモンスターと対峙していた。

 五メートルほどの巨大な亀だ。名をソーラータートル。

 名前の由来はこの亀の甲羅を加工するとすごく効率のいいソーラーパネルになるからだ。

 

「うし、"死ね"」

 

 だが即死技の前には無力である。

 この世界のダンジョンのモンスターはすべからずディノクより格下なので即死が通じるのである。

 ソーラータートルは死亡した。

 

 ディノクが解体ナイフを異空間から取り出し解体し、素材を収納した。

 

「という訳で謎解きダンジョンクリアだ! 配信視聴ありがとうな~!」

 

 ・おつ~

 ・謎解き(物理)でしたね

 ・やはり暴力……暴力は全てを解決する! 

 ・次の配信も楽しみにしてるわw

 ・おつしたー! 

 

 こうして謎解きダンジョンは終わった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

百合ゲー世界の上位存在淫魔にTS転生しました♡(作者:ひきさん)(オリジナル:ファンタジー/恋愛)

もちろん、推しのヒロイン達を全員まとめて可愛がりますよねっ♡▼今日も掲示板ではみなさん大騒ぎしているようです♡▼「本当に、人間って可愛いですねっ♡」


総合評価:374/評価:7.67/連載:6話/更新日時:2026年09月19日(土) 07:31 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル:現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2985/評価:7.66/連載:147話/更新日時:2026年10月22日(木) 10:01 小説情報

TS女神の地球救済政策 ~26年かけて異世界を救った元勇者、絶世の女神になって帰還したら地球が滅びかけていたので、ダンジョン災害で救います~(作者:TS女神)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

高校二年生だった高瀬悠真は、気まぐれな邪神によって異世界へ放り込まれた。▼そこは魔王によって人類が最後の一国まで追い詰められた、滅亡寸前の世界。▼それから二十六年。▼勇者となった悠真はついに魔王を倒し、さらには自分を異世界へ送り込んだ邪神まで撃破する。▼しかし、その代償――というより邪神からの余計な置き土産によって、悠真は絶世の美女神へと姿を変えてしまった。…


総合評価:1520/評価:8.09/連載:24話/更新日時:2026年11月02日(月) 07:05 小説情報

TS魔法少女「はろはろ〜NTRスレイの時間だよ〜」(作者:フリーダム・メイソン)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

『えー、NTRは殺します。奴らは害獣だからです。人妻や他人の彼女にしか興奮できない獣だからです。なので、毎晩皆で盛り上がろう! 私はゴースト! NTRに鉄槌を下す──機械仕掛けの天使だよ!』▼ 魔法少女という存在が認知されるようになった現代で、夜中の二時に不規則に放送される配信チャンネルがあった。そこで放送されるのは、NTRを憎む魔法少女による私刑。過激な配…


総合評価:642/評価:7.43/連載:11話/更新日時:2026年10月04日(日) 18:23 小説情報

女体化して母親になったよ!天使な子供たちとファンタジー世界で幸せになります(作者:きさまち)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

ファンタジー世界で真っ当に暮らしていた主人公は罠にハメられ意図せず女体化させられてしまう。▼待っているのは最悪のバッドエンド!そのピンチを救ったのは翼を持つ異種族の男(イケメン)だった。▼割と早い段階で女であることを受け入れイケメン旦那と結ばれた主人公は子宝にも恵まれて幸福の絶頂に…しかしそうは問屋がおろさない!?▼我が子との幸せのんびり生活のためお母さんは…


総合評価:2014/評価:8.28/連載:32話/更新日時:2026年10月29日(木) 20:22 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>