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あれは一週間前の月曜日のことだった。その日は夏だというのにやけに風が強く冷え込んでいてそのせいか、なんだか薄気味悪い感じがした。
朝のホームルームが終わり、休み時間になると何だか教室がざわざわとしていた。どうせ俺には関係のないことだろうし寝ようと思った時、
「おい、お前の話聞いたか?」
クラスで仲のいい友達が声を掛けてきた。
「あの話、ってなんなんだよ?」
「C組のマヨイが行方不明になったらしいんだ。なんでも行方不明になる前にマヨイとあいつの友達が心霊スポットに行ったらしいんだが、そのスポットに行った後、マヨイの様子が段々おかしくなっていったらしくてな……。『メールに気を付けろ』『みんな呪われる』なんてことをずっと下を向いて呟いていたらしいぜ?」
馬鹿馬鹿しい話だ。幽霊と行方不明を結びつけるなんて。冷静に考えて幽霊なんてるわけがないだろ。
学校から数時間経過し、夜になった。月明かりが夜道を照らし、朝の薄気味悪さがどこかへ行ってしまったかの様に、外は穏やかだった。
しかし、俺は何だかこの夜は寝つきが悪かった。唸りながら布団の中で目を瞑りガタガタと動いていた時、“ピロン♪”とスマホの通知音が静かな部屋に鳴り響いた。
通知音の正体はメールだった。ついでに時刻も確認してみる。スマホの液晶には『午前2時13分』と映し出されていた。もうこんな時間か、と思いつつ俺はメールを確認してみることにした。ボックスを開いて見るとそこには知らないアドレスからのメールがあった。
普段の俺ならこんなメールは無視していたが、この時は違った。なぜだか無性にメールを開いてしまいました。開いてみると、そこには「貴方を探しています」という一文しか記されていなかった。
このメールを見た時、ふと今朝の会話を思い出した。しかし、きっと誰かの悪戯だろうと感じた俺はスマホの画面を閉じて寝ることにした。
翌朝、目覚めるとまたメールが届いていた。また悪戯か、と思い放っておこうと思ったが、気がついたら、なぜか勝手にメールが開かれていた。するとそこにはまたもや「貴方を探しています」と言った一文のみのメールだった。流石に気味が悪くなったので、すぐにメールを削除し、ブロックをしようとした。その時、アドレスを確認すると、そのアドレスはどこか見覚えのあるものだった。
よく見ると、それは『自分』のアドレスと同じものが使われていたのだ。見間違いかと思い、目を凝らして確認する。しかし、何度確認しても自分のメールアドレスと一緒なのだ。恐る恐るメールの送信時間も見てみる。そこには俺がメールを見たはずの『午前2時13分』という時刻が表示されていた。俺の頭の中はどんどん恐怖に侵食されていった。
……しかし、このメールの内容が本当なのかどうか確かめたいという衝動に駆られた俺は恐る恐る後ろを振り返ってみることにした。
しかし、そこには誰もいなかった。俺は安堵した。ただ俺の思い違いだったようだ。俺はとりあえずこの奇妙なメールを忘れることにし、学校へと向かうことにした。
その後、数日が経過したがあの日以来メールが来ることはなかった。
金曜日の晩、また俺は物憂げにいた。その時だった。“ピロン♪”とスマホが鳴った。通知欄を見てみると、そこには「メールから一件の通知があります」と表示されていた。
俺はあの奇妙なメールを思い出した。俺は怯えながらメールを開く。
今回も「貴方を探しています」と言う文が書かれていた。
しかし、今までのメールと違うところがあった。写真が添付されているのだ。俺は震える手で写真を開く。写真には俺の家が写っていた。
ここで俺は今までのメールがただの悪戯や幻ではないことに気づいた。震える手でスマホを握っていると、またもや通知が手の中で鳴り響いた。またメールだった。今度は写真のみだった。写真に写っていたのは階段だった。
少しづつ、人かどうかも分からない“何か”がこっちに近づいてくる。またスマホの通知音が鳴った。
俺は恐る恐るメールを開いた。すると、自分の後ろ姿の写真と共にこう書かれていた。
『や っ と み つ け た』
少年の行方は、誰も知らない。