一対のドラムスティック   作:ハヤ0313

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どう告白されたんですか⁉︎

 

 

 

 ぽんぽこぽんぽこ。

 今日も亜季はドラムを、

 

「クロエちゃんとやら!」

 

 叩いている場合ではなかった。

 

「噂のヨッパだー!」

「飲める年齢⁉︎」

 

 クロエがしばらく来店する、という話を聞いて、ヨッパが駆けつけたのであった。

 

「飲めますけどー」

「飲みに行こう!」

 

 という訳で、早速ウザ絡んだ。

 もとい、ゲーセン女子かつ飲める仲間を見つけ、嬉しさのあまり階段とばしで交友を深めようとした。

 

「だめーっ! あたしの彼女だぞ!」

「じゃあ皆で行こう!」

 

 音祢の反対に対し代替の提案の早さたるや。そこまでして飲みたいらしい。いや、そもそも誰かと一緒に飲みたいらしい。

 だがいつものメンバーは女子高生。流石に誘えるものではない。

 しかしクロエは女子大生。しかも飲める年齢。

 良いターゲットである。

 

「……居酒屋って女子高生が入って良いのかしら」

「あー……」

 

 が、桂香が純粋な疑問を呈する。

 入って良いか悪いかで言えば、良い。

 保護者たるヨッパとクロエがいるため、女子高生三人がいても一応大丈夫である。

 が、世間体的はどうだろうか。

 

「……ファミレスで許してやろう!」

 

 なので、そういう事になった。

 

「なんでも良いんだ……」

「あはー楽しいね! 音祢、良いー?」

「まぁ、クロエちゃんが、良いって言うなら……」

「もー、機嫌なおしてよー」

「べつに怒ってないもん」

 

 音祢はヨッパと仲良くしているクロエにあまり良い感情を向けていない様子。

 故に一人、ギターにクレジットを投入しプレイを開始した。

 

「……い、良いのかな」

「……い、良いのかしら」

「……あー、イチャついてるだけだよきっと」

 

 そんな修羅場に対し、おろおろする師弟達。

 が、ヨッパはそう分析する。

 なにせ、

 

「ぎゅぅー」

 

 と、プレイ中ずっとクロエが後ろから音祢を抱きしめている。非常に迷惑なのでおやめください色々と。

 更にはなにやら耳元で囁き続けている。

 よくよく見ると音祢の耳が真っ赤である。

 ……そして、プレイが終わった。いろんな意味で。

 

「ん、機嫌直った」

「よし、じゃあヨッパさん! 皆さん!」

「うーぃ、移動しようぜぃ」

 

 そういう事になった。

 

「な、なんかすごいものを見ました……」

「そ、そうね……」

 

 

 

 という訳で某コスパ最強ファミレスチェーン店。

 

「かんぱーい!」

 

 主にヨッパとクロエが乾杯していた。

 残りはソフトドリンクである。

 テーブルには各々が好き放題注文した様々なメニューが並んでおり、音祢などは先程から写真を撮りまくっている。

 

「ねーねークロエさんクロエさん」

「はいはいヨッパさんヨッパさん」

「黙れヨッパ」

「まだ何も言ってないよ⁉︎」

 

 という訳で開幕に酒をぐびっとあおったヨッパがクロエに何かを問いかけようとしたのだが、音祢がそれを一刀両断した。日頃の行いのせいである。

 

「もう音祢、そんなこと言わないの」

「はーい」

 

 だが恋人からそうたしなめられ、素直に従う。

 

「ヌコちゃんからどう告白されたの?」

「黙れヨッパ!」

 

 が、ろくでもない事を問われ、音祢が再沸騰した。

 

「わー直球」

「よ、よく聞けますね……」

「ある意味尊敬するわ……」

 

 クロエは苦笑するも、外野は恐れ慄く事しか出来ない。

 

「ね! ね! どうなのどうなの⁉︎」

「んーそうだなー」

「んむー! んむーっ!」

「めっちゃ暴れてる……」

「よっぽど聞かれたくないのね……」

 

 目をキラキラさせて問うヨッパに対し音祢は威嚇を通り越して掴み掛かろうとするも、クロエから抱き抱えられて口元を押さえられる。

 もちろん外野は恐れ慄く事しか出来ない。

 そしてクロエは少し考えるそぶりを見せるも、

 

「……内緒、です」

 

 そう、答えた。

 

「えー?」

「んむぅ……」

「音祢との内緒ですっ」

「むーん、仕方ないなぁ」

 

 だが、ふわり、と微笑まれてはそれ以上追求する事など出来る筈もなく、ヨッパは残ったお酒を一気に飲み干した。

 

「でも」

「お?」

 

 そんな彼女に対し、お酒を継ぎ足してクロエは言う。

 

「すごく心のこもった言葉でしたよ?」

「ふぅーっ!」

「ヨッパうるせーっ!」

 

 良い話である。

 無論、音祢の顔は真っ赤であった。

 

「あはー、照れないの」

「て、照れてないしっ⁉︎」

「かわいーなぁ」

「ちょっ⁉︎ やーめーてーよー⁉︎」

 

 そして公共の場で堂々とイチャつき始めた。

 

「ど、どんな言葉だったんだろ……」

「心のこもった言葉……」

「師匠?」

「な、なんでもないわ!」

 

 外野は恐れ慄く事しか出来ない。

 だが、波紋が広がった。

 言葉。

 どんな言葉かが気になった。

 それは、そういう年頃だったから気になったのか。

 それとも、自分に関係があるかもしれないから気になったのか。

 それは分からない。

 

「ええい! 今日の会計ヨッパ持ちだからな!」

「えええええええええええええええマジで⁉︎」

「すみませーん! 追加注文おねがいしまーす!」

「ォアーッ⁉︎ 手加減してねーっ⁉︎」

 

 

 

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