一点読みの自由勝負   作:kkrr

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あまりに文に触れて無さすぎたので……


一発逆転の犬

この国は終わっている!

 

そう父が言ったのは、私が6歳の頃だった。そうなんだ!とニコニコしながら同意した。親がいうのだから間違いがない、そう思って生きていた。

 

私は暫くの間、国はクソなんだ!と思いながら知人に何が終わっているのか、親から聞いたことを伝えることに熱心だった。いつしか、私の世界はイエスマンだけが残った円の内側と、それを恐れ、気持ち悪がっている人達がいる外側の2つに別れた。

 

私は困惑した、何故と。何故私は皆から距離を置かれた、何故私は間違ったことを言っているのだと大人から聞かされる、何故なのだ。

 

私の言葉は間違っていない、今まではそう言いきれた。しかし、今は言い切ることができない。周りに人が居なくなってから、やっと疑問を持てたのだ、親の意見を鵜呑みにして、その意味を深く考えることなく、自分自身の承認欲求を埋めてきたのではないかと。

 

それからの1年。疑問が、私のプライドが傷つけるのに私は思考を止めなかった。そして出た答えは

 

//////

 

13歳となり、暇だった私は砂浜から海を眺めながら今までを後悔していた。

「はぁ……なぁレイはどう思う?」

唯一の友達であるレイ、犬に話しかける。

「バウ!」

多分、主人になんか言われたから吠えただけなんだろうなと思いつつも、えらいなぁー、と頭を撫でた。

 

Past

まだ幼い村のみんなを洗脳していたと知った時、私は今までのように関われなくなった。今まで口からスラスラと出た子供には毒である考えが出てこない。

「ねぇ、ラキちゃん!……ねつあるの?」

「……あぁ少しね」

「ぇ、えっとね、はやくげんきになってほしいからおうちでやすんで!」

「ありがとう、モモ……」

 

やはりダメだ。私にはもう言えない。

 

Today

やっぱり犬はいい、猫よりもだ。波打ち際でステッキを使いながら、水の輪っかを作って芸を覚えさせたり、競争をしたりと割と充実した時間を送っていると、少し遠くに誰かいることに気がつく。背丈がまだ私と変わらないぐらいの150cmぐらいの人はギリギリ聞こえるぐらいの声で叫ぶ。

「……どうして、どうして!私達のことを裏切ったの!」

これで何度目だろう。私の元に何度も何度も「昔の貴女に戻って……!」という輩は何度来れば気が済むのか。

「……行こうか、レイ」

踵を返しながら言うと、賢い犬は私の右前を歩く。まだ水と触れ合いたいらしい……かわいい子だ。ニコニコとしながら帰宅への1歩を歩きだそうとすると、冷たい何かが首元を裂く。途端に熱くなっていき、気分が悪くなってしまう。直ぐに仕舞った杖を後ろに構え、叫ぶ。

「何のつもり、だっ!」

くそ、昨日から私は貧血気味だ。朝飯に肝を食っておくべきだった。

「……!!!やっとこっちを向いた。」

「モモイ、ふざけた真似はよせ。お互いにとってそれは良くないだろう。私たちには言葉がある、そうそれを使わないのはクソだ!」

「今更、それ……いうの?散々散々散々、無視をしてきたあなたがそれを言うのね。」

私は不味いと感じ、直ぐさま彼女の腹めがけて呪文を飛ばす。いつもよりスピードが緩やかにフラフラとブレる呪文は彼女が腕を振り上げると消え去ってしまう。

「ねぇ、どうして。そんなことするの。私はあなたとまた遊んだり、同じ趣味を共有したいだけなのに、ねえ……どうしてなの」

不味い、不味い、不味い!あれはダメだ、あれは絶対に。耳触りのいいことを言ったってそれは絶対に無理だ。

まさか殺すのか!?

普段の私なら、有り得ないと断言したはずで本当に有り得ないのだが、この時の私は死ぬと本気で考えていた。

1歩ずつ、しりもちをついて、右手で首を抑え、左手で砂を押しながら後ろへ後退している私に近づいてくる。せめてレイは助けてあげた……い。

 

いや待て、そういえばどこにいる。私が戦闘している時、吠える声がしなかったぞ、まさか死んだのか?いやそれは無い。そしたら血痕が残っているはずだろ?

あれ、あれれれれれ、あの子どこいっちゃったの。

 

「ねぇ……ラキちゃん。」

そんなこんなしていると、モモイはすぐ側まで近づいていた。はっ、となって避けようとしたが腹を蹴られ、私は倒れ伏す。そしてそのまま乗っかられ、杖を血が止まり始めている方に押し当てる。

「ねぇラキちゃん。また一緒に遊ぼうよ、私ね、ラキちゃんが変になっちゃった時さ、わたしのせいだと思って何が悪かったのかなってママに相談したの。そしたらさ、なんて言ったと思う?『もうあの子と関わるのはやめなさい』だって!私、そんなことをママが言うはずないから偽物だと思って後ろを振り向いた瞬間にコレで刺したんだよ!」

そう言ったあとモモイは、傷口に抉るようにして杖を押し当て始めた。言葉も出なかった。しかし、モモイのお母さんはまだ生きているはずだ。

「……あ、ラキちゃん。今、ママは生きているはずだって思ったでしょ。そうだよ、ママは生きてる。でもね、あれから口聞かなくなっちゃってさ。だから、私にはラキちゃんしかいないの、戻ってきてよ……、」

私の人生もここで終わりかなと諦め始めた時、モモイは犬に突進されたかのようによろめいた。ここしかない、後ろに向かって回転させるように杖を振り下ろしながら、彼女の方へ先端を向けて、ごめんと言った。

 

膝を着いて、息を切らしていると「バウッ!」とレイの声がした。振り返ると心配してそうな表情でちょこんと座り込んでいる。心配したんだよ、そう言って私は安心したのか知らないが、意識が暗転する。

 

 

//////

 

スンスン、ベロベロ

 

鼻がもげる匂いがしたので、飛び起きると、母と目が合う。数秒の譲り合いの後

「あぁ起きたの、おはよう。」

なんにも気にしていない様子の母に驚きながらも「おはよう」と返す。そう、と素っ気なく言ったあと

「はやく顔洗ってご飯食べちゃいなさい、レイがあなたの顔をベロベロ舐めてたから、少し臭いわよ」

「え」

 

朝食を一緒に食べている間に私は今1番気になっていることを母に聞く。

「お母さん、あのさモモイって子……私の隣に倒れていたと思うんだけどさ大丈夫かな」

「モモイちゃんは大丈夫よ。2時間前ぐらいに目覚めている。……あぁー幸いにもあなたの呪文が当たって気絶したんじゃないわ。疲れが祟ったのと激しい興奮状態にあったため、倒れた……そう判断されたそうよ。あの子もあなたの無実を訴えているようですし、安心して」

母はニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、食器を片付けに行った。

 

扉が音を立てながら閉まった時、私は足元でお零れを狙っているレイに

「学校卒業したら、ここを出ることにするよ、怖いし」




んーー、最初の方書いてて思ったんですけど、棄教をしたことがあるのかと思われるようなこと書いてんな、俺。
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