Angel Beats Children Dissolved 作:セリカ イツミ
報告書C。
機密等級3号。
【集団消滅】
大多数の人間の混乱を招く為、この報告書を機密とする。
本稿は、過去に起こった集団消滅について記述してある。
この事象における正確な時期については明確ではない。
“死後の世界”と言われるこの場所では、昨日、明日といった、前後関係以外の時間に対する単位が定義されていないためである。 ただ期間として、三日間であったことは現時点で判明している。
消滅した人数は20人~30人前後。
まず、主に関連した人物について記述する。
・阪本 玲次
・サカモト レイジ
・国籍 日本
・男子生徒。
・年齢 十八歳。
・所属 なし。
生前は、幼少時に様々な武道を体得。多趣味で学業もほどほどに優秀。
マフィアのような人間と関係はあったが、犯罪経歴はない。
困っている友人を助けるような人道的な人間であった。
・Stella Lowell
・ステラ・ローウェル
・国籍 イギリス
・女子生徒
・年齢 十八歳前後。
・所属 死んだ世界戦線/Girls Dead Monster 後に離脱。
元々はイングランドのノーブル(高貴な人の意)。敬虔なクリスチャンでもあった。
明るくアクティブな性格。スポーツの競技大会などに進んで参加していた。
この世界での滞在期間が長く、人間では最年長。
彼女が来訪した時期は、彼女自身にも定かではない。
・宍粟 香住
・シソウ カスミ
・国籍 日本
・女子生徒
・年齢 十六歳
・所属 学園生徒会書記
プログラミングやネットワーク関連の豊富な知識を持つ少女。
前述の阪本怜治より二週間前に死亡している為、この場所では比較的若く、右手にアシカのパペットを装着しているので、一目で見つけやすい。
高い情報技術と管理能力を買われ、僅か一週間で書記に任命される。
・篠山 衣織
・ササヤマ イオリ
・国籍 日本
・女子生徒
・年齢 十八歳。
・所属 死んだ世界戦線 後に離脱。
生前は一般の学生。この場所に来た当初は、どこにも所属はせずに一般生徒として生活する傍ら、死んだ世界の調査を独自に行っていた。 戦線の本拠地でもあるギルドの探索だけでなく、広いコネクションを利用して様々な場所に潜入していた。
当時、「生徒会」と「死んだ世界戦線」という二つの組織が存在し、原因不明の交戦状態であった 。
主に衝突していたのは、生徒会長に就任していた模範生“立華 奏”と新興組織「死んだ世界戦線」に所属する人間とそのリーダー“仲村 ゆり”。
しかし、それぞれの組織とは全く別の意図でこの三人は結託していたと思われる。
現段階で判明しているのは、三人が指定進入禁止区域を探索したことである。
探索した区域は以下のとおり。
「第六十六番隧道」
「稜線の向こう」
目的や動機、集団消滅との関連性については後述する。
問題となっているのは、彼らが当時考えられていた従来どおりの要因
・模範的生活態度による消滅。
・天使による強制的な消滅。
・心理的問題の解決による消滅。
によるものとは考えづらいからである。
最有力となっている“心理的問題の解決による消滅”と考えたとしても一度に消える人数としては数が多すぎる。
我々が、死後何故このような場所に連れ去られたのかは不明である。
バグのようにティーンの少年少女だけがこの場所に密集している。
それに比較的日本の国籍の人間が多い。
この場所で信じられている、神の存在については現在も言及できない。
神の名を語る扇動者ばかりで、誰もその存在を証明できないからだ。
上位存在を観測するには文化の繁栄と技術の発展が必要だが、我々はあまりに若すぎた。
もしくは、人の手の入れようのないシステムの事を神と呼んでいるに過ぎないのかもしれない。
生物が死を迎えた後、区分されこの場所に配置された後に次のフェーズへ移る。
ただの“仕組み”であるだけなのだ。そういうふうになっている。こういうものという。
適切に言い表す言葉が見つからない為に暫定的に“神”と呼んでいる。
ともあれ、この場所ならば誰もが一度は疑問に思うはずだ。
神は存在するのか?
システムを改竄することは出来るのか?
我々の存在と、真理の解明を志す者の為にこの報告書を遺す。
ただ……どうか忘れないでほしい。
人の望みが、ありふれた幸福の追求のためにあることを……。