戦闘描写ガバガバなんで皆さんで独自で想像しながら補ってほしいです。その時に挿入歌も流しながらね!
さやかと恭介が話している頃、杏子はソウルジェムの反応を頼りに魔女と音也を探していた。話を聞かずに飛び出していったあの大馬鹿が結界に入る前にさっさと魔女を倒しアイツらのもとに連れ戻さなければならない。そんな焦燥が彼女を動かす。
杏子は思い出す。かつて慕っていた先輩が死ぬ瞬間。先輩の実力はかなりのものだった。今の自分が戦っても勝てるかどうか、そのくらい強かった。そして昔一悶着あったとはいえあの時ばかりは頼りにしていたことは事実。あの巴マミが死ぬわけ無いだろう、そう考えていた節もあった。
しかし現実は無情であった。さやかを庇ったとはいえ呆気なく魔女に食べられて死んだ。あっさりだった。あっさりすぎて死んだことすら実感できなかった。結界から出たときにようやく死んだことを実感した。同時に人の命なんてこうも簡単に無くなるのかと。
だからこそ、これ以上人が死ぬことを見過ごしたくなかった。普段使い魔放置してるくせになに言ってるんだと言われるかもしれないが、今の杏子は人の死と言うものに敏感になっていた。
「魔女の反応が近い。ここか...!!」
走っているうちに反応のある路地裏を発見する。路地裏を占拠するように結界が張ってある。その結界を前に例の大馬鹿 紅音也がいた。
「馬鹿な真似はやめろッ!!今すぐ行くからそこで待っとけ!」
声を張り上げて結界に入ろうとする音也を制止する。
「来たのか赤髪。まったく心配性なやつだ」
「これはアタシの仕事だ。アンタのような一般人がしゃしゃり出るようなことじゃない」
語気を強め乱暴にいい放つ。これでわからなかったら殴ってでも止めるしかないと杏子は画策する。幸い、彼女は魔法少女である。仮に抵抗したとしても力なら並みの人間よりも強い自信があるため止めることは容易いだろう。
「なにか色々考えてるらしいが、音也様には通用しないぞ」
そういうと音也は結界の中へと入っていった。
「マジかよアイツッ!」
臆することなく目にも留まらぬスピードで結界へ侵入する音也に面食らい、遅れて杏子も即座に魔法少女へと変身して結界へと侵入する。
結界へ侵入すると全てが白と黒だけで彩られた世界だった。まるで昔のテレビのようなモノクロの漫画のような全てが色を失っている世界。その中で唯一色を持っている自分が異質に思えるほどに。
杏子は結界へと侵入してすぐにただ立っているだけの音也を発見する。見つけると同時に連れ戻そうと音也のもとへとかけつけるが音也から質問を投げかけられる。
「おい、魔女って言うのはあの黒いうねうねのことか」
「あれは、違う。あれは使い魔だ」
白黒世界の中で先端が動物の頭を模した黒い触手があたりに漂っている。しかし反応を見た感じ使い魔のようであった。
「使い魔?」
「魔女の手下だ、魔女を倒してもコイツらは消えない。むしろ結界から出てたくさん人を食う。だからコイツらも倒さないとダメだ。って、なに言ってんだ...アタシ...」
普段は使い魔を倒すことなんてあまりしないのに倒さないとダメだと言ってしまう。普段のポリシーと逆のことを言っており自分でもどこか落ち着いていないことを自覚する。
「なるほど、じゃ本体はこの先にいるってことか」
「そうだな、ってアンタは結界から出ろいい加減!」
中々結界から出ようとしない音也に腹を立てさらに語気を強めて出るように催促する。しかし音也は俄然として退く気はない。
「というか、お前いつのまに着替えたんだ?なんというかさっきより露出増えてるぞ。ガキが色気付くにはまだ早い。そういうのはもっと成長してから着るもんだ」
「う、うるさい!」
杏子は今、魔法少女としての姿をしている。格好としては肩をだし立襟のついたフリル付きノースリーブドレスで襟元が菱形に空いている、前側がAラインに空いているという露出具合はさほど前と変わらないが肩だしが目をひいたのだろう。
「とりあえず、さっさと本体を倒してここからおさらばするぞ。いつまでもこんなところにいたら気分が悪くなる」
そう言うと音也はなにかを腰に巻く。それは黒と金を基調とし所々銀色が施され差し色に青色が入っており右側中央の赤い円が目をひく奇妙なベルトであった。
「そんな変なもん巻いてなにする気だ」
「黙って見ていろ」
懐からベルトと同じような色使いの奇妙なアイテムを取り出す。まるでナックルのように持つとそのアイテムを手に押し当てる。
《 レ • ディ • イ 》
低いシステムボイスと共に音也の存在を知らしめるかのようにけたたましい機械音が響く。腕を右斜め前に突きだし左へスライドさせると─
「変身」
《 フィ • ス • ト • オ • ン 》
音也の声と共にアイテムをベルトにセットすると先程の低いシステムボイスが唸る。セットした瞬間またしてもけたたましい機械音と共に赤い円から欠けた赤い十字架のようなマークが回転しながら音也の前で鎧の赤い幻影を生成する。そして幻影が音也と重なると眩しい光があたりを一瞬支配した。
その光に杏子は目を伏せた。光が止み、目を開けるとそこには、黒いアンダースーツに所々に銀と青の差し色の入った白い鎧を着こみ、顔はさっきベルトから出てきた十字架が金色になって顔に張り付きその十字架の中心部には瞳を閉じているように黒い線が入った戦士の姿があった。
「なんだよ、その姿...。魔法少女でもないのに......」
「これはそんなファンシーな物じゃない。というか俺は少女じゃないれっきとした男だ」
魔法少女でもないのに変身するという異常事態に杏子は唖然としていた。状況を掴めずにいると音也が口を開く。
「相変わらずの着心地だ。だがあのコウモリモドキよりかは全然マシだがな。あれは二度と着たくない」
「なに言ってんだ?」
訳のわからないことを言い出した音也に思わずツッコミを入れる杏子。魔女の結界にいるとは思えない程和やかな雰囲気が漂い始めたがすぐに気を引き締める。
「お前ああ言うのとは結構戦ってるんだろ?」
「そうだな。少なくともアンタよりかは詳しい」
「よし、使い魔は任せた!」
「はぁ?!」
いきなり杏子に命令すると音也は結界の最深部へと爆走していくのだった。有無を言わさない勢いだったために止める間もなく音也を行かせてしまう。残された杏子は呆然と立ち尽くしていた。
「なんだよアイツッ!いくらなんでもめちゃくちゃだぁ!!」
誰にも届かない不満を結界に木霊させる。仕方なく言われた通りに槍を片手に使い魔を殲滅していく。目の前にいたものから片っ端から触手の使い魔を斬っていく。
「邪魔だぁ!」
斬っても斬っても次から次へと現れては杏子に牙をむく。四方からさらに使い魔が体を伸ばして杏子を食おうと迫ってくる。
「お前らごときに構ってる暇はないんだよぉ!!」
しかし、数多もの魔女を狩ってきた杏子には通用しない。長い槍を回転切りの要領で振り回しあらゆる方向からの使い魔に対応する。
「めんどくさいな」
狩ってもキリがないと判断し槍を分離させる。杏子の槍は多節棍のように分離することが出きる。これにより中距離も対応することができるのだ。分離させるとまるで鞭のようにしならせて凪払う。すると使い魔があっという間に数が少なくなっていった。全てを殲滅し終えた杏子は舌打ちをはさみ全速力で音也を追いかけるのだった。
一方、音也はというと─
「くそ、数が多いぞ意外に。人生常にモテ期だったがコイツらにも好かれるとは罪な男だぜ」
軽口をたたきながら邪魔してくる使い魔を変身に使用したアイテム"イクサナックル"を片手に倒していた。ある程度の使い魔はあの赤髪がやってくれるだろうと信じて無視、無視しきれない使い魔をイクサナックルで一撃粉砕しながら魔女のもとへと向かう。
「にしても、どこまで行っても白黒だな。この時代はカラーが主流だというのに時代遅れにも程があるだろう」
白黒の世界に愚痴を漏らす。魔女の結界にセンスがないと言えるのは多分彼だけだろう。
使い魔を倒しながら前に進んでいると一本道の奥に太陽を模した塔が建っておりその塔に向かって祈りを捧げているような全身が真っ黒のロングヘアーの少女のような姿を発見する。
「多分あれが本体だな。音也様の直感がそう言ってる」
少女が本体と推測し気を引き締める音也。そこへ一つの声が響く。
「おいコラァ!勝手に行ってんじゃねぇ!」
「お、もう来たのか速いな。流石は魔女退治の専門家ってわけか。ガキの癖によくやるぜ」
「お前、人の話絶対聞かないタイプだろ」
なんとか追いついた杏子が音也に詰め寄る。しかし肝心の音也はどこ吹く風といった感じである。
「聞くが、あれが魔女なんだよな」
「そうだな、反応の強さを見るに魔女だ」
「なんか、イメージと違うな」
「この期に及んでなに言ってんだ」
この状況でふざけたことを言う音也。この男ホントに大丈夫なのだろうかという不安が杏子の頭がよぎる。いや、自ら結界に入ってる時点で大丈夫じゃないな、という結論を出し魔女へと向き直る。
「なんか、こう...つばの大きい帽子をかぶっててローブを羽織った、なんかウェヒヒとかテュヒヒとか言って鍋でなんか作ってる老婆のイメージだったから思ったより全然違かったな」
「アンタ...結構ステレオタイプなの想像してたんだな」
音也のステレオタイプな魔女のイメージを聞き、確かに魔女って言われたらそういうの想像するかと納得した。魔女が目の前にいるにも関わらず結構呑気な会話を繰り広げている二人になにかがくる。
「うおっとッ!」
「あぶねッ」
魔女が背中から黒い触手を伸ばして攻撃してきていた。
「まったく余裕のないやつだ。でも俺はそんなやつでも大歓迎だぜ」
「油断してんじゃねぇ!」
あまりの緊張感の無さに声を張り上げる。杏子の脳裏に浮かぶのは呆気なく散ったかつて慕っていたものの死。こんな調子ではまた人を死なせてしまう。焦りが強くなる。
音也が魔女へと走る。それを感知した魔女はさらに触手増やして攻撃する。音也の目前には十本はあるだろう触手が迫ってきていた。
「その程度じゃ俺は倒せないな」
イクサナックルを思いっきり突き出す。すると衝撃波が放たれ触手は全て破壊される。
「すげぇ...」
思わず感嘆の声が漏れでる杏子。一方音也はがら空きになった一本道を突き進む。途中で使い魔も出てきたが適当にあしらいながら進む。魔女は破壊された触手を再生させ音也に向かわせる。今度は前からではなく右や左から時間差で攻撃する。
全方位から叩くような触手の攻撃にうんざりしながらも一つ一つ来たものからイクサナックルで迎撃する。
そんなやり取りを繰り返していくなかで触手が足払いを仕掛けてくる
「よっと!」
軽々とジャンプするとそれを狙っていたかのように他の触手が音也に絡み付く。空中では体の自由がきかないために簡単に絡め取られ両手足が拘束される。
「やべ」
「あの馬鹿!」
一本の触手が音也を貫こうと先端を鋭く尖らせ迫る。しかし縛っていた触手はあっという間に切り裂かれた。
「サンキューだ赤髪。今のは流石にまずかったからな」
「だから油断してんじゃねぇって」
杏子が槍を伸ばして触手を斬っていたのだ。魔女は音也に意識を向けすぎて杏子に気がつかなかったのである。
魔女は依然として触手をとばす。防戦一方ではないが事態は停滞していた。
「あの触手が厄介だ。どんなに速く動いたとて確実に捕らえてくる。まるでナンパしてるときの俺みたいだな」
「しょうがない、こういうのは癪だが」
杏子は音也に提案する
「おいお前、前でアタシが道を作るからアンタが着いてきてアイツに一発浴びせろ」
「中々良い作戦だ、のった」
提案を即決でのった音也の言葉を聞き早速行動に移す。今来ている触手を全て槍で凪払い一本道を駆る。そしてその後ろを音也がつく。上や左右から触手が迫ってくるが杏子が柔軟に槍を分離させ上手く対処する。槍を鞭のようにしならせ次々とくる触手をぶった斬る。後ろからの物も器用にしならせて対応する。
しかし突如攻撃が止むと触手が集まり一つの巨大な触手へと変貌する。まるで大木のような触手に息を飲む杏子
「やばいぜ、流石にあれは捌けない」
「いや、よくやった。ここまで来れば仕留められる」
魔女との距離はおおよそ60m
「アイツらの良い雰囲気を邪魔する悪い子ちゃんにはきつーいお仕置きが必要だな」
ベルトにグレーのフエッスルを装填しイクサナックルをベルトに戻し火花を散らしながら押し込む。
《 イ • ク • サ • ナ • ッ • ク • ル • ラ • イ • ズ • ア • ッ • プ 》
低いシステムボイスが結界に響く。ベルトからナックルを取り出し構える。巨大な触手が道を占拠しながら迫ってきている。触手が目の前に来た瞬間
「はぁ!」
掛け声と共に魔女のもとへ一直線に跳び上がり魔女本体に衝撃波を放つ。魔女は形を手の形に変化させ防御にまわる。
ギギギという音が魔女から聞こえる。触手を操作する力も全て防御にまわし耐える。
拮抗状態であったが突如魔女の手が切られる。
「アタシがいることを忘れるとは心外だぜ」
手が切られたことで衝撃波をもろにくらい魔女は跡形もなく消滅した。それと同時に結界が音もなく崩れていくのであった。
杏子のキャラホントにあってんのかなこれ?あと杏子若干空気なのはすいません。因みに察しはついてると思いますが今回の魔女は影の魔女さんです。後、ほんとは現代イクサにしたかったんですけどやっぱりプロトの方が音也らしいってことと設定を時の扉くぐってきたってことにしたんでプロトイクサになりました。え、いつくぐったのかって?皆様のご想像にお任せします。あとイクサの音声英語表記にしようと思ったけどcsmの取説がカタカナなんでこっちもカタカナにしました。