ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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本編
プロローグ 拉致


何故、こうなったのだろう?

俺は今、悪の組織の研究所みたいなところで手術台に貼り付けにされて人体を怪しい変態に調べられている。

 

「痛いところはないか?」

 

今、質問してきたのが俺を拉致った張本人だ。

 

「あったら優しくしてくれるのか?」

 

「んなわけねぇだろ。一応、聞いただけだ」

 

だったら聞くなよ。

 

さて、何でこうなったか思い出してみよう。

まず、今は高校一年の夏休みの初日だ。夜に喉が渇いたからコンビニに行く途中に浴衣姿の外国人に会った。そしたら、その外国人がいきなり俺の頭を掴んで、下に魔方陣のようなモノが現れて気が付いたら、ここにいた。次に背中に翼のある連中が現れて抵抗する間もなく、この状態になった。

……うん、意味が分からない。

 

「よぉ、調査が終わったぜ」

 

「終わったぜ、じゃねぇよ!ここはどこで、お前の目的は何か分かりやすく説明しろ!」

 

「いきなり悪の組織に拉致られたのに威勢が良いな。普通ならもっと怯えるものじゃないのか?」

 

理解してんなら、もっと悪びれろよ。

 

「そんなことどうでもいいから、ここがどこで、お前が誰で、目的は何なのか今すぐ説明しろ!」

 

「騒がしい奴だな。まずは二つ目の質問から答えようか。俺は堕天使総督をしているアザゼルだ」

 

堕天使?いきなり何言ってんだ?いい歳して重度の中2病患者か?そんなんに巻き込まれるこっちの身にもなれよ。

 

「何だ、その頭のおかしい奴を見る目は?言っておくが、俺の言っていることは本当だぞ」

 

そう言うと、アザゼルは背中から十二枚の漆黒の翼を出した。手品の類いには見えない。

 

「これで信じたか?」

 

「……七瀬霧識」

 

「何?」

 

「俺の名前だ。あんたが名乗ったから俺も名乗ったんだよ」

 

確かに高一の夏休みだし、何か特別なイベントとか期待したけどよ。具体的には異世界に召喚されて勇者をやる、みたいな展開を妄想してたこともある。でも、さすがに堕天使に拉致られるのは嫌だな。

 

「それは信じた、と受け取っていいのか?」

 

「勝手にしろ」

 

まずはこの状況を整理するのが先だ。そして逃げる。

 

「なら、勝手にしよう。次に俺の目的だな。俺の目的はお前の持っている力だ」

 

「力?」

 

確かに俺は変わった力を持ってるが。

 

「お前の力は神器(セイクリッド・ギア)と呼ばれる物で特定の人間の身に宿る規格外の力だ」

 

なるほど。俺の力はそういう名前なのか。そこまで大した力だとは思えないが。

 

「今さらだが先に俺を開放してくれないか?」

 

貼り付けられたまま会話を続けるのはキツい。

 

「ハハハ!そうだな。それは悪かった。場所を移すか。お茶ぐらいは出すぜ」

 

何がそんなに面白いんだ?とりあえず俺は開放されて別の部屋に移動した。ここは応接間か。かなり豪華な内装だが。少ししたら堕天使の女が俺のお茶とアザゼルの酒を持って来た。

 

「さて、じゃあ話の続きをするか」

 

「……人と話すのに酒を飲むのかよ」

 

「ああ、俺はこれを買いに人間界に行ったんだよ。で、その帰りにお前を拾ったわけだ」

 

俺は犬か何かか?て言うか、人間界?

 

「まぁ、そんなことよりお前の神器の説明だな。お前の神器は認識を操る『偽りの現実(ミラージュ・ファントム)』だ」

 

「それは強いのか?」

 

「弱い奴だったら影が薄かったり周りから多少、注目される程度だ。そのせいで能力に気付かず死んでいく所有者も多い。だから発見も難しくレアな神器とも言えるな」

 

何だ、そりゃ。まぁ、確かに授業中に居眠りするぐらいしか使い道がないが。

 

「でも、その分、所有者の力が高ければ神や魔王すらも騙せる最凶最悪の神器になる。応用力も高い」

 

「ほぉ、それは面白いな。て言うか、神や魔王とかもいるのか?」

 

「そりゃあ、いるさ。他にも死神やヴァンパイア、ドラゴンだっている」

 

それは楽しみだな。最初は堕天使なんか拉致られて、どうなるか心配だったが。

 

「ああ、そうだ。大事なことを言い忘れてた」

 

「何だ?」

 

「俺達の組織、グリゴリはどこにも属していない神器所有者を勧誘、または保護している。そして、この研究施設で力の使い方を教えている」

 

堕天使と聞いたから極悪非道の悪の組織を予想していたが人のためになることもしているんだな。

 

「で、ここからが重要だ」

 

ここでアザゼルは酒を飲む手をとめて一旦、溜めてから口を開いた。

 

「他勢力への力の流出を避けて成長した所有者は組織に留まらせている」

 

「……つまり?」

 

嫌な予感しかしない。

 

「お前は家に帰れない。このまま一生、グリゴリの監視下で生きてもらう」

 

「はーーー!てめぇ、何言ってやがるんだ!」

 

「うるせぇな」

 

「どうした?騒がしいが」

 

ここで銀髪の俺と同じ歳ぐらいの男が部屋に入ってきた。

 

「お、ヴァーリか。ちょうどいい。俺はちょっと酒のつまみを取ってくるから、こいつに堕天使や神器、その他色々と説明してやってくれ」

 

そう言うとアザゼルは席から立ち上がった。

 

「おい。待て、アザゼル。俺は他に用事があって来たんだが」

 

「知るか。後回しにしろ」

 

何て横暴な奴なんだ。

 

「俺は絶対に逃げてやるからな」

 

「お前の最初の質問に答えてなかったな」

 

「最初の質問?」

 

「ここがどこだ、ってヤツだ。ここは冥界だ。もし俺達から逃げれても、どうやって家に帰るつもりなんだ?」

 

は?冥界?異世界ってことですか?

 

「じゃあな」

 

それだけ言うとアザゼルの野郎は部屋から出ていった。

 

「なぁ、ヴァーリって言ったけ?」

 

「ああ、そうだが」

 

「……あの野郎が言ったことは本当か?」

 

「事実だ」

 

ふざけんじゃねぇ!勝手に拉致っておいて家に帰さないだと!どんな手を使ってでも家に帰ってやる!




次回から原作の内容に入ります。主人公がどうやってグリゴリから開放されたのかは後で書くことになります。

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