『サーゼクスちゃん!もう、勝手に人間界に行っちゃうんだもん!私だって人間界に行きたいのに!』
立体映像の顔と声が完全にハッキリすると、レヴィアたんがサーゼクスに文句を言う。
て言うか、怒るところはそこかよ。
「やぁ、セラフォルー。すまない。今、兵藤一誠くんの家に来ているのだよ」
『あら、本当ね。やっほー、赤龍帝くん!ところで霧識ちゃんはいるの?』
「一昨日ぶりだな」
俺を撫でるのを小猫と花蓮にやめさせると、俺はレヴィアたんに声をかける。
「一昨日ぶり?仕事か?」
イッセーが首を傾げながら聞いてきた。
「いや、プライベート」
俺がそう言うとレヴィアたんが少し顔を赤らめながら怒ってきた。
怒っている顔も可愛くて全く怖くない。
「もう、それは内緒だよ!誰にも言ってないよね?」
「大丈夫だ、誰にも言っていない」
本当は小猫やルフェイ達には報告しているけど。多少、怒られたけど、いつものことなので大きな問題にはならなかった。
俺とレヴィアたんの会話を聞いて周りが不思議そうにしているが何も聞いてこなかった。聞いても適当にはぐらかされるのが分かっているのだろう。
というより、俺に秘密があるのはいつものことなので、それほど気にしていない可能性もあるが。
続いて俺は残り二人の魔王にも挨拶する。
「久し振りだな、アジュカにファルビー」
『久し振り。この前のアイデア、面白かったよ』
まずはサーゼクスのライバルにして、サーゼクスと同じ超越者でアジュカ・ベルゼブブが返事した。
今の四大魔王は全員面白いけど、俺は特にアジュカに興味を持っている。
後ろではイッセーがリアス・グレモリーから魔王の説明を受けている。
「そりゃ、良かった。あんなので良ければ、今後も出すぞ」
元々、存在しているものを研究、開発するアザゼルと違ってアジュカは無いものを一から創造するのを得意としている。
だからアザゼルでは無理だったアイデアをアジュカに提案したのだ。
『本当、君って色々なことしてるよね。働いたら負けだよ。後、一回会っただけなのに慣れ慣れしすぎ……』
ファルビーことファルビウム・アスモデウスが頬杖ついて眠たそうにしながら言う。
ファルビーは冥界最強の戦術、戦略家と評されている。今度、戦略ゲームで対決してみたいな。
「それは同感だ。俺も何があっても働きたくない。俺がしているのは全部、趣味だ。金も稼いでいるけどな」
正確な金額は知らないが、俺が趣味で稼いでいる額はプロスポーツ選手ばりなんじゃないだろうか。
『ところで、七瀬くんよりもサーゼクスじゃなかったかな?』
『ああ、そうだった!サーゼクスちゃん、そっちに行くなら先に言ってよね!アジュカちゃんもファルビーも時間に厳格なサーゼクスちゃんが席にいないから不思議がっていたんだから!』
アジュカに言われてレヴィアたんが思い出したように言う。忘れていたのか。
「実はリアスにグレモリー家の例の儀式をゆかりの遺跡で受けてもらおうと思ってね。グレイフィアがここを訪れたのもそれが目的でもある」
『『『おおっ』』』
サーゼクスの言葉を聞いて魔王三人が楽しそうな顔をする。
何のことだ?リアス・グレモリーも不思議そうな顔をしているが。
「お兄様……いえ、ルシファー様。それはどういうことなのでしょうか?遺跡とは先祖代々重要としてきたあの場所でしょか?」
「うむ。グレモリーの者はある程度の年齢に達するとその遺跡にて、通過儀礼をおこなうのだ。親愛なる者と共に。意味は分かるね、リアス?」
ああ、なるほど。そう言うことか。具体的な内容は分からないが、確かにそれは面白そうだ。
サーゼクスの言葉でリアス・グレモリーは顔を真っ赤にして、アーシアは焦ったような顔をしている。
後でアーシアにもフォローを入れるか。タイミングは修学旅行の時だな。修学旅行ならリアス・グレモリーも邪魔できないだろうし。
「さっきまでグレイフィアさんに怯えていたのに、いつもの顔に戻りましたね。今度は何を企んでいるんですか?」
小猫が不審げな表情で聞いてきた。
「まだ何も決まってない。情報が少ないからな」
まぁ、それでも俺が何かするのは決定事項だが。
「これで話は終わりです。リアス、拒否は認めません。私達を安心させてください。後、サーゼクス。分かっていると思うけど帰ったら再教育よ」
グレイフィアさんがサーゼクスの頬を引っ張りながらそう言う。
再教育ということは前に教育しているのか。
サーゼクスは顔は笑っているが、目には大量の涙がある。嫁が怖いんだな。
この様子じゃサーゼクスに儀式の話を聞くことは無理そうだ。
ルフェイに頼んで冥界に行って、他の魔王に話を聞くか。
儀式の話を聞いてから数日後、俺はグレモリー領のとある山岳地帯に存在する遺跡の端にいた。
ちなみに俺はそこら辺の岩に座っている。
「……ところで、これって私も着ないと駄目なんですか?」
黄色の戦隊ヒーローみたいな格好をしたグレイフィアさんが恥ずかしそうにしながら言った。
文句があるなら着る前に言えよ。まぁ、言っても無駄だっただろうけど。
ちなみに魔王全員も色違いのグレイフィアさんと同じ戦隊ヒーローみたいな格好をしている。
何でこんな格好をしているのかと言うと魔王戦隊サタンレンジャーとして、イッセー達に試練を与えるのが今回の儀式だかららしい。
俺的には遺跡だからヒーローよりも悪役の格好の方が雰囲気が出ると思うのだが。
「大丈夫、似合っているよ」
「格好良いですよ、お母様」
サーゼクスと見学に来ていたミリキャスがポーズの練習をしながらグレイフィアさんを励ます。
「ねぇねぇ、霧識ちゃん。どう?似合ってる?」
レヴィアたんがポーズをとりながら感想を求めてきた。
一々、ポーズをとらなくてもいいと思うが。
「ああ、似合ってる。凄く可愛い」
俺はレヴィアたんの頭を撫でながら返事する。
すると最初は気持ち良さそうな顔をしていたが、すぐに冷静になって可愛らしく頬を膨らませながら怒ってきた。
リアクションがイリナに似ているな。まぁ、イリナは怒らずにアワアワするだけだが。
「だから人前で撫でないでよ!私、魔王なんだよ!」
レヴィアたんが子供みたいに両手を上げながら怒る。
人前じゃなかったら良いみたいだ。後で二人っきりになる機会を探して撫でよう。
「本当、君たちは仲が良いね」
アジュカが楽しそうな顔で茶化すように言ってきた。
「そりゃ、ただならぬ関係だからな」
「何、その誤解を招くような言い方は!?」
「じゃあ、男と女の関係」
「誤解の余地がないほどのストレートな発言!?」
いやぁ、レヴィアたんの反応は素直で弄っていて楽しいな。
花蓮やレイナーレは弄ると予想の斜め上の展開になることがほとんどだからな。
「って、違うからね、アジュカちゃん!別に私と霧識ちゃんはそういう関係じゃないからね!」
「うんうん。分かっているよ」
焦って言い訳するレヴィアたんをアジュカがニヤニヤしながら見ている。
この人は意外と性格が悪いみたいだ。
ちなみにアジュカにだけ言い訳したのはファルビーが寝ているからだ。
「本当に分かってるの!?」
「大丈夫。俺は七瀬くんとセラフォルーがどんな関係でも応援するから」
「分かってない!」
いや、むしろよく分かっていると思うが。
アジュカは基本的に研究にしか興味のないタイプだと思っていたけど、意外とこういうのも好きなのだろうか?
いや、今回の儀式にもノリノリだし意外でもないか。
「それよりもファルビーを起こさなくていいのか?そろそろ儀式が始まる時間だぞ」
「そう言えばそうだね。ファルビウム、そろそろ起きろ」
そう言うとアジュカがファルビーの肩を揺らして起こそうとする。
「……んー、後、五時間」
「寝過ぎだ」
何でファルビーはこんなに寝るのだろうか?
ほとんどの仕事をサボっているから暇なはずなのに。
アジュカにしつこく揺すられて、ファルビーは目をこすりながらやっと起きた。
「……正直、めんどくさいから皆で頑張ってきてよ。僕がいなくても問題ないでしょ?」
「駄目よ、ファルビー。皆で頑張ることに意味があるんだから。ほら、立って」
レヴィアたんがファルビーの腕を引っ張って無理矢理につれていく。
「じゃあ、俺らもそろそろ行こうか」
「そうだな」
アジュカに言われて俺は立ち上がる。
「おーい、サーゼクス。そろそろ時間だぞ」
俺は未だに息子とポーズの練習をしているサーゼクスに声をかける。
「あ、もうそんな時間か。じゃあ、行ってくるね、ミリキャス」
「頑張ってください、お父様」
息子に見送られて笑顔になったサーゼクスが移動する。
その様子を見てグレイフィアさんが溜め息をついている。そんなにその格好が嫌なのか。
「はぁー」
「似合っているから大丈夫です。お母様も頑張ってきてください」
「……仕方ないですね」
息子に言われて渋々と言った感じでグレイフィアさんも移動を開始した。
少し弄りたいがやめておこう。後が怖い。
ミリキャスが小走りで俺の方にやって来た。
「霧識さんも頑張ってくださいね」
「おー、頑張るぞ。ミリキャスも出番があるんだから、ちゃんと準備しておけよ」
俺はミリキャスの頭を撫でながら言う。
「はい。僕も頑張ります」
ミリキャスが満面の笑みで答えた。
ギャスパーと違って女の子に見えるわけではないが、それでもミリキャスは可愛い。
性別とか気にならなくなるほどに。さすがに襲ったりはしないが。
「君って守備範囲が広いんだね」
「アジュカ、それは間違いなく勘違いだ」
確かにショタは好きだが、恋愛対象としては見ていない。
そして俺はアジュカと分かれて自分の待機位置に移動する。
セラフォルーに何があったかは番外編の方で書くつもりです。
現在、執筆中ですが手こずっているので少し遅くなるかもしれません。
後、ガブリエルとヴァレリーも思い付いています。ヴァレリーは書かない可能性が高いですがガブリエルは書きます。
では感想待ってます。