ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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遅くなりましたが、そろそろセラフォルーの番外編が書き終わりそうです。
今日か、遅くても明日には投稿する予定です。


第115話 観光

バスから降りて、そこから歩いて天龍寺にやって来た。

そして大きな門を潜り境内を進んで、受付で観光料金を払う。

 

「おお、お主達、来たようじゃな」

 

後ろから聞き覚えのある声が聞こえたので首だけ振り返ると九重がいた。

……今日は狐耳と尻尾を隠しているようだ。俺達以外の一般人もいるのだから当たり前と言えば当たり前なのだけど少し残念だ。

 

「……ちっこくて可愛いな……ハァハァ……」

 

危険な息づかいをしている変態(元浜)がいた。

今は両腕が塞がれているから殴って気絶させることが出来ないな。……仕方ない。

俺は指から認識できないようにした魔力の魂を発射して頭にぶつけて気絶させようとする。だが、その前に桐生が元浜を吹っ飛ばして九重に抱き付こうとする。

そう言えば桐生も小さくて可愛い子供が好きだったような。

 

「ん?」

 

花蓮の様子がおかしい。体がプルプル震えている。

……ああ、なるほど。いつものか。

次の瞬間、俺の腕から離れて桐生よりも先に九重に抱き付いた。今の動き、全く見えなかったんだが。

そして、そのまま俺が最初、九重に会った時みたいに頬被りする。とりあえず写真を撮っておこう。

桐生はこの光景を見て残念そうにしている。

 

「何じゃ!?またか!?三度目じゃぞ!」

 

九重が抵抗するが、花蓮はそんなことは全く気にせず愛で続ける。

て言うか、手付きがイヤらしい。俺にヤられて勝手に学習したのだろうか?

 

「二度あることは三度ある。良かったな、一つ賢くなれたぞ」

 

俺は九重と花蓮の側まで行って言う。

これは俺にたまにある三連戦と一緒だな。

 

「こんなことで賢くなっても嬉しくないのじゃ!」

 

いやいや、将来どんなことが役に立つか分からないぞ。この世界は何が起きてもおかしくないのだから。

 

「お兄ちゃん、この物凄く可愛い金髪幼女は誰!?知り合い!?」

 

「何を言っているんだ、我が妹。そんなことはどうでもいいだろ?重要なのはここに物凄く可愛い金髪ロリ幼女がいるということだ」

 

「確かにそうだね!この可愛さとお兄ちゃんに比べたら大抵のことはどうでもいいね!」

 

この状況でも俺のことを出すあたり花蓮もぶれないな。

 

「この娘はお前の妹か!?退けてほしいのじゃ!」

 

「それは無理な相談だ、金髪ロリ幼女。俺は妹に甘いからな」

 

「普通に名前で呼ぶのじゃ!よく分からんが、その呼び方は嫌な感じがするのじゃ!」

 

残念だ。何となくこの呼び方が気に入っていたのに。

まぁ、九重が言うなら仕方ないか。

 

「で、九重。何か用か?」

 

「ああ、それはじゃな――」

 

「ねぇ、私の妹にならない?」

 

花蓮が九重の台詞を遮っていつも通り告白をした。

九重が花蓮の妹になると、自動的に俺の妹にもなるわけか。それはアリだな。

 

「話に脈絡がなさすぎる!後、嫌なのじゃ!」

 

「私の妹になるとお得だよ。お兄ちゃんが何でも美味しいものを買ってくれたりするし」

 

何故、そこで俺を出す。そこは自分で買ってやれよ。

まぁ、望まれたら何でも買うけど。

 

「……う~ん、それなら。……いや、やっぱり駄目じゃ!そんな甘い言葉には乗らないのじゃ!」

 

やっぱり子供。誘惑には弱いか。今のは惜しかった。

 

「ねぇ、霧識くん。周りの視線があるし、そろそろ止めた方が……」

 

イリナが周りの視線を気にしながら言ってきた。

周りの視線?……そういや、神器を使うのを忘れていたな。まぁ、どうでもいいか。

 

「ところで九重、飴があるけどいるか?」

 

俺はポケットから飴を取り出して九重に見せる。

 

「何がところで、なのじゃ!それよりも先にお主の妹を退けてくれ!……後、飴はもらうのじゃ」

 

九重は最後だけボソッと言った。何とも子供らしくて可愛い。

仕方ない。本当はもう少し見ていたいけど助けるか。

俺は花蓮の頭を撫でながら言う。

 

「そろそろやめておけ。飴、やるから」

 

「……可愛がられるのは嬉しいけど、子供扱いされるのはあんまり嬉しくない……」

 

花蓮がふてくされた顔をしながら九重から離れて、俺から飴を受け取る。

 

「はい、飴」

 

「……どうもなのじゃ」

 

九重が疲れた表情で飴を受け取る。そしてすぐに袋から取り出して舐め始める。

 

「イリナもいるか?」

 

「貰えるなら貰うけど。……でも、よくポケットから何か取り出しているけど、どうなっているの?そんなに入らないよね?」

 

イリナが飴を受け取りながら不思議そうに聞いてきた。

 

「グリゴリに有名な猫型ロボットの熱烈なファンがいるんだよ」

 

「え?……もしかして四次元ポケットを作ったの?」

 

「ああ」

 

俺のポケットは四次元ポケットになっている。

と言っても理屈はそんなに難しくない。単純に格納用の空間と繋げているだけだ。

俺がエクスカリバーをしまっていたのと同じ理屈だな。だから別にポケットから取り出す必要はないのだが、これが一番目立たないからこうしている。

ちなみに四次元ポケットには子供と仲良くなるためや疲れた時の糖分補給用のお菓子以外にも交渉用の写真などが入っている。

 

「そして他にも色々な秘密道具を作っている。例えば地球破壊爆弾とか」

 

「それを作ったの!?危険じゃない!」

 

「さすがに今のは冗談だ」

 

「冗談なの……。良かった」

 

安心したように息を吐くイリナ。だが安心は出来ないぞ。

そのうち冗談じゃなくなる可能性があるからな。グリゴリの科学力は変な方向に発展しすぎている。

将来どんな危険なものが出来るか分からない。いや、現段階でもかなり危険なものが大量にあるけど。

 

「ああ、そうだ。ルフェイにも飴をやるよ」

 

俺は片手で器用に袋をとって、飴を直接ルフェイの口の中に入れる。

 

「はむ」

 

「っ!?」

 

ルフェイが飴を口の中に入れると、そのまま俺の指も口の中に入れる。

そしてルフェイは指を一舐めすると口を離して飴を舐め出した。指から伸びている唾液がエロいことになっている。

 

「さっきのお礼です」

 

ルフェイが意地悪っぽい笑顔を浮かべる。

こういう不意討ちをされるとドキドキして心臓に悪いから、もう少し回数を減らしてほしい。

さっきの、って言うとバス停の愛の囁きのことか?後、仕返しじゃなくてお礼と言うところもポイントが高い。

俺はドキドキが表情に出ないように気を付けながら九重に質問する。

 

「そういや、何の用事なんだ?」

 

「……やっとか。何で本題に入るまでにこんな時間がかかるのじゃ」

 

花蓮がいるからだな。花蓮がいると話がマトモに進まない。

まぁ、花蓮がいなくてそんなにマトモじゃないけど。

 

「昨日の約束通り、嵐山方面を案内してやろうと思ってな」

 

ああ、そう言えば裏京都に行った時にそんな約束をしたような。

あの時は色々な種類の妖怪を観察するのに忙しくてちゃんと話を聞いていなかった。

 

「じゃあ、頼むぞ」

 

「うむ。任せるのじゃ!」

 

九重が将来の成長に期待できる胸を張って笑顔で言った。

金髪幼女に案内されながらの京都観光か。それは素晴らしいな。

 

 

 

 

 

 

 

九重に案内されて天龍寺を回る。誰かに教えられたらしい知識を自信満々に話す様子は非常に可愛らしかった。

可愛い過ぎて俺や花蓮は周りの景色を観察する暇がなかったほどだ。ルフェイもたまに九重の可愛さに見惚れていた。

そして嵐山を見て回った後は九重の薦めの湯豆腐屋で昼食を取っている。

 

「桐生とゼノヴィア以外の女子は俺が払うから遠慮なく食べろ」

 

「……何で私とゼノヴィアの分は払ってくれないのかしら?」

 

桐生が不満そうな表情で聞いてきた。

ゼノヴィアは特に気にせず美味しいそうに湯豆腐を食べている。他のメンバーも同様だ。

 

「言っていいのか?」

 

「……ええ、構わないわ」

 

「桐生は金を払ってやるほど可愛くないし、ゼノヴィアは面倒だからだ」

 

「ぐっ……。ハッキリ言われると堪えるわね。普通、女子に向かってそういうこと言う?」

 

だから事前に確認したのに。自業自得だ。

 

「はい、アーン」

 

ルフェイが湯豆腐を掴んだ箸を差し出してきたので、俺はそれを食べる。

うん、美味しい。

俺もルフェイにアーンをすると、ルフェイは美味しいそうに湯豆腐を食べる。

 

「……昨日からずっと気になっておったのじゃが、二人は付き合っておるのか?」

 

九重が顔を赤めながら遠慮がちに聞いてきた。

まぁ、子供でもこれだけくっついてイチャついたら分かるか。

 

「そうだけど。気になるか?何なら色々と教えてやってもいいぞ」

 

「お前は子供に何を教える気になんだよ!?」

 

アーシアにアーンをされているイッセーがツッコんできた。

 

「何って、恋人とはどういうものかを教えるだけだぞ。何を想像してたんだ、万年発情男」

 

「……そりゃ、アレだよ……。何て言うか、その……。て言うか、誰が万年発情男だ!?」

 

言葉に困って言い淀んだ末に話を誤魔化すイッセー。相手するのは面倒臭いし無視だな。

その後、木場がやって来たり、真っ昼間から酒を飲んでいるアザゼルを発見したりしたが無視した。

ついでにアザゼルと一緒にいたロスヴァイセが酒を飲んで酔っ払ったりもしていた。色々と疲れているのだろう。俺もロスヴァイセのせいで疲れているが。

 

「ロスヴァイセさんってお酒に弱いんですね」

 

ロスヴァイセをアザゼルに任せて店を出て、背後から酔っ払いの爆笑を聞いたアーシアがそう呟いた。

弱いってレベルじゃないぞ。一杯で酔っ払うし、物凄く酒癖が悪い。前に一回だけ一緒に飲んだことがあるが、襲われそうになって大変だった。軽いトラウマだ。今後、絶対にロスヴァイセとは酒を飲まない。

 

まぁ、今はロスヴァイセのことは忘れよう。数分歩いたところで次の目的地の渡月橋に辿り着いた。

アーシアが桐生から橋を渡る途中で振り返ると男女が別れるという言い伝えを聞いて、必死にイッセーの腕に抱き付いている。

こんなのは迷信なんだから気にしなくていいと思うが。て言うか、そこまで気になるなら橋を渡らなければいいのに。

ルフェイはどんなことがあっても別れるなんて有り得ない、と言って特に気にしていない。嬉しい話だ。

 

「っ!?」

 

反対岸に到着したところで、生暖かい感触が全身を包んだ。これはゲオルクの『絶霧(ディメンション・ロスト)』だな。

次の瞬間、気付くと俺は街中にいた。これは京都をトレースして作り出された別空間か。

俺の他にいるのはルフェイと花蓮だけ。イッセー達とは別の場所に飛ばされたか。

 

「七瀬だけを呼ぶつもりだったのに余計な奴等までついてきたようだな」

 

声が聞こえた方を見るとグラサンをかけた男が立っていた。

英雄派の影を操る神器を所有している奴だな。……そういや、こいつの本名って何だっけ?聞いたことがないな。

とりあえず影男でいいだろ。

 

「やっとゲーム開始か。待ちくたびれたぞ。それで前回と同じく厄介な俺を隔離ってわけか」

 

「ああ、そうだ。曹操はお前のことを一番警戒しているからな。俺はそれが物凄く腹正しい!何で曹操はお前如きに一目置いているんだ!」

 

いや、知らねぇよ。お前が過去に曹操に救われて、曹操のことを好きなのは知っている。だが俺も曹操もそっち系の趣味はない。そんなことで嫉妬されても困るだけだ。

 

「だから俺が七瀬を足止めする役目を買って出た。ここでお前を倒して、俺の方が優れていることを証明する!」

 

「俺に勝つつもりなのか?お前の特性は知り尽くしているぞ」

 

「俺はすでにお前の知っている俺ではない。俺はお前を倒すための力を手に入れたのだ。――禁手」

 

周囲の影が集まって影男の全身を包んでいく。そして、その影が徐々に形を成していき鎧になった。デザインはイッセーの禁手に似ているな。

何だ、これは!?こんな情報は得ていないぞ!これは非常に良い!面白い観察対象だ。




久し振りのバトル展開です。たまには真面目にやりたいと思っているけど、多分無理です。

次回、最悪の奴等が再登場予定です。

では感想待ってます。
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