ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第116話 VS影男

「おいおいおいおい。何だ、それは。お前、いつ禁手に至ったんだよ?」

 

俺は早く検証したい衝動を抑えながら質問する。能力検証以外にも色々と情報は必要だ。どうやって禁手に至ったかも重要な要素だからな。

ああ、でも早く検証したい。影男自体には興味ないけど、神器には前から興味があった。それの禁手だ。テンションが上がらない訳がない。

 

「前に駒王町に行って赤龍帝と戦った時だ。赤龍帝にやられた時、俺はより強い防御のイメージを浮かべた。本当に赤龍帝の力は素晴らしくて感動的ですらあった。曹操ほどではないけど。そして俺はお前を倒す力を手に入れた。それが『闇夜の大盾(ナイト・リフレクション)』の禁手状態、『闇夜の獣皮(ナイト・リフレクション・デス・クロス)』だ」

 

ああ、そう言えば前に影男は駒王町に来たことがあったんだったな。ジャンヌに話を聞いただけで俺は直接会ってないから詳しいことは知らないけど。

イッセーと戦って至ったからこそ、赤龍帝の鎧と見た目が似ているのか。それはそれで興味がそそられる話だ。

それにしても曹操の禁手使いを増やす計画は成功していたんだな。

ん?おかしくないか?

 

「なぁ、何で赤龍帝と戦って俺を倒す力を手に入れたんだ?赤龍帝を倒せよ」

 

「もちろん赤龍帝も倒す。だが、その前にお前を倒す!」

 

どんだけ俺のことを敵視してんだよ。俺は影男に対しては何もしていないのに。

 

「前置きはこれぐらいでいいだろ。そろそろ戦闘を開始しようか」

 

「戦闘なんて開始しないさ。今から始まるのはただの検証だ」

 

俺がやる気になるとルフェイと花蓮は腕から離れた。

それと同時に周囲の影が鋭い刃と化して俺を襲ってくる。ふーん、直接攻撃の能力もあるのか。

通常状態の時は影から影への転移しか出来なかったのに。

 

「……検証だと?その油断が敗北を招く結果になるぞ」

 

「そんなことは俺に勝ってから言え。負けフラグにしか聞こえないぞ」

 

俺は影男の攻撃を紙一重で避けながら、光の剣を二刀取り出して構える。

思ったよりも攻撃が鋭いな。さすが禁手と言ったところか。このまま避け続けることは難しそうだ。

 

「私のことを忘れてもらったら困るよ!」

 

花蓮が影男に向かって凄い勢いで突っ込む。

この戦闘狂が。今は戦闘をしているんじゃないんだから、俺のフォローなんていらないぞ。

 

「させねぇよ!てめぇの相手はこの俺だ!」

 

家の屋根から急に化け物モードのフリードが降ってきて花蓮に攻撃する。

それを花蓮は咄嗟にエクスカリバーで防御する。

……エクスカリバー?何でエクスカリバーを持っているんだ?教会に回収されたんじゃないのか?

 

「邪魔しないでくれる、フリードくん。私はあっちの影野郎をぶった斬りたいんだけど」

 

「んなことは知るかよ。俺は前に負けた借りを返すだけだ」

 

リアス・グレモリーとディオドラのレーティグゲームを妨害した時のことか。

それを言うなら俺もフリードに負けたし借りを返さないといけないな。まぁ、俺が借りを返したいのは曹操だけだけど。

 

「負けた借り?それって一昨日、私に賭けトランプで全裸にされたことを言っているのかな?」

 

花蓮が性格の悪そうな笑みを浮かべる。

そんなことがったのか。俺の知らないうちに英雄派と仲良くなったみたいだな。

 

「うるせぇ!それも含めてだよ!」

 

フリードが花蓮に攻撃しながら怒鳴る。花蓮はその攻撃を余裕そうな表情で避けながら言う。

 

「でも、フリードくんのアレって粗末だよね。お兄ちゃんを見習ったら?」

 

本当、花蓮って下ネタを言うのに抵抗がないよな。俺もそうだけど、花蓮は女の子だから兄としてはもうちょっと気を使ってほしい。

 

「そんなもんをどうやって見習えるんだよ!?大体、俺はそこまで粗末じゃねぇよ!」

 

「そうなの?まぁ、どっちにしてもフリードくんがお兄ちゃんに比べてあらゆる能力が遥かに劣っていることは事実だけどね」

 

「ああ、もう本当にムカつくクソビッチだな!こうなったらお前を倒した後に、愛しのお兄ちゃんを完膚なきまでに倒して俺の方が優れていることを証明してやるよ!」

 

完全な巻き添えだ。

フリードにはもう見るべき部分がないから戦う理由がないのに。

 

「俺を忘れてもらっては困る」

 

影男の攻撃が更に激しくなる。

忘れるわけないだろ。お前、フリードのことなんか気にせず、ずっと俺を攻撃していたんだから。

ただ一つだけ気になることがある。連続攻撃のフィニッシュが毎回、俺の股間に集中しているのは何故だろうか?

……まぁ、何となく理由は分かるし聞かなくていいだろう。と言うか聞きたくない。

 

さて攻撃パターンはある程度、計測が終わったしそろそろ俺も攻撃するか。

神器自体は面白いけど、使い手がまだ慣れていないからか攻撃が単調だ。さすがにこの短時間で全攻撃パターンを出した訳ではないだろうが、それでも癖はつかんだ。これで残りの攻撃パターンも大体予想できる。

最初は感心したけど、これじゃあ少し物足りないな。まぁ、俺は禁手の能力さえ把握できれば満足だけど。

 

「ちっ。ちょこまかと避けやがって」

 

「お前の攻撃が分かりやすいんだよ」

 

俺は右手で持っていた光の剣をしまって祓魔弾を取り出す。そして影男に向かって発射する。

俺の撃った弾丸は影男の体の中に消えていった。

どういうことだ?当たったようには見えなかったが。

まさか!

 

「くそ……」

 

近くの自販機の影から祓魔弾の弾丸が飛んでくる。元々の能力も使えるのか。

俺は避けきれずに左肩に弾丸がかする。少し血が出たけど、動くのに支障はないな。

 

「どうした?自分の攻撃でやられていたら世話がないぞ」

 

「ちょっと攻撃が当たった程度で調子に乗ってんじゃねぇよ」

 

俺が光の剣を構えて影男に突撃しようとした瞬間、嫌な声が聞こえた。

 

「影男さんの激しい攻めで七瀬さんが出血しています」

 

「変な言い方をしてんじゃねぇ!」

 

思わず反射的にツッコんでしまった。

気付いたらルフェイの隣でアンが興奮したような表情をしている。

いつ飛んで来たんだよ。全く気付かなかったぞ。

 

「ああ、すみません。今までは様子見で本当は七瀬さんが攻めなんですよね。それで今から影男さんを激しく突き上げるんですか?」

 

「お前は男同士の絡みをそういう風にしか見られないのか!?」

 

「はい」

 

何故か自信満々に答えるアン。まぁ、俺の邪魔をする意志はないようだし後回しにするか。

俺は今度こそ影男に向かって突撃する。

 

「させるか!」

 

影男が攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃は予想済みだ。俺は最小限の動きだけで回避して影男に詰め寄る。

そして光の剣で影男を斬る。

 

「っ!?」

 

俺の斬撃が影男の体を通り過ぎた。影男の体が煙のように霧散している。

俺は即座に振り返って、もう一度斬るがやはり当たった感触がない。特に影男にダメージはないようだ。

 

「解せないと言った表情をしているな。説明してやる。この鎧を纏っている限り直接攻撃はおろか、どんな攻撃も無駄だ」

 

影男が自信満々に上から目線で言う。イラッとくるな。

にしても攻撃無効化の能力もあるのか。これは本当に厄介だ。

まぁ、禁手を使えば簡単に倒せるけど。俺の禁手にはどんな防御も無駄だからな。

でも、それでは面白くない。相手の力は真正面から攻略しないと。

考える間に少し雑談するか。

 

「なぁ、お前って曹操のことが好きなんだよな?」

 

「……今さら何を当たり前のことを言っているんだ?」

 

影男が俺の質問に訝しむ。戦闘中に全く関係のない話をされれば当然の反応だ。

 

「……曹操が九尾の狐に誘惑されてヤっちゃったこと、どう思ってんだ?」

 

「あの女の話をするな!貴様に怒りを向けることで、やっと忘れていたのに!」

 

影男の攻撃が激しくなった。だが、その分、更に攻撃が単調になる。避けることはそんなに難しくない。

て言うか、妙に怒りが強いと思っていたらそれが理由か。完全な八つ当たりだろ。俺には関係ない。

 

「本当は今すぐ殺したいところなんだ!でも、あの女狐を殺すと実験が出来なくなる!それでは曹操が困る!俺はどうすればいいんだ!?」

 

いや、知らねぇよ。自分で考えろ。

て言うか、目が完全にいっていて怖い。この話題を振ったのは失敗だったか?

 

その後も影男の愚痴は続くが五分ほど経ったところで面倒臭くなってきた。いや、最初から面倒臭いけど。

そろそろ何かアイデアを思い付かないかな。影男がうるさくて考えがまとまらない。

鎧のないところなら攻撃が通じると思うのだがフルアーマーだから隙間がない。魔法を使うという手もあるけど、まだ俺はシンプルな魔法しか取得していないから難しい。

この厄介な影をどう攻略すればいいんだ?

……ん?影?良いこと思い付いた!

 

「うわっ!」

 

急にフリードが俺の隣に降ってきた。続いて花蓮も家の屋根の上から降りてきた。

 

「あれ?お兄ちゃんの方はまだ終わってなかったの?」

 

「大丈夫だ。俺ももう終わるから」

 

花蓮に先を越されるとは情けない兄だ。まぁ、可愛い妹に兄の格好いいところを見せられると思えば良いか。

 

「……俺に勝つつもりなのか?言っておくが、この鎧にはどんな攻撃も通じないぞ」

 

俺の自信満々な様子を見て、影男は愚痴をやめて眉をひそめる。

 

「良いこと教えておいてやる。リアルにはな、どんな難しそうな事柄でも攻略法が存在するんだよ」

 

まぁ、それはルールがちゃんとしている前提だけど。ゲームでは始まる前に勝負がついているなんて事も珍しくないし。

俺は祓魔弾を自分の影に向ける。そして決め台詞を言う。

 

「目には目を。歯には歯を。影には影だ」

 

「ぐっ!」

 

俺が弾丸を発射すると次の瞬間、影男は左膝を押さえて倒れ込む。

 

「そういや、さっき左肩をやられていたな」

 

もう一度弾丸を発射すると、影男は左肩を押さえながら悲鳴を上げる。

 

「何だ、これは!?一体、お前は何をしたんだ!?」

 

影男が全く理解できない事態を前にして混乱している。いや、俺が何をしたのかは理解できているはずだ。だが、それを信じたくないだろう。

 

「さぁ?自分で考えれば」

 

見下すように最後の一発を腹に撃ったところで鎧が解除されて影男は気絶した。

う~ん、このままだと出血で死ぬな。まだ調べたいことがあるから死なれると困る。アンに運んでもらって、すぐに治療してもらおう。

 

「霧識さん、今のは何をしたんですか?」

 

ルフェイが俺の隣まで歩いてくると質問してきた。

 

「こいつと同じ神器『闇夜の大盾(ナイト・リフレクション)』を使ったんだよ。まぁ、レプリカだけどな。それで俺の影とこいつの鎧を繋げたんだ」

 

ユーグリットの奴にレプリカ神器を作っておいてもらって助かった。使用回数に制限がある不完全品なのに、かなりぼったくられたけど。

 

「いやぁ、さすがお兄ちゃん。格好よかったよ!でも皮肉な話だね。鎧を纏っているが故に攻撃を食らうなんて」

 

花蓮が俺を賞賛しながら、そんなことを言う。

ついでに言うと禁手が通常状態……しかもレプリカに負けるというのも皮肉な話だ。本当、相性って言うのはよく分からない。

 

「さすが私達の娘と息子。順調に成長しているようでママは嬉しいよ」

 

「いや、霧識の方はこの程度の相手に手傷を負うなんてまだまだだな」

 

急に上から聞き覚えのある嫌な声が聞こえたので見てみると、屋根の上にジャージ姿の両親がいた。

全く予想もしていなかった。何で奴等がここにいる!?最悪な展開だ!

……て言うか、何でジャージ?格好がつかないぞ。




主人公は他にもレプリカ神器を何個か持っている設定ですが、内容はまだ考えている途中です。
ちなみに主人公の秘密兵器とはレプリカ神器のことではありません。他にあります。

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