ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第122話 ゲーム開始前

色々と終わって曹操とのゲームのためにホテルから出たところで匙達を見付けた。

匙は俺達と英雄派と一緒に戦い、他のメンバーは京都駅周辺で待機することになっている。

 

「よぉ、七瀬。お前、もう大丈夫なのか?」

 

匙がいつも通り……というより、いつもより明るい雰囲気で俺に話かけてきた。

何か様子がおかしいな。

 

「ああ。まだ完全とは言えないが八割は回復した」

 

まぁ、ルフェイに甘えまくったおかげで精神的にはいつもより元気だけど。

 

「ところで匙は大丈ウグッ!」

 

巡に強引に口を塞がれた。

いきなり何をする!?て言うか、ちょっと力が強くないか!

 

「俺がどうかしたか?」

 

匙が不思議そうに首を傾げる。

本当にどうした?さっきまでのことを忘れているかのようだ。

俺が疑問に思っていると、巡が耳元で説明してくれた。

ルフェイの方を見るとさっきまでのやり取りで機嫌が良いのか、そんなに気にしていない様子だ。

 

「七瀬くん達が部屋から出ていたった後にね、急に元気になったと思ったらこの調子なの。多分、あまりの恐怖に自己防衛が働いたんだと思う。あの時、ロスヴァイセ先生が凄い目付きで元士郎を見ていたし。だから、もうそっとしておいた方が良いと思うの」

 

そうか。記憶をなくすほど怖かったのか。

これはさすがに放置しておいた方が良いな。その結果、ロスヴァイセに襲われてそれ以上のトラウマを負うことになっても俺は責任を取らないが。むしろ離れたところから笑って見ているだろう。

だが今の問題はそこじゃない。

 

「んー!んー!」

 

巡に口を塞がれているせいで呼吸が出来なくて苦しくなってきた。

それに気付くと巡は焦って俺から手を離す。

 

「ごめん!ちょっとやり過ぎたよ!」

 

これがちょっとかよ……。相手が女じゃなかったら受け身をとらせないで一本背負いして病院送りにするところだったのに。

 

「……もしかして、まだ酔っているんじゃないだろうな?」

 

「大丈夫大丈夫!体が少しポカポカしている程度だよ!」

 

酔ってるじゃねぇか。もし生徒会が飲酒しているなんて噂が立ったら会長に迷惑がかかるからやめてくれよ。

そんな感じで生徒会メンバーと話していると遅れてグレモリー眷属とイリナもやって来た。

ん?ゼノヴィアが持っているものは何だ?魔術文字らしきものが記された布にくるまれた長い得物だ。

……ああ、行きの新幹線で話していたヤツか。

 

「ゼノヴィア、それって改良されたデュランダルか?」

 

「そうだ。先ほど教会側から届いたばかりでね」

 

そう言いながらゼノヴィアは改良されたデュランダルを興味深そうに見る。

ゼノヴィアもコカビエルほとではないけど戦闘好きだからな。どのようにデュランダルが変わったか早く試したいのだろう。

 

「まぁ、天閃だけはないが特に問題ない」

 

ああ、そう言えば花蓮の奴、エクスカリバーを持っていたな。あの時は色々あって確認しそびれていたから今確認しよう。

俺は気付いたら隣に立っていた花蓮に質問する。

 

「花蓮、何でエクスカリバーを教会に渡していないんだ?」

 

「だって、これより良い武器をくれなかったんだもん」

 

もん、って。ワガママな子供か。可愛くなかったら殴っているところだぞ。

て言うか、教会もそれを許したのかよ。緩すぎるだろ。

 

「それに私としては認めてないんだよね。ゼノヴィアちゃんが改良型のデュランダルを使うこと。私だっだらデュランダルもエクスカリバーもゼノヴィアちゃんよりも上手に扱えるのに」

 

まぁ、その気持ちは俺も分かるな。デュランダルはともかくエクスカリバーは俺に寄越せ、って思うし。

でも花蓮にデュランダルや完全なエクスカリバーを渡したりしたら間違いなく大変なことになる。それが分かっているから教会側も渡さないのだろう。

て言うか、ゼノヴィアのパワーバカと同じように花蓮もスピードバカなのにちゃんと使いこなせるのか?

 

「……どうせ私は正規のデュランダル使いなのに年下よりも下手くそな半人前だよ……」

 

ゼノヴィアがまた落ち込んでいる。

一々、慰めるのも面倒臭いし無視して行くか。て言うか、慰めたことなんてないけど。

 

 

 

 

 

ホテルを出て京都駅のバス停にやって来た。ここからバスに乗って二条城まで行く予定だ。

 

「うっぷ……」

 

ロスヴァイセが口を手で押さえながら吐き気と戦っている。

ホテルで休憩していた方が良いんじゃないか。下手したら戦闘の邪魔になるぞ。

 

ん?この気配は。

 

「よぉ、九重。何か用か?」

 

俺がどこへともなく声を発すると、後ろの方で気配を隠して俺達に近付こうとしていた九重の動きがピタッと止まる。

九重を見付けると同時に花蓮が飛び付こうとしたので服の襟を掴んでとめる。

 

「ちょっとお兄ちゃん!何するの!?」

 

「今は話を聞くのが先だ。愛でるのは後にしろ」

 

俺がそう言うと花蓮は渋々といった感じだが諦めたようなので手を離す。

するといきなり花蓮が俺にキスをしてきた。

 

「……いきなり何をしているのじゃ?」

 

「何って兄妹のスキンシップだが」

 

「…………」

 

九重が俺を変なものを見るような目で見てくる。

俺には可愛い金髪幼女に蔑まされて喜ぶ特殊な趣味はないので何とも言えない気分になる。

う~ん、最近は慣れてきて感覚が麻痺してきたけど、やっぱり外ではやめておいた方が良いよな。でも花蓮は見られて興奮する変態だしなぁ。どうしたものか。

とりあえず今は話を誤魔化して後で考えよう。

 

「そんなことより九重、何でここにいるんだ?確か待機しているようにアザゼル達に言われていたはずだよな?」

 

「確かに言われた。じゃが、母上は私が助けたいのじゃ!頼む!私も連れて行ってくれ!」

 

……何故だろう?いつもなら可愛い幼女の頑張る姿を見たらモチベーションが上がるはずなのに、今は逆に下がってしまった。

ルフェイも俺と同じ気持ちなのか苦笑している。

いや、さすがにもう大丈夫のはず。今は実験中だし八坂も普通に捕虜として苦しんでいるに違いない。

苦しんでいる方が娘のためになるって言うのも変な話だが。

……何か嫌な予感がするが気のせいだ。

 

「ふーん、じゃあ俺について来るか?間違いなく俺が一番安全だぞ」

 

あいつらも俺の目の前で可愛い金髪幼女を傷付けたりはしないだろう。

そんなことしたら社会的に死ぬのは目に見えているからな。変態にも人に言えない秘密の一つや二つはあるものだ。

 

「本当に連れて行って大丈夫なの?怪我するかもしれないし安全な場所に避難させた方が……」

 

イリナが九重を心配するように言う。

まぁ、イリナの言うことも一理ある。それが一番普通の選択だろう。

でも、それでは面白くない。

 

「大丈夫だ。俺がいる限り九重が怪我をすることはない」

 

「……もしかして連れて行って格好いいところを見せようとか考えているの?」

 

イリナがジト目になる。

その発想はなかった。確かにそれも良いかもな。

だが、それは無理だ。俺はヒーローじゃないのだから。

 

「別にそういうわけじゃない。俺の方法は面白くはあっても格好いいものじゃないからな。ただ単純に九重の願いを叶えたいだけだ」

 

あれ?よく考えたら俺の方法って幼女に見せていいのか?汚い大人の作戦なんだけど。

 

「というわけでどうする?」

 

「…………」

 

俺が聞くと九重は無言でイッセーに抱き付いた。

 

………………は?一体、何が起きた?

頭の中が真っ白になりそうだが落ち着け、俺。こういう時こそクールにならないと。

ルフェイに甘えて回復した精神の体力が物凄い勢いで減っていく。

 

「お、おい……」

 

イッセーがいきなりのことで戸惑っている。

戦場を誘導して俺の手を汚さずイッセーを殺そうかな。それぐらいなら朝飯前だ。

 

「……え~と、九重。どういうことだ?」

 

「お主と行動したら別の意味で身の危険を感じるのじゃ。それに比べたらこの男は安全そうじゃ」

 

まぁ、確かにイッセーはロリコンじゃないからな。そういう意味では安全だろう。

それにおっぱいドラゴン関連で子供に人気があるのは分かっている。

だが、こんな展開は認められない。

 

「でも、その男は九重のお母さんを狙っているぞ」

 

「はぁ?いきなり何言ってんだよ!?」

 

イッセーが抗議してくるが、俺は無視して九重と会話する。

 

「……そ、それはどういう意味じゃ?こいつのテロリストとかと同じで母上で何か悪いことをしようと企んでおるのか?」

 

本当は九重に真実を教えるのは心苦しいが仕方ない。俺よりもイッセーの方が幼女に好かれるという現実を、俺は認めることが出来ないのだから。

 

「そういうわけじゃない。さっき九重は言ったな。俺には別の意味で身の危険を感じると。その変態は九重のお母さんに同じことを……いや、もっと具体的でヤバいことをする気なんだ」

 

「いやいや、そんなわけないだろ!」

 

「本当か、イッセー。九重のお母さん、八坂は物凄く美人でおっぱいが大きいらしいぞ。それに若い男が好きだという情報もある」

 

正確には若いイケメンの男なのだが、そこまで言う必要はないだろう。

 

「きゅ、九尾の大きなおっぱい……。それに……グヘヘ」

 

イッセーが見るに耐えないほど気持ち悪い笑みを浮かべる。

何を妄想しているかは大体予想がつくが、これだけの情報でそこまでの反応をするとは凄い想像力だな。

それにしてもいつよりも気持ち悪い。……ああ、さっき童貞を卒業してテンションが上がっているのか。

 

イッセーを見てアーシアは不機嫌そうに頬を膨らませて、九重は引き攣った顔をしながらイッセーから離れる。

よし、作戦通りだ。

 

次に九重はイリナに抱き付いた。

うん、イリナなら安心だ。もし木場だったら即座に射殺しているところだった。

イリナが九重の頭を撫でながら慰めているところを見ていると、急に電話がかかってきた。

誰だ、こんな時に。

俺はポケットからスマホを取り出して電話に出る。

 

『ヤッホー、キーくん!倒れたって聞いたけど大丈夫?』

 

何だ、ジャンヌか。

て言うか、俺が倒れたっていう情報をどこから聞いたんだ?俺が倒れたのは結界が解けた後だぞ。

 

「大丈夫だ。で、何か用か?」

 

『特にないよ。キーくんのことが心配だったから確認したかっただけ。お姉さん、心配してたんだよ?』

 

「余計なお世話だ。後、俺のショーを楽しみにしてろよ。お前らをまとめて満足させてやるからな」

 

『うん、楽しみにしてやるよ。……じゃあ、ゲームスタート』

 

ジャンヌはそう呟くと一方的に電話を切った。

ちょっと待て!いきなりゲームスタートかよ!

すでに俺達の足元には薄い霧が立ち込めている。

俺は即座に九重とルフェイの手を掴む。それと同時に花蓮も俺に触れてくる。

お前にもゲームスタートの合図がきたのか。

そして霧が俺達の全身を覆っていく。

 

 




今回は特に書くことはありません。

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