ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第132話 帰宅

裏京都に行った後は特に問題もなく小猫やレイヴェルへのお土産を買って過ごした。

そして今は京都駅のホームで八坂と九重に見送られている。

 

「……ところでジャンヌ。何でお前がここにいるんだ?」

 

イッセー達と挨拶をしている八坂と九重を見ながら隣に立っているジャンヌに質問する。

自然すぎたのでツッコミが遅れたが、何で俺達と行動しているのだろうか?

周りの生徒が不審げにジャンヌを見ている。

ちなみに花蓮もさっきまでいたのだがアンに呼び出されたとかで、そっちに行ってしまった。何か変なことを企んでなかったら良いが。

 

「そりゃ、お姉さんもキーくんと一緒に帰るからでしょ?それとも私を京都に置き去りにするつもりなの?酷い!」

 

わざとらしい泣き真似をするジャンヌ。

おい、やめろ。周りの人達が勘違いしてヒソヒソと喋っているから。

 

「それ以前に帰るっておかしいだろ。お前の家じゃないぞ」

 

「でも、これから私の家にもなるんだし間違っているとは思わないけど?」

 

いや、それはそうなんだけど。

て言うか、気付いたらジャンヌも一緒に住むことになっていたが、何でこんなことなっているんだ?

最初は英雄派に押し返すつもりだったのに。

俺の家の住人はどこまで増えるのだろうか?現段階でも相当な人数がいるが。

 

「私は反対です」

 

ルフェイが不機嫌そうにしながらハッキリと否定する。

 

「よし、ルフェイがこう言っていることだし仕方ないな。ジャンヌには近場の良い部屋を手配してやるから、そこに住め」

 

ちなみに修学旅行はまだ終わってない(家に帰るまでが修学旅行だ)が俺の口調はすでに戻っている。

お土産を買っている時に反応が可愛いので思わず『お嬢様』と連呼していると恥ずかしいから元の口調に戻してくれ、とルフェイが言ってきたのだ。

まだ服装は燕尾服のままだが。

 

「え~、良いじゃん。お姉さんも一緒に住ませてよー!」

 

ジャンヌが腕に抱き付いて上目遣いで甘えるような声を出してきた。

その程度で許すほど俺は甘くないぞ。

 

「そんなこと言われてもな……。今の俺は絶対服従がモットーのルフェイの執事だからな。ルフェイが無理と言うなら無理だ」

 

「……お姉さんにそんなこと言っていいのかな?」

 

意味深な笑顔を浮かべながらジャンヌがイリナの方に視線を向ける。

ジャンヌを警戒しているのかチョクチョクこっちを見ているようで目が合った。するとイリナはすぐに恥ずかしそうに目線を逸らす。

本当、イリナの反応は純情で可愛いな。このまま純情でいてほしいという気持ちと、それを穢したいという矛盾する感情が俺の中には存在している。どうしたものか。

 

「……何が言いたい?」

 

弱味を握られて脅されている犯罪者のごとく真剣な顔でジャンヌに対応する。

何が言いたいかは大体分かるが一応聞いておこう。

 

「ヴァーリチームはキーくんが裏でしていることを知っているけど、他のグレモリー眷属や天使ちゃんとかには言ってないんだよね?」

 

この野郎、予想通り俺のことを脅迫する気か。

知られたところで嫌われることはないと信じているが、それでも出来れば知られたくない。

知られても問題ないヤツも多いけど、中には本当にマズイものもあるからな。アレとか完全にグロすぎて十八禁だ。

 

「……仕方ない」

 

「交渉成立。キーくんは聞き分けがよくて助かるよ」

 

そう言うとジャンヌはさっきまでの人を脅迫する笑顔と違って純粋な笑顔を浮かべて俺から離れる。

この俺が聞き分けがいいわけないだろ。後で俺に逆らえないように調教してやる。覚悟しておけよ。

具体的な調教プランを考えていると、イッセー達との話が終わったのか八坂がこっちにやって来た。

 

「実は七瀬殿に渡しておくものがあってのぉ。というか、これを渡すためだけに来たのじゃが」

 

八坂は一枚の紙を懐から取り出すと、それを持って俺にゼロ距離まで近付き胸を押し付けるようにしながら耳元で囁いてきた。

そして紙を持った手を艶かしく絡めてきたので、そのまま紙を受け取る。

 

「これは妾の番号と調べた空いている日付じゃ。そっちの都合の良い日付が分かったら連絡してほしいのじゃ」

 

番号ってことは八坂も電話を持っているのか。

何か意外だな。いや、普通に考えたら持っていてもおかしくないけど妖怪が文明の利器を持っているというのはイメージしづらいな。

 

「……それは良いけど、毎回至近距離まで近付いて耳元で喋る必要はあるのか?」

 

「そりゃ、妾が若い男の肌に触れるのが好きだからじゃ。……何じゃ?妾の胸に興奮しておるのか?」

 

「していないとは言わないけどな。俺はそれで逃げるようなチキンじゃない。もっと別の理由だ」

 

俺は周りを見渡しながら言う。

ルフェイは不機嫌そうに頬を膨らせているし、ジャンヌは楽しそうにニヤニヤしている。イリナは何か妄想しているのか顔を真っ赤にしている。

そして一番の問題はイッセーだ。呪い殺すかのような恨みがましい視線で俺を睨んでいる。

そのイッセーをアーシアが軽く涙目で見ている。

何でちょっとしたことで、こんなややこしい事態になるんだよ。

 

「まぁ、確かに学生さん達にはちょっと刺激が強いかもしれんのぉ」

 

八坂が微笑みながら離れたところで、もらった紙を確認してポケットに入れる。

どうでもいいけど電話番号だけじゃなくてLINEのIDまで書いてあった。妖怪の御大将、俗世にまみれているな。

 

「じゃあ、後で連絡する。後、九重――」

 

話かけようとした瞬間に九重が小走りで逃げていった。

え、何で?もう話すのも嫌だってほどに好感度が下がっているのか?

泣き叫びたいのを何とか我慢する。涙までは我慢できなかったが。

 

「九重は七瀬殿が思っているほどには嫌ってないから安心するのじゃ」

 

優しい口調に騙されそうになるけど、それって嫌ってはいるって意味だよな?

何とかしたいところだけど、もう新幹線が来る時間だ。

はぁー。とりあえず九重の好感度をどうにかする方法を考えてから、また京都に来るか。

 

 

 

 

 

イッセーにしつこく八坂の胸の感触の感想を聞かれたり、神器を解除したら倒れるので頑張って起きているうちに駒王町についた。

まぁ、隣で気持ち良さそうに寝ているルフェイの寝顔を観察しつつ起こさない程度にセクハラしたり、読みかけのラノベを読んでいるとすぐについたが。

 

そして数日ぶりの我が家に帰ってきた俺を出迎えたのは、全裸でお尻をこっちに向けているレイナーレだった。

何ともシュールな光景だ。こんな出迎えを経験したことがあるのは俺ぐらいだろう。

 

「…………何やってんの?」

 

「お帰りなさいませ、ご主人様!では早速私を踏んでください!」

 

「じゃあ、理由を説明しろ。納得できる理由があるなら踏んでやる」

 

「このご主人様に会えなかった数日間、ずっとご主人様のことを思っていたせいで胸が高鳴っているのです。この胸の高鳴りをどうにかするためにはご主人様に踏んでもらうしかないのです!」

 

予想はしていたけど、やっぱり意味が分からない。ただ完全に発情した雌の顔になっているな。

 

「んじゃ、もっと放置プレイで興奮しとけ。休憩して小猫やレイヴェルの相手をした後に気が向いたら相手してやる」

 

「そんなご主人様アァン!」

 

レイナーレが抗議するために顔を上げようとしたところを踏みつけてグリグリすると気持ち良さそうな声を上げた。普通、いきなり頭を力強く踏まれたら上げるのは悲鳴だと思うんだが。

まぁ、俺がいない間に色々と仕事を頼んでおいたしこれぐらいのお礼――もとい、お仕置きならしても良いだろう。

 

「ああ、そうだ。レイナーレ、これからジャンヌも一緒に住むことになったから家の中を案内しておいてくれ」

 

「んっ……ジャンヌ様がですか?」

 

「色々とあってな」

 

俺が玄関の方にいるジャンヌに視線を向けると、レイナーレも同じようにそっちに見る。

俺はレイナーレがジャンヌを認識したところで足を離す。

 

「じゃあ、後は頼んだ。ジャンヌ、部屋は後で用意するから今日のところはリビングかレイナーレの部屋で寝てくれ」

 

「え?キーくんの部屋じゃ駄目なの?」

 

何でお前はそんなに不思議そうな顔が出来るんだ?

駄目に決まっているだろ。お前みたいな危険人物と一緒にいたら大人しく休むことも出来ない。

……いや、ジャンヌに限っては放置している方が危険か。とはいえ今はジャンヌの相手をしている余裕はない。

起きてから考えるか。

 

「駄目だ。部屋も用意してやるし、金もやるから大人しくしてろ」

 

それだけ言うと俺はルフェイと一緒に自分の部屋に移動する。

そして部屋に入るとオーフィスが一人でゲームをしていた。

 

「おかえり、霧識」

 

「ただいま。ところで黒歌の奴はどうしたんだ?」

 

ちゃんとオーフィスを世話を頼んでおいたのに黒歌もレイナーレもオーフィスを一人にさせるなよ。オーフィスが寂しい思いをしたらどうするんだ。

 

「黒歌ならリビングで寝ている」

 

やっぱりか……。

働きもしないで俺の金を勝手に使っているんだからオーフィスの世話ぐらいはちゃんとしてくれないと困る。

 

「霧識も一緒にゲームしよう」

 

「悪い。今日はもう疲れているから寝るんだ。ゲームは明日まで我慢してくれ」

 

荷物を下に置いて服を着替えながらオーフィスの誘いを断る。

オーフィスには悪いが、そろそろ休まないとマジでヤバい気がする。

 

「じゃあ、我も一緒に寝る」

 

「ああ、それなら良いぞ」

 

オーフィスなら変なことをしてくるもないし安心だ。

俺は着替え終わったところですぐにベッドに入って寝転ぶ。するとオーフィスもゲームの電源も切ってベッドに入ってきた。

ああ、オーフィスに抱き付かれると癒される。

 

「お疲れでしょうから霧識さんはゆっくりと休んでください。私は荷物の片付けをしておきます」

 

「ああ、助かる」

 

俺はルフェイにお礼を言い終わると同時に神器を解除する。すると一瞬で眠りについた。




今回で修学旅行は終了です。何か最初に想像していたよりも長くなってしまいました。
そして本編は後一話か二話で終了予定です。
それなのに短編のアイデアはまだそんなにまとまってなかったりします。早く考えないと。

では感想待ってます。
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