ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第13話 ライザー

生徒会に行った日の翌日の放課後、俺はオカルト研究部の部室に来ていた。

 

「あれ、小猫だけか?」

 

部室の中にはソファに座ってお菓子を食べている小猫しかいない。

 

「はい、私だけです。ところで昨日は来ませんでしたね」

 

「ああ、別のところに遊びに行ってたんだよ」

 

「……お菓子、食べます?」

 

そう言うと小猫が俺に差し出してくる。

 

「いや、眠いから隣の部屋で寝てくる。全員、揃ったら起こしてくれ」

 

「分かりました」

 

そして俺は隣の部屋に移動して仮眠することにした。

 

 

 

 

「……何か騒がしいな」

 

気持ちよく寝ていたのに隣が騒がしくて目が覚めてしまった。イッセーがまた変態的なことでもしたか?とりあえず俺は隣の部屋に移動する。

 

「どうかしましたか?」

 

「ん?貴様は誰……プフッ!」

 

ドアを開けると見たことのないホストみたいな格好をした奴に笑われた。いきなり失礼な奴だな。て言うか、他のメンバーも俺の顔を見て笑うのを堪えている。俺の顔がどうかしたか?

 

「霧識先輩、これを見てください」

 

そう言って、笑いを堪えている小猫が鏡を持ってきた。

 

「これは……え~と、どういうことだ?」

 

俺の顔に水性ペンで落書きされている。それもかなり愉快な感じに。前に黒歌に同じことをされたことがある。

 

「寝ていましたので、つい」

 

「つい、って……」

 

性格が全然違うと思っていたが、やはり姉妹だな。嫌なところが似ている。いや、黒歌の時は油性ペンだったから小猫の方がマシか。

 

「……顔を洗ってきます」

 

部屋から退出する。

 

 

 

 

顔を洗って部室に戻ってきた。何か俺が退出した数分前よりも空気が重くなっている。この雰囲気は苦手だ。

そして、さっきは気付かなかったがメイド服姿の女性がいる。彼女はリアス・グレモリーの兄である魔王サーゼクス・ルシファーの『女王』グレイフィア・ルキフグスだ。グリゴリの資料で見たことがある。

 

「とりあえず簡単な事情説明をよろしく」

 

俺は小猫に小声で質問する。

 

「部長があのホストくずれと結婚とすることになりそうなんです」

 

つまり政略結婚みたいな感じか?これだけじゃあ、情報が足りないな。

 

「なぁ、ホストくずれ。今、どういう状況なんだ?」

 

やっぱり本人に聞くのが手っ取り早い。ついでにこいつを弄って遊ぶか。

 

「あぁ?お前は見たところ人間のようだが誰に口聞いてんだ?」

 

「知るか。さきに質問にしたのは俺だ。早く、この状況の説明しろ」

 

「てめぇ、調子に乗ってんじゃねぇぞ」

 

ホストくずれが急に殺気を出して威嚇してくる。めんどうくさい。そうすれば誰でもビビると思ってんのか?

 

「で、アレは誰ですか、先輩」

 

「彼はライザー・フェニックス。フェニックス家の三男で私の婚約者よ」

 

フェニックス家っていうとアレか。レーティングゲームが始まってから台頭してきた成り上がりの一族。確か不死身なんだったな。

そういや、よく見たらこいつも見たことがあるな。確か不死身と眷属の多さを利用してサクリファイスを好んで使うプレイヤーだ。

 

「なるほど。つまり、あんたは偉いってことか?」

 

「そういうことだ。立場をわきまえろ、人間」

 

立場だけで偉そうにしているタイプか。

 

「あんたは俺の一番嫌いなタイプのようだ。だから俺が現実を教えてやるよ」

 

「調子に乗ってると消し炭にするぞ」

 

そう言うとライザーは手のひらに火の玉を作り出した。

 

「『偽りの現実(ミラージュ・ファントム)』発動。俺の姿を認識できなくした」

 

相手は不死身みたいだし少しやり過ぎても問題ないよな。

 

「なっ!消えた!」

 

「プラス傷みを強く認識するようにした」

 

俺はライザーに近付いて目潰しをした。眼球が潰れるぐらい強く。しかも神器の能力で傷みは強化されている。普通の人間ならショック死するかもな。試したことがないから分からないけど。

 

「目が!目がぁぁぁ!」

 

「どうだ?少しは現実を理解したか、三下」

 

床にのたうち回っているライザーを見下すように言う。て言うか、俺の言葉、聞こえてないな。

 

「……楽しそうですね、先輩」

 

まだ少しやり足りないけどな。

 

「てめぇ、もう許さねぇ。ぶっ殺してやる!」

 

ライザーが立ち上がりながら言ってきた。にしても、潰れた眼球がもう復活してる。これがフェニックスか。凄いな。

そしてライザーが指をパチンと鳴らすと、部室の魔方陣が光りだす。すると人影が出現していく。人数は十五人。ライザーの眷属だな。

金髪と双子の女の子は結構いいな。

 

「そうやって人数で脅すのは弱い証拠だ」

 

「……霧識くん。そろそろやめなさい」

 

リアス・グレモリーが呆れたように言ってきた。せっかく面白いところなのに。

 

「そうですね。弱い者イジメみたいなんでやめます」

 

本当はこれからが本番なんだけど仕方ない。

 

「貴様、人間の分際で――」

 

「二人共、そろそろお止めください。これ以上やるのでしたら、私も黙ってみているわけにはいかなくなります」

 

グレイフィア・ルキフグスが静かだが凄い殺気を出しながら言ってきた。

て言うか、止めるの遅いだろ。結構、この状況を楽しんでいるみたいだ。

 

「最強の『女王』と称される貴方にそんなことを言われたら、俺もさすがに怖いよ。俺も貴方とは敵対したくない」

 

「そちらの方もいいですね?」

 

「しょうがないですね」

 

さて次は何をやろうか。

 

「ところで、さっきから気になっていたんだが、何でリアスの下僕くんは俺を見ながら大号泣してるんだ?」

 

それは俺も気になっていた。ライザーの眷属が現れてからイッセーが号泣している。

 

「その子の夢はハーレムなの。きっと、ライザーの下僕悪魔達を見て感動したんだと思うわ」

 

あー、何かそんなことも言っていたような気がするな。いつもの痛い妄想だと思って聞き流していた。

 

「きもーい」

 

「ライザー様、この人、気持ち悪ーい」

 

ライザーの下僕が心底気持ち悪いモノを見るような目でイッセーを見ている。

 

「そうだ、気持ち悪いぞ」

 

「……最低です」

 

「何で霧識と小猫ちゃんまで一緒になって俺を罵倒するんだ!?」

 

だって向こうの方が正しいから。

 

「そう言ってやるな。上流階級の者を羨望の眼差しで見てくるのは下賤な輩の常さ」

 

さっき俺に見下されていたけどな。にしても、イッセーのせいてライザーの調子が戻ってしまった。これでは面白くない。

 

「見ておけ。ハーレムを作れば、こんなことも出来るぞ」

 

そう言うとライザーはいきなり眷属の一人とキスをした。しかも、濃厚なディープキスだ。こいつ、頭がおかしいのか?

それを羨ましそうに見ているイッセーの頭もおかしいが。アーシアは顔を赤くしてイッセーの後ろに隠れている。

 

「おいおい、神聖な学舎で淫行をしてんじゃねぇよ。子供の教育に悪いだろうが。そういうのはベットの中でやれ」

 

「自分が出来ないからって僻みか?醜いな」

 

何か偉そうなのがムカつくな。今すぐ神器の能力でこいつの眷属を寝取ってやろうか。いや、小猫が見ているし止めとくか。

 

「いや、俺はこの変態と違って童貞じゃない」

 

「ふぅん。だが、それでも俺に比べたら経験も少ないだろ?所詮、恋人とヤったとかで複数とヤったわけじゃないだろ?」

 

これは何の対決だ?全員が呆れた顔をしている。特に呆れているのがライザー眷属の金髪の女の子だ。

 

「いや、俺に恋人はいないぞ」

 

俺がヤったことがあるのはアザゼルに言われて参加した童貞卒業ツアーとレイナーレの調教の時だけだ。さすがにルフェイとオーフィスには手を出していない。黒歌には誘えわれたことがあるけど断った。あれ?俺、堕天使としかヤってない。

 

「……なぁ、小猫ちゃん。いつもみたいにツッコまないのか?」

 

「霧識先輩はイッセー先輩みたいにやらしい感じがしませんから」

 

後ろで二人がこんなやり取りをやっているが、どうでもいい。

 

「完全に話が脱線しているので戻してよろしいでしょうか?」

 

グレイフィア・ルキフグスがこの訳の分からない話を止めてくれて助かった。

 

「あ、あぁ……。かまわない」

 

「私としては、むしろ戻してくれた方が嬉しいわ」

 

それには俺も同感だ。

 

「では、話を戻します。ここで話し合いに決着につかなかったので最終手段として『レーティングゲーム』で決着をつけます。それでよろしいですか?」

 

うん?俺はそんな話を知らないが。もしかして俺が顔を洗っている間の話か?

 

「ああ、かまわない」

 

「私もそれでいいわ」

 

いまいち状況が理解できない。

 

「なぁ、レーティングゲームって成熟した悪魔しかできないんじゃないのか?」

 

「……純血悪魔同士なら非公式で出来るんです」

 

なるほど、それは知らなかった。だが、これで大体の事情は分かった。

でも、それならリアス・グレモリーがどう考えても不利だろ。ライザー・フェニックスはすでに成熟していてゲームに参加している。しかも勝ち星の方が多い。こんな結果の見えている展開は面白くない。

あ、良いこと思い付いた。

 

「それ、俺も参加していいですか?」

 

俺は挙手して言う。

 

「何のつもりだ、人間」

 

「このゲームは明らかにリアス・グレモリーが不利だ。ゲームの経験もないし、何より眷属の数が違う」

 

「それがどうした?」

 

「こんな圧倒的な状況で勝っても自慢にならんだろ?」

 

「つまり貴様が俺とリアスの差を埋める、とでも言いたいのか?」

 

分かりやすく不愉快そうな顔をしているな。

 

「そういうこと。で、メイドさん、どうかな?どうせ非公式のゲームだし良いだろ?」

 

「非公式とはいえレーティングゲームに部外者、それも悪魔以外が参加するのは前代未聞です」

 

遠回しに駄目だと言っているな。でも参加したい。グリゴリの資料で見てから興味があったし、何より面白そうだ。

 

「俺はかまわないぜ。そこの気に食わない人間に格の差を教えてやる良い機会だ」

 

「そうですか。お嬢様はどうですか?」

 

「必要ないわ。私と私の眷属の実力だけで勝利してみせるわ」

 

自分が有利になる条件を断るとか馬鹿か?これだから純血の悪魔はめんどうくさい。禍の団の旧魔王派の連中もそうだが、プライドだけが高くて自分の実力を理解していない。

 

「良いじゃねぇか、リアス。どうせ、このまま戦っても俺が勝つだけの出来レースだ。だったらイレギュラーを入れた方が観客も喜ぶってもんだ」

 

「そうですよ。このままだったらホストくずれの変態と結婚することになりますよ」

 

「喧嘩、売ってんのか?」

 

今更だな。売ってるに決まってるだろ。

 

「お嬢様、どうしますか?」

 

「……分かったわ。霧識くんにも参加してもらう」

 

やっと認めたか。

 

「じゃあ、ゲームは十日後だ。それでいいな?」

 

「私にハンデをくれるというの?」

 

「このまま戦っても面白くないからな。少しでも修行をして強くなってくれよ」

 

そう言うとライザーは手のひらを下に向ける。すると魔方陣が光を放った。

 

「そこの人間。俺にあれだけ啖呵を切ったんだ。少しは楽しませてくれよ」

 

そしてライザーとその眷属は魔方陣の光の中に消えていった。

 

「では私は、え~と……」

 

「七瀬霧識です」

 

「貴方のことを主に報告してレーティングゲームの参加に問題ないか確認してきます。私の一存では決められませんので」

 

そしてグレイフィア・ルキフグスも魔方陣の光の中に消えていった。

て言うか、参加できない可能性もあるのか?

 

「でも霧識くんは良いの?レーティングゲームでの死亡は事故扱いになるわ」

 

「あのホストくずれは霧識先輩を殺しに来るでしょうね」

 

「俺は死なない。何たって不死身だからな」

 

さてフェニックス対策はもう思い付いてるし、どうしようか?ついでだからヴァーリのライバルである赤龍帝、兵藤一誠でも鍛えるか。でも人間ならともかくドラゴンなんて、どうやって鍛えたらいいんだ?




大体の構想は出来ているけどラストだけが決まらない。さて、どうしたものか。

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