ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

147 / 168
クリスマス3

第六天に上がると、見渡す限り壁で百メートル以上はありそうなデカイ門が現れた。

さすがに第六天まで来ると警備が厳重そうだな。これをどうやって攻め落とすか。

いや、今のところは戦争を起こす気なんてないけど。でも、いつ何が起きるか分からないからな。準備しておいて損はない。

 

セラフ達が住む現天界の中枢機関である金色に輝く光輪を背にした神殿のような建物『ゼブル』……を内装工事中ということで残念ながらスルーして更に数分ほど歩く。

すると多種多様な彩り鮮やかな草花が咲き誇っている庭園みたいな中庭に辿り着いた。

テラスとなっている小屋のテーブルにミカエルの姿があった。

 

「これが次のヤツだ」

 

俺は席につくと同時にミカエルに一束の資料を渡す。

ミカエルは一言、礼を言うとすぐに資料を目を通し始めた。

気持ちは分かるけど客がいるんだから後にしろよ。

 

「……え~と、挨拶したいのだけど、どうしたらいいのかしら?」

 

リアス・グレモリーが集中しているミカエルを見て困ったように言葉を溢す。

真面目な性格のリアス・グレモリーからしたらちゃんと挨拶しておきたいところなんだろが、そろそろ馴れろ。

変人共を相手にマトモに対応していたら疲れるぞ。

ゼノヴィアを見習え。元信徒なのにミカエルに挨拶もせずに席に座っているぞ。一応、尊敬の眼差し的なものは送っているが。

 

「……ゼノヴィア、ミカエル様の前でその態度は失礼ですよ」

 

「い、いや、でもミカエル様の邪魔をする方が失礼だと思うし……」

 

俺が近くにいた女性の天使にお茶を淹れるように頼んでいると、ゼノヴィアがグリゼルダの迫力のある笑顔に怯えていた。

グリゼルダはそこまで気にしなくていいと思うけどな。ミカエル本人が気にしていないんだし。

まぁ、ゼノヴィアはもうちょっと真面目になった方が良い気もするが。

俺が何となく二人の様子を見ているとグリゼルダと目があった。すると、さっきの件を引きずっているのか恥ずかしそうに俺から目線を逸らす。

グリゼルダが大人しくなったのを見てゼノヴィアがお礼を言ってきた。

 

「ありがとう。助かった」

 

「別に助けた覚えはない」

 

俺的にはゼノヴィアがどうなろうが興味ないからな。

 

後ろの方を見るとルフェイ、小猫、レイヴェル、花蓮の四人が誰が俺の隣に座るをか賭けてジャンケンしていた。

俺が言うことじゃないが天使長を前にして緊張感がないな。

ちなみにイリナはまだ照れているのかジャンケンに参加していない。本当、馴れないな。毎日、愛を囁いているのに。

これじゃあ、子作り部屋が出来た時にどうなるか心配だ。……いや、楽しみの間違いだな。

 

「さっきミカエル様に何を渡したんだ?」

 

イッセーが質問してきたが、俺は無視してお茶を飲む。ミカエルが用意したお茶だけあって美味しいな。

 

「……聞こえてんだろ!無視するな!」

 

ミカエルの前だからかイッセーがいつもより小さな声で文句を言ってきた。

俺はそれを更に無視する。

 

「ギャスパー、代わりに聞いてくれ」

 

「えぇー!?何で僕なんですか!?」

 

いきなり肩に手を置かれながら頼まれて驚くギャスパー。

イッセーのくせに良い判断だな。

 

「小猫ちゃんにでも頼めば良いじゃないですか!僕は嫌ですよ!」

 

話かけるだけでそこまで嫌がられたら、さすがに傷付くんだが。

イッセーは未だにジャンケンをしている小猫達を見るとすぐにギャスパーの方に視線を戻した。

さすがに今のルフェイ達の邪魔をするのは無理だ。

 

「お前なら大丈夫のはずだ!」

 

「何でそうなるんですか!?」

 

ギャスパーが抗議するがイッセーは取り合わない。

ギャスパーはそんなイッセーの様子を見て諦めたのか渋々といった感じで俺に質問してきた。

それに対して俺は端的に答える。

 

「特撮番組のシナリオだ」

 

ちなみに書いたのはレイナーレだ。俺が他の仕事で忙しかったので頼んだのだが予想以上に素晴らしい出来だった。

元からスキルが高いけど最近、更に高くなっている気がする。

 

「それよりも座ったらどうだ?」

 

「……さすがに勝手に座るのはマズイだろ」

 

ハァー、面倒臭い奴だな。

 

「ミカエル、こいつらを座らせてもいいだろ?」

 

「……ん?別に問題ありませんよ」

 

ミカエルが資料から顔を上げずに返事する。

絶対、俺が何て言ったか聞いてなかったな。

 

「というわけだ。座って大人しく待ってろ」

 

俺が促すと立っていた連中が遠慮がちに席につく。

ルフェイ達はやっとジャンケンが終わって座席が決定したようだ。俺の右隣がレイヴェル、左隣が花蓮……そして俺の膝の上にルフェイ。嬉しいは嬉しいけどお茶が飲みにくいな。

小猫はレイヴェルの隣の席で悔しそうにしている。

 

適当に雑談をしながらお茶を飲んでいると、やっと資料を読み終わったらしくミカエルが俺達を見渡して軽く挨拶してから本題に入った。

ミカエルからクリスマス企画のプレゼントの一覧表を見せられ、俺以外の皆でどう配っていくか意見を出し合っている。

俺はその間、暇なので改造人間の視力で周辺を観察しつつルフェイのお尻の感触を楽しんでいた。

周りに咲いている花々は人間界や冥界では見られないものだ。天界でしか咲かない種類だろうか?興味深い。

 

「ミカエルさまぁ」

 

ミカエルとの打ち合わせが終わったところで、若干間延びした声が聞こえてきた。

振り返ってみるとそこにはサンタ服のコスプレをした天界一の美女にして四大セラフのガブリエルの姿があった。

それにしても物凄い破壊力だ。露出の少ない格好なのに、そのグラマラスな体を全く隠せていない。

というより、むしろ隠そうとしていることでエロさを助長している。

分かりやすく一言で言うなら無茶苦茶にしたい。

 

「あら、皆さま。お久し振りですね。ごきげんよう」

 

俺達に気付くとガブリエルが丁寧に挨拶してきた。そして頭を下げた瞬間、豊満な胸がぷるるんと揺れる。

にしても本当に大きいな。こんだけ大きかったら戦闘の時に邪魔にならないのだろうか?

それともこの胸で相手を誘惑するとか?それなら大抵の男は倒せるな。

とか、どうでもいいことを考えていると急にイッセーの体を覆うように幾重もの天使文字で書かれた陣が出現した。天使が使う結界のようなものか。

 

「な、何だ!?急に結界らしきものが!?」

 

いきなりの事態に驚くイッセーにミカエルは苦笑しながら説明する。

 

「すみません。それは天界に必要以上の煩悩が発生すると自動で発動する、いわば堕天防止装置です。本来、煩悩が高まった天使を抑制するために発動するものなのですが赤龍帝にも反応してしまったみたいですね」

 

そういや、アザゼルがこれのせいで苦しんだ、とか前に愚痴っていたな。お前みたいな奴がいるからこんな装置が作られるんだよ。

まぁ、あっても堕天する馬鹿は大量にいるわけだが。そして、その馬鹿の集まりがグリゴリだ。

 

「そ、そうなんですか。……あれ、さっきイリナも堕天しかけていたけど、こんなのなかったぞ」

 

「……そういえば、そうだったね。何でだろう?」

 

イッセーに言われて初めて気付いたのかイリナが不思議そうに首を傾げる。

気付くの遅かったな。

 

「俺が装置に認識できないようにしたからだよ」

 

「……お前の神器はこんなものにまで効くのかよ。本当、反則的なまでに便利だな」

 

そんなことないけどな。ここまで出来るのは俺だからだ。

他の奴が持っていてもこんなことは出来ない。

 

「私のAを堕天させないでくださいね」

 

「だったら早く子作り部屋を完成させろ」

 

ミカエルの言葉に皮肉げに返すと意味ありげな表情をされた。

どういうことだ?

 

「そろそろ我慢の限界だぞ。……イリナが」

 

「何で私!?」

 

いきなり名前を出されて驚くイリナ。

いや、実際にそろそろ限界だろ。ルフェイ達が隠さずにそういう話をする時、羨ましそうに見ているからな。

それに俺が過剰なボディータッチをすると反応するし。

 

「おんや~、皆さん、お集まりのようで。花蓮ちゃんも来てたんすね」

 

声が聞こえたので振り返ってみるとデュリオくんがいた。まぁ、俺は周りを観察していた時にデュリオくんが近付いてきていたことに気付いていたけど。

ちなみに最近、デュリオくんはたまに家にやって来て花蓮にアタックしているけど全く成果がない。

さすがの俺も見ていて可愛そうになってくる。

 

「あ、デュリオくん。散歩?」

 

「うん、ちょっと気分転換にね」

 

「ところでデュリオくんはプレゼント配りに参加するの?」

 

「もちろん。プレゼントは配るのは得意だからね」

 

デュリオくんが良いところを見せたいのか自信満々に言う。

頑張れ、デュリオくん。

 

「ふーん、そうなんだ。サボるつもりだったけど、デュリオくんが参加するなら私も参加しようかな」

 

花蓮、そんな思わせ振りなことを言うな。

デュリオくんが勘違いで嬉しそうな顔をしているだろ。そんなことを無自覚に言うからデュリオくんも中々、諦められないんだよ。

まぁ、俺的にはそっちの方が面白いけど。

 

「ところで、そろそろ戻った方が良いですよ。もう現地に今回の企画立案者が到着しているはずです」

 

ミカエルが思い出したかのように言う。

あー、もうそんな時間か。花蓮を使えばデュリオくんを堕天させられるんじゃないか、とか考えていたのに残念だ。

そういや、俺はほとんど企画に参加していないから知らないけど立案者って誰なんだろうか?

 

「後はその人と最終的な打ち合わせをしていただければ問題ないでしょう」

 

ミカエルがそう言って話し合いは終了。俺達は人間界に戻ることになった。

 

「なぁ、ミカエル。最後に一つ頼みがあるんだが。第七天を見せてくれないか?」

 

「駄目です。というより無理です」

 

俺のお願いはミカエルに一蹴された。

ちっ。聖書の神が残した神器で、聖書の神が作ったセキュリティを突破できるとは思えないし。

どうしたものか。一回ぐらいは見てみたい。




前回イリナに装置が発動しなかった理由を書き忘れていたので、今回の話で書きました。

次回、イリナが大変なことになります。

では感想待ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。