ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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遅くなりましたが番外編のセラフォルーの後半がそろそろ書き上がりそうです。
今日の夜か明日には投稿できると思います。


クリスマス6

今日は12月25日、つまりクリスマスにして俺の誕生日でもある日だ。

さっきまではイッセーの家でいつものメンバー+生徒会メンバーでクリスマスパーティーをしていたが、今はルフェイに言われて俺の家に戻っている途中だ。

ていうか、何で外を歩いているんだ?魔方陣で飛べばすぐなのに。

雪も降っていて寒いんだが。でも、ホワイトクリスマスなんてのも風情があっていい。

 

家に戻る理由は聞いても教えてくれないが、俺の誕生日のサプライズパーティーだろう。

このタイミングで俺を呼び出す理由なんてそれ以外に考えられない。それにクリスマスパーティーの途中で何人か抜け出していたし。

ここまで上手に隠していたのに、最後の最後に失敗したな。まぁ、それでもかなり嬉しい。泣いてしまいそうなほどに。

でも、今は我慢だ。気付いていないフリをしないと。

 

「本当に何の用なんだ、ルフェイ」

 

「フフ。それはついてからのお楽しみです」

 

俺の質問にルフェイは優しげに微笑みながら答える。

雪の神秘さに加えて、そのあまりの美しさに思わず見惚れてしまった。

正直、この笑顔が見れただけで今年頑張ってきて良かったと思えるほどだ。

 

「どうかしましたか?」

 

気付いたら立ち止まっていたようで、ルフェイも同じように立ち止まると不思議そうに首を傾げながら聞いてきた。

ルフェイに声をかけられたおかげで何とか冷静に戻る。

 

「……ん、ああ、悪い。見惚れていた」

 

逆にルフェイが俺の言葉に照れたのか頬を赤くする。

 

「……もう、だからそういう不意打ちはズルいですって」

 

ルフェイが恥ずかしそうに目線を逸らしながらそう言った。

そして、その後に少し考え込むような表情をしてから口を開く。

 

「……霧識さん、目を閉じてもらってもいいですか?」

 

「別にいいけど」

 

ルフェイのその表情から言葉の意図が分かりドキドキしてしまう。俺はルフェイの言う通りに目を閉じた。

足音は地面に積もった雪のせいで聞こえないけど、周りには誰もおらず静かなので呼吸音がシッカリと聞こえてくる。

ルフェイが俺の近くまでやって来るのが分かる。そのままルフェイは流れるような動作で俺の首に手を回して、顔を近付けると「チュッ」と軽いキスをしてきた。

俺が目を開けると、ルフェイは離れて自分の唇に手を当てる。

 

「……抜け駆けになってしまいましたけど、私からのクリスマスプレゼントです。いつもしているから有り難みは少ないかもしれませんが」

 

ルフェイがいつもの子供っぽさが残った可愛らしさではなく、大人の魅力を感じさせる魅惑的な表情を見せる。

普段とは違うシュチエーションがそうさせるのだろう。だが、こういうのも良い。

俺は気付いたらルフェイのことを力強く抱き締めていた。

 

「何を言っているんだ。何万、何億回しようが大好きなルフェイからのキスに有り難みを感じないなんてことは決してない。俺はルフェイを愛している」

 

「そうですか。私も同じです」

 

ルフェイが幸せそうに笑うと、俺達はお互いの唇に吸い寄せられるかのように二度目のキスをした。

今度も舌を入れることはなく唇と唇とくっ付けるだけの簡単なものだ。

そこに性的興奮はなく、ただただ温かい気持ちに包まれていた。

 

 

 

 

 

 

「「「誕生日、おめでとう!」」」

 

リビングに入ると同時にお祝いの言葉と大量の紙テープが飛んできた。

紙テープを頭から払いながら見てみると、クラッカーを手に取ったイリナ達がいた。

思ったよりもイッセーの家から抜け出していたんだな。予想外の人物までいる。ていうか、何でいるんだよ。

 

「何々、キーくん。微妙な顔をして。こんなに美少女達が集まっているのに、何の不満があるっていうの?」

 

ジャンヌが肘で俺をつつきながら茶化してくる。

いや、不満なんて一つしかないだろ。

 

「何でお前がいるんだ?さっきまで向こうで騒いでいたよな?」

 

「酷い!お姉さん、キーくんのために必死にサプライズパーティーの準備をしたのに!」

 

ジャンヌが下手くそな泣き真似をする。

そんなことされると余計にムカつくだけなんだが。

 

「……ジャンヌさんは教えてもいないのにさっき急に来ただけで、何も準備はしていませんわ」

 

レイヴェルが呆れたように頭に手を当てる。

だろうな。ジャンヌが俺のために何かするとは思えない。

 

「そうにゃ。頑張ったのは私達でジャンヌは何もしていないのに図々しいにゃ」

 

「お姉さまがしたのはつまみ食いと邪魔だけですから、ジャンヌさんよりも酷いです」

 

小猫のゴミを見るような目に黒歌はショックを受けたのかノロノロとした足取りで部屋の隅まで行ってうずくまる。

黒歌が失敗して小猫がそのフォローを頑張っている姿が目に浮かぶな。小猫のいつもより辛辣な言葉からもその様子が伺える。

 

「……酷いにゃ。これでも霧識にいつものお礼として頑張ろうとしていたのにゃ

 

黒歌が多分、俺以外には聞こえてないだろう小さな声で悲しげに呟く。

ハァー、仕方ないな。

 

「おい、黒歌。そんなところにいないで、早くケーキを食べるぞ」

 

俺が机の上に置かれているケーキを見ながら言うと、黒歌は嬉しそうにしながら俺よりも先に机に移動する

本当、単純な奴だな。そして図々しい奴だな。一番最初は主役の俺だろ。

 

「じゃあ、俺達も座るか」

 

「……何でダーリンが仕切っているの?ていうか驚いた様子もないし、もしかして知ってた?」

 

俺も席に移動しようとすると、イリナが困った様子で話かけてきた。

レイヴェルや小猫も「もしかしてバレてた?」と不安そうな表情で俺を見ている。

まぁ、サプライズはバレたら失敗だからな。気にするのも分かる。

俺はイリナの頭を優しく撫でながら返事する。

 

「正直に言うとな。でも、凄く嬉しい。ありがとう」

 

「……やっぱりダーリンはズルいよ。そう言われると何も言えなくなるじゃない」

 

イリナが嬉しそうにしながらも不満そうに頬を膨らませる。

さっきルフェイにも言われたけど、俺ってズルいのか?自覚はないのだが。

頭を撫でるのをやめると名残惜しそうにしているイリナに「また後でな」と言ってから席に座る。

そして俺がケーキのロウソクを消してから、レイナーレが全員に切り分ける。

にしても、でかいケーキだな。まぁ、こんな大人数で食べるなら当たり前か。

 

「どうぞ、ご主人様」

 

レイナーレが切り分けたケーキを皿に乗せて俺に渡してきた。

他のメンバーに比べて俺だけ大きくないか?

 

「このケーキは私達が作ったので美味しく食べてくださいですわ」

 

よっぽど出来が良いのだろう。自信満々に言うレイヴェル。

レイヴェルが作ったなら美味しいのは間違いないな。……でも、達?

ルフェイとレイナーレか?他に料理の出来そうなメンバーはいないが。ジャンヌに関してはよく分からないけど、参加していないのは分かっている。

 

「私も手伝ったから美味しく食べてね、ダーリン」

 

「私も手伝いました」

 

「我も手伝った」

 

予想外にも名乗り出たのはイリナ、小猫、オーフィスの三人だった。

失礼だが不安しかないメンバーだ。この三人、料理できったけ?

イリナが材料をこぼして大慌てして、小猫とオーフィスが試食をしている姿が想像できる。

 

「……本当に大丈夫か?」

 

あ、しまった。つい心の声が。

三人の方を見てみると抗議の視線を俺に向けていた。オーフィスに関してはいつもの無表情だが間違いない。

 

「失礼ね。ダーリンに美味しい料理を食べてもらうために、ちゃんと練習しているのに」

 

そういやイリナはレイナーレに料理を教えてもらっているんだったな。

レイナーレからは食べれる程度には成長した、としか報告を受けてないが。

まぁ、イリナの作った料理なら出来に関係なく美味しく食べさせてもらうが。

 

「私も簡単なお菓子ぐらいなら作れます」

 

小猫、それは絶対に自分用だろ。作ってもらった記憶がないぞ。

 

「ケーキ、美味しかった」

 

オーフィスはもう完全に試食のことしか覚えてないようだ。その証拠によだれが垂れている。

そのよだれを隣に座っているレイナーレが即座に拭く。

俺が微妙な表情をしながらレイヴェルの方を見るが、レイヴェルは特に気にする様子もなく普通にしている。

 

「私も味見をしたので大丈夫ですわ。安心してください」

 

「レイヴェルが味見したのなら問題ないな」

 

俺はケーキを一口食べる。

 

「お、美味しい……」

 

思わず言葉が漏れる。

レイヴェルが作ったお菓子は何回も食べたことがあるけど、その中でも一番美味しい。

料理漫画みたいなリアクションを取れる美味しさだがやめておこう。そんなことをする暇があるなら、このケーキを一秒でも長く味わいたい。

 

「そうですか。良かったですわ」

 

レイヴェルが眩しい笑顔を見せる。

ああ、そんな可愛いレイヴェルも食べてしまいたい。というか、パーティーの後に食べる。

 

「そう言えば予定よりも来るのが遅かったけど何してたにゃ?魔方陣を使えばいいのに、わざわざ外を歩いてきたみたいだしにゃ」

 

黒歌がケーキを美味しそうに食べながら聞いてきた。余計なことを言うなよ。

あれの説明をするのは気恥ずかしいぞ。

俺が口を開くよりも先にルフェイが焦った様子で誤魔化す。

 

「そ、それよりも霧識さん、他にも私が作った料理もあるので食べてくださいね!」

 

「私も愛するご主人様のために誠心誠意を込めて作ったのでお召し上がりください」

 

ルフェイとレイナーレも作ったのか。イッセーの家の方のクリスマスパーティーでも結構な量を食べたんだけど大丈夫かな?

まぁ、そんなの関係なく食べるけど。二人が俺のために作ってくれた料理を断れるわけがない。

 

ケーキを食べた後はルフェイとレイナーレが作った料理を食べながら、皆がこの日のために練習してきた芸を見せてもらった。

他にもプレゼントを貰ったりと楽しい時間が続く。

ああ、この幸せが永遠に続けばいいな……。いや、俺が続けさせる。

そして皆も幸せにする。

今夜、俺はそう誓った。

 




次回は正月明け、主人公の元に天界関係者が相談に来ます。

では感想待ってます。
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