今日はライザー・フェニックスとのレーティングゲーム当日。時間は午後十一時四十分、俺を含むオカルト研究部は旧校舎の部室に集まっていた。アーシアはシスター服で、それ以外のメンバーは学生服を着ている。
にしても眠い。よく深夜アニメを観たり、黒歌達とゲームをするために夜更かしすることは多いが、それでも人間の俺にはしんどい時間帯だ。
開始十分前になると部室の魔方陣の中からグレイフィア・ルキフグスが現れた。
「皆さん、準備はお済みになられましたか?開始十分前です」
「すみません、眠いです」
「知りません」
俺の発言は一蹴された。人間の俺に配慮して、もっと早めの時間にするとか出来なかったのか。
そして俺を無視して確認にはいる。
「開始時間になりましたら、ここの魔方陣からバトルフィールドへ転送されます。場所は異空間に作られた戦闘用の世界。そこではどんなに派手なことをしても構いません。使い捨ての空間なので思う存分にどうぞ」
そんなこと言われても破壊力のない俺には関係ない話だな。
その後、他のメンバーは何か話していたが俺は壁にもたれつつ仮眠をしていた。五分だけでも大分、変わるからな。
「……起きてください」
「イテッ!」
小猫に叩き起こされた。軽い仮眠のつもりが、いつの間にか寝てしまったようだ。にしても、まだ眠い。
「アレ?元の場所だが、ゲームはまだなのか?」
「今回のバトルフィールドは私達の学園のレプリカです」
そうだったのか。確かに窓の外を見てみると空が白いな。
「んー」
とりあえず俺は伸びをして眠気を覚ます。
「で、今はどういう状況なんだ?」
「今から私と霧識先輩とイッセー先輩で体育館に行きます」
「ん?いきなり戦闘か?説明とか聞いてないんだが」
「寝ている先輩が悪いです」
それを言われると俺も反論できないな。にしてもライザーが最初に来た時もそうだったが俺は説明の時にいないことが多いな。まぁ、細かい説明とかには興味がないからいいけど。
「では行きますよ」
俺は移動中に小猫から簡単な説明を受けた。どうやらリアス・グレモリーの本陣が旧校舎のオカルト研究部の部室、ライザー・フェニックスの本陣は新校舎の生徒会室。今は旧校舎とも新校舎とも隣接している体育館を取りに行くらしい。
そして体育館に着いた。俺は堂々とドアを開けて正面から入る。
「おい、もうちょっと慎重に行動しろよ」
「お前は馬鹿か?いや、馬鹿だったな。すまない」
「……ムカつく言い方だな。で、どういう意味だ?」
「どうせ、バレているんだ。隠れる必要がない」
中に入るとライザーの眷属が四人いた。チャイナドレスを着た奴が『戦車』で棍を持った奴と双子の女の子『兵士』だったな。
「よし、イッセーは棍を持った奴、小猫はチャイナドレスを相手しろ。俺は双子の相手をする」
「……何か妙に楽しそうですね」
何のことやら。
「そっちもこれで良いか?」
相手にもちゃんと確認しないとな。途中で邪魔されても困る。
すると向こうが相談を開始する。
「俺達に相談もしないで勝手に決めるなよ」
「だって、お前らも俺を作戦会議してる時に起こさなかっただろ」
説明とかは興味ないけど作戦会議には出たかった。
「寝ている先輩が悪いです」
さっきも全く同じ台詞を言われたな。確かにそれに関しては俺が悪いけど。
「まぁ、いいか。それに俺にもちゃんと考えはある」
「どんな考えですか?」
「連携はどう考えても向こうの方が上だろ。年季が違う。だからバラバラに戦った方がいい」
本音は俺が双子と遊ぶのを他の連中に邪魔されたくないだけだが。
「確かに言われてみればそうだな」
イッセーは単純で助かる。
「……建前にしか聞こえません」
小猫は勘が鋭くて困る。
向こうも相談が終わったのか『戦車』が返事をしてきた。
「構いませんよ」
「よし、戦闘開始」
俺の合図で分かれて戦闘が開始する。にしても俺の意見に乗ってくれるとは向こうもノリがいいな。
そして双子がチェーンソーを構えて俺に襲いかかってきた。……チェーンソー?かなり物騒だな。
「「解体しまーす」」
双子が同時に楽しそうに宣言してくる。まぁ、可愛いから良いか。
他の二人を見てみるとイッセーは逃げながら倍加をしている。小猫は互角みたいだが俺の教えた戦い方は後半から力を発揮するタイプだから大丈夫だろ。
「バラバラバラバラ!」
さて、こっちはどうしようか。双子が俺に目掛けてチェーンソーを振り上げてきた。
「にしても可愛い女の子二人に情熱的に攻められるというのも萌えるシチュエーションだね」
とりあえず、ふざけながら神器の能力を発動しつつチェーンソーを避け続ける。
「キモーい!」
「何かライザー様みたいなこと言ってる!」
あいつ、こんな気持ち悪い台詞を言っているのか。そして眷属から気持ち悪るがられていたのか。哀れな奴だな。
「まぁ、まずはその物騒なチェーンソーをどうにかするか」
じゃないと、のんびり会話も出来ない。
「『
すると双子はチェーンソーを持ちきれなくなって地面に落とした。
「い、いきなり何!?」
「チェーンソーが急に重くなった!」
正解には重量は一切、変化してないけどな。
「早く元に戻してよ!」
「絶対にバラバラにする!」
それを言われて戻す馬鹿はいるのだろうか?
「じゃあ、名前を教えてくれたら戻してもいい」
その馬鹿はここにいた。
「イル」
「ネル」
双子が怪しみながらも自分の名前を教えてくれた。
「よし、じゃあ戻し――イテッ!」
能力を解除しようとした瞬間に何かが飛んできた。見てみると飛んできたのは小猫と戦っていたライザーの『戦車』だ。ラノベの主人公のラッキースケベみたいな体勢になってるが気にしない。
「何、戦闘中に遊んでるですか?」
若干、キレているようだ。
「その前に何で俺に向かって投げてきたんだ?」
「質問しているのは私です」
とりあえず俺の上に乗っている『戦車』をどけるか。
「キャ!どこ触ってるんですか!」
「別に変なところは触ってないだろ」
何かやりずらいな。オーフィスやルフェイなら触っても特に気にしないし、黒歌とレイナーレにいたっては自分から触ってくれ、と言ってくるくらいだ。堕天使の女も同じような感じだった。つまり俺には今みたいな経験をしたことがない。
「何、イッセー先輩みたいなことをしてるんですか?」
さっきより迫力が増した。小猫が原因でこんなことになってるのに理不尽だろ。
「イ、イヤァァァァァァ!」
いきなり叫び声が聞こえたので『戦車』をどけてから見てみると、イッセーが相手をしていた『兵士』が裸になっていた。
「アハハハハ!どうだ、これが俺の必殺技
そう言えば合宿中に何か妙に野菜の皮を剥いたり、夜中にアーシアと何かしていると思ったらこれだったのか。何とも言えない最低な技だな。
「どうだ、霧識に小猫ちゃん。これが魔力の才能を使い切った俺の必殺技。女子の服に触っただけで裸に出来るんだ!」
「……イッセー、戦闘中に相手を強姦するとか何を考えてんだ?頭は大丈夫か?」
俺はイッセーを非難しながら裸の『兵士』に上着を被せてやる。
「あ、ありがとうございます」
イッセーがよっぽどイヤらしい顔で襲ったのか若干、涙目だ。
「そんなことしてねぇよ!後、せっかく裸にしたのに何、余計なことをしてんだよ!」
もしかしたらライザーよりも先にイッセーを倒した方がいいかもしれない。
「最低!女の敵!」
「ケダモノ!性欲の権化!」
「ライザー様並に酷い人です!」
それはライザーの眷属も同意見のようだ。後、やっぱり眷属の中でのライザーの評価は低いようだ。
「……見損ないました」
そして小猫の止めの一撃。
「グフッ!」
敵の発言は気にしていない様子のイッセーだが味方にまで言われてたら堪えているようだ。
「女の子に酷いことをしたんだ。さぁ、謝れ」
「「そうだ、そうだ!」」
「ライザー様共々、謝ってください!」
今、イッセーという悪を目の前にして敵であるライザーの眷属と俺の心が一つになった。後、ライザーの私生活が気になるな。
「え、何、この空気?俺が悪いの……?……小猫ちゃん?」
「……全てイッセーが悪いです」
「はい、すみませんでした。俺が悪かったです」
これで一件落着だな。
ここで急に小猫とイッセーが視線で合図したと思ったら外に向かって走り出した。
「おい、いきなり何をしてるんだ?」
とりあえず俺も着いていきながら質問する。
「黙って着いてきてください」
何を考えているんだ?ここは重要拠点なのに。
ドォォォオオオオンッ!
外に出た瞬間に巨大な雷が体育館に降り注いだ。そして体育館が跡形もなく消滅した。
今からイルとネルと仲良くなる予定だったのに台無しじゃないか。
「
声のした方向を見てみると姫島朱乃が黒い翼を広げて空に浮かんでいた。
なるほど。今の雷は姫島朱乃がやったのか。さすがバラキエルの娘。中々の威力だ。て言うか、後少しで俺もアレを食らっていたかもしれなかったのか。想像したくないな。
『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名、『戦車』一名、戦闘不能』
これはグレイフィア・ルキフグスの声か。この悪魔が審判役だったのか。
「て言うか、今の何?俺、聞いてないんだけど」
「はい、言ってませんから」
もし俺が着いていかなかった場合はどうするつもりだったんだ?
「部長からの合図がきただろ?」
いきなりイッセーが訳の分からないことを言っている。合図って何だ?
「いや、この通信機器で。もしかして貰ってないのか?」
イッセーが耳を指差しながら言ってきた。
「…………」
俺は無言で小猫を睨む。
「寝ている先輩が悪いです」
まさかの三回目。次、小猫にお菓子を作る時は中に激辛カラシを入れよう。
予定になかったのに何故かライザーの扱いが酷いことになってます。おかけで眷属のことをハーレムとか言っているライザーが道化にしか見えなくなりました。
では感想待ってます。