ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

20 / 168
第19話 決着

俺はオバサンを倒して小猫とレイヴェルの三人で歩きながら新校舎に向かっている。

 

「ところで、どうやってユーベルーナを倒したんですの?一瞬、目が見えなくなったと思ったら次の瞬間にはユーベルーナが地に伏していましたわ」

 

あのオバサン、ユーベルーナって名前だったのか。どうでもいいけど。

 

「秘密だ」

 

「教えてくれたら、さっき私の『フェニックスの涙』を奪ったことをナシにしてあげても良いですわよ」

 

そうきたか。頭の良い奴はめんどうだ。

 

「霧識先輩、私も教えてください」

 

小猫までか。まぁ、気になるわな。

 

「仕方ない。誰にも言わないと誓うなら今度、教えてやる」

 

「分かりましたわ」

 

「……内容によります」

 

「だったら言わない」

 

こんな感じで喋っていると新校舎に着いた。屋上の方は戦ってる途中だな。この調子ならのんびりしてても間に合いそうだ。

 

「そうだ、レイヴェルも駒王学園に入学しないか?」

 

校舎内に入って屋上に向かう途中、思い付いたことをレイヴェルに言った。

 

「はぁ?いきなり何なんですの?」

 

「楽しくなりそうだと思っただけだ」

 

「私には関係ありませんわ」

 

「そりゃ、残念。まぁ、考えるだけは考えといてくれ」

 

屋上の扉に着いたので開けて外に出る。

 

「よぉ、人間。遅かったな。待ちくたびれたぜ」

 

状況はすでにイッセーとリアス・グレモリーはボロボロ。ライザーは余裕の表情。予想通りだな。アーシアは現在、イッセーの治療を行っている。

 

「霧識、遅かったじゃねぇか。やられたと思ったぜ」

 

「何を馬鹿なことを言ってるんだ?やられたらアナウンスがあるだろうが」

 

やられ過ぎて頭がおかしくなったか?いや、元々おかしいな。

 

「ところで何でレイヴェルが人間と一緒にいるんだ?」

 

「私がどうしようと勝手でしょ。元々レーティングゲームにも参加してるだけで何もするつもりはないんですから」

 

「それもそうだな」

 

あっさりと納得するライザー。意外と妹には甘いのか?

 

「リアスも赤龍帝の小僧もマトモに戦えない。後は俺に生意気な口を利いた人間を倒すだけだ」

 

「何か勘違いしているようだ、ライザー」 

 

「……何?」

 

「姫様を助け出すのはヒーローの仕事に決まってるだろ」

 

さぁ、ここからが本番だ。イッセー、お前の底力を見せてもらうぞ。

 

「どういう意味だ?まさか、俺に手も足も出なかった赤龍帝が俺を倒すと言うつもりか?」

 

「正解だ、ライザー・フェニックス」

 

ここまで格好つけてイッセーが負けたら、どうしよう。俺、メチャクチャ勝手悪いじゃねぇか。その場合は俺がライザーを倒すしかないな。

 

「もしかして、さっき言っていたフェニックス無効化システムが関係しているんですの?」

 

「それもあるが、今回使うのは赤龍帝強化システムだ」

 

「赤龍帝強化システム?……って何ですの?」

 

「見てたら分かる」

 

治療が終わりアーシアが離れたのを見てイッセーに話かける。

 

「イッセー、このままだとグレモリー先輩はあのホストくずれと結婚することになるぞ。それで良いのか?」

 

「良いわけないだろ!絶対に部長は俺が守る!」

 

この状況で『俺が』か。良い覚悟だ。

 

「ちなみに、このまま負けたらグレモリー先輩の処女はあいつに奪われることになるぞ」

 

「なっ!」

 

イッセーが衝撃を受けたような顔をしている。

 

「グレモリー先輩の胸や尻があいつに舐め回されることになるぞ。しかも、それだけでは飽き足らず縄や蝋燭を使ったプレイもするかもしれない。いや、あいつは遊び慣れているようだし、もっと凄い言葉では言えないようなことをするかもしれない」

 

「ふ、ふざけるなぁぁぁ!ライザーの野郎、絶対に許さねぇぇぇぇ!」

 

まだ何もしていないのに、された後みたいに激昂するイッセー。しかも、まだ途中までしか言ってないのに。どこまで妄想したんだ?

ちなみにリアス・グレモリーは顔を赤くしている。この反応から見て、やっぱりリアス・グレモリーは処女か。

 

「……おい、人間。何のつもりだ?」

 

イッセーと同じ変態であるライザーも状況が分からず、ポカンとしている。他のメンバーも同じような感じだが、小猫だけは呆れたような顔をしている。

 

「おい、俺の左手に宿るドラゴン!俺に力を貸しやがれ!あのムカつく焼き鳥野郎をぶん殴れるなら何でもお前にくれてやる!」

 

おい、待て。いくら何でもそこまで求めていない。たかが好きな女の処女のために自分をどこまで犠牲にするつもりなんだ。どこまで馬鹿なんだ。

て言うか、ドライグは目覚めていたのか。そこは嬉しい誤算だな。

そしてイッセーがドライグとの会話を始めた。

 

「何なんですの?急に一人言を始めて。お兄様にやられ過ぎて頭がおかしくなったのかしら?」

 

レイヴェルが痛い奴を見るような目でイッセーを見ている。ドライグの声が俺達には聞こえてないから気持ちは分かるが。

 

「……イッセー先輩は元々、頭がおかしいです」

 

「それには激しく同意だが、そうじゃない。アレはブーステッド・ギアの中に宿るドラゴンと会話してるんだろう」

 

イッセーの頭がおかしくなってなかった場合の話だが。

イッセーとドライグの会話が終わったみたいだ。

 

「よし、取り引き成立だ。焼き鳥野郎をぶっ飛ばせるなら左手の一本ぐらい安いもんだ」

 

左手ぐらいなら安いのか?俺なら絶対にしない取り引きだが。

 

「ちょ、ちょっとイッセー!何もそこまでする必要はないわ!」

 

ここまでいきなりの展開で混乱していたリアス・グレモリーが今のイッセーの発言で冷静になったのか止めに入る。

 

「やらせてください、部長!俺が絶対にあんな鬼畜な変態野郎と結婚なんてさせませんから!」

 

「い、イッセー……」

 

何かリアス・グレモリーがイッセーの発言を聞いて感動してるようだ。何だ、この展開は?

 

「……なぁ、レイヴェル。ライザーは鬼畜な変態野郎なのか?」

 

「私に聞かれても困りますわ」

 

まぁ、それはそうだな。後で別の眷属に聞こう。

 

「おい、そろそろ良いか?」

 

「ああ、待たせたな。行くぞ、ドライグ!オーバーブースト!」

 

Welsh(ウェルシュ) Dragon (ドラゴン) over(オーバー) booster(ブースター)!』

 

籠手の宝玉が赤い閃光を解き放つ。そして、次の瞬間にはイッセーは赤い鎧を身に纏っていた。

おそらく犠牲を払ってなった一時的な禁手だな。にしても禁手になるとは予想以上だ。

 

「フェニックス無効化システム、その二。『偽りの現実(ミラージュ・ファントム)』発動。ライザーの脳はダメージを認識できないようにした」

 

「行くぞ、焼き鳥野郎!部長の処女は俺の物だぁぁぁ!」

 

イッセーが最低な発言をしながらライザーに向かって凄い勢いで突撃した。

 

「あの方は何を言ってるんですの?」

 

「……俺にも分からないことはある」

 

いくら興奮してるからって人前で何て発言をしてるんだ。俺でも恥ずかしくて、そんな台詞は言えないぞ。

イッセーがライザーを突撃の勢いのまま殴る。

 

「効かんぞ、赤龍帝。その鎧は見た目だけか?」

 

「クソッ!調子に乗るなよ!」

 

ライザーの背中に巨大な炎の両翼が出現した。これからが本番だな。

 

「先輩、さっきの能力は何ですか?アレではイッセー先輩が不利です」

 

「まぁ、見ていろ」

 

ライザーがイッセーに向かって物凄い質量の炎の塊を放つ。

 

「火の鳥と鳳凰!そして不死身フェニックスと称えれた我が一族の業火!その身で受けて燃え尽きろ!」

 

「てめぇのチンケな炎で俺が消えるわけないだろぉぉぉ!」

 

だがイッセーは一切の迷いなく炎の中に突っ込む。そしてライザーに魔力の塊をぶつける。ライザーは避けようとするが避けきれず右腕がぶっ飛ぶ。

 

「この程度――」

 

ライザーの右腕が不死身の特性で復活……しない。

 

「なっ!何故だ!?何故、回復しないんだ!?」

 

「ハハッ」

 

面白いぐらいに焦るライザーに思わず笑ってしまった。

 

「まさか人間!貴様の仕業か!」

 

「正解だ、ライザー。種明かしはCMの後だ」

 

俺が喋っている間もイッセーはライザーをタコ殴りにしている。

 

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!」

 

「くそっ!俺はフェニックス家の看板の背負ってんだ!貴様みたいな下級悪魔に負けられるか!」

 

ただのボンボンだと思っていたが意外と根性あるな、ライザーの野郎。土壇場で逆転されたら誰でも焦るのに持ち直しやがった。

そしてイッセーの鎧が解除された。イッセーが左腕を犠牲にして鎧を装着していた時間は十秒。これで充分なのか、足りないのかは俺には分からないな。

 

「くそっ!」

 

「お、俺の勝ち……ぐっ!」

 

勝ち誇っていたライザーが急に倒れ込む。

 

「どういうことだ!?ダメージはないのに体が動かない!」

 

「ダメージはあるさ。脳が認識できていないだけでな」

 

「……どういうことだ?」

 

「皆、お待ちかね種明かしの時間だ。簡単に説明すると、お前の脳がダメージを認識できていない以上、体が再生することはない。だが体にはダメージがあった。そういうことだ」

 

不死身に頼って体を鍛えなかったことが災いしたということだな。

 

「さぁ、どうする?お前の体はもう動かない。それでも戦うか?」

 

「待て!分かっているのか!今回の婚約は悪魔の未来に必要なことなんだぞ!それを何も知らない人間と下級悪魔に邪魔されてたまるか!」

 

「知るか。人間の俺には関係ない」

 

ん?でも待てよ。結婚ということは子供か。ライザー・フェニックスとリアス・グレモリーの子供。フェニックス家の『不死身』とバアル家の『滅び』。この二つの特性を持った子供が生まれたら面白いな。今回の婚約を潰したのは失敗だったか?いや、せっかくならフェニックス家の長男、ルヴァル・フェニックスの方が興味深いな。

 

「んなこと知るか!俺にとっては悪魔の未来なんかよりも部長の幸せの方が大切なんだよ!」

 

俺が考え事をしている間にイッセーが最後の力を振り絞ってライザーを殴った。

 

投了(リザイン)を確認。リアス・グレモリー様の勝利です』

 

これで勝ちか。目的は果たせたし概ね満足だ。




実は最初、主人公がレイヴェルと小猫と喋っている内に気付いたらレーティングゲームに敗北しているという訳の分からない展開にする予定でした。でも、それだと主人公がレーティングゲームに参加する意味がないので今回の形になりました。
ちなみに婚約パーティをやる場合、主人公はレイヴェル、もしくはサーゼクスと会話しているだけの予定でした。

では感想待ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。