「やぁ、初めまして。七瀬霧識くんに兵藤一誠くん」
ライザーとのレーティングゲームが決着してオカルト研究部の部室で休憩していると、急に魔王サーゼクス・ルシファーグレイフィア・ルキフグスがやって来た。
もしかして妹の縁談をぶっ潰したことに対する文句だろうか?
俺以外はその場に跪いている。イッセーとアーシアは突然に事に対応できず困っているが。
「くつろいでくれたまえ。今回はそこの二人に会いに来ただけだ」
そう言われて他のメンバーは立ち上がる。
「赤龍帝だけじゃなくて、ただの神器所有者に俺もですか?」
「私としては君の方が気になる。例えば、あのカメラが見えなくった時の一瞬で、どうやってライザーくんの『女王』を倒したのか、とかね」
それは気になるだろうな。教えるつもりはないが。
「オバサンが勝手に倒れたんですよ。姫島先輩との戦いで限界だったんじゃないですか?」
「ふむ、なるほど。君がそう言うならそうなんだろうね」
絶対に信じてないな。まぁ、俺でも絶対に信じないが。
「ところで妹さんの縁談を潰した文句を言いにきたんじゃないんですか?」
「ちょ、霧識くん!いくら何でもお兄様に対して――」
「別に良いよ、リーアたん。私は気にしていないから」
リーアたん?何だ、この悪魔から魔王の威厳が感じられないんだが。現魔王のノリが軽いとは知っていたが、ここまでとは。
「お兄様!人前でその呼び方はやめてくださいと言ったでしょ!」
リアス・グレモリーが顔を赤くしながらサーゼクス・ルシファーに叫ぶ。
「だったら二人っきりの時に呼ぶことにしよう」
「言葉の揚げ足を取らないでください!」
イッセーとアーシアはいつもと違うリアス・グレモリーの姿を見て驚いている。
俺はそうでもないな。よく考えたら堕天使の幹部も似たような感じだし。
「ああ、そうそう。話を戻すけど今回の縁談を潰したことは私もフェニックス卿も気にしてないよ」
それは予想外だな。サーゼクス・ルシファーはともかくフェニックス家の方も気にしていないとは。上級悪魔としてのプライドもあるから怒っていると思っていたが。
「むしろ、息子に敗北を教えてくれたことを感謝していたよ」
それは心の広い話だな。
「後、これが本題なんだけど七瀬霧識くん。リーアたんの眷属になるつもりはないかい?」
「は?」
さすがにこの展開は予想していなくて、俺らしくもなく驚いた声を出してしまった。
「それは魔王様、俺達ではリアス部長の眷属として物足りないということでしょうか?」
「別にそういうことではないよ、兵藤一誠くん。むしろ君達の力は素晴らしい。リーアたんは他の若手悪魔と比べても眷属に恵まれている」
そりゃ、赤龍帝にバラキエルの娘、猫魈。木場やアーシアの神器も面白い。ヴァーリチームと比べると劣るが、それでも破格だろう。
「だったら何で霧識くんを私の眷属にスカウトする必要があるのですか?」
「これは私の勘なのだけどね。彼を自由にしていると嫌な予感がするんだ。どこかで手綱を握っていた方がいい」
さすが魔王様、鋭いな。俺は正式に所属していないとはいえ禍の団に関与している。さらにディオドラ・アスタロトを利用してアスタロト家を脅してある程度は自由に使える身だ。確かに放置しておくのは危険だろう。次に何をするか分からない。というより、俺にも分からない。基本的に思い付きで行動しているからな。
「無理ですよ。俺を束縛できる奴なんて世界中さがしてもいませんから」
「ハハッ。それは怖い話だね」
「それに俺は悪魔になる場合はソーナ・シトリーの眷属になる予定なんで」
匙からは猛反対されているが、他のメンバーからはすぐにならないか、と言われている。今すぐ悪魔になるつもりはないけど。
「ああ、セラフォルーの妹か。確かこの学園の生徒会長をしていたね」
「自分的にはリーアたん先輩よりも会長の方が合ってると思うんですよ」
「何で霧識くんまでその呼び方をするの!?」
さっきまで魔王様に呼ばれるのは無視していたけど、さすがに俺に呼ばれるのは我慢できないらしく顔が物凄く赤くなっている。
「それはウチのリーアたんでは物足りない、ということかな?」
サーゼクス・ルシファーはリアス・グレモリーを無視して会話を続ける。当然、俺も無視だ。
「相性の問題ですよ。リーアたん先輩は眷属から見てもパワーゲームが得意な感じですけど、俺は知略戦の方が好きなんで」
「なるほど、そういうことなら仕方ない。確かに相性は大事だからね」
「そろそろ帰りますよ、サーゼクス様。仕事の時間です」
ここでさっきまで立っているだけだったグレイフィア・ルキフグスが会話に入ってきた。
「ああ、もうそんな時間かい。もうちょっと話していきたかったんだけど、仕方ないね」
そう言うとサーゼクス・ルシファーは魔方陣を発動する。
「じゃあ、七瀬霧識くん。また話そうね。兵藤一誠くんとは今回あまり話せなかったんで次の機会を楽しみにしてるよ」
「では、さようなら」
そう言うと二人は魔方陣の中に消えた。
俺は家に帰るとレイナーレが作った朝ごはんを食べて寝ることにした。さすがに徹夜は疲れた。ちなみに今日は平日だけど学校はサボった。
そして夕方頃に起きてルフェイとオーフィスとゲームをして現在は夕食の時間。レーティングゲーム前に一回、帰ってきているとはいえ全員でご飯を食べるのは久し振りなので高級寿司の出前という豪華な内容にした。
ちなみにゲーム中はルフェイが俺の膝の上に座っていたので今はオーフィスが俺の膝の上に座っている。合宿のせいで最近はしてなかったからな。久し振りにすると落ち着く。
「ところで赤龍帝はどうだったんだ?」
ヴァーリが食べ始めるといきなり聞いてきた。やっぱり、そこが気になるのか。ちなみにヴァーリは白身ばかり食べている。白龍皇だからだろうか?
ちなみにオーフィスも白身ばかり食べている。おそらく、グレートレッドの赤色を避けているのだろう。
「まだ弱いけど可能性はあると思うぜ。スケベ心だけで限界を超えたんだ。面白い進化をするんじゃないか」
「では私を倒した時も私の体に欲情してパワーアップしたのでしょうか?」
レイナーレと黒歌は本当に話題をエロ方向に変えたがるな。おかげで真面目な話が出来ない。
「いや、それはさすがに違うだろ。あの時のはアーシアを殺されたことに対する怒りだ……と思いたい」
全部を見たわけじゃないし、もしかしたらその可能性もあるか。何たってイッセーだからな。ここは全部見ていた人に聞こう。
「お義兄さん、実際のところはどうだった?」
「少なくとも私にはシスターを殺されたことに対して怒っていたと思いますよ」
そうだよな。いくらイッセーが変態でもあの状況でエロいことは考えないよな。
「それよりも私はレーティングゲームの話が気になります」
「じゃあ、その話をするか」
そして俺はレーティングゲームとついでに合宿中の話をした。と言っても俺は基本的に何もしていないのですぐに終わったが。
「さすが霧識にゃ。まさか敵まで口説いていたとはにゃ」
「口説いてない。仲良くなっただけだ」
大体、俺は元々ライザー達を敵とは思っていないし。
「そんな……。私との関係は遊びだったんですか?」
「ブフッ!」
ルフェイが全く想定していなかったことを言ってきたせいで飲んでいたお茶を吹き出してしまった。ちゃんとオーフィスにはかからないように隣に座っているレイナーレに向かって吹いた。
「おい、黒歌にレイナーレ!ルフェイに何を吹き込みやがった!」
思わず口調が崩れてしまったが、今はどうでもいい問題だ。
「私じゃないにゃ。完全に濡れ衣にゃ」
全く信用できないが、俺はとりあえずレイナーレを睨む。
「それよりも先に謝ってくださいよ。服を着替えないといけないじゃないですか」
「貴様が真実を言うのが先だ」
「はい。私がご主人様がいない時にルフェイさんと一緒にドラマを見ながら色々と吹き込みました。お仕置きですか?」
くっ!何て性格の悪い奴だ。ルフェイに色々と吹き込みことで俺に嫌がらせが出来る。しかも、それでお仕置きをしたら変態のレイナーレは喜ぶ。完璧な作戦だ。俺はどうすればいいんだ?
「レイナーレさんは段々、霧識さんに似てきましたね」
「性格の悪いところがな」
確かにお義兄さんやヴァーリの言う通り、今回のレイナーレのやり方は俺に似ている。自分がやられることを前提で考えていること以外は。
「ハァー」
今度から家を空けることは極力さけよう。そうしないとレイナーレ、もしくは黒歌が何をするか分からないからな。
「もしかしてレーティングゲームで疲れているんですか、ご主人様。でしたら、私は服を着替えるついでに風呂に入るつもりでしたので全身を洗ってさしあげましょうか?」
普通は背中だけじゃないのか?まぁ、こいつに今さら普通を求めるつもりはないが。
「少し早いですけど、そのまま夜の営みを始めてもかまいませんよ。というより、お勧めします」
「それはいいアイデアにゃ。私も当然、参加するにゃ」
「でしたら私も参加します」
「我も」
待て!ルフェイとオーフィスまで参加を希望するとは予想外だぞ。
「ウチの風呂はそんな大人数で入れるほど大きくないぞ!」
「気にするところはそこではないと思いますよ」
お義兄さんが殺気を放っている。何でレーティングゲームよりも自宅の方が危険なんだろう?
今回で二巻の内容が終了。次回からは三巻に入ります。
主人公が神が死んだことやその他、色々言ってめだかボックスの球磨川みたいにゼノヴィアとイリナの心を折っているシーンが頭に浮かんでしょうがないです。さすがにする気はないですけど。
では感想待ってます。