ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第26話 教会

「あら、奇遇ですね」

 

ある日の朝、校門前で会長と副会長に会った。

 

「そうですね。朝に会うのは初めてですか」

 

「今日はどうしたんですか?」

 

「何か面白そうなことが起きる予感がしたんです」

 

俺の予感はよく当たるからな。まぁ、普通に考えたらコカビエルを追ってきた教会の人間だろうが。

ここで白いローブのようなもの着込んだ栗毛と緑色のメッシュを髪に入れている二人組の女が近付いてきた。

 

「教会側の人間が何の用かしら?」

 

会長が敵意を丸出しにして言った。

 

「ビンゴ!」

 

「……いきなり何を言っているの?」

 

栗毛の女が呆れたように言ってきた。にしても、この女、どこかで見たことがあるな。

 

「気にするな。予想が当たっただけだ」

 

ここまで綺麗に当たると超能力か何かなんじゃないかと思うな。もし俺に予知能力とかあったら面白い。いや、先のことが分かるのは面白くないか。

 

「ところで話があるなら中に案内しますよ。ここでの立ち話は他の生徒の邪魔になりますから」

 

「いや、私達が用事があるのは貴女ではなくリアス・グレモリーだ」

 

リアス・グレモリーだけか?会長にも話していた方が良いと思うが。

 

「そうですか。では、これから授業もありますし、急ぎの用事じゃないならまた放課後に来てください。その時にリアスに紹介します」

 

「そんな面倒なことをしないでも俺が話を聞きますよ。で、適当に休み時間に報告します」

 

正直、授業なんてやる気ないし、暇潰しにはなるだろ。

 

「……たまにはマトモに授業を受けてください、霧識くん」

 

「別に受けなくても良いでしょ。これでも学年一位ですよ」

 

興味のない範囲はテスト前に覚えて、終わったら忘れてるけど。

 

「霧識くん?見覚えがあると思っていたけど、もしかして七瀬霧識くん!?」

 

「ん?そうだけど。あんた、誰?」

 

俺も見覚えはあるんだけど思い出せない。

 

「ほら、私よ。紫藤イリナ。覚えてない?」

 

「ああ、イリナね。思い出した思い出した。昔と雰囲気が違うから分からなかった」

 

前は男みたいだったのに、女っぽくなったな。時間が立てば人はこんなに変わるものなのか。

 

「イリナ、知り合いか?」

 

「私の幼馴染みよ」

 

「幼馴染み?昨日、会った男だけじゃないのか?」

 

「うん、二人いるの」

 

もしかしてイッセーにはすでに会ってるのか?

 

「イッセーには会ったのか?」

 

「昨日、家に行ったの。て言うか、聞いてよ。イッセーくんたら私のことを男の子だと思っていたみたいなのよ。さすがにショック受けたわ」

 

相変わらずよく喋るな。そんなことはどうでもいいんだが。興味もない。

て言うか、イッセーの家に行った時にリアス・グレモリーとは会わなかったのか?リアス・グレモリーがたまたま席を外していたのか?

 

「って、霧識くん。イッセーくんのこと何で知ってるの?名前は言わなかったと思うけど」

 

「俺のクラスメイトだからな」

 

「へぇ、私の幼馴染みが今はクラスメイトか。何か運命的な物を感じちゃうね」

 

そう言われるとそうだな。それに幼馴染みが三人とも別々の三大勢力に属しているところもな。いや、イッセーは俺の幼馴染みではないか。

 

「じゃあ、積もる話もあると思うし喫茶店にでも行って話さないか?俺が奢ってやる」

 

「……霧識くん、学校はどうするんですか?」

 

ちっ!適当に理由をつけて学校をサボろうと思っていたのに。会長の前でサボろうとしたのが失敗だったか。

 

「おい、イリナ。他にもすることはある。ここは後回しにするぞ」

 

「そうね。じゃあ、また放課後に来るね、霧識くん」

 

そう言うと二人はどこかに行った。そういや、もう一人の名前は聞いてなかった。まぁ、後で聞けばいいだろ。

 

 

 

 

 

そして放課後、部室にオカルト研究部メンバー+教会の二人がいる。

 

「ところで気になっていたんだがイリナの二人目の幼馴染み。彼は見たところ人間のようだが何でここにいるんだ?」

 

まず、そこからか。後回しでも良いと思うが。後、二人目という言い方も気に入らないな。

 

「前に堕天使関連の事件があってな。それから俺もこの部活に入っているんだよ」

 

「そうだったのか。……後、貴様はさっきから携帯で何をしているんだ?」

 

どうでもいいけど、携帯じゃなくてスマホなんだが。教会育ちだから俗世のことには詳しくないのか?

 

「小説の執筆」

 

ラノベを読んでいたら俺も書きたくなったんだよな。キャラを自由に動かすのは面白い。普段からしているような気もするけど。

 

「どんな内容を書いているんですか?」

 

「殺人犯を主人公にして名探偵と警察をボコボコにする話だ。当然、最後はバットエンドを予定している」

 

「何ともひねくれた話ですね」

 

これでも結構、人気があるんだぜ。好きな人は好きだけど嫌い人は嫌いな内容だからアンチも多いけど。

 

「へぇー、面白そうね。私も見せてもらっていいかな?」

 

「いいぞ。見るか?」

 

そう言うと、俺は目次のページを開いてイリナにスマホを渡す。

 

「ねぇ、これってどうやって使えば良いの?私の知ってる携帯と違うんだけど」

 

スマホの存在自体を知らなかったのか。

 

「おい、イリナ。そろそろ本題に入るぞ」

 

「ちょっと待ってよ、ゼノヴィア」

 

もう一人はゼノヴィアという名前なのか。

二人は何やら言い争いを始める。こんなんで大丈夫なのか?相手は堕天使幹部のコカビエルだぞ。

 

「……霧識くんがいると毎回話が脱線するわね」

 

リアス・グレモリーが何か諦めたような悟ったような顔で言っている。今回はわざとじゃないんだが。

 

「……なぁ、霧識。お前もイリナと会っていたのか?」

 

ずっと気になっていたのか、このタイミングでイッセーが聞いてきた。

 

「今朝、会長といた時に会ったんだよ」

 

「そうだったのか。にしても、俺もイリナとは幼馴染みなのに霧識とは会ったことないな」

 

「偶然だろ」

 

俺は会うつもりがなかったし、イリナも紹介するつもりがなかっただけだ。

 

「……ところで、これが重要なことなんだが」

 

「何だ?」

 

「お前はイリナが女だって知ってたか?」

 

イリナが男だと勘違いされていたとか、朝に言っていたな。

 

「知っていたが」

 

「マジでか!?」

 

そこまで驚くようなことか?さすがの俺もイリナに同情したくなってきたぞ。

 

「ああ、そうだ。霧識くん。ちょっと提案があるんだけど」

 

イリナがゼノヴィアと話している途中に急に思い付いたかのように俺に話かけてきた。

 

「イリナも小説が書きたくなったか?」

 

「そうじゃなくて真面目な話よ」

 

いや、俺も真面目に言ったんだが。

 

「ねぇ、教会に入るつもりはない?」

 

「ない」

 

「え!?」

 

俺の即答しすぎたせいかイリナが驚いた声を上げた。そこまで驚かなくてもいいと思うが。

にしてもサーゼクスさんに続いて、またスカウトされるとは。他にも英雄派の曹操にスカウトされたことあるし。よくスカウトされるな。俺はすでにヴァーリチームに属しているから、どれも受ける気はないけど。

 

「何で、この男をスカウトするんだ?イリナの幼馴染みといっても悪魔と関わっているような人間だぞ」

 

ゼノヴィアが不審そうにイリナに聞いた。言い方は気に食わないが俺も同意見だ。

 

「だってイッセーくんは悪魔だから無理だけど、まだ霧識くんは人間だから救うことが出来るわ」

 

信仰に酔っているタイプの人間か。正直、俺が一番苦手なタイプだ。だって、こういう奴等って人の話を聞かないからな。精神的に潰すだけなら簡単なんだが。

 

「それに霧識くんには悪魔祓いとしての才能があると思うの」

 

「何を根拠に言っているんだ?」

 

いや、俺には確かに悪魔祓いとしての才能はある。お義兄さんに試しにエクスカリバーを使わせてもらったら扱えたからな。

 

「だって霧識くんは『最強夫婦』の子供だから」

 

「何だと!あの『最強夫婦』か!まさか子供がいたとは……」

 

最強夫婦?何だ、それ?後、ゼノヴィアの驚きようが凄いな。

 

「……最強夫婦って何ですか?」

 

「いや、小猫。俺も分からない」

 

まさか、こんなところで俺の両親の謎に近付けるとは。……知りたくないな。でも一応、聞いておくか。

 

「その最強夫婦って何だ、イリナ」

 

「ああ、そうか。霧識くんは知らなかったのね。教会最強の夫婦。それが霧識くんの両親よ」

 

「「「え?」」」

 

今まで、どうしたらいいか迷っていた他のメンバーが一斉に驚いた声を上げた。

何となく予想はしていたが本当に教会の関係者だったとはな。

 

「おい、霧識。お前、教会の関係者だったのか?」

 

「親がそうだと言うだけで俺には関係ない。で、どんな人物なんだ?」

 

自分の親のことを他人に聞くのも変な話だが仕方ない。

 

「確か私が聞いた話では単独でも強いが、二人揃えば司祭枢機卿であるヴァスコ・ストラーダ猊下の全盛期に匹敵する実力者らしい。他にも最上級悪魔を倒したことがあるという噂も聞いたことがある」

 

『らしい』に『噂』ね。何とも曖昧な話だ。それだけの経歴を持っていながら、詳しい情報は知られていないのか。考えられるのは噂が一人歩きしているだけか、上が情報を操作しているかのどっちかだな。

 

「お父さんに聞いた話では妻の方が聖剣アロンダイトの所有者よ」

 

聖剣アロンダイト。円卓の騎士のランスロットが使っていた剣か。

 

「で、確か夫の方が忍者……だったかしら?」

 

首をかしげながら自信なさそうに言うイリナ。

この前、小猫に適当に言った話は本当だったのか。

 

「私が聞いた話では神器所有者だったはずだが?」

 

どっちなんだ?

 

「そうだっけ?お父さんも詳しいことは教えてくれなかったのよ」

 

「私も何人かに聞いたことがあるが知っている人は全員、顔をしかめて詳しいことは教えてくれなかった」

 

まぁ、俺の知っている両親の性格から考えると顔をしかめたくなるのも分かる。俺もそうだからな。

って言うか、詳しい情報が知られていないのは、これが原因か?

 

「と言うわけで。霧識くんも両親と――」

 

「断る」

 

俺としてはどれだか言われても教会に入るつもりはない。

 

「えぇぇぇぇっ!親と一緒に働きたくないの!?」

 

「数回しか会ったことのないような奴等を親と思えるわけないだろ」

 

それがなくても俺は自由が好きなんだ。そんな俺が教会なんかに入るわけないだろ。




余談ですが、主人公が書いている小説は自分が書いてみたいと思っている内容の一つです。その内、書くかもしれないし書かないかもしれません。

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