ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第27話 教育

俺の両親の話が終わって、やっと本題に入るところだ。

 

「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」

 

まずイリナが話を切り出した。

にしてもライザーの時は説明を聞けなかったことを気にしていたが、今回は何で知っている話をもう一度聞かないといけないんだ?正直、めんどくさい。

執筆の続きをするか。

 

「エクスカリバーは大昔に折れて、このような姿になっている」

 

そう言うとゼノヴィアは傍らに置いていた布に巻かれた長い物体を解き放った。

 

「これが私の持つ『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』。折れた破片を集め、錬金術で新しく作られた七本のエクスカリバーの内の一つだ」

 

エクスカリバーを見た瞬間、木場の目付きが変わった。今にも飛び掛かりそう雰囲気だ。

ゼノヴィアは再び布でエクスカリバーを覆った。

次にイリナが長い紐のようなものを懐から取り出した。そして、その布が形を変えて日本刀になった。

 

「これが私の『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』。形を自由自在に変えることが出来るから、すっごく持ち運びに便利よ」

 

確かに便利だな。魚の骨が歯に挟まった時とかに使えそうだ。

 

「イリナ、わざわざ悪魔にエクスカリバーの能力を教える必要ないだろ」

 

「別に能力を知られたからといって、遅れを取ったりしないわ」

 

凄い自信だな。悪魔ごときに負けるはずはないということか。でも、こいつら馬鹿だな。

 

「名前を聞いただけで大体の能力は分かるぞ。ゼノヴィアのエクスカリバーの特性は破壊力だろ」

 

「「あ!」」

 

やっぱり気付いていなかったか。まぁ、俺はお義兄さんに聞いてるから全エクスカリバーの能力を知っているけど。

 

「……で、奪ったのは誰なのか分かっているの?」

 

また話が脱線しそうになったところをリアス・グレモリーが持ち直した。学習したということか。

 

「『神の子を見張る者(グリゴリ)』幹部のコカビエルだ」

 

そう言えばコカビエルからエクスカリバーを奪還するために送り込まれたのが、この二人か。正直、コカビエルを相手にするには力不足だろ。コカビエルが聞いたらガッカリしそうな話だ。

 

「なるほど、聖書にも記されし堕天使ね。それでエクスカリバーを奪った後、この地に逃れてきたってところね」

 

「そういうことだ」

 

「は?」

 

こいつらの馬鹿さ加減にビックリしてスマホを落としてしまった。え?こいつら、本気で言っているのか?

 

「どうした、霧識」

 

「いや、どうしたって、どう考えてもおかしいだろ?イッセーは気付かないのか?」

 

「何がおかしいんですか、霧識先輩」

 

小猫まで気付いていないのか。ヤバいな。全員、まとめて教育した方が良いか?会長なら絶対すぐに気付くぞ。

 

「お前ら全員、漫画の読みすぎですか?ご都合主義が現実で起こるとでも思ってんのか?」

 

まぁ、ご都合主義が全く現実で起こらないわけじゃないが。

 

「霧識くん、何が言いたいの?」

 

「いいだろう、イリナ。お前らどうしようもない馬鹿でも分かるように先生が分かりやすく教えてやる」

 

「貴様、我々を馬鹿にしているのか?」

 

ゼノヴィアが凄んで言ってくるが、どうでもいい。無視だ。

 

とりあえず俺がコカビエルと繋がっていることがバレないように気を付けないとな。こんな馬鹿どもに気を付ける必要があるのかは謎だが。

 

「最初に何でエクスカリバーが奪われたか分かっているか?」

 

「……それは堕天使にとって聖剣が邪魔だからだろ?」

 

「不正解だ、ゼノヴィア。堕天使幹部からしたら折れた聖剣なんて、それほど脅威ではないだろう。後で補習だ」

 

上の連中はそんなことも教えてないのかよ。完全に二人を捨て駒にするつもりのようだな。

 

「次に、この広い世界の中で魔王の妹が二人いるこの町に偶然ピンポイントで逃げてくることが本当にあると思うか?」

 

「「「あ!」」」

 

ここまで言われて、やっと話の不審さに気付いたようだ。

「……つまり何か目的があって、この町に来たということ?」

 

「正解だ、イリナ。後でお菓子をやろう」

 

小猫が物欲しそうな顔で俺を見ている。

 

「小猫にも後でお菓子をやる」

 

「ありがとうございます」

 

今、練習しているメニューがあるし、それを今度召喚した時にやるか。

 

「でも一体、何の目的で……」

 

「そこまではさすがに分からない。堕天使の総意なのか、コカビエルの独断なのか。グリゴリの内部事情を知らないから何とも言えない」

 

俺以上にグリゴリの内部事情を知っている奴はいないだろうが。

 

「今の件についてはしっかりと考える必要があるな。ただ我々としては、今回の一件にこの町に巣食う悪魔どもには一切介入してほしくない」

 

いや、無理だろ。今、コカビエルの目的に魔王の妹二人が関係していると言ったばかりだぞ。

おそらく俺の言ったことで混乱していて、どうしたらいいか分からないからとりあえず当初の予定通り事を運ぼう、といった感じか。不慮の事態に弱いな。

 

「我々が堕天使と手を組んでいると思っているの?」

 

俺は組んでいる、というかグリゴリの人間だけどな。

 

「そういう可能性もあるという話だ。一応、言っておかないと後で問題が起こった時に様々な者に恨まれるからな」

 

そう言うとゼノヴィアは立ち上がった。

 

「下手したら死ぬわよ」

 

「その覚悟は出来ているわ」

 

今は亡き聖書の神のために死ねるのか。どんな信仰心だよ。俺には全く理解できないな。

 

「まぁ、ただで死ぬつもりはない」

 

ゼノヴィアから妙な自信を感じるな。秘密兵器でもあるのか?まぁ、それでもコカビエルに勝てるとは思えないが。

そして二人が帰ろうとしたところで、視線がアーシアに集まった。

 

「兵藤一誠の家で会った時、もしやと思ったが『魔女』アーシア・アルジェントか?」

 

ああ、そういやディオドラのせいでアーシアはそう呼ばれていたんだっけ。

 

「貴女が悪魔や堕天使をも癒す力を持っていたせいで追放された元『聖女』さん?まさか悪魔になっているとはね」

 

「……あ、あの……私は……」

 

二人に言い寄られてアーシアがリアクションに困っている。

 

「安心しろ。この事を聞いて悲しむ人間もいるだろうから報告するつもりはない。ところで、まだ我らの神を信じているか?」

 

神を信じる?死んでいて何も出来ない奴なんて信じてどうするんだ?

 

「……捨てきれないだけです。ずっと、信じてきたものですから……」

 

俺には考えられないな。何かを信じるなんて。

 

「そうか。それならば私達に斬られるといい。今なら神の名の下に断罪しよう。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」

 

「え?」

 

驚いたが今度はスマホを落とさなかった。え~と、こいつは今なんて言ったんだ?神が救いの手を差し伸べる?どういうことだ?

 

「今度は何だ?」

 

ゼノヴィアが不愉快そうに俺を睨んでくる。

 

「ちょっと待て。状況を整理するから」

 

もしかしてゼノヴィア達は聖書の神が死んでいることを知らないのか?真実を知っているコカビエルと接触したら神の不在がバレる可能性があるのに、真実を知らない奴を教会は送ってきたのか?もしゼノヴィアやイリナが真実を知ったら『システム』とやらに影響しそうだが。ミカエルさんとやらは何を考えているんだ?それとも捨て駒だから、バレた場合は処分するつもりということか。

 

「よし、整理完了」

 

「霧識くん、いきなりどうしたの?」

 

イリナが心配そうに聞いてくる。

 

「お前らがどうしようもなく哀れだと思っただけだ」

 

「どういうことだ?」

 

俺に馬鹿にされ過ぎたせいでゼノヴィアは我慢の限界がきているようだ。今にも斬りかかってそうな雰囲気をしている。

 

「短気は損気だ。そんなんじゃあ、エクスカリバーの奪還なんて出来ないぞ」

 

「何か言いたいことがあるならハッキリと言え!」

 

「それが人に物を頼む態度か?そんな当たり前で常識的なこともお前らが言う神は教えてくれなかったのか?」

 

ゼノヴィアを弄って楽しんだ上で実力を計るか。

 

「……いつもより多めに煽っております」

 

いつもより多めに回しております、みたいな感じで言うなよ、小猫。これは大道芸じゃないぞ。

 

「変わったわね、霧識くん。こんなに性格が悪くなって。昔は可愛い人形が大好きな良い子だったのに……」

 

可愛い人形は今でも好きだぞ。丸々、人形で埋め尽くされている部屋もあるし。

 

「おい、だったら勝負しろ!私が勝ったら貴様が何を言いたいのか言ってもらうぞ!」

 

いや、俺は言いたいことは全部言っているが。

 

「困ったことがあったら、すぐに暴力に頼る。まるで犯罪者だな。まぁ、ゼノヴィアがそれで満足するなら付き合ってやってもいいが」

 

「貴様!」

 

「俺に斬りかかってみるか?この場で騒ぎを起こしたら悪魔側と天界側の戦争になる可能性もあるぞ。何たって、この学園には魔王の妹が二人もいるんだからな」

 

あれ?何で、こんなコカビエルが喜びそうな展開になっているんだ?自分でやっておいて何だが、意味が分からない。

 

「だったら、その勝負。僕が受けよう」

 

今まで黙っていた木場が口を開いた。そろそろ我慢の限界だったようだ。にしても、俺があれだけ空気を潰したのによく殺意を維持できていたな。それだけ憎しみが凄いということか。

 

「誰だ?」

 

「君達の先輩だよ。失敗だったそうだけどね」

 

これはこれで面白そうだから良いか。

 

「仕方ない。だが、先輩とやらを倒したら次は貴様だ」

 

どっちかをイリナにまわせば良いだけだと思うが。




主人公の『正解、不正解』って言うキャラが久し振りに出ましたね。確かライザー編では出なかったはず。気に入っているので、もっと出したいです。ところで、これは何キャラって呼べばいいんですかね?先生キャラ?

次回、主人公がやらかします。

では感想待ってます。
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