「おい、霧識!どうなってるんだ!」
「説明しろ!」
俺が教室に着くと、いきなり松田と元浜が詰め寄ってきた。
「何の?」
「イッセーに彼女が出来たってどういうことだ!?」
「お前なら証言してくれるってイッセーが言ってたんだよ!」
ああ、そういうこと。
「ああ、確かにイッセーは昨日、帰りに他校の女子から告白されたな。確か天野夕麻だったけ?」
どうせ偽名だろうけどな。
「本当だったのか!俺達のモテない同盟はどうなったんだ!」
「そんな馬鹿な!神は死んだのか!」
二人が落ち込んで、その場に座り込んだ。て言うか、聖書の神は死んでるし。
「そんな下らないことよりも早く、そこを退け。俺が席に座れないだろ」
「うるせぇ。お前みたいなモテる奴には俺達モテない奴等の気持ちは分からないんだよ!」
「お前らだって変態を直せば恋人ぐらい出来ると思うぞ」
特に元浜は運動神経が良いし、普通にやれば恋人の一人ぐらい出来るだろ。
「お前は変態なのにモテるじゃないか!」
「何?」
変態二人を避けながら席に向かいながら話を聞く。
「俺は前に見たぞ。お前がファンシーショップから出てくるのを。少女趣味だろ」
「知らなかったのか?別に隠してる趣味じゃないが」
「そうなのか?」
俺は席に座ってラノベを取り出して読む。
「ねぇ、七瀬くん。前に教えてもらって人形を作ったんだけど、どうかな?」
一人の女子が話かけてきた。
「お、上手く出来てるな」
「「何でお前はモテるんだよー!」」
うるさいな。女子が引いてるだろ。
日曜日、俺はイッセーと堕天使レイナーレのデートを観察しにきた。レイナーレの件はグリゴリ副総督のシェムハザさんから連絡がきた。適当に放っておいて大丈夫との話だ。だからこそ俺は放っておかない。
俺は念のために一時間前から来たが先にイッセーが来ていた。凄い気合いの入れようだな。いつから来ていたんだ?とりあえず、俺は近くのコンビニで尾行用にアンパンを買った。
ちなみに俺が奴等に見つかる恐れはない。グリゴリでパワーアップした俺の神器は相手に完全に認識されないようにすることが出来る。
約束の時間の十分前にレイナーレがやって来た。
「ごめん。待った?」
「いや、俺もいま来たところだから」
明らかに言いたいことを言えて嬉しそうな顔をしている。
その後は洋服の店に入ったり、小物を買ったりと普通でつまらないデートをしている。性欲の塊と言われた男がそれで良いのか?ラブホにでも連れ込めよ。
そして最後に町外れの公園に着いた。周りには人気がなく他に人がいない。
そこでレイナーレはイッセーから離れた。ここから本番だな。
「死んでくれないかな?」
「……え?もう一度言ってくれない?何か聞き間違いたみたいだ」
現実を受け止められないみたいだな。
「死んでくれないかな?」
そう言うと、レイナーレは背中から翼を生やした。そこで彼女の雰囲気がデート中と違い、冷たいものになる。
「楽しかったわ。貴方と過ごした日々。初々しい子供のままごとに付き合えた感じだったわ」
レイナーレは光の槍を出し、イッセーに投げた。
「それには俺も同感だ。あのデートプランはないな」
しかしレイナーレの攻撃は外れた。
「な!?霧識!」
「よぉ、イッセー。助けにきたぜ。感動したか?」
「何でお前がここにいるんだ!」
「この展開を予想して最初からつけてたんだよ」
まぁ、途中でつまらなさすぎて帰ろうと何回も思ったが。
「貴方は誰なの!?さっきまで人の気配はなかったわ!」
「会うのは二回目だな。堕天使レイナーレ」
「何で私の本名を知ってるの!? まだ名乗ってないはずよ!それに私の正体まで!」
「さぁ?何ででしょう?自分で考えたら?」
「答えなさい!」
そう言うとレイナーレは再度、光の槍を投げてきた。しかし、また外れる。
「また!?どういうことなの!」
「そうやって人に答えばかり聞いていたら成長できないぞ。自分で考える癖を作らないと」
「貴方、もしかして神器持ちなの?」
「正解だ。おめでとう。別に賞品はないけどね」
俺は拍手をして相手を称える。まさか気付かれるとは思わなかった。戯言だけどね。
「おい、霧識。俺にも状況を説明しろ。お前は何者なんだ?」
「今さら、そんな分かりきったことを聞かれても困るが特別に教えてやろう。俺は七瀬霧識。駒王学園の二年生だよ」
「お前、そんなキャラだったか?」
「こんなキャラだ」
これが俺の本性だな。まぁ、別に普段も猫を被ってるわけではないが。
「貴方が何者でもいいわ。私の目的はそこのガキを殺すことなんだから」
「得体の知れない俺は無視して目的を果たす。良い判断だ」
思ったより頭が良いな、この堕天使。
「特別に俺の神器の能力を教えてやろう。認識を操ることだ。今回はお前の認識をずらし光の槍は外させた」
「ふん、そんな力か。だが、そういうタイプの力は相手に知られたら効果が半減するぞ」
「……試してみるか?」
自由に暮らしているとはいえ、 基本的にはグリゴリの監視下にある。だから色んなタイプを相手にしてきたが戦闘はほとんどしたことがない。特に実践は初めてだ。
「……ふん、残念ね。詰めが甘いわ」
「ぐわっ!」
「何!?」
後ろを向くとイッセーが別の堕天使に殺られていた。
「他にも味方がいたのか」
「ええ、そうよ」
「ああ、くそ!格好つけて失敗とか格好悪すぎる」
やっぱり、いつでも平常心が大事ということか。
「まぁ、いっか」
「な!?貴方、仲間が殺されたのにその反応は何なの!?」
「殺した奴の仲間が言う台詞か?」
そんなことよりも後処理はどうするか。
「貴方、何なの?イカれてるわ。気持ち悪い」
「よく言われる。何でかは分からないが」
本当に何でなんだろうな?俺は普通だと思うけど。
「目的を果たしたんだから早く帰るわよ」
「そうね、ミッテルト」
そして二人の堕天使は空に飛んだ。
「またね~」
俺は手を振る。
だがレイナーレとミッテルトは俺を無視して帰っていた。挨拶ぐらい、ちゃんとしろよ。アザゼルに部下に教育の仕方で文句を言ってやる。
「ん?今度はなんだ?」
イッセーの持っていた紙から魔方陣が展開して、紅い髪をした女の人が現れた。いや、悪魔だな。
「貴方ね、私を呼んだのは」
「いえ、違います」
「え!」
現れた女の人が驚く。
見覚えがあるな。駒王学園三年のリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主にして、魔王サーゼクス・ルシファーの妹。
「多分、先輩を呼んだのは、ここで死んでる俺の友達ですよ」
「え、えーと、リアクションに困るわね」
「じゃあ、助けてやってください。俺はそろそろ晩飯の買い出しに行くんで」
「ちょっと待ちなさい!」
俺が帰ろうとすると引き止められた。
「何ですか?早く帰りたいんですけど」
今日はヴァーリチーム全員とオーフィスが来る。早くしないと黒歌や美猴あたりがうるさいんだが。
「貴方からも話を聞きたいんだけど」
「また今度じゃ駄目ですか?」
「……分かったわ。また後日に使いの者を寄越すわ」
「じゃあ、また後日に会いましょう、先輩」
遅くなったし、今日は鍋にするか。
主人公が名前につられてキャラが少し変わった気がします。まぁ、気に入ってるので良いですが。
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