ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第30話 アザゼル

ゼノヴィアとイリナが来た日の夜。今日はアザゼルが来る予定なのでルフェイ達は来ていない。

俺がのんびりとテレビを見ながら待っていると、リビングに魔方陣が現れて中から浴衣姿の中年オヤジが出てきた。

 

「よぉ、久し振りだな」

 

「ん?もう来たのか。予定よりも早かったな、アザゼル」

 

確か予定は九時だが、今は八時だ。まぁ、アザゼルが時間通りに来るとは思っていなかったので、あらかじめレイナーレは認識できないようにしている。本当は自室待機にしたかったんだが、生でアザゼルを見てみたいらしい。こんな中年オヤジを見てもしょうがないと思うが。

 

「ああ、することがなくて暇だから早く来たんだよ」

 

いや、仕事しろよ。シェムハザさんからよく文句を言われてるだろ。

 

「ところで酒はあるか?」

 

「用事があって来たんじゃねぇのかよ?」

 

「堅いこと言うなよ。他には誰もいないだから気にする必要ないだろ」

 

少し離れたところからレイナーレがこっちを見ているがな。

とりあえず俺は立ち上がって冷蔵庫に向かう。

 

「日本酒は切らしてるからビールでいいか?」

 

「ああ、それでいいぜ」

 

俺は二人分のビールを取ってソファに座ってテレビの続きを見る。

 

「何だ、クイズ番組か。エロDVDはないのか?」

 

アザゼルが俺の横に座ってきたのでビールを渡す。

 

「用事、忘れてんじゃねぇだろうな、エロオヤジ」

 

何が悲しくてアザゼルなんかとエロDVDを観ないといけないんだよ。

 

「別にそれほど忙くことじゃねぇよ」

 

忙くことじゃない、ってコカビエルのことだろ。放っておいたら戦争になるかもしれないんだが。まぁ、どうでもいいか。

 

 

 

 

一時間後、アザゼルは泥酔していた。机には大量のビールの空き缶がある。

 

「おらー、もっと日本酒、持ってこい!」

 

「だからビールしかねぇよ。て言うか、何で未成年の俺よりも先に酔っぱらってんだよ。酔っ払いオヤジの世話なんかしたくねぇぞ」

 

こうなった原因は途中で飲み比べが始まったからだ。結果は見た通りアザゼルの負け。おかげでビールが切れてしまった。明日、学校の帰りに買い物する時に追加しておかないとな。

 

「こうなったら仕方ない」

 

俺は耳元でまだ誰にも言っていないアザゼルの弱味を呟く。何を想像したのかレイナーレの目がキラキラしているが気にしない。

 

「何でそのことを知ってんだ!その事は幹部連中も知らないはずだ!」

 

アザゼルが物凄い勢いで立ち上がった。

 

「よぉ、酔いは覚めたか?」

 

「……ああ、驚き過ぎて酔いが覚めたぜ」

 

俺はコップに水道水を入れると、それをアザゼルに渡す。

 

「とりあえず水を飲め」

 

「……水道水かよ」

 

「文句を言うな」

 

そして落ち着いたところで、やっと本題に移る。

 

「コカビエルが教会からエクスカリバーを盗んだんだ」

 

「ああ、その話はいい。前にコカビエルが家に来たし、今日も学校に教会のエクスカリバー使いが来たから事情は全部知ってる」

 

同じ話を三回も聞くのはさすがにめんどくさい。いや、二回でもめんどくさいか。

 

「何!?コカビエルが来たのか!?何で俺に報告しないんだよ!?」

 

「めんどくさいから」

 

「そんな政治問題になりそうなことをめんどくさいで済ますなよ」

 

アザゼルが頭に手を当てて呆れたように言う。

さっきまで呑んだくれていた奴が言う台詞じゃないだろ。て言うか、部下の行動くらい管理しろよ。

 

「まぁ、いい。じゃあ、前置き抜きで結果だけ言うぞ」

 

「……コカビエルの暗殺か?」

 

「……違う。真面目に聞け」

 

ちっ!最近ハマってる漫画の影響で暗殺に興味があったのに。こうなったら禍の団の方でないか探してみるか。

 

「今度の事件の後に三大勢力のトップ会談が行われるはすだ」

 

「まぁ、堕天使幹部がエクスカリバーを教会から盗んで魔王の妹の根城で暴れたんだ。アザゼルの責任問題を追求されることになるだろうな」

 

その場合、グリゴリにいるのが都合悪くなる可能性もありそうだな。天使か悪魔かどっちに寝返る方が楽しめるかな。やっぱり悪魔か。アジュカ・ベルゼブブに興味があるし、会長とも仲良い。でもミカエルさんとも仲良くなりたいんだよな。

 

「責任問題は置いといて、俺はそれを利用して三大勢力で和平を結ぼうと考えているんだ。まぁ、ミカエルやサーゼクスも同じ考えだと思うが」

 

昔の大戦でどの勢力も次に戦争したら滅びるところまで弱っているって話だからな。当然と言えば当然か。でも、そうなったら旧魔王派や教会の悪魔祓いとかから不満が出そうだな。それはそれで面白そうだからいいけど。

 

「で、俺は何をすればいいんだ?それなら今すぐコカビエルを捕まえるわけにはいかないだろ?」

 

「そうだ。コカビエルに問題を起こさせた上で奴の目的を達成させない」

 

何ともめんどくさそうな話だ。コカビエルが動くまでこっちは動けないんだから。

 

「そこでお前には魔王の妹の護衛を頼みたい。その二人が死んだら和平どころじゃないからな」

 

そうだろうな。聞いてるセラフォルー・レヴィアタンの人物像から考えると、一人でも戦争を起こしそうだからな。

 

「護衛ねぇ。コカビエルが事を起こした時の対処は誰がするんだ?まさか総督が動くわけにはいかないだろ」

 

「その時はヴァーリを送る予定だ」

 

ヴァーリか。最近、オーフィス関連でストレスが溜まってるからやり過ぎなければいいが。

 

「て言うか、堕天使総督なんて、どう考えても悪の親玉じゃねぇか。それが和平を唱えるなんて変な話だな」

 

「細かいことは気にするなよ。俺は神器の研究がしたいだけで戦争なんて興味ないんだよ」

 

和平を結べは他の勢力の情報が手に入るからな。戦争なんかよりもそっちの方がアザゼルにとって重要ということか。まぁ、それは俺も同じだが。俺も知識欲は強いからな。

 

「話はこんなところだな」

 

「この後はどうするんだ?まさか俺の家に泊まるとか言わないよな?」

 

もし、そうだったらどんな手を使ってでも追い出すぞ。

 

「自分の部屋を用意してるから、そこでのんびり様子を見てるよ。赤龍帝を召喚して暇を潰しながらな」

 

白龍皇ヴァーリのライバルである赤龍帝イッセーにはアザゼルも興味があるのか。

にしても、コカビエルとの約束を破ることになりそうだな。まぁ、戦争よりも和平の方が面白そうだから仕方ないか。

 

「話も終わったところで飲み比べの続きをするか」

 

「もうビールは残ってないから帰れ」

 

 

 

 

 

 

次の休日、前に約束した通り俺は小猫と駅前のケーキバイキングに来ていた。

 

「……おい、まだ食べるのか?この後、昼飯も食べに行く予定なんだが」

 

小猫の前には全種類コンプリートするつもりなのかと聞きたくなるほどのケーキがある。食べ放題だから俺の財布は困らないが、店員がこっちを睨んでいるのが気になるな。

 

「……最低でも元は取らないと」

 

絶対、もう取ってるだろ。まぁ、気にしても仕方ないので俺も食べるか。

そして食べ終わって外に出た。

 

「さて、昼までは時間があるし、どこか遊びに行くか」

 

「そうですね。……あれ?イッセー先輩」

 

小猫の視線の先を見てみると確かにイッセーがいた。後、もう一人は匙か。珍しい組合わせだな。

 

「怪しいので様子を見に行きますか?」

 

「そうだな。面白そうだから様子を見に行くか」

 

俺達はイッセー達に近付いて話かける。

 

「よぉ、休日に男二人で寂しく何してんだ?」

 

「ゲッ!霧識に小猫ちゃん!」

 

俺達を見るなり何故か焦って逃げようとするイッセー。

 

「……逃がしません」

 

そしてイッセーを素早く小猫が捕まえる。

 

「何で二人がここにいるんだよ?」

 

小猫に捕まったイッセーが逆に質問してきた。

 

「デートだな」

 

「デートですね」

 

「何!?前から仲良いとは思っていたけど、二人は付き合っていたのか!?」

 

イッセーが驚いて大声を出す。休日の駅前で人が多く、周りから注目を浴びてしまった。

 

「付き合ってないぞ」

 

「そうですね。まだ付き合ってないです」

 

「まだ、って何だよ!?付き合う予定でもあるのか!?俺は寂しく独り身だというのに!モテる奴はいいよな!」

 

何か話がずれていきそうだな。めんどくさいので俺はイッセーの鳩尾を殴って黙らせる。

 

「イテッ!」

 

崩れ落ちるイッセー。さすがに周りの視線が痛いな。

 

「で、お前らもデートか?フラれた者同士、慰めあっている内に、みたいな感じか?木場が悲しむぞ」

 

「気持ち悪いことを言うな!」

 

「て言うか、何でここで木場が出てくるんだよ!」

 

世の中には知らない方が良いこともあるんだ、イッセー。逃げ道を塞いだ後で教えるつもりだが。

 

「……霧識先輩はそっち系のことも詳しいんですか?」

 

「俺の知り合いの変態が最近、BLにハマっていてな」

 

ヴァーリチームにそっち系の人がいないのは幸いだったな。にしても、レイナーレはどんどん趣味を増やしていってハイレベルな変態に進化していくな。

どこで調教を間違えたんだろう?……多分、最初からだな。

 

「その変態って誰なんだ?」

 

「霧識先輩と同棲している美人メイドですね」

 

おい、何でここで話をややこしくするようなことを言うんだ?俺の影響を受け過ぎだろ。

 

「何!?お前、同棲していたのか!」

 

「それは生徒会としては見過ごせない話だ!同棲は校則違反だ!」

 

凄い勢いで詰め寄ってくるイッセーと匙。男の嫉妬は醜いな。

て言うか、イッセーもリアス・グレモリーとアーシアと同棲しているんだろ。後、同棲禁止なんて校則はないぞ、匙。

 

「それよりも何の用事なんだ?喋らなかったら会長とグレモリー先輩に二人が怪しいと電話するぞ」

 

「くっ!仕方ない」

 

今回は物分かりがいいな。それだけバレたくない用事ということか。

 

「聖剣エクスカリバーの破壊許可をゼノヴィアと紫藤イリナからもらうんだ」

 

それは面白そうな話だな。小猫とのデートを中断するのは残念だが、また今度すれば問題ない。

 

「て言うか、何で俺も知らないのに七瀬が会長の番号を知っているんだ?」

 

めんどくさいので無視だな。




名前はところどころで出ているけどプロローグ以来の登場のアザゼルです。本当は堕天使メンバーはもっと出したかったんですけどね。何故か登場出番がありません。

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