ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

34 / 168
第33話 再会

共同戦線を結んで数日後、俺達は神父の格好をして人気のない場所を歩いている。フリードを探すためのおとり捜査だ。俺の場合はコカビエルに連絡すれば、すぐ見付かるからやる気が起きない。

 

「ふぅ。今日も収穫なしか」

 

ガッカリしたように言う匙。にしても匙がやる気を出しているのには驚いた。ファミレスで別れた後に何かあったのだろうか?イッセーと匙の性格を考えればエロいことだと思うが。

 

早く帰ってルフェイとオーフィスとゲームでもしたいと思っていたら、先頭の木場が立ち止まった。

 

「上か」

 

殺気を感じて上空を見てみると、エクスカリバーを持ったフリードが降ってきた。

 

「神父の一団にご加護あれってね!」

 

木場が魔剣を出してフリードの攻撃を防いだ。

 

「よぉ、フリード・セルゼン。久し振りだな」

 

「あれぇ?もしかして泥棒野郎ですか?何でこんなところにいるんだ?」

 

フリードが俺を見て驚いている。おそらくコカビエルから俺のことを聞いていて、ここで再会したことが不思議なのだろう。コカビエルには俺は傍観すると言っていたからな。

 

「気にするな。ただの散歩だ」

 

「いやいや、そんなわけないでしょ。もしかしてツンデレですか?そこまでして俺に会いたかったのかよ。そんな熱烈なアプローチされると嬉しいねぇ」

 

相変わらず意味が分からない奴だな。イラッとしてきたぞ。

 

「先輩も似たような感じですよ」

 

「えっ!?マジで!?」

 

俺ってあんな感じに思われていたのか。かなりショックだ。て言うか、普通に俺の心を読むなよ。まぁ、今さらだから気にしないけど。

 

「霧識もフリードに会ったことあるのか?」

 

Boost(ブースト)

 

イッセーが倍加を始めながら俺に質問してきた。

 

「アーシアを教会に案内した時に会ったんだよ」

 

確かあの時はフリードは席を外していたな。

 

「後、泥棒野郎ってのは何ですか?」

 

「あいつ、頭がイカれてるから誰かと勘違いしてるんだろ」

 

ちなみにフリードから盗んだ光の剣と銃は常に持ち歩いてる。まぁ、使ったことはないけど。

 

「だから何で俺を無視するんだよ、ムカつくな。この前よりもパワーアップした俺がお前をリンチしてやるぜ!」

 

パワーアップって武器がエクスカリバーになっただけでお前のパワー変わってないだろ。

フリードが俺に向かって攻撃してくるが、また木場が攻撃を防いだ。

 

「君の相手は僕だよ」

 

「はぁ?俺はお前みたいな雑魚を相手している暇はないから退けよ!」

 

「……だったら試してみるかい?」

 

あ、木場がキレた。木場は二刀目を出してフリードに斬りかかる。

 

「複数の魔剣所持。もしかして『魔剣創造(ソード・バース)』でございますか?レアな神器を持ってやがりますね」

 

フリードが楽しそうに木場との戦闘を開始する。フリードのスピードが前よりも速い。フリードが持っているエクスカリバーは天閃か。つまらないな。

 

「と、見せ掛けて泥棒野郎をデストロイ!」

 

いきなりフリードが俺に向かって斬りかかってくる。

俺、味方ってことになってるんじゃないのか?いや、コカビエルのことだから俺が今回の事に関与してきたから真っ先に殺せ、と命令してそうだな。もしくはフリードの独断の可能性もあるな。

 

「お前では俺に勝てない、ってことがまだ分かってないようだな」

 

俺は地面を蹴りあげて、フリードの顔に砂をぶつける。

 

「グワッ!」

 

フリードが隙を作ったところで俺は蹴りを入れる。そして壁にぶつかる。

 

「確かにシンプルだから使いやすいけど、やっぱり俺好みではないな」

 

俺は前と同じようにフリードから天閃の聖剣を奪って、素振りをする。

 

「おい、霧識。何でお前がエクスカリバーを持ってるんだ?」

 

イッセーが驚いたように言ってくる。めんどくさいので無視だ。

 

「隙ありだ!」

 

フリードが倒れた隙に匙がラインを飛ばして捕まえようとする。

匙の神器は『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』。ラインで繋いだ相手の力を吸収することができ、簡単に切断することが出来ない。そして五大龍王ヴリトラの力が封印された神器だ。匙はその事を知らないようだが。

 

「何!?」

 

匙のラインがフリードの体をすり抜けた。どういうことだ?

 

「俺様に同じ手が通じると思うなよ、クソ野郎」

 

「なっ!」

 

いつの間にか俺の背後に回っていたフリードに天閃の聖剣を奪い取られた。

フリードの手には今、俺から取り返したエクスカリバーの他にもう一つ握られていた。

 

「二つ目のエクスカリバーだと!」

 

イッセーが驚いた声を上げる。アレはおそらく夢幻の聖剣。俺に蹴られた時に幻覚と入れ替わったか。

 

「前回の件で俺も学習したんですよ。貴方様のおかげで戦略を学びました。ありがとうね」

 

俺のおかげで本当にフリードはパワーアップしてたのかよ。それは面白い話だな。にしてもムカつく喋り方だ。

 

「何、敵を強くしてんだよ!」

 

イッセーがうるさくてムカつくな。後で何か嫌がらせしてやる。

 

「お礼にお礼参りしてやるぜ!ヒャッハー!」

 

「それは駄目だ。上手くない。座布団を一枚没収」

 

「こんな時に何ふざけてるんですか?」

 

パシーン!

 

小猫がまたハリセンでツッコんできた。本当にどこから取り出したんだ?

にしても、何か調子が悪いな。いつもならフリードが複数のエクスカリバーを持っている可能性も思い付くはずだが。今回は仲間がいるからか?仲間がいると俺は傍観モードに入るからな。

まぁ、それでも俺がただでやられることは有り得ないが。

 

「木場!」

 

Tansfer(トランスファー)!』

 

イッセーが木場に近付いて力を譲渡する。

 

「もらった以上は使うしかない。『魔剣創造(ソード・バース)!」

 

大量の魔剣がフリードに向かって伸びていく。そして、フリードはそれを横なぎに破壊していく。

 

「この程度の攻撃が俺に効くわけないだろ、雑魚が!」

 

「だったら――」

 

「苦戦しているようだな、フリード」

 

木場が次の攻撃をしようとしたところで、神父の格好をした老人が現れた。

 

「バルパーのじいさんか。今から俺様最強の無双が始まるところだっての」

 

この老人が『聖剣計画』の首謀者のバルパー・ガリレイか。

 

「ところでそこの君が使っているのは『魔剣創造(ソード・バース)』か。使い手の技量しだいでは無類の力を発揮する神器だ」

 

「バルパー・ガリレイ!」

 

木場が物凄い表情でバルパーを睨む。

さて、俺はどうするか。さっきの仕返しにフリードを捕まえてもいいが。いや、ここは放置するか。そうした方が面白いことになりそうな気がする。

 

「ここは逃げるぞ、フリード」

 

「ちっ!仕方ねぇな!次に会ったら貴様らまとめてぶっ殺してやるから楽しみにしてろ」

 

前回と同じようにフリードは懐から丸い球体を出して逃げようとする。

 

「逃がさん!」

 

俺の横を凄いスピードでゼノヴィアが通り過ぎてフリードに斬りかかり鍔迫り合いになる。

 

「やっほ。イッセーくんに霧識くん」

 

後ろからイリナも現れた。

 

「フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ。神の名の元、断罪してくれる」

 

「俺の前で憎ったらしい神の名を出すんじゃねぇや、クソビッチが!」

 

フリードは一歩引いて、さっき出した丸い球体を地面に投げ付けた。

 

「じゃあ、逃げさせてもらうぜ」

 

眩い閃光が俺達の視界を奪い、気付いたらフリードとバルパーの姿は消えていた。

 

「追うぞ、イリナ」

 

「うん」

 

ゼノヴィアとイリナがすぐに消えた二人の追跡を開始する。

 

「僕も追わせてもらおう」

 

木場も二人の後を追って駆け出した。

この流れだと今夜あたりに話が動きそうだな。

 

「イッセー、どういうこと?説明してもらうわよ」

 

「匙、貴方もですよ」

 

声がしたので振り返ると、そこには険しい表情のリアス・グレモリーと会長の姿があった。

 

 

 

 

現在は近くの公園に移動して、二人に事情説明をしたところだ。ちなみに俺以外の三人は正座している。

 

「……エクスカリバーの破壊って貴方達ね」

 

額に手を当てて、機嫌が悪そうなリアス・グレモリー。さすがにこの状況で俺の目的はエクスカリバーの強奪です、とは言えない。

 

「……ところで何で霧識は正座していないんでしょうか?」

 

「彼は悪魔じゃない上に、両親は教会の人間よ。つまり、今回の件に関わっても不自然はないし、悪魔の世界には一切影響しないわ。だからイッセーと違って反省する必要がないのよ」

 

仮に俺が悪魔だったとしても同じことをしただろうがな。

さて、会長の方に行くか。こっちの方が面白そうだ。

 

「匙、前の球技大会であんなにお仕置きしたのにまだ反省してなかったのですか?」

 

「え、いや……あの、その……」

 

会長がよっぽど怖いのか、匙の目は泳いでマトモに返事できない状態だ。

 

「おい、匙。ここでガツンと言ってやれば会長もお前を見直すかもしれないぞ」

 

俺は匙の耳元で適当なアドバイスを呟く。

 

「そうか、そうだな!」

 

俺がマトモなアドバイスをしないことは分かっているはずなのに受け入れるとは。それだけ会長に怯えているということか。

にしても、こんなに怖がっているのに会長が好きということは、もしかして匙はマゾなのか?

 

「俺は木場の過去を聞いて感動したんです!そして手伝ってやりたいと思ったんです!反省はしていますが後悔はしていません!」

 

なるほど。匙のやる気の理由はそれか。スケベ話じゃなかったんだな。

 

「言いたいことはそれだけですか?」

 

会長が絶対零度並みに冷たい目をしている。かなり怖い。

 

「ひっ!」

 

匙は完全に萎縮したようだ。

 

「今回はお尻叩き二千回にしましょう」

 

「ちょっと待ってください、会長」

 

「七瀬……」

 

会長を止めた俺を匙は希望にすがるような眼差しで見ている。

 

「それでは会長が疲れるでしょう。だから俺の神器の能力で痛みを強化します」

 

「どうせ、そんなことだろうと思ったよ!コンチクショー!」

 

その後、匙は会長によって、イッセーはリアス・グレモリーによってお尻叩き千回をされた。ちなみに小猫だけは俺が庇った。

 




フリードが若干、原作よりも強化されています。フリードの今後の扱いはどうしようか。

では感想待ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。