ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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話の都合上、ケルベロスが原作よりも一匹増えています。


第35話 ペット

「まぁ、いい。貴様がそっち側についた場合の対処法もちゃんと考えている」

 

コカビエルがそう言うと十メートルくらいの巨体の三つの首を持った犬が二匹現れた。地獄の番犬ケルベロス。確か冥界へ続く門の周辺に生息してるはず。それを人間界に持ち込んだのか。

 

「……ちょっとヤバいな」

 

マジで俺の弱点を突いてくるとは。

 

「貴様の神器の能力は認識を操ること。それは相手が物事を正しく認識できる力がないと使えない。つまり認識能力の低い相手。例えば理性のない獣が相手では能力を十全に扱うことは出来ない」

 

全く発動できないわけではないがな。それでも人間とかを相手にする時に比べたら能力の応用力はかなり低い。

 

「一匹は七瀬霧識を狙え。もう一匹はリアス・グレモリー達と遊んでやれ」

 

ガァオァァァアアッッ!

 

ケルベロスが咆哮をあげながら一直線に俺に向かって駆け出してきた。

 

「ちょ、嘘だろ!マジでヤバい!」

 

俺は全力で走って逃げる。どうしたら良い?

リアス・グレモリー達の方を見るともう一体との戦闘を開始していた。誰も助けに来る気配がない。

 

ゴバァァァン!

 

ケルベロスが火炎の球を撃ちだしてきた。しかも三つの首がバラバラに火炎の球を撃ちだしてくる。

 

あ、面白いこと思い付いた。

 

「こっちに来い!犬っころ!」

 

俺はリアス・グレモリーやコカビエルから遠い位置にケルベロスを誘導する。

 

「よし、ここら辺でいいか」

 

神器を発動して俺とケルベロスを周りから認識できないようにした。そして異空間から支配の聖剣を取り出す。

 

「お前を俺のペットにしてやろう」

 

可愛くはないが地獄の番犬ということで面白みはある。俺のペットとしては及第点だろう。

やっぱりお義兄さんみたいに上手に扱えずケルベロスを支配するのが難しい。もっと弱い奴だったら出来るんだが。

仕方ない。俺はさらにフリードから盗んだ祓魔弾を取り出した。そして撃ってケルベロスを弱める。ちなみにアザゼルの加護を受けているのでフリードが使っていた時よりも威力が強い。

 

「このぐらいで充分だな」

 

もうちょっと支配するのに時間がかかりそうなのでリアス・グレモリー達の方を見ることにする。ここからじゃあ、改造人間の視力で見ることは出来るが、声はあんまり聞こえないな。

見たところイッセーは力を溜めるために動いていないが互角に戦えているように見えるな。

ん?よく見たら後ろにもう一体いるな。これはマズそうだ。

 

「良いタイミングで登場するな」

 

いきなりゼノヴィアが現れてケルベロスの首を一つ切り落とした。そして、そのまま追撃をしてケルベロスを撃破。

聖剣は魔物に大きなダメージを与えることが出来るからな。

次にイッセーが溜まった力をリアス・グレモリーと姫島朱乃の二人に譲渡。そしてゼノヴィアに続いて現れた木場との連携で残りのケルベロスを撃破した。

 

「さて、そろそろ俺も終わりそうだな」

 

ケルベロスを捕まえたのはいいが、この後どうするかが問題だな。ルフェイに魔法を教えてもらってるし、自分でケルベロスと契約するか。それが無理ならルフェイにプレゼントするか。

 

そしてケルベロスの支配が完了したので、俺は能力を解除し、支配の聖剣を異空間に戻してイッセー達のところに向かう。

 

「完成だ」

 

俺が着いたところでバルパーが言った。その瞬間、グラウンドの真ん中にあった四本のエクスカリバーが光を発し始めた。そして光が終わった時、グラウンドの中央にあったのは青白いオーラを放つ一本のエクスカリバーだった。

 

「エクスカリバーが一本になった光で、下の術式も完成した。後、二十分もしないうちにこの町は崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない」

 

「そんなことまでしていたのか」

 

展開としては面白いけど、それは困るな。俺の家まで壊れるじゃないか。

 

「霧識!一人で無事だったのか!?て言うか、後ろのケルベロスはどうしたんだ!?」

 

「まだ残っていたのか!」

 

ゼノヴィアが俺の後ろに付いてきているケルベロスを見てエクスカリバーを構える。

 

「やめろ。こいつは俺が手懐けたから大丈夫だ」

 

「は?ケルベロスを手懐けた、ってどういうことだよ!?」

 

「言葉の通りだ。犬を調教しただけだよ」

 

調教はレイナーレで慣れている。今度は調教に失敗しないようにしないとな。

 

「馬鹿な!俺が躾けたケルベロスを手懐けるだと!貴様の戦闘能力では返り討ちに合うはず!まさか貴様、最後の――」

 

「それ以上はストップだ、コカビエル」

 

コカビエルの声を認識できなくした。

俺が支配の聖剣を持っていることに気付いたか。これだから勘の良い奴は困る。

 

「コカビエルは何を言おうとしたんだ?急に声が聞こえなくなったが」

 

ゼノヴィアが不思議そうに言う。

 

「さぁ?過呼吸にでもなったんじゃないか?」

 

俺はとりあえず能力を解除する。

 

「まぁ、いい。その事は後で確認する。それよりもフリード!」

 

「はいな、ボス」

 

コカビエルに呼ばれてフリードが登場する。まぁ、こいつの出番はすでに終了しているんだがな。

 

「エクスカリバーを使え。最後の余興だ。四本の力を得たエクスカリバーで戦ってみせろ」

 

「ヘイヘイ。全く――」

 

「待て、コカビエル」

 

バルパーがフリードの台詞を遮って言う。やっと俺のショーが始まるな。

 

「何だ?」

 

「エクスカリバーを使うのはフリードではない」

 

「では、誰が使うんだ?貴様か?」

 

「まさか。私に聖剣の適性がないのは知っているだろう?」

 

だろうな。自分で使えるなら、わざわざフリードみたいな扱いに困りそうな奴を使う理由がない。

そして俺はバルパーに……いや、エクスカリバーに向かって歩き出す。

 

「……霧識先輩?」

 

小猫が俺を見て不思議そうにしている。小猫を騙すのは辛いが仕方ない。後で何かお詫びをしないとな。

そうだ、ケルベロスが攻撃されないように認識できないようにしとかないと。名前はどうしよう。まぁ、後でのんびり考えるか。

 

「使うのは七瀬霧識だ」

 

「そういうことだ」

 

そう言うと俺は四本の力を得たエクスカリバーを手に取って、イッセー達に向ける。

 

「「「っ!?」」」

 

全員が本日三度目の驚いた顔をする。さて、後何回、この顔を見られるかな。

 

「だったら俺はどうするんだよ!」

 

「素手で頑張れ」

 

「人のエクスカリバーを奪っておいて、何訳の分からないのことを言ってやがんだよ、クソ野郎!そいつは俺の物だ!返しやがれ、泥棒!」

 

別にお前の物でもないがな。めんどくさいので無視だ。

 

「おい、霧識!どういうことだ!?お前はコカビエルを止めるのが目的だったんじゃないのか!」

 

「確かに俺はアザゼルからそういう命令を受けている。だが、俺にアザゼルなんかの命令を受ける理由はない」

 

実際、俺がアザゼルの命令をマトモに受けたことはない。俺は俺で自由にやる。

 

「アザゼルだって!君は何者なんだ!?」

 

木場が驚いた声を上げる。そういや、木場とゼノヴィアは遅れて来たから俺がグリゴリだということを知らなかったな。小猫が二人に事情説明をしている。

 

「そうか。貴様はリアス・グレモリーの方についたと見せて、実は俺の方についていたのか。俺やリアス・グレモリー達を驚かせるのが目的と言ったところか」

 

コカビエルが一人で納得したように言う。思ったよりも驚いてない。これでは面白くない。絶対、ショーが終わるまでに驚かせてやる。

 

「なるほど、そういう事情か。ならばイリナの幼馴染みとはいえ、斬るしかないな」

 

小猫から事情を聞き終わったゼノヴィアが俺に破壊の聖剣を向けてきた。酷い奴だな。この前、飯を奢った上に金まであげたのに。

 

「バルパー・ガリレイ。僕は『聖剣計画』の生き残りだ。正確には貴方に殺され、悪魔に転生したことで生き永らえている」

 

木場が憎悪に満ちた表情でバルパーに言う。木場にとっては俺よりもバルパーの方が重要ということか。

 

「ほう、あの計画の生き残りか。これは数奇なものだ。こんな極東の国で会うことになろうとは。縁を感じるな」

 

この話は聞かないと駄目なのか?正直、興味がないんだが。でも、この空気の中、次の予定に進めるのは微妙な感じだし。

 

「君達には感謝している。君達のおかげで私の聖剣使いを人工的に作り出す研究は完成した」

 

そうだったのか。その話は俺も聞いていないな。

 

「なに?完成?僕達を失敗作だと断じて処分したじゃないか」

 

「聖剣を扱うのに必要な因子があることに気付いた私は、その因子の数値で適正を調べた。被験者の少年少女は、ほぼ全員に因子があるものの、どれもエクスカリバーを扱える数値に満たなかった。だから私は因子だけを抜いて使うことにした」

 

なるほど。でも、それだったら被験者を殺す必要はないだろ。まぁ、どうでいいか。

 

「そして、これが抜き取った因子で作った結晶だ」

 

そう言うとバルパーは懐から光り輝く球体を取り出した。

 

「ちなみにこれは貴様の仲間から抜いた因子で作った結晶だ。三つほどフリードに使って、最後の一つだ」

 

俺がエクスカリバーを使っているから、その三つは無駄になったわけか。

 

「……バルパー・ガリレイ。自分の研究、欲望のためにどれだけの命を弄んだんだ?」

 

「ふん。それだけ言うならば、これは貴様にくれてやる。環境が整えば後で量産できる段階まで研究はきているからな」

 

バルパーが結晶を放り投げた。そして結晶はコロコロと転がり木場の足元に着いた。木場は静かに屈み込んで、それを拾った。

 

「……皆」

 

木場の頬に涙が伝わっていく。その表情は悲哀と憤怒に満ちている。

その時、木場の持つ結晶が淡い光を発し始めた。すると校庭の地面、その各所から光がポツポツと浮いてきて、人の形になっていく。木場を囲むように現れたのは、青白く淡い光を放つ少年少女達だった。

この戦場に漂う様々な力が因子の球体から魂を解き放ったのか?まぁ、魔剣に聖剣、堕天使、悪魔、そしてドラゴンと色々な力が集まっているからな。特異な現象の一つや二つ、起きる可能性もあるか。

 

そして光の少年少女達は木場に何かを話した後、聖歌を歌い始めた。

最後に彼らの魂が天にのぼり、一つの大きな光となって木場の元へ降りてきた。

 

「至ったのか。禁手に」

 

木場の神器は魔なる力と聖なる力が融合して新たな剣となった。

 

「禁手『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。聖と魔を有する僕の新たな力で霧識くんとエクスカリバーを倒す!」

 

「聖魔剣だと!?何だ、それは!面白すぎるだろ!」

 

相反する聖と魔が融合するなんて有り得ない。恐らく、聖書の神が死んだことにより聖と魔のバランスが崩れ、それが原因で生まれたイレギュラー。だが、そんな理屈はどうでいい。テンションが上がってきた。

 

「だが、木場が俺を倒すことは有り得ない」

 

「……どういう意味だ?」

 

「こういうことだよ!」

 

俺はエクスカリバーの柄でフリードの鳩尾を攻撃した。

 

「グハッ!てめぇ、何のつもりだ!」

 

崩れ落ちるフリード。今の一撃で気絶させる予定だったんだが、意外と頑丈だな。

 

「さて、面白くなってきた」




主人公がメイドに続いてペットを手に入れました。まぁ、レイナーレがすでにペットみたいな感じがしますが気にしません。
さて、次は何を手に入れるのか。それが出てくるのは、もう少し先になります。

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