ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第36話 第二幕

「貴様、何のつもりだ!?まさか私を騙したのか!?」

 

バルパーが面白いくらい焦った顔で言ってきた。

 

「言ったろ?俺は快楽主義者であると同時にエンターテイナーだ。だから、この場にいる全員を騙して面白い状況を演出したんだよ。まぁ、さすがに聖魔剣までは予想してなかったけどな。嬉しい誤算だな」

 

「「「…………」」」

 

周りが状況を飲み込めずポカーンとしている。さすがに超展開すぎたか?まぁ、これはこれで面白いからいいか。

 

「悪魔や教会には味方しないと言ったのも嘘か!?」

 

「それは嘘じゃない。全員、今回の演目のキャストだ。敵も味方もない」

 

よく考えたら誰かに撮影を頼んでおけば良かったな。俺としたことが一生の不覚だ。

 

「じゃあ、報酬の件も本当なのか!?」

 

「……ああ、それは……。嘘だ」

 

俺は出来るだけ良い笑顔でバルパーに言う。

 

「……え~と、霧識くん。何を言ってるの?」

 

状況を上手く理解できていない様子のリアス・グレモリーが質問してきた。

 

「何って真実だけど?何か疑問ある?」

 

「じゃあ、グリゴリのメンバーだっていうのは?」

 

「それは本当だ。ちなみにアザゼルの命令で動いているのもな」

 

ここで話している途中なのにフリードが俺に襲い掛かってきた。

 

「そんなテメェの事情なんか知るかよ!俺のエクスカリバーを返しやがれ!」

 

「そう言えば、昼に出し抜かれた仕返しがまだだったな。お前如きに出し抜かれたとなると仲間に笑われる」

 

俺はフリードに金的攻撃をして気絶させる。普段はこんなエゲツナイ攻撃はしないんだが、今回は特別だ。

 

「ああ、そうだ。もう一つ言うことがあったな。俺は快楽主義者でエンターテイナー、そして究極の可愛いもの好きだ。そんな俺が貴様みたいなジジイの味方をするわけないだろ!向こうには可愛い女の子がいるのによ!」

 

俺は小猫を指差しながら叫ぶ。小猫が顔を赤くしているような気がする。

 

「おい、もしかして今のは公開告白か?」

 

「ん?まぁ、そんな感じに聞こえるか。好きに認識してくれ、イッセー」

 

公開告白をするなら、もっとムードを作ってからやりたいな。

 

「……味方と思っていいの?」

 

「同じ目的を持っていることを味方だと思うなら、そうなんだろ」

 

俺が仲間だと思っているのはヴァーリチームとオーフィスだけだがな。小猫とレイヴェルは俺の可愛い妹みたいな感じだ。実際、二人とも妹だしな。

 

「ふん。だから七瀬霧識を信用するなと言っただろが。騙されやがって」

 

ズンッ。

 

コカビエルが投げた光の槍がバルパーを貫いた。バルパーは口から血の塊を吐き出すと、そのまま倒れた。すでに死んでいるな。

て言うか、コカビエルも騙されていただろ。

 

「バルパー・ガリレイの死によってショーの第一幕は幕を閉じた。続いて第二幕の開幕だ!」

 

俺は両手を広げて芝居がかった喋り方で宣言する。

正直、こんな設定は考えてなかったがノリで言ってしまった。まぁ、楽しいからいいか。

 

「……おい、何かキャラ崩壊してないか?こんなテンションの高い霧識は始めてみたんだが」

 

「むしろ、こっちの方が本性だ。いつもは立場を隠していたせいで手加減していたからな」

 

これからはいつも全力でやれるのか。バレてラッキーだな。

 

「ふざけているのか、貴様は」

 

コカビエルが不機嫌そうに言ってきた。コカビエルは俺の演出を楽しめてないのか。それは残念だ。

 

「だが、安心しろ。コカビエルも含めて、ここにいる全員を楽しませてやる」

 

「では第二幕の開幕に相応しい演出をするとしよう」

 

そう言うとゼノヴィアは左手にエクスカリバーを持ち、右手を宙に広げた。ゼノヴィアもノリノリだな。

 

「ぺトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

 

するとゼノヴィアは異空間から一本の聖剣を取り出した。

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。――デュランダル!」

 

聖剣デュランダル。最強の斬れ味を持つ聖剣。それと破壊の聖剣の二刀流か。これも嬉しい誤算だ。エクスカリバーに聖魔剣、そしてデュランダル。

まさか、ここまで盛り上げてくれるとは。後でゼノヴィアには何か報酬をあげないとな。

 

「貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!」

 

これにはさすがのコカビエルも驚いている。詳しいことまでは聞いてないが、コカビエルが聖剣に興味を持ったのはデュランダル使いが原因だったはずだ。バルパーと木場に続いて、こっちも因縁があるのか。ヤバい。テンションが高くなりすぎて、おかしくなりそうだ

 

「私はもともと聖剣デュランダルの使い手だ。しかも、イリナ達みたいな人工聖剣使いと違って天然もの。エクスカリバーの使い手は兼任していたにすぎない」

 

へぇ、ただの露出狂じゃなかったのか。これは認識を改めないといけないな。

 

「じゃあ、俺と木場とゼノヴィアで先陣を切る。イッセーは赤龍帝の力を最大まで高めてからリアス・グレモリーに譲渡しろ。他のメンバーはサポートだ」

 

「何で俺達を騙していた霧識が指示してんだよ!お前は信用できない!」

 

「黙れ、イッセー。俺は最高に良い気分なんだ。邪魔すると、ここにいる小猫以外の全員を皆殺しにするぞ」

 

まぁ、する気はないがな。そんなことしたら今は楽しくても、後で面倒なことになるからな。

 

「それに俺の指示に従うのが一番コカビエルを倒せる確率が高い」

 

「霧識くんの言う通りだよ。まずはコカビエルを倒すのが先決だ。彼のことは全てが終わってから良いじゃないか」

 

そういや、こんな会話をしている間にも町を破壊する術のタイムリミットは近付いてきているんだよな。バルパーが死んだから中断させることも出来ないし。

 

「ちっ!仕方ねぇな。後で――」

 

イッセーの話を聞くのが面倒くさくなってきたので台詞の途中でコカビエルに斬りかかる。

 

「エクスカリバー、デュランダル、聖魔剣の三位一体攻撃を食らえ!」

 

木場とゼノヴィアも俺の後ろについてきている。

 

「貴様のことは前から気に入らなかったんだ。今ここで殺してやる」

 

コカビエルが右手から光の剣を出して、俺を切る。

 

「なに!?」

 

だが、コカビエルの剣は俺の体をすり抜けた。

 

「夢幻の力か!」

 

「正解だ、コカビエル」

 

そして隙の出来たコカビエルを木場とゼノヴィアの同時攻撃が襲う。

 

「甘い!」

 

コカビエルは左手からも光の剣を二人の攻撃を防ぎ、受け返した。俺は擬態の聖剣の力でエクスカリバーを一直線に伸ばして追撃する。

 

「どうした?この程度か?」

 

俺の攻撃はコカビエルに当たるが、マトモなダメージを与えられてないようだ。少し体から血が出ている程度だ。俺では技術面は高くても攻撃力が低いか。

 

「雷よ!」

 

次は姫島朱乃の攻撃だ。だが、姫島朱乃の雷はコカビエルの黒き翼の羽ばたき一つで消失した。

 

「俺の邪魔をするか、バラキエルの力を宿す者よ!」

 

「私をあの者と一緒にするな!」

 

激昂した姫島朱乃が雷を連発するが、コカビエルには効かない。

にしても、変態のバラキエルか。本人がいないし、その話はまた今度だな。

 

その後も俺達は攻撃を続けるが、浅いダメージを与えることは出来ても決定打にはならない。

 

「倍加が終了したぜ!」

 

イッセーが叫ぶ。そんなのいいから早くリアス・グレモリーに力を譲渡しろ。

 

「イッセー!」

 

「はい!」

 

リアス・グレモリーの呼びかけでイッセーが譲渡を始める。リアス・グレモリーを覆う紅い魔力のオーラを膨れ上がる。思った以上の力だ。

 

「フハハハハハ!いいぞ!その魔力の波!最上級悪魔と同等の魔力だ!もう少しで魔王クラスの魔力だぞ、リアス・グレモリー!お前も兄に負けず劣らずの才に恵まれているようだな!」

 

コカビエルが嬉しそうに笑っている。俺と関係のないところで楽しまれるのは微妙な気持ちだ。

 

「消し飛べ!」

 

リアス・グレモリーの手から、最大級の魔力の塊が滅びの力を帯びて撃ちだされる。

その攻撃をコカビエルは両手を出して迎え撃つ。

 

「面白い!面白いぞ、魔王の妹!サーゼクスの妹!」

 

この程度で満足されても困るのだが。この後、もっと面白いフィナーレが待っているのに。

そしてコカビエルはリアス・グレモリーの攻撃を防ぎきった。だが、無傷ではない。身にまとう黒いローブの端々が破れ、魔力を受け止めた手からは血が噴き出している。

今の一撃に全ての魔力を込めていたリアス・グレモリーは、すでに肩で息をしている。もう一発撃つことは出来ないだろう。

 

「最後の一撃は楽しめたが、これで終わりだな。もうお前らに俺を倒す力は残っていまい」

 

勝手に終わらせるなよ。大体、もうすぐしたらヴァーリが来るだろうから終わっているのはコカビエルだ。

 

「しかし、仕えるべき主を亡くしてまで、お前たち神の信者と悪魔はよく戦う」

 

コカビエルからの衝撃発言、第二弾だな。

 

「……どういうこと?」

 

事情を知らないリアス・グレモリーが怪訝そうに聞く。コカビエルは心底おかしそうに大笑いした。

 

「フハハハハハ!何だ、そこの七瀬霧識から聞いていなかったのか?まぁ、正体を隠していたらしいから当然か。いいだろう。ついでに教えてやるよ。先の三つ巴の戦争で四大魔王だけじゃなく、神も死んだのさ」

 

この発言に全員が驚愕の表情をする。特に教会関係者のゼノヴィアと、元教会関係者のアーシアはショックを受けて狼狽している。木場も何と言えない表情をしている。

だが、そんなことはどうでもいい。それよりもツッコまないといけないことがある。

 

「おい、コカビエル。それじゃあ、どこの神か分からないぞ。死んだのは聖書の神だ。北欧のオーディンとかは普通に生きているから紛らわしいぞ」

 

「そんなことは知るか!大体、話の流れで分かるだろ!ここで何で俺がオーディンみたいな関係のない奴の話をする必要があるんだ!」

 

いやいや、分からない奴もいるかもしれないだろ。

て言うか、俺は話を聞いただけだから本当はどうだが分からない。もし聖書の神がどこかで、ひっそりと生きていても不思議じゃない。

 

「まぁ、そんなつまらない話は後回しだ。おい、ゼノヴィアにアーシア。落ち込んでいる暇はないぞ。今から楽しいフィナーレが待っているんだから」

 

俺の予想だとそろそろヴァーリが来る時間だ。ここまで盛り上がったのにヴァーリに最後を持っていかれるのは嫌だ。

最後は俺が決める。

 

「まだ何か隠し玉があるのか?」

 

「ああ、お前は知らないのさ。俺がすでに至っていたことに」

 

俺が至っていることを知っているのはヴァーリチームとオーフィスにレイナーレ。そして小猫とレイヴェルだけだ。小猫とレイヴェルにはライザーとのレーティングゲームが終わった後に教えている。グリゴリには報告していない。

 

「至っているだと?禁手のことか?」

 

「正解だ、コカビエル。さぁ、フィナーレの時間だ!」




どうでもいい話ですが、仮にバルパーが老人じゃなくて可愛い女の子だった場合、主人公は本当に味方していた可能性があります。原作で敵に可愛い女の子がいたら、かなりの原作崩壊の可能性がありましたね。

では感想待ってます。
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