朝、学校の校門に入ったところでリアス・グレモリーと一緒に登校しているイッセーを見かけた。事情は分からないが、とりあえず弄ろう。
「どうもリアス・グレモリー先輩」
「あら、おはよう」
「おい、何でお前がリアス先輩と知り合いなんだよ」
イッセーが俺の肩を掴みながら聞いてきた。何で俺を睨んでいるんだ?
て言うか、俺のことを聞いてないのか?
「そんなことよりも昨晩はどうだったんだ?」
周りに聞こえるように大声でかまをかける。
「な、何でお前が知ってるんだよ!?」
「一緒に寝ただけで特に何もないわよ」
本当に何かあったのか。
「そ、そんなリアスお姉さまが……。淫獣と……」
「何で、あんな変態が。何かの間違いだ!」
「きっとリアスお姉さまはあの変態に弱味を握られているのよ。許せないわ」
リアス・グレモリーはその美しい外見から男女問わず人気がある。そんな人が……いや悪魔が学園中からエロ三人組の一人と呼ばれている変態と一晩を共にしたという情報に周りがショックを受ける。そしてイッセーに敵意が向けられる。
「おい、霧識のせいで凄い誤解が生まれたぞ!」
「誤解なんですか、グレモリー先輩」
「別に間違ってないと思うわよ。裸で一緒のベッドで寝たのは事実だし」
この発言がわざとか天然かが問題だ。それによって今後のこの人に対する対処の仕方が変わってくる。
「じゃあ、放課後に使いを出すわ」
「了解しました」
そして俺は校舎に入った。他の生徒に襲われているイッセーを無視して。
「助けろー!」
放課後、グレモリーの使いをラノベを読みながら待ってたら学年一のイケメン、木場祐斗がやって来た。こいつは苦手なんだよな。
「や、どうも」
「よし、場所は分かってる。旧校舎だろ。さぁ、行くぞ」
そう言うと俺はラノベを鞄にしまって立ち上がる。
「ちょっと待ってよ」
俺を止めるなよ。
「きゃー!やっぱり木場くんと七瀬くんは絵になるわ!」
「七瀬くん×木場くんは鉄板よね!」
「これは次の同人誌のネタになるわ!」
やっぱり、こうなったか。だから木場のことは今まで避けてきたのに。ハァー、めんどうくせぇ。
「…………」
俺は無言でその場を離脱する。
「ちょっと僕の話聞いてる?」
その後、黄色い声援がイッセーを罵倒する声に変わったが気にしない。
俺は先に旧校舎について二人を待っていた。
「霧識、よくも俺を放置していきやがったな。お前のせいで女子達に酷いことを言われたんだぞ」
「じゃあ、木場。早く案内してくれ」
「分かったよ」
「無視するな!」
木場に案内されて俺達は『オカルト研究部』と書かれたプレートのある部屋の前に着いた。
「失礼します」
俺は扉を開けて中に入る。
「……失礼するなら帰ってください」
「はーい。って、何でやねん!」
新喜劇みたいなやり取りをすることになるとは思わなかった。つい関西弁でツッコんでしまった。
「やりますね」
「そりゃ、どうも」
こいつが黒歌の妹の白音か。学校では塔城小猫と名乗ってるんだったな。にしても姉と違って小柄な体格で無表情だな。真逆だ。俺としては妹の方がタイプだな。
そして黙々と羊羮を食べている。
「ちょっと羊羮をくれない?」
「嫌です。もし取ったら殴り飛ばします」
食い意地が張ってるところは姉と同じだな。
「だったら別のでもいいが」
「勝手に取ってください」
そう言うと小猫はお菓子が大量に入った箱を取り出した。どんだけ食べるんだよ。
「じゃあ、これでいいか」
俺は箱からお菓子を取るとソファに座って食べ始める。
シャー
部屋の奥からシャワーの音が聞こえてきた。見ればシャワーカーテンがあり、中ではリアス・グレモリーがシャワーを浴びているのが見える。
て言うか、この部室にはシャワーがあるのか。凄いな。まぁ、どうでもいいが。
「おおー!」
それを見てイッセーが気持ち悪い顔をしている。
「……いやらしい顔」
「悪いな。あいつは変態なんだ。許してやってくれ」
俺は頭を下げて謝る。
「コラッ!何で謝ってんだよ!」
「いや、なんとなく」
「大体、近くで美女がシャワーを浴びてるんだぞ!男ならテンションが上がるだろ!」
テンション上がり過ぎて面倒くさい。
「これだから童貞は」
「何!?お前は童貞じゃなかったのか!」
「知らなかったのか?」
俺はアザゼルの企画した童貞卒業パーティですでに卒業している。俺よりもあいつの方が楽しそうだったな。
「くそっ!やっぱりモテる奴は敵だ!」
「ははっ」
「何笑ってんだ、イケメン!」
「あら、騒がしいわね」
カーテンが開いてリアス・グレモリーが出てきた。
「あらあら。はじめまして、私、姫島朱乃と申します。どうぞ、以後、お見知りおきを」
次に後ろから別の悪魔が現れた。こいつはバラキエルの……SM夫婦の娘だったな。つまりSMのハイブリッド。
「どうも、七瀬霧識です」
「お菓子を食べながら失礼だろ!」
「なぁ、飲み物はないのか?」
「だからお前は人の話を聞け!」
こいつのリアクションは分かりやすいな。
「二人は仲が良いのね」
「そんなことはありませんよ。俺が一方的に弄って遊んでるだけです」
「霧識くんとは仲良くやれそうね」
「それより早く話をしませんか?」
「あらあら。もしかして放置プレイですか?」
やっぱりバラキエルの娘だな。嬉しそうにしている。
「朱乃、お茶を用意してくれるかしら?」
「はい、部長」
そして姫島朱乃を残して他のメンバーはテーブルを囲んでソファーに座った。
「まずは私達、悪魔についての説明するわ」
「え?まだ、してなかったんですか?」
「ええ、二人まとめて説明しようと思っていたから」
「いえ、知っているので必要ないです」
正直、そこら辺の話はシェムハザさんやヴァーリ辺りから聞いているから興味がない。
「そうなの?まぁ、知らないこともあるかもしれないから聞いていきなさい」
「全力で拒否します」
めんどうくさいことには一切関わらないのが俺のポリシーだ。
「おい、先輩に対して失礼だろ!」
「お前はそんなんだから童貞なんだよ」
「それは関係ないだろ!」
「うるさいです、獣先輩」
小猫は意外と毒舌だな。
「え!?俺が悪いの!?て言うか獣先輩!」
「七瀬先輩、暇なら私とゲームしませんか?」
全く予想していなかった提案だな。
「良いけど、何でこのタイミングで?」
「七瀬先輩は多趣味で有名ですから。それでゲームもかなり強いみたいですね」
「ん~、それなりに?」
「何で疑問系なんですか?」
「なんとなく」
て言うか俺、ゲームはたまにかしないんだが、どこ情報なんだ?
「というわけで私とゲームで対戦しましょう。どうせ暇なんですよね?向こうの部屋にありますから。部長、良いですよね?」
俺の意見は無視ですか。まぁ、ここで退屈な話を聞くよりは楽しそうだから断らないが。
「小猫がここまで積極的なのは初めて見たわ。いいわ、いってらっしゃい」
「ありがとうございます、部長」
そう言うと小猫は俺の手を引っ張りながら移動する。
「こっちです」
「あら、お茶の用意ができましたのに」
ここで姫島先輩がお茶を持ってきた。
「じゃあ、いただいていきます」
俺はすれ違い様にお茶を一気飲みした。
一時間後
「小猫、まだかしら?もうイッセーに説明は終わったのだけど」
「もうちょっと待ってください、部長。これで終わりですから」
現在、レースゲームをしており戦績は十勝十敗で互角の展開になっている。最初は俺が勝ち越していたのだが小猫が勝ち越すまで続けると言ってきた。しかも手を抜いたらぶん殴られる。気楽に開始したゲームだったのに、こんなことになるとは。今後、小猫とは勝負事はしない方がいいな。
「勝ち越しました」
「ハァー、疲れた」
やっと終わったか。下手したら黒歌よりもめんどうくさいかもしれない。
「じゃあ、早速……と言いたいところだけど問題ないかしら?」
「ちょっと休ませてください」
「でも、このままじゃ帰りが遅くなるわ。お家の人も心配するでしょうし。今日は帰って、また後日にしましょう」
「大丈夫ですよ。俺は一人暮らしなんで」
今日はあいつらも用事があって来れないって言っていたし大丈夫だろ。
「そうなの。じゃあ、休憩して十分後にしましょう」
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