ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第56話 VSゼファードル

「グハッ!」

 

寝ていたら、いきなり物凄い衝撃で吹っ飛ばされた。いきなり何だ?夢が良いところだったのに。

 

「な、な、何してるんですか、先輩!」

 

ベットの上に顔を赤くして珍しく焦ってる小猫がいた。俺を殴ったのは小猫か。

 

「何って普通に寝ていただけだが?」

 

「じゃあ、何で私が目を覚ました時に先輩の顔が目の前にあったんですか!?後、少しずれていたらキスしていましたよ!」

 

「そりゃ、小猫を抱き枕にしていたからだろ」

 

サイズ的にもピッタリで最高の抱き心地だった。俺が良い夢を見れたのも抱き枕が良かったからだな。

 

「変なことはしないんじゃなかったんですか!?」

 

「だから何もしてないだろ?」

 

「んー、もう朝ですか?」

 

俺の下から眠たそうなギャスパーの声が聞こえてきた。何で下から?

今、気付いたが小猫に吹っ飛ばされたせいでギャスパーを押し倒したような態勢になっている。

 

「ん?おはようございます、先輩」

 

「おはよう、ギャスパー」

 

のんびり朝の挨拶をしている状況じゃないと思うんだが。

 

「何で先輩が僕の上にいるんですか?」

 

ギャスパーが周りを見渡して状況を確認する。そして一つの結論に達したようだ。

 

「キャーー!先輩に犯される!」

 

「そんなことするか。俺に男を押し倒す趣味はない」

 

「でも、実際に寝ている僕を押し倒しているじゃないですか!?」

 

ギャスパーからしたら、そう見えてもしょうがないか。さて、どう誤魔化したものか。

 

「先輩、そのままギャーくんを押し倒してください。そうすれば、さっきのことは水に流します」

 

一瞬で気持ちを切り替えた小猫はすでに撮影の準備に入っている。

本当にどうしたものか。

 

「じゃあ、まずはキスから」

 

次の瞬間、俺の下からギャスパーの姿は消えていた。時間を止めて逃げたか。少し残念だ。

 

「……代わりに小猫が俺とキスするか?」

 

「ギャーくん、もしくはミリキャス様とよろしくしたら考えます」

 

これはどうにしかして小猫とレイナーレを組ませないようにしないと。この二人にルフェイも参加すると逆らえる気がしない。最近、レイナーレに勧められてルフェイもBL方面に興味を示しているからな。

ちなみに黒歌はBLに全く興味がない。黒歌は基本的に妹系のエロゲーしかしない。

 

「別の案はないか?」

 

「そうですね。じゃあ、先輩が女装したら」

 

「また今度な」

 

女装してキスって何かマニアックだな。守備範囲はともかく、性癖は基本的にノーマルなんだが。

 

「約束ですよ」

 

「分かった」

 

「……後、私を抱き枕にする時は事前に言ってください。ビックリするので」

 

小猫が俯いて照れている。物凄く可愛い。

でも、今日から別の場所で泊まる予定だから残念だ。帰ってからするか。

その後、食事をしてグレモリー城観光ツアーをした。イッセーだけはミリキャスと勉強していたが。

 

 

 

 

 

現在は冥界に来た時に使った列車で魔王領ルシファードに来ている。ここは旧ルシファーがいたという冥界の旧首都だ。確かヴァーリがその旧ルシファーの曾孫だったな。

 

「このまま地下鉄に乗り換えるよ。表から行くと騒ぎになるからね」

 

木場がそう言う。

地下鉄か。知ってはいるが本当に人間界と変わらないな。俺が持っていた冥界のイメージと違って、最初に知った時は少しガッカリした記憶がある。

 

「大丈夫だ。俺の神器を使えば誰にもバレずに移動できる」

 

「そうだったわね。じゃあ、そうしましょう」

 

俺の神器で騒ぎになることなく地下鉄に移動。そこから専用の列車に乗って、都市で一番大きい建物の地下にあるホームに到着した。

そしてリアス・グレモリーを先頭にエレベーターに乗る。

 

「皆、もう一度確認するわ。何があっても平常心でいること。何を言われても手を出さないこと。上にいるのは将来の私達のライバルよ。無様な姿は見せられない」

 

俺ならここで一発かまして、他の奴等よりも精神的に優位に立とうとするな。他の奴等がどう足掻いても俺には勝てない、と教え込むんだが。

そうすれば面白い逸材の発見に繋がるかもしれないし。

 

「俺は関係ないから、何をしても問題なしだな」

 

「……今回は約束通りに呼んだけど、今さらだけど聞かせてもらうわ。何で、ここにいるのかしら?今日は若手悪魔の会合だから霧識くんには全く関係ない話のはず」

 

「俺はレーティングゲームのファンだからな。未来のヒーローの姿を確認したいんだよ」

 

そう言えば若手悪魔と言えば、前に心身共に徹底的に潰したディオドラ・アスタロトがいたな。アイツは来てるのかな?

 

「……だったら今回は大人しく傍観してくれると嬉しいわ」

 

それは相手の出方次第だな。

そしてエレベーターが停止して扉が開いた。俺達はエレベーターから出ると外にいた使用人に案内されて通路を進んでいく。

 

「サイラオーグ!」

 

リアス・グレモリーが通路の途中で会った男に話かける。悪魔には珍しく体格がよくて筋肉質な男だ。もしかして体術遣いか?だったら興味があるんだが。

 

「久し振りだな、リアス」

 

サイラオーグと呼ばれた男とリアス・グレモリーが握手をする。

 

「皆にも紹介するわ。彼はサイラオーグ。私の母方の従姉でもあるの」

 

つまり『大王』一族のバアル家か。ん?サイラオーグ・バアル?どこかで聞いたことあるような。

……思い出した。一切の魔力の才能を持たず、体一つで次期当主の座を勝ち取った努力の天才。前にサーゼクスに面白い悪魔はいるか?と聞いた時にサイラオーグ・バアルのことを説明してくれた。

 

「サインもらって良い?」

 

俺は即座にサイン用紙とペンを差し出す。

 

「……え~と、お前は?」

 

「七瀬霧識。グリゴリの神器所有者だ」

 

「ああ、噂に聞いたことがある。かなりの自由人だとか」

 

俺って噂になっているのか。まぁ、トップ会談であれだけやらかしたんだから当たり前か。

 

「で、サインだったか。良いぞ」

 

そう言うとサイラオーグは用紙とペンを取ってサインし出した。何と言うかサイラオーグは俺の知っている悪魔と違って豪胆な感じだな。

上級悪魔なんて家柄だけで他の悪魔を見下している奴等ばかりだからな。もちろん、例外もいるが。まぁ、俺の場合は旧魔王派の連中ばかりと係わりがあるから、特にそう思うのかもしれないが。

 

「お前みたいな有名人が何で俺のサインなんか欲しいんだ?」

 

「単純にファンだからさ。サイラオーグは話に聞く限り面白い」

 

プロには他にも興味深い奴はいるが、俺が知っている若手で面白いのはサイラオーグと会長だけだ。ここで他にも面白い奴と会えることを期待するけどな。

 

「そういや、何で部屋じゃなくて通路にいるんだ?」

 

「ああ、くだらんから出てきただけだ」

 

サイラオーグがサイン用紙とペンを返しながら返事する。

 

「何かトラブルか?」

 

「着いた早々、ゼファードルとアガレスがやり合い始めてな」

 

確かアガレスは大公家だったな。何か面白そうな話だ。

 

ドォォォォォッ!

 

急に建物が揺れ、巨大な破砕音が聞こえてくる。俺達は扉を開けて音がした部屋に入る。

すると中は破壊され尽くされていた。テーブルも椅子も装飾品も全部破壊されている。

中央では眼鏡をしたクールな感じの女とタトゥーだらけヤンキー、そしてその眷属達が睨み合っている。

 

「ゼファードル、こんなところで戦いを始めても仕方なくてはなくて?死ぬの?死にたいの?殺しても上に咎められないかしら」

 

「良いんじゃないか。俺がそこのクズを殺しても罪にならないようにしてやるよ」

 

俺の発言に周りが一斉に注目する。グレモリー眷属はまたか、って顔をしている。

事情は分からないがヤンキーの方がムカつくのでアガレスの方の味方をする。

 

「……誰?」

 

アガレスが警戒するように俺を睨んでくる。

 

「あぁ?何だ、てめぇは?いきなり現れてふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!」

 

ヤンキーが下品な感じに俺に絡んできた。完全に標的がアガレスから俺に変更したな。

 

「なぁ、ここは優秀な若手悪魔の会合の場だろ?何で、こんな雑魚が紛れ込んでいるんだ?」

 

俺は隣にいるリアス・グレモリーに質問する。

 

「今度は無視か!……ってよく見たらお前、人間じゃねぇか。何で、人間如きがここにいるんだ?」

 

「グラシャラボラス家は先日、御家騒動があってね。次期当主とされていた者が不慮の事故死をしたの。ゼファードルは新たな次期当主の候補ってわけ」

 

リアス・グレモリーもヤンキーを無視して俺に説明する。

て言うか、こいつがグラシャラボラス家かよ。グラシャラボラス家は確か現アスモデウスを輩出した名門だったよな。それが、こんなヤンキーしか出せなかったのかよ。かなり残念だな。

 

「だから無視するんじゃねぇよ!」

 

「猿がキィーキィーうるせぇな。動物園にでも帰りやがれ」

 

「ぶっ殺す!」

 

この程度の挑発で切れるとは沸点の低い奴だな。まだ続きがあったんだが。

こんな奴が次期当主とはグラシャラボラス家もアスタロト家と一緒でお先真っ暗だな。

そして切れたヤンキーが俺に殴りかかってくる。だが、ヤンキーの拳は俺には当たらない。

 

「なっ!どういうことだ!?」

 

「俺に対する認識をずらした」

 

俺は拳が空振って態勢を崩したヤンキーの腹を全力で蹴り飛ばす。

 

「グハッ!」

 

ヤンキーが壁に激突する。俺は追撃して異空間からエクスカリバーを取り出して首元に突き付ける。

 

「これで俺との格の差は分かったか、猿野郎」

 

「てめぇ、ちょっと不意討ちが成功したからって調子乗ってんじゃねぇぞ!」

 

おいおい、調子に乗ってるのはお前だろ。

 

「状況を冷静に判断しろよ、猿。ああ、悪い。猿だから無理だったな。先生は優しいから、そんな猿にも分かりやすく説明してやろう。俺が持っているのは聖剣エクスカリバー。ちょっとでも傷を負えば大ダメージだぞ」

 

「なっ!」

 

やっと状況を理解したのかヤンキーは大人しくなった。ディオドラみたいに絶望の淵に叩き込んでやることも出来るが、今回はやめておくか。

 

「ふざけて――ガハッ」

 

俺に詰め寄ってきたヤンキーの眷属は台詞を最後まで言えずひれ伏した。

 

「図に乗るなよ、愚民が」

 

ヤンキーの眷属に自身の体重が十倍だと誤認させた。

 

「さて、他の愚民共はどうする?」

 

俺は残ったヤンキーの眷属に質問する。

 

「「「…………」」」

 

返事はなしか。まぁ、表情から見るに状況を理解しているようだから良いか。




久し振りの主人公の戦闘です。まぁ、すぐに終わったし戦闘と言うよりも蹂躙って感じですが。
次の主人公の戦闘はいつになるかな。基本的に戦うタイプじゃないし、かなり先かな。

では感想待ってます。
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