現在はフェニックス家の庭でイルとネル、ミラとの軽い模擬戦が終わったところだ。もちろん、武器はなしの格闘戦。チェンソーとか聖剣とか物騒すぎる。
にしても庭も広いな。野球が余裕で出来る広さだ。
「霧識さん、タオルをどうぞ」
「どうも」
俺はルフェイからタオルを受け取って汗を拭く。いい汗をかいた。
「お兄さんって意外と弱いね!」
「前に戦った時はもっと強い印象だったけど!」
「元々、俺は戦うタイプじゃないからな。小細工なしで戦ったら、こんなもんだ」
て言うか、イルとネルは二人同時にくるから攻撃を捌くので限界だった。練習なんだから一対一にしてくれないとしんどい。
「夕食の前にお風呂に入ってくださいですわ」
レイヴェルがミラ達にタオルを渡しながら言う。
「分かった」
そして俺達は部屋に着替えを取りに行ってから風呂に移動した。
「こっちが男性用で、こっちが女性用ですわ」
さすが金持ち。自宅の風呂まで男女で分けているのか。
そして俺達は別れて脱衣所に入る。
「って、何でルフェイさんは男性用の方に入りますの!?」
レイヴェルが俺に付いてきたルフェイにツッコむ。
「え? だって霧識さんといつも一緒に入っていますので」
レイヴェルの質問にルフェイがキョトンとする。あの家での生活が長いからルフェイも常識がずれてきたんだな。
「じゃあ、私もお兄さんと入る!」
「私も!」
イルとネルが女性用の脱衣所の入り口から離れて俺のところに来た。
「ちょ、二人とも何を考えていますの!?」
「えーと、では私も……」
ミラが俯いて恥ずかしながらもこっちに来た。こういうリアクションは新鮮だ。俺の周りの女は基本的に恥じらいがないからな。
「ミラまでですの!?」
自分に味方がいないことに気付いて愕然とするレイヴェル。
イルとネルはともかくミラまで来たのは俺も予想外だった。
「じゃあ、入るか」
「ちょっと待ってください!」
俺達が男性用の脱衣所に入ろうとしたところでレイヴェルが止めてきた。
「ん?何だ?」
「……仕方ないから霧識さんも一緒に女子風呂に入っても良いですわよ」
レイヴェルが顔を赤くして俯きながら恥ずかしそうに言う。やっぱりレイヴェルも可愛い。
「恥ずかしいなら無理しなくて良いぞ。レイヴェルの反応の方が普通なんだから」
まぁ、俺としてはレイヴェルも一緒に入ってくれた方が嬉しいが。だが、可愛い女の子が嫌がることをする俺ではない。
するとレイヴェルはモジモジしながら小声で言った。
「……私、一人だけ仲間外れは悲しいですわ」
あまりの可愛さに俺は気付いたらレイヴェルの頭を撫でていた。
「いきなり何をするんですの!?」
頭を撫でられているのに気付くとレイヴェルは恥ずかしがって俺の手を振り払った。
ルフェイが何かを求めるような目で俺を見てくる。俺は無言でルフェイの頭を撫でる。
「あー、ズルい!」
「お兄さん、私達も撫でて!」
幸せそうな表情のルフェイを見てイルとネルもせがんできた。
「出来れば私も……」
ミラも参加してきた。大人しそうな雰囲気だが意外と積極的だな。
て言うか、何で俺の撫ではそこまで人気があるんだ?確かに撫で技術には自信があるが。
「じゃあ、まずは風呂に入ってからな」
俺達は全員で女性用の脱衣所に入る。ちなみにこの間もルフェイを撫でるのはやめていない。
「そういや、他に女性が入ってくるってことはないよな?」
俺は服を脱ぐ前にレイヴェルに確認する。
俺が女風呂に入っているのを他の奴に見られるのはマズイ。変態の烙印を押されてしまう。まぁ、その時は神器を使うだけだが。
「それなら大丈夫ですわ。私が入っている間は使用人は入ってきませんもの」
なるほど、それなら安心だな。
そして俺も服を脱ぎ始める。
「……覗かないでくださいね」
レイヴェルが胸元を隠しながら言ってきた。今から一緒に風呂に入るから、そんなこと気にしなくて良いと思うが。
「霧識さん、まだですか?」
隣で脱ぎ終わって全裸のルフェイが俺を待っている。イルとネルはすでに風呂に浸かっていた。行動が早いな。
俺も早く脱いで風呂に入るか。
夕食後、使用人に部屋に案内されてルフェイと二人でいる。にしても、やっぱり部屋も豪華だな。
特にベットは二人で寝ても余裕なほどスペースがある。今日はルフェイを抱き枕にして寝れるな。
「……霧識さん」
俺が鞄から二人で遊べるゲームを探していると、ルフェイが覚悟を決めた感じで俺の名前を呼んだ。
「どうし――」
俺は驚いて台詞を最後まで続けることは出来なかった。何故ならベットの上に座っているルフェイが服を脱ぎ始めていたからだ。
「どうした、ルフェイ?」
いきなりの展開で珍しくテンパっているが、とりあえず俺はムリヤリ心を落ち着かせて、さっき言い切れなかった台詞を言う。こういう時は冷静に対処しなければならない。
「……私を抱いてください」
ルフェイがいつもの可愛らしい仕草ではなく、妙に色っぽい仕草で言ってきた。
「……えーと、いきなりどうした?」
「いきなりじゃありません。前からずっと誘惑しているのに相手にしてくれなくて……」
ああ、心当たりがあるな。お義兄さんがいない時に裸エプロンになったり、無防備にスカートの中を見せてきたり、俺が朝起きるとベットの中に潜り込んでいたのはやっぱり誘惑だったのか。正直、周りにレイナーレやオーフィスがいなかったら我慢できずに襲っていたかもしれない。
「はい、だから二人っきりになれるチャンスを待っていたんです。ここなら邪魔は入りません」
遂にルフェイまで俺の心を読むようになったか。別に読まれても困ることはないが、俺にプライバシーはないのだろうか?
そうこうしているうちにルフェイが服を脱ぎ終わって下着姿になる。いつもの可愛らしい下着とは違って黒くてエロい下着だ。勝負下着というヤツか。
風呂の時はルフェイが先に上がったので見ていなかった。
「でも、お義兄さんにバレると殺されるし」
とりあえず会話を繋げて、その間に考えを整理しよう。このまま勢いだけでヤるのは避けたい。
「兄には言わなければ問題ありません。この部屋には私と霧識さんしかいませんから」
全く迷いのない返事。それだけ本気と言うことか。
「……もしかして私には女としての魅力がありませんか?」
「はい?」
ルフェイの予想外の言葉に俺はマヌケな返事をする。何で、そんなことになるんだ?むしろ魅力ならありすぎると思うが。
「だってレイナーレさんは毎晩のように抱いているのに私には手を出す気配がありませんから」
ルフェイが少し涙目になってきた。
ちょ、こういうのは苦手なんだが!マジでどうしよう!
て言うか、手を出す気配がないって言われても鋼の意思で我慢していただけだから。本当はかなり精神的に限界だったから。
「だから私のことを可愛いと言いますけど、それは人形を好きなのと同じ――」
今度はルフェイが台詞を最後まで言えなかった。何故ならルフェイの口を俺の口で塞いだからだ。
「うっ!」
いきなりのことでテンパるルフェイ。だが、この程度でやめてやらない。何故なら、さっきの発言に俺は少なからずムカついたのだから。
抵抗しようとするが俺はムリヤリ舌をルフェイの口の中に入れる。舌と舌を絡ませて全力のディープキスをする。
ほっぺにキスぐらいなら何回かしたことがあるが、ルフェイと本気のキスをするのは初めてだ。レイナーレとする時とは比べ物にならないくらい気持ち良い。気持ち一つでここまで変わるものなんだな。
とりあえず一分ほどしたところで俺はキスをやめる。俺とルフェイの口から唾液の糸が出てエロい感じになっている。
「ぶはっ!いきなり何をするんですか!?」
ルフェイが顔を赤くしながら俺から距離を取る。
うんうん。ルフェイはこうじゃないと。
て言うか、落ち着いてよく考えたらルフェイのさっきまでの行動はレイナーレが絡んでいるな。後でお礼と言う名前のお仕置きをするか。
「それはこっちの台詞だ。何を勘違いしているのか知らないが俺はルフェイのことが大好きだぞ」
本音を言うと最近は小猫のことも好きになってきているが、それをここで言う必要はない。それにルフェイが好きなのも嘘偽りのない本心だ。
「……それは人形とは違って一人の女として、という意味ですか?」
「当然だ。当たり前のことを聞くな」
て言うか、俺がアーサーをお義兄さんと呼ぶ時点で分かることだと思うが。こんなに分かりやすい表現方法もないだろう。
「じゃあ、何で私に手を出してくれなかったんですか?」
「そりゃ、好きな相手とはそういうことを簡単にしたくなかったんだよ。体目当てみたいになるのは嫌だし。それに何より俺は演出を大事にする男だからな」
レイナーレとかならどうでもいいから普通にヤれるんだけどな。
「……そうですか。霧識さんの本音が聞けて嬉しいです。霧識さんは饒舌に喋って本心を隠しますから」
ルフェイがまた泣き始める。さっきとは違って嬉しそうな感じだ。
て言うか、俺の認識ってそんなのだったのか。確かに俺は喋ることで自分の本音を隠すが、それは駆け引きの時だけだ。それ以外では、むしろ嘘を言わないんだが。
俺はルフェイを抱き締める。ルフェイは目をつぶって、唇を俺に突き出してきた。
バアンッ!
俺がもう一度ルフェイにキスをしようとしたところで扉が勢いよく開けられた。誰だ?
「お兄さん、遊びに来――」
「お兄さん、私――」
部屋に入ってきたのはイルとネルだ。そして俺とルフェイの姿を見ると一瞬固まった。
「……えーと、お楽しみのところを邪魔してごめんなさい」
「私達は何も見なかったから気にしなくて良いよ!」
イルとネルは気まずそうにしながら扉を閉めて帰っていった。
「……何か、そういう空気じゃなくなったし、また明日にでも」
「いえ、関係ありません。続きをしましょう」
「でも、また誰か来るかもしれないぞ」
「そうですね。じゃあ、魔法で扉が開かないようにします」
ルフェイは一旦ベットから降りて扉の近くに行くと何らかの魔法をかけた。まだ勉強中の俺にはよく分からない複雑な術式だ。
「これで邪魔は入りません。今夜は寝かしませんよ。何たって、この時をずっと待っていたんですから」
ルフェイがいつも通りの可愛い笑顔で言う。ああ、これは覚悟を決めるしかないな。
この続きのルフェイとの行為をR-18の短編で書こうと思ったけど、書き方がよく分からずに断念。
誰か代わりに書いてくれないかな。
もしくは勉強用にオススメのR-18小説を教えてくれるとありがたいです。別サイトでも良いけど出来ればハーメルンでお願いします。
では感想待ってます。