ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第71話 転校生

夏休みが終わって二学期初日、俺が目を覚ますと裸Yシャツ姿の小猫が俺の体の上で気持ち良さそうに寝ていた。

猫耳に尻尾が動いていて言葉に出来ないくらい可愛らしい。

キスをされた翌日の晩、色々と事情があり珍しく一人で寝ていると小猫と黒歌がやって来て襲われた。

 

~回想開始~

 

「ん……」

 

夜中に自分の部屋で寝ていると変な気配を感じて目を覚ました。

するとイタズラっぽい顔をして着物を着崩した黒歌と、緊張した表情でTシャツ一枚の猫又モードの小猫が俺の上に乗っかっていた。

黒歌が夜這いに来るのは珍しくないが、小猫がこんなことをするとは思えない。

うん、夢だな。

 

「何でまた寝るにゃ!」

 

気にしない気にしない。

 

「……寝ないでください、先輩」

 

「何で、こんなとこにいるんだ?」

 

この小猫はまちがいなく現実だな。俺が夢と現実の違いに気付かない訳にはいかない。

 

「私と白音に対する対応が違いすぎるにゃ!」

 

「うるさい。で、何の用だ?」

 

大体、黒歌に対する対応なんて毎回こんなもんだろ。

 

「……夜這いです」

 

「ルフェイもレイヴェルもいないうちに既成事実を作るにゃ」

 

たまには静かに寝るのもいいな、と思っていたが無理らしい。

 

~回想終了~

 

後で話を聞いたら黒歌が色々と唆したらしい。この時ばかりは黒歌を全力で褒めた。

その次の日から気付いたら小猫がベッドに潜り込むようになっていた。

体の右側には裸のルフェイが、左側には薄着のパジャマのレイヴェルが抱き付いて幸せそうに寝ている。

ちなみに昨晩は夜の営みをヤっていない。今日は二人の転校初日ということで早めに寝たからだ。

て言うか、寝る前と皆の体勢が変わってないか?何でルフェイは服を脱いでいるんだ?確か寝る前は服を着ていたはず。

とりあえず今の状況を簡単に言うと色々とヤバい。学校に行く前に一発ヤっとこうかな。

 

「ん……」

 

どうやら小猫が目を覚ましたみたいだ。

 

「おはよう」

 

俺は小猫の頭を撫でながら挨拶する。

 

「にゃー」

 

小猫はまだ寝惚けているのか曖昧な返事をする。

 

「……もう朝ですか?」

 

「まだ眠いですわ……」

 

続けてルフェイとレイヴェルも目を覚ましたがまだ寝惚けているようだ。二人共、こんなに朝が弱かったっけ?

 

「あー、霧識さんだー」

 

「へ?」

 

寝惚けたルフェイが幼女のような可愛らしい声を出しながら、いきなりキスしてきた。そして、また寝た。

どういうこと?

だが、この行為はレイヴェルと小猫の目を覚ますことには成功したようだ。

 

「ズルいですわ!私もします!」

 

「私もです」

 

前に誰かがハーレムは大変だと言っていたが、今その意味を理解した。

まぁ、今のままでも充分に幸せだし問題ないだろ。

 

 

 

 

始業式が終わってHRの時間、転校してきたルフェイが挨拶する。

制服が似合っていて物凄く可愛い。

 

「霧識さんの彼女のルフェイ・ペンドラゴンです。よろしくお願いします」

 

「「「…………」」」

 

いきなり爆弾発言をするルフェイ。

さっきまでルフェイの可愛さに騒いでいたクラス中が静かになった。

そして次の瞬間、また騒がしくなる。

 

「リア充は爆発しろ!」

 

「俺も彼女がほしい!」

 

「七瀬×木場は鉄板だと思っていたのに!」

 

「前に告白した時に断れたのはそういうことだったのね!」

 

うるさいクラスメイトだな。

て言うか、さっきBL発言した奴は男じゃなかったか?

それに後輩に告白された記憶はあるけどクラスメイトに告白された記憶はないんだが。俺が忘れているだけか?

ルフェイもどうリアクションをしていいか困っている。

 

「はいはい!初夜はいつなの?」

 

桐生が勢いよく手を挙げてルフェイに質問する。もっとマトモな質問はなかったのか?

 

「それは夏――」

 

俺はルフェイが最後まで言い切る前に光速で廊下に連れ出した。

 

「いきなりどうしたんですか?」

 

「さっきみたいなのは恥ずかしいから答えなくていい」

 

「そうなんですか?」

 

可愛らしく首をかしげるルフェイ。やっぱりルフェイもどこかずれているようだ。今日の放課後にでも常識を教えないといけない。

 

 

 

 

 

数日後

 

「えー、このような時期に珍しいかもしれませんが、このクラスにまた新たな仲間が増えます」

 

朝のSHRが始まると先生はそう言った。また転校生か。そんな話は聞いていないが。

だが、誰も先生の話を聞いていない。今、この教室には転校生よりも気になる存在がいるからだ。

 

「じゃあ、入ってきて」

 

先生に促されて教室に入ってきたのはイリナだ。そういや、天界側のスタッフがいないからな。それでイリナが来たのか。

 

「紫藤イリナです。皆さん、よろ……って、もしかして私、歓迎されてない?」

 

教室の雰囲気にイリナが不安そうな顔をする。

いや、歓迎されてないということはないぞ。昨日までなら普通に歓迎されていたはずだ。

 

「……霧識さん。昨日まであんな人達っていましたっけ?」

 

そう言ったルフェイの視線の先ではプロレスラーよりも筋肉がムキムキで世紀末覇者みたいな顔付きの男が二人、教室の真ん中の席に座っていた。こんなミルたんを彷彿させるような二人組は昨日まではいなかったはずだ。

ちなみにルフェイの席は俺の隣。元々、俺の隣だった男子生徒にコスプレ研究部の露出の多いアニメキャラのコスプレ写真で席を変わってもらった。

 

「はい、先生。教室の真ん中にいる明らかにただ者ではない二人は誰ですか?」

 

ゼノヴィアが手を挙げて先生に質問する。

どうやら転校してきた元相棒よりも謎の二人の方が気になるらしい。

 

「え~と、恐らく行方不明だった松田くんと元浜くんだと思われます。多分」

 

先生が物凄く自信なさそうに答える。

て言うか、松田に元浜!?原型が坊主頭と眼鏡くらいしかないんだが!

二人は俺がミルたんを紹介した授業参観の次の日から行方不明になった。会長から二人の親が警察に捜索願いを出したという話も聞いている。他の生徒を不安にさせないように、という理由で一般には公開されていない情報だ。本当の理由は不審なことが多すぎてどう伝えたらいいか分からないからだが。

 

「松田、元浜!一体、何があったんだ!?」

 

どうせ変態的なことをして警察に捕まっているのだろう、と予想していたイッセーが二人に詰め寄る。

ちなみに他のクラスメイトもこれで納得していた。

 

「我は松田ではない。松田・改だ」

 

「我も同じく元浜ではない。元浜・改だ、イッセーどん」

 

本当に何があった!?見た目だけじゃなく中身まで完全に別人じゃねぇか!

 

「どうしちまったんだよ、二人共!一緒に女子の着替えを覗いたり盗撮したり、エロDVDの鑑賞会をしたり、その他にも色々と人に言えないようなことをしたのを忘れたのかよ!?」

 

いきなり犯罪の告白をすんなよ。

て言うか、そんなことして何で捕まってないんだ?

 

「それはすでに過去のこと」

 

「我々はそんなことに興味はない」

 

もうこの二人で良いような気がする。何か面白い。

 

「ふざけるな!俺はそんなこと認めないぞ!二人共ついてこい!俺が元に戻してやる!」

 

そう言うとイッセーは二人をどこかに連れていった。

 

「……このクラスって変な人が多いですね」

 

「というより変な人しかいない」

 

やっぱり俺の周りには変人しかいないのか。

 

「……どうすればいいの?」

 

コミニュケーション能力の高いイリナでも今の状況はどうすることも出来ないらしい。

 

その後、イッセーが二人の趣味のエロ本を見せ続けることで何とか戻った。しかも外見ごと。あの状態から元に戻るとか、どんだけエロいんだよ。

だが、元に戻る代わりに行方不明になっていた間のことを忘れてしまったらしい。何があったか気になるが調べるようとは思えない。さすがの俺もミルたんだけには関わりたくない。

 

そして休み時間、イリナはクラスの皆から質問攻めにあっていた。イリナは見た目は良いし明るい性格をしているから、松田・改とか元浜・改みたいな訳の分からない奴等がいなければ普通に注目される。

 

「確かイリナさんって霧識さんの幼馴染みでしたよね?」

 

ルフェイがイリナの方を見ながら質問してきた。

 

「そう。そしてイッセーの幼馴染みでもある」

 

イリナに細かい事情を聞きたいが後にするか。今はイッセーもどこかに行っているし。

 

「じゃあ、ちょっとトイレに――」

 

「お兄ちゃん!」

 

トイレに行こうと思って立ち上がった瞬間に何者が俺に突っ込んできて押し倒された。イリナに質問攻めしていたクラスメイトもこっちを見ている。

俺に馬乗りしている人物を見てみるとショートカットの活発そうな美少女だ。

かなりレベルが高いな。こんな奴が駒王学園にいたか?て言うか、お兄ちゃん?

 

「え~と、誰?」

 

「どうも初めまして!今日、駒王学園の一年に転校してきましたお兄ちゃんの世界一可愛い妹こと七瀬花蓮ちゃんです!イェーイ!」

 

満面の笑顔で横ピースしながら言う。

こいつが噂の俺の妹。イリナと同じで教会から派遣されてきたのか?

にしてもテンションが高くて面倒くさそうな奴だ。

 

「て言うか、お兄ちゃんで合ってるよね?教室に入った時、私の物凄くタイプな人がいたから思わず押し倒しちゃったけど」

 

急に自信なさそうにする妹。俺の顔を知らなかったのかよ。

 

「あ、イリナちゃんだ!」

 

妹がイリナを発見すると手を振って挨拶した。イリナと仲良さそうだな。

 

「花蓮ちゃん、来てたんだ」

 

イリナも手を振りながら、こっちに来た。

 

「うん、今来たとこ。ところで、この人が私の愛しのお兄ちゃん?」

 

「そうだよ。この人が花蓮ちゃんのお兄ちゃんで私の幼馴染みの七瀬霧識くんだよ」

 

「お兄ちゃんは私の予想通りに……いや、確信通りに格好いい人だったよ」

 

俺の妹は何を言ってるんだ?

 

「じゃあ、脱いで」

 

「……は?」

 

本当に何言ってんだ、こいつは?




松田と元浜の話については夏休み前にやる予定だったのに完全に忘れていたので、こんな登場になりました。
一発ネタなので続きません。というより二人に何があったかは自分にも分かりません。

後、遂に主人公の妹が登場です。次回は妹が大暴れします。

では感想待ってます。
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