ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第82話 焼肉

「はぁー」

 

結局、大乱闘に優勝したのは曹操だ。

俺はフリードに手こずっている隙に横から攻撃してきた曹操に負けた。

おかげでゲオルクの去勢にも失敗した。

負けたことは何回もあるけど、ここまで完全敗北したのは生まれて初めてだ。この結果にさすがの俺もショックを受けている。

 

「もしかして気持ちよくないんですの?」

 

レイヴェルが心配そうに聞いてくる。

ちなみに俺は今、自室でレイヴェルにマッサージされながら小猫に今回の説明を聞いている。

イッセーがおっぱいドラゴンの歌を聞いた後にリアス・グレモリーの胸をつついて覇龍化から戻ったという話には大爆笑した。

胸をつついて禁手に至り暴走から戻るとかリアス・グレモリーの胸はスイッチか何かなのか?

あ、そう言えば、さっき美候がリアス・グレモリーをスイッチ姫とか言ってからかっていたような。こういう意味だったのか。

 

「いや、かなり気持ちいいぞ。ただムカつくことを思い出しただけだ」

 

「先輩がムカつくとは珍しいですね。何があったんですか?」

 

小猫がお菓子を食べながら本当に意外そうな顔をしている。

まぁ、俺が小猫達の前でイラついたことはないから、そう思うのも無理はない。

て言うか、イラついていても、すぐに癒されているだけだが。

 

「勝負に負けただけだ」

 

「でしたら私がマッサージよりも気持ち良いことをして癒してあげますわ」

 

そう言うとレイヴェルはマッサージをやめて胸を押し付けるようにしながら俺に抱き付いてきた。

何故かさっき薄手の服に着替えていたのでレイヴェルの体の感触がダイレクトに伝わってくる。

 

「……何故、いきなり抱き付いているんだ?」

 

「マッサージをしてあげたのですから、これぐらいの報酬……いえ、普通にマッサージをするよりも貴方にはこっちの方が気持ち良いでしょ?」

 

オーイ、最初に本音が出ているぞ。

 

「それとも、まだ晩御飯までは時間がありますし、このまま一発ヤりますか?」

 

レイヴェルが俺の耳元で挑発するように囁く。

 

「それは非常に魅力的な提案で今すぐ受け入れたぐらいだが無理だ。今から友達と遊ぶ予定があるからな」

 

「……また女ですの?」

 

急にレイヴェルが俺を疑うような声を出す。

 

「いや、違うが」

 

「じゃあ、男の娘ですね」

 

小猫は良い顔で何を言っているんだ?

男の娘の知り合いが出来たら、すぐに小猫に紹介するに決まっているだろ。

 

「それも違う。普通の男友達だ」

 

「これ以上、増やされるとデートの回数も減って困りますわ」

 

「先輩は節操がないですからね」

 

「だから違うと言っているだろ」

 

「「え?」」

 

二人揃って驚いた声を出す。

何?この二人の中では俺に男友達がいるのは、そんなに有り得ないことなのか?

後、俺は節操がない訳じゃないぞ。確かに可愛い女の子とすぐに仲良くなるが、肉体関係を結ぶのは相手が望んだ時だけだ。俺から口説いたりはしない。

 

「じゃあ、今日の帰りは遅くなると思うから晩飯はイッセーの家で食べてくれ」

 

 

 

 

 

俺は今、ルフェイ、花蓮、レイナーレの三人と駒王町から少し離れた町を歩いている。

ここに来るまでルフェイ達がナンパされて大変だった。とりあえずナンパした連中には軽く地獄を見てもらった。

さすがに相手が人間だったので手加減はしたが。

 

「えへへ。お兄ちゃんとキスしちゃった……」

 

花蓮が時たま唇を触りながら幸せそうに蕩けきった顔をしている。

大乱闘の後にキスしてから、ずっとこの調子だ。

本当はする気がなかったんだがフリードとアンを倒したからキスして、とせがまれて無理矢理させられた。ただの馬鹿ではないと思っていたが、さすが俺の妹。まさか、あそこまで交渉術が上手いとは思わなかった。

幸せそうな顔を見るのは悪い気はしないが後が怖い。

 

「ご主人様、私の服装はどうですか?」

 

レイナーレが俺の前に出て全身を見せるように一回転しながら言った。

今日は外出と言うことで、いつものメイド服は着ていない。着ているのはファッション雑誌などで載っていそうな服装だ。

元が良いだけに下手なモデルよりも似合っている。

にしてもレイナーレにこんな趣味があったとは意外だ。変態的な趣味以外も持っていたんだな。

 

「似合ってるぞ」

 

「う~ん。そこは貴様如きにそんな可愛い服が似合うわけないだろ!調子に乗ってんじゃねぇぞ、ブス!と罵倒されたかったのですが……」

 

本当に残念そうに言うレイナーレ。

普段ならともかく、このシチュエーションでそんなこと言える訳ないだろ。

 

「まぁ、ご主人様に褒められるのは珍しいですし普通に喜んでおきますか」

 

レイナーレの変態的な趣味がなかったら普通に褒めているけどな。

色々スキルが高くて役立っているし。

 

「……ところで私は似合っていますか?」

 

ルフェイが俺の服の裾を引っ張ってモジモジしながら言ってきた。

今、ルフェイが着ている服は前のデートの時に俺が選んだ服だ。

 

「最高に似合っているぞ」

 

俺はルフェイの頭を撫でながら返事する。

 

「……そうですか」

 

ルフェイが照れて俯いている。

物凄く可愛い。まるで天使だ。帰ったら抱こう。

 

こんな感じに会話しているうちに俺達は目的地である焼肉屋に着いた。

中に入るとほとんどの席が埋まっているようで、かなり騒がしい。

俺は先に着ているはずの英雄派のメンバーがいる場所を探す。

 

「オーイ、キーくん!こっちこっち!」

 

俺を見付けたジャンヌが手を振りながら大声で呼んできた。

俺が席に着くと机に突っ伏しているジーク、ジークのお尻を触っているゲオルク、何も食べずにジークとゲオルクを興奮した表情で観察しているアン、レオナルドにアーンをしようとしているジャンヌ、ジャンヌを鬱陶しそうにしているレオナルド、そして周りを一切に気にせず肉を食べている曹操とフリードがいた。

 

「俺達が着くまで待っていてくれても良いだろ?」

 

俺は座ると曹操に文句を言う。

 

「別に君が来る必要はなかったからな。お金さえ出してくれれば、それで良かったんだ」

 

「俺がそんな面白くない展開を認める訳ないだろ。……ところでジークはどうしたんだ?」

 

いつもならゲオルクが触ってきたら抵抗するのに反応する素振りすら見せていない。

 

「ちょっと嫌なことがあっただけだ」

 

「……ちょっとか?」

 

どう見ても異常事態なんだが。

 

「久し振り、ジーくん」

 

俺がジークの方を見てみると花蓮が話かけていた。

アンに話かけると思っていたのに意外だな。

そのアンはいつの間にかレイナーレと仲良くBL談義をしていた。さすが変態同士。仲良くなるのが早いな。

 

「……花蓮か。久し振りだな。何でここにいるんだ?」

 

ジークが憔悴しきった声で答える。本当に何があった?

 

「私はお兄ちゃんについてきただけだよ」

 

「……お兄ちゃん?ああ、そう言えば七瀬の妹だったな」

 

「私はお兄ちゃんの世界一可愛い妹だからね」

 

「そうか。それよりも君を見ていると、あの女を思い出すから離れてくれると助かる」

 

あの女?誰のことを言っているんだ?

ジークの言葉を聞いた花蓮は離れると次にアンに話かけようとするが、アンはレイナーレとのBL談義に集中していて全く話を聞いていない。

 

「あ、店員さん!生と枝豆を一つ」

 

俺は店員が近くに通りかかったので注文する。

その後、ルフェイの注文も聞いた店員は戻っていった。

タレの準備を終えて、そろそろ俺も肉を食べ始める。

 

「キーくん、仕事帰りのサラリーマンみたいだね」

 

「うるせぇ。それよりもヘラクレスは来ていないのか?」

 

このメンバーでヘラクレスだけ来ていないのは不自然だ。

 

「ああ、ヘラクレスは怪我で休養中なのよ」

 

「怪我?今回のゲームに参加していたのか?」

 

「違う違う。それとは別の件でね」

 

別の件ねぇ。あのヘラクレスが休養するほどやられるとは。

俺の知らないところでも面白そうなことが起きているみたいだ。

 

「何があったんだ?」

 

「いや……私としては教えても良いんだけど」

 

ここでジャンヌがチラッと曹操の方を見る。

何か物凄く睨んでいてジャンヌが怯えている。多分、ジャンヌは俺にゲームの情報を漏らした件で曹操に怒られたのだろう。

 

「お兄ちゃん!」

 

アンとの会話を諦めた花蓮がいきなりに俺に抱き付いていた。

 

「チュー……イタッ」

 

花蓮が唇を突き出してきたので俺はチョップした。

 

「一回したんだから良いじゃない?」

 

「する時に今回だけだと言ったはずだが?」

 

「ブゥー。じゃあ、アーン」

 

俺から離れると今度は口を開けて肉をアーンされるのを待っている。

 

「ふむ。じゃあ、先に質問に答えろ。ジークと知り合いなのか?」

 

花蓮が仲の良い男はデュリオくんだけだと思っていたんだが。

 

「ジーくんはママの後輩でね。その関係で何回か会ったことあるの」

 

そう言えばジークは元教会の戦士だったな。じゃあ、あの女と言うのは俺の母親か。

何があったかは知らないが酷い目にあったんだろう。心の中でジークに合掌。

 

「もしかしてお兄ちゃん、私が別の男と話しているから嫉妬したの?」

 

「違う」

 

「まぁ、私がお兄ちゃん一筋縄なのは分かりきっていることだからね。じゃあ、今度こそアーン」

 

再度、花蓮は口を開けて俺に突き出してくる。

 

「アーン」

 

何故かルフェイが花蓮に対抗して口を開けてきた。

 

「じゃあ、アーン」

 

俺は迷わずルフェイの口の中に肉を入れた。

 

「ルフェイちゃんだけズルいよ!私にもアーンしてよ!」

 

「断る」

 

「じゃあ、今度は私が……」

 

ルフェイが肉を箸で掴んで差し出してきたので、俺はそれを食べる。

 

「こうなったら……。ルフェイちゃん、私にもアーンして。そうすればお兄ちゃんとの間接キスになるから!」

 

そう来たか。相変わらず花蓮の発想は俺の斜め上をいくな。

 

「いやぁ、キーくんはモテモテだね。お姉さん、ちょっと嫉妬しちゃうな」

 

ジャンヌは間にいた花蓮が退くと俺に抱き付いて上目遣いで挑発するように言ってきた。

 

「この後、一緒にホテルに行かない?」

 

こんな人前で酔っ払ってもないのに何を言っているんだ?

 

「レオナルドはいいのか?」

 

「だってレオナルドは可愛いけど無口だからつまらないんだよね」

 

そうか?確かにレオナルドは口数の多い方じゃないが普通に返事してくれるぞ。

 

「ちょっとオバサン!私のお兄ちゃんに何するのよ!?」

 

花蓮がジャンヌに気付くと、すぐに引き剥がそうとする。

 

「オバサンじゃなくてお姉さんよ。そんなに失礼だからお兄ちゃんに相手してもらえないんじゃないの?」

 

「そんなことないよね、お兄ちゃん?」

 

ジャンヌから手を離すと花蓮が悲しそうな表情で質問してきた。

ぶっちゃけ、そんなことはある。

 

「HAHAHA!面白そうなことやっているじゃねぇか」

 

いきなり変なオッサンが現れた。

 

「……帝釈天」

 

曹操が小さく呟いたのが聞こえた。

え?この変なオッサンが須弥山の帝釈天?焼肉屋で会うような相手ではないと思うんだが。

イッセーの強者を引き寄せる才能は異常だと言うが、どう考えても俺の方が異常だな。

まぁ、俺はあんまりバトル展開にならないのが救いか。もしバトルになったら即死ぬな。

 

「何かガキ共が面白そうなことをやっているってんで様子を見に来たぜ」

 

物凄くノリが軽い。まぁ、それは他の勢力も同じだが。

俺は花蓮の相手をしながら帝釈天と一緒に焼肉を食べた。

その後、打ち上げの二次会としてカラオケにも行った。さすがにカラオケは割り勘だ。

帝釈天、意外と歌が上手かったな。




帝釈天の登場です。
次はどうにか冥府に行ってハーデスとベンニーアを出せないかと考えています。

では感想待っています。
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