ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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第85話 昼食

「何でって友達に会いに来ただけですよ」

 

アンは弁当を食べながら俺の質問に答えた。こいつには歳上に対する礼儀とかないのか?俺にはないけど。

て言うか、裏方で顔がバレてないからって、よくこんな場所にテロリストが来られたな。今日はシスコン魔王二人が休暇を取ってやって来ているのに。

 

「……友達?」

 

趣味以外に興味がないアンに友達なんていたのか。ゲオルクとは仲良いけど友達ではないし。

 

「はい。七瀬さんに座られて恍惚とした表情をしている変態のことです」

 

ああ、そう言えば焼肉の時に仲良く話していたな。

後、アンも変態だけどな。

 

「……この人はどこから現れたんですか?」

 

アンのことを知らず驚いているメンバーを代表して小猫が俺に質問した。

 

「こいつの名前はアン。転移の能力を持つ神器を所有している」

 

恐らく俺かレイナーレにマーキングして転移してきたのだろう。

ちなみにマーキング方法は対象物に五秒以上触れること。一度にマーキングできる数には限界はあるけど何個だっけ?

 

「……女子中学生で可愛いですけど、もしかして」

 

レイヴェルがひたすら弁当を食べているアンと俺を交互に見ながら疑うように言う。

そう言えば今日は平日だけど学校はどうしたのだろうか?まぁ、アンは俺と同じでよく学校をサボっているから今日もサボりだろう。

それでも成績は良いらしいが。

 

「レイヴェルが想像しているようなことはないぞ」

 

「……本当ですか?」

 

「本当だ」

 

大体、アンに恋愛感情があるのかすら謎だ。

まぁ、俺にすら恋愛感情があったのだから、あっても不思議ではないが。

 

「いえ、私は七瀬さんのことが大好きですよ」

 

小猫とレイヴェルがジト目で見てきた。嫉妬してくれるのは嬉しいが、そこまで疑われるとさすがの俺も傷付くぞ。

ルフェイはアンの性格を知っているので気にしていない。

 

「紛らわしい言い方をするな。お前が好きなのは俺を使った妄想だろうが」

 

「それはどうでしょう」

 

アンは一旦、食べるのをやめると性格の悪そうな顔で言ってきた。

何か良いことでもあったのか?アンは機嫌が良いと性格が悪くなる。

二人が更に疑わしそうな目で俺を見ている。ここは誤魔化すしかない。

 

「ところで友達に会うためだけに来たのか?それなら休日に家に来れば良いと思うんだが」

 

「体育祭を見るのも目的の一つです。運動をして汗ばんだ男達の絡み合いは妄想が捗りますからね。その為に怜奈さんと協力して競技を一部変更させましたし。グヘヘヘェ……」

 

何を思い出したのか知らないが気持ち悪い笑みを浮かべるアン。

て言うか、お前も体育祭の仕込みに関わっていたのかよ。本当、趣味のためなら努力を惜しまない奴だな。

あれ?もしかして俺とアンって意外と性格が似ているのか?さっきから俺との共通点が多いが。

 

「二人共、これで安心したか?」

 

「ええ。安心しましたわ」

 

「……う~ん」

 

レイヴェルは納得したようだが小猫はまだアンのことを疑っているみたいだ。

何か思うところでもあるのか?

 

「後は怜奈さんに木場祐斗を紹介してもらうつもりです」

 

「木場を?」

 

何のためにだ?まさか木場を英雄派にスカウトするつもりじゃないだろうし。

 

「怜奈さんにイケメンのホモだと聞きまして。私が今度、出版社に投稿する予定のBL小説と妄想のネタと夜のオカズに使おうと思っています。後、私からホモの知り合いを紹介するのは簡単ですけど出来れば七瀬さんに木場祐斗の相手役をしてほしいと思っています。どうでしょうか?……と言うより、お願いします!」

 

現実逃避してみたが分かっていたよ。どうせ、そんなことだろうってことは。

でも何で俺なんだ?英雄派のメンバーを紹介する訳にはいかないのは分かるが、他にもホモの知り合いぐらいいるだろ。何なら俺がグリゴリのメンバーから紹介しても良いぐいだ。

 

「無理だ。俺は男とヤる場合はギャスパーと決めている」

 

「……ギャスパー?」

 

ギャスパーを知らないのか食べるのを再開しながらアンは首を傾げる。

レイナーレはギャスパーのことを説明していないのか?

 

「グレモリー眷属の女の子よりも可愛い男の娘です。アンちゃんはイケメンの絡み合いが好きなので説明していなかったのですが」

 

俺に座られているレイナーレが説明する。さっきから腹が鳴っているが無視だ。

て言うか、アンちゃん?レイナーレは調教してからは基本的に人を様付けで呼ぶのに、ちゃん付けとは。どんだけ仲良くなったんだ?

ちなみにイッセーは例外で蛆虫と呼ばれている。何でそんなに嫌われているんだろうな?

 

「……男の娘。確かに今まではイケメンばかりだったけど、今こそ新たなジャンルに目覚めてパターンを増やすべき時。それが男の娘。アリですね」

 

何かブツブツ言っていて怖いがノリ気のようだ。

 

「よし、今夜にでもヤりましょう!そして、その様子を撮影させてくれるなら私の処女を差し上げてもいいです!」

 

アンは箸をドンッと下に置くと、そう言った。

 

「アンの処女なんていらない」

 

「それは私に魅力がないと言うことですか?私は自分のことを一般よりも遥かに可愛いと思っているんですが」

 

確かにその通りだが自分で言うか?

て言うか、BLにしか興味がないのに自分の可愛さを自覚していたことに驚きだ。

 

「そういうことじゃなくて、そんな取引みたいな感じでもらっても嬉しくないと言うことだ」

 

「よく分かりませんね。私の学校のクズ共なら私の処女をちらつかせるだけで何でも言うことを聞いてくれて便利なんですが。もちろん、あげませんけどね」

 

うわぁ、性格悪いな。こういうのを悪女と言うのだろうか?

 

「まぁ、いいです。だったら行為を私が精巧に小説として書いてプレゼントします。性交だけに」

 

「いらねぇよ!」

 

それでアンの言うことを聞く奴なんているわけないだろ。自分の行為を小説にして読むとか、どんな変態行為だよ。

後、最後の一言は余計だ。全く面白くない。

 

「それに俺は強姦みたいな真似はしない。相手が望んだ時しかヤらないんだよ」

 

「だったら私が先輩仕込みの話術でギャーくんを洗脳してやる気にさせてみます」

 

小猫が珍しく目に熱い闘志をたぎらせて言ってきた。

そう言えば小猫は事あるごとに俺にギャスパーを押し倒せ、と言っていたな。

 

「そんな技術を教えた覚えはないんだが」

 

「間違えました。怜奈さんに教えてもらったんでした」

 

「またお前か」

 

俺はレイナーレのお尻に刺さっている箸を更に押し込む。

レイナーレにもその技術を教えた覚えはないんだが。勝手に見て覚えたのか?本当に厄介な奴だ。

 

「たまにはそういうのも良いんじゃないかにゃ。いつもギャーくんなら抱けると言っているしにゃ」

 

まさかBLに興味のない黒歌まで賛成するとは。こいつは基本的に妹にしか興味がないはず。

って、だからか。小猫が望むことは叶えてやりたいのか。

 

「そ、そうですわね……。たまにはそういうのも良いと思いますわ」

 

レイヴェルが目を泳がせながらも賛成してきた。

俺の知らない内にレイヴェルも毒されていたのか。

ルフェイは顔を赤らめて俯いているしオーフィスは話を理解できていないのか話を聞かずに弁当を食べている。

ここに俺の味方はいないのか。

 

「いや、待て。ギャスパーが時を止めて逃げたら意味がないぞ」

 

「それならギャスパー様の目を抑える特別製の眼鏡が家にあるので大丈夫です」

 

レイナーレがまた余計なことを言いやがった。嫌がらせとしてこれ以上ないくらい優しくしてやろうか。

まぁ、確かに俺の家にはグリゴリで開発したギャスパーの神器を抑える眼鏡がある。もしもの時のために俺が預かっているのだ。

その後、女子達が会議を始めたので俺はオーフィスを膝の上に座らせて仲良く二人で弁当を食べた。

 

 

 

 

 

昼食の時間が終わったので花蓮とイルとネルを回収してクラスの待機場に向かっている。

にしても、さっきから周りの視線が凄い。

何故ならルフェイと花蓮が両側から俺の腕に抱き付いてるからだ。レイヴェルも小猫に花蓮の監視を頼まれたと言い訳をして俺の体操服の裾を摘まみながらついてきている。

小猫はギャスパーの説得……もとい洗脳のためにクラスに向かった。

 

後、花蓮にイルとネルとの戦闘の結果を聞いた。簡単に言うと二人は花蓮の妹になったらしい。それで二人には特別に俺のことを『お兄さん』と呼ぶことを許可したようだ。

青春漫画で定番の殴りあって友情が芽生えたというヤツだろうか?

花蓮は二人と一緒に住めないことを残念そうにしている。まぁ、ライザーが復帰戦でレートが上の相手に圧倒的勝利を収めてマスコミに騒がれているせいで忙しいらしいから仕方ないけど。

それでも暇な時には遊びに来るそうだ。

 

そして今、俺の方であったことを説明し終わったところだ。

 

「つまりお兄ちゃんがギャーくんを無理矢理、強引に力ずくで犯すってこと?」

 

「結果的にそうなる可能性もあるが言葉を選べ。周りの人が聞いたら俺のことを鬼畜な変態野郎だと勘違いするだろうが」

 

周りに変態が多くて、それに合わせているから勘違いされやすいが俺は普通だ。多分。最近、自信がなくなってきている。

 

「うん。じゃあ、今晩は三人でヤろう!初めてが三人というのは理想と違うけど、それでもギャーくんなら可愛いからOK!」

 

「……うん?何で花蓮も参戦することになってるんだ?」

 

「だってお兄ちゃん。私にあんなことまでヤったんだから最後までちゃんと責任とってよ」

 

周りの視線が更に鋭くなった。あ!あの野郎、警察に連絡しようとしてやがる。

 

「問題はそこではなくてだな……。何でギャスパーと一緒にヤるんだ?花蓮は別の機会でいいだろ?」

 

俺は頭を押さえようとしたが両側が塞がれているので無理だった。

よく考えたら何でギャスパーを抱く前提で話が進んでいるんだ?まだ決まっていないだろ。

 

「だってギャーくんって男だけど物凄く可愛いでしょ?」

 

確かにそうだけど。でも、やっぱり意味が分からない。

 

「……ん?」

 

待機場につくとクラスメイトの様子がおかしかった。いや、常におかしいけど、そういうのとは違う。

よく見てみるとイッセーとアーシアが顔を赤くしながら離れた席に座っている。どうしたのだろうか?何かラブコメ臭がするが。

あ、イッセーが座っている席って俺の席じゃねぇか。

まぁ、それはどうでもいいけど何故かイラッとする。

 

「ちょっと離れてくれ」

 

そう言って三人が離れると俺はイッセーの前に回り込んで回し蹴りをした。

前に回り込んだのは俺が一番後ろの席で他の椅子に被害を出さないための配慮だ。

 

「いてぇな!いきなり何するんだよ!?」

 

「俺の席に座って吐き気がするほど気持ち悪い顔をしているイッセーが悪い」

 

「そこまで気持ち悪かったか!?」

 

ああ、物凄く気持ち悪かった。人がいなかったら間違いなく後ろからエクスカリバーで真っ二つにしていたところだ。

今度から俺もレイナーレの真似をして蛆虫と呼ぼうかな。

 

「で、何があった?」

 

「いや、それは……その」

 

イッセーが照れた様子で中々話さない。

イラッときたので思いっきり目潰しをした。ギリギリのところで眼球を壊さないように思い止まることに成功した。

 

「目が!目がぁぁぁぁっ!」

 

イッセーが地面にのたうち回っている。そして、いつものごとくアーシアがイッセーの治療にやって来た。

イッセーが落ち着いてから脅迫して話を聞くと二人三脚の後にアーシアにキスされて、そのまま告白されたらしい。そして付き合うことになったようだ。

え?マジで?確かに色々と唆してきたけど、こんなに早く結果が出るとは予想外だ。

何か今日は急展開の連続でついていけないんだけど。




前に後書きで書いたような気がしますが原作と違ってイッセーはアーシアと付き合わせることにしました。
理由は自分がリアスよりアーシアの方が好きだからです。

そして六巻の内容が終了です。次はロキ戦か。ロキが涙目になる展開しか思い付かない。

では感想待ってます。
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