切断された右腕が甦り、雄々しく猛々しい金色の馬体に跨り木場は過去の因縁を絶つために校庭を駆け巡る。突然のことで戸惑うフリードは天閃の力を使って逃走を図るが一歩ずつ距離を詰められてしまう
「おいおいおい、ちょっと待って、待ってくださいって!話が違うじゃないですかぁ!」
複数体の幻影を囮にして本人は透明の聖剣で校庭から消え去ろうとするが、魔獣は彼の臭いで場所を特定して突進してきた。数分前まで自分は有利な立場にいたはずなのに何故追い詰められているのか全く分からない
「来るな来るな来るなぁッ!くそっ、近づくんじゃねぇッ!!」
「ならば私が近付こう!」
迫りくる木場のことを気にしていたことで前方が疎かになっていた。ゼノヴィアは渾身の力でフリードの顔面に拳を叩き込んで遠くまで飛ばした。彼はリアスたちと戦闘を繰り広げていたケルベロスの背に着地し擬態の聖剣を鞭代わりに叩いて彼女へ向かってくる
「そうくるか…ならば」
ケルベロスの突進を回避すると体操選手のように身を捻って飛び上がり木場の背後に座った。目線を合わせて無言で頷くと手綱を操って真正面に対峙する
「行くよ!」
「ヒヒィィィンッ!!」
天を仰いで嘶いた。次の瞬間、前脚が高々と持ち上がり蹄が砂地を叩きつけると互いに示し合せたように駆け出す。重厚な蹄音が連続し地面を震わせ土煙を巻き上げながら突進する
「ふざけるな!…ふざけるなよぉ!こんな奴等にぃッ!!」
「僕は過去を乗り越える!」
「ハードルみたいに飛び越えるんじゃねぇよ!クソ悪魔が!!」
激突の力比べに負けてしまいフリードは聖剣を背中に突き刺して堪えるが、痛みに耐えることのできないケルベロスは暴れ狂い彼のことを振り落とそうとしている。そして魔獣の後ろ蹴りが炸裂し顔が跳ね上がった
「ふざけんな、ふざけんな、ふざけんなぁッ!!くそっ、くそっ、くそぉッ!なんでだよ!なんで思いどおりにならないんだよぉッ!!」
悪態をつきながら横っ腹を強く叩いて無理やり従わせる。断末魔の悲痛な叫び声は命の火が尽きかけるカウントダウンのように聞こえた
「さっきまでの余裕はどうしたんだい?悪魔に追い詰められる敗者の気分は―――」
「うるせぇ! 黙れぇッ!!」
首を振って大地を踏みしめる蹄が大気震わせた。馬上の木場が魔剣を高く掲げると黄金色に輝き放ちながら姿を変えていく、かつての仲間たちから受け継いだ聖剣の因子を取り込み彼の神器は禁手へと至る
「―――
「そんな答えなんて捨てちまえやがれっ!」
決着をつけるため聖魔剣を構え直し黄金の馬体が闇を裂き一直線に向かう。高らかな嘶きをあげながらケルベロスに体当たりをするとフリードは大きく吹き飛ばされてしまった。天高く跳躍した魔獣の背から木場とゼノヴィアは飛び上がる
「「うおおおおおおっ!!!」」
金属音と共にフリードのエクスカリバーは無数の破片となって砕け散った。月光に反射しキラキラと粉雪のように地面へ降り注ぐ
「僕らの力はエクスカリバーを超えたよ」
馬上に戻った木場は天を仰ぎ、聖魔剣を強く握りしめた。自身の体に残る友へ感謝の言葉を小さくつぶやきながら
別の場所では闇夜に乗じて匙の『黒い龍脈』でケルベロスを転ばせた。小猫が囮になって逃げている間にラインを伸ばして付着させると轟の創った四本腕の魔獣たちで引っ張ることで体勢を崩すことに成功する
「これで終わってください」
小猫と魔獣たちがケルベロスの頭上に陣取ると拳の連撃が嵐のように叩き込まれる。2秒間に約1000発のパンチを繰り出すことの出来るのでオーバーキルとなり異界の獣でも耐えることは不可能だった
「創造の神器か」
戦況を眺めるコカビエルは遠くで魔獣へ指示を出す廿六木のことを見ていた。フリードとバルパーは縛られてしまい戦場に残るは自分だけになった
「期待はしていなかったがこの程度とは」
「もう笑っていられないわよコカビエル!覚悟しなさい」
放たれた滅びの魔力は到達する前に霧散する。まるでレベルの違いを示すように彼女のことを見下していたがリアスはそれに気付かずに何度も同じように攻撃を繰り出すが1発も当たらなかった
「……嘘、でしょう?私の滅びの魔力が―――」
「それだけか、実に虚しい」
コカビエルの姿が消えた!
「っ!?」
突然のことで反応する間もなくリアスの身体が大きく弾き飛ばされた。砂地で何度もバウンドしながらサッカーボールのように転がっていくのを、朱乃やソーナは見つめることしか出来なかった
「その程度か、やはり貴様はサーゼクスには遠く及ばない」
「―――まだよ。まだ」
圧倒的な実力差に心が折れそうになるが
「さっきまでの威勢はどうした?矮小な力で俺を楽しませるとでも思ったか?」
「黙りなさい!」
「それで滅びの魔力を使いこなしているつもりか、やはり噂にたがわぬ無能な女だ!」
その言葉に怒りを露にして滅茶苦茶な攻撃を繰り出していくがコカビエルには通用しなかった。彼女は大声を張り上げて轟に対して命令し、目の前の敵を倒せる魔獣を創るように高圧的な態度で言葉を口にするが、リアスの喉元が掴まれ身体が地面から持ち上がって足先が宙に浮く
「くっ…はっ…!、なにを」
相手の腕を引き離そうと力を込める。指先に滅びの魔力が集まりかけるが思うように集中できない、真っ青な表情で呼吸が出来なくなり段々と意識が遠のき全身の力が弛緩し足元には水溜りが出来上がりはじめた
「はな……し」
足が空中で揺れる。乱れた紅髪が肩から流れ落ち悪あがきをしているがコカビエルは微動だにせず右手に力を込めて骨ごと潰そうとしていた。助けるために遠くから朱乃が雷撃を放ってきたがリアスを盾にされてしまい呻き声をあげながら腕がだらんと落ちてしまった
「これまでだ!」
至近距離でリアスに向けて光の槍を投げ付けようとしたが寸前で彼女が蹴り飛ばされてしまい、目標を失ったコカビエルの槍は体育館に直撃し跡形もなく消し飛んだ
「貴様は―――」
「少々やりすぎたなコカビエル、アザゼルが相当お怒りだ!」
白銀の装甲を纏った存在がゆっくりと下りてきた。声からして青年のように感じるが顔が隠れていて表情を確認することが出来ない
「知ったことか!俺は―――」
「遅れた分はしっかり働かないと、赤龍帝の顔を見に来るついでだったが面白い奴を見つけることができた」
まるでコカビエルのことを眼中にせず彼は轟のことを見つめていた。無視された言動に激昂し威嚇するように漆黒の翼が大きく広がった。顔を真っ赤にさせて光の奔流を放っていくが通用することはなかった
「威力は十分だ。だが―――俺を倒すには足りない!」
「なん…だと」
何度も槍を投擲し怒涛の攻撃を繰り出していくが白銀の戦士はダンスを踊るように躱してコカビエルへ接近していった。互いの拳が届く位置になると彼は身を屈めならがの膝からの連動によるアッパーで顎を砕く
『Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide Divide!!』
連続して同じ音声が聞こえコカビエルは膝をついてしまった。白銀の装甲に拳を叩き込んだが骨が粉々に砕けて砂まみれになりながら地面でのたうち回っている。そして彼は四肢を潰して身動きが取れないようにさせると、徹底的に無力化させてしまいコカビエルは掠れた声を出しながら二度と立ち上がることが出来なかった
木場君たちがフリードを撃破し、コカビエルは途中参加の白龍皇が倒しちゃいました
コカビエル戦での轟君って台詞が殆ど無かった気がする
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
作品評価もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
明日は秋の天皇賞、三度目の正直だ頑張れ逃げ粘れホウオウビスケッツとリンダリンダ岩田
独自設定として神器・神滅具所有者は転生悪魔と同じように「言語」の壁が無くなる
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問題無い
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問題大有りだ