「和平会談に出ろってどういう意味だ!ってか何で俺の番号知っている?」
「その辺は堕天使の企業秘密ってやつだな」
自宅で劇場版マクロスプラスの『伝説の5秒』を何度も巻き戻して視聴していた轟のスマホに知らない番号から着信が入った。無視しても鳴り響く音に苛立った彼は通話ボタンを押すと相手はアザゼルだった
「出席する理由なんて―――」
「大いにある。お前が各陣営に所属を表明するだけでも大事なことだ!」
「師匠に連絡がついたのか?」
「もう話は通してある。ただ猿の爺さんや帝釈天たちも暇じゃないから俺に必要な書面を送ってきやがった。お前はそれにサインと判子を押せば正式に須弥山からの庇護を受けることが出来る」
庇護を受けるが移住することもなく生活が特段変わる訳ではない、駒王町に住む現地の所属員でありトラブルが起きれば対応してもらう流れとなる。無名の背景に肩書きが備わればリアス・グレモリーのように悪魔からの『眷属になれ!』という雑音を突っぱねることが出来る
「手間をかけさせて悪いな」
「こっちにもメリットがあるから請け負ったに過ぎない、お前を起点に須弥山との交渉を繋げることだって容易になるから互いに利用しようじゃないか」
「抜け目がないね堕天使は」
「セラフォルーと言っても分からないか、ソーナ・シトリーの姉とミカエルにも通達してあるから調印はスムーズに終わると思うがサーゼクスが変な顔をしていたのが少し気になる。露骨なことはしないと思うが気をつけろ!」
そう言ってアザゼルは電話を切った。轟もスマホを置くと一時停止していたシーンから再生ボタンを押してガルドはミサイルを避けながらゴーストに激突し崩壊したコックピットから地球を見つめるところで泣いてしまった
授業参観が行われる日だが廿六木家の両親は学園には訪れない、入学式にも顔を出さない連中なので平日の昼間に仕事を休んでやって来ることはまずあり得ないことだ!教室から抜け出し適当にブラついていると目の前から全力疾走で迫ってくる知的美人が凄い顔で突撃してきた
「廿六木君!」
「どうしたんですか?生徒会長が校則違反なのは示しがつきませんって」
「すいません!じゃなくて、スライムの中でもいいので匿ってください!!」
「はい?」
突拍子もないことを口にするソーナを見つめて頭の上に疑問符を作る。切羽詰まって逃げてきたということは誰かに追われての反応のはずだが、彼女のことを追い掛けて迫るやつなんているのだろうか?
「ソーナちゃぁぁぁぁん!」
今度は魔法少女のコスプレした女の人が叫びながら走ってきた。幼さを残す整った顔立ちに腰付近まで伸びた髪をツインテールにして纏めている見た目はまさにリリカルでマギガな作品に出てきそうな女の子に見えてしまう
「なんで逃げるの?ソーナちゃんとラブラブしたいだけなのに!」
「それが嫌なのです!場を弁えてください、私まで変人に見られてしまうんです!」
「変じゃないって☆『魔法少女マジカル☆レヴィアたん』の劇場版コスチュームなんだから」
轟を間に置いて会長と魔法少女が舌戦を繰り広げている。遠巻きから見守る生徒たちも近寄らない強い意志を持ってスマホを構えていた。自分も変人の仲間だと思わるのは嫌だ!
「廿六木君―――この魔王を倒してください!報酬はいくらでも払いますから」
「魔王?ってことは、まさか会長さんの」
「とどろき?…君がソーナちゃんの言ってた廿六木君ね!会いたかったよ☆実はとっても大事なことを頼みたいの☆」
「はい?」
似たような目を少し前に見たような気がする。子供が玩具を見つけた感じでキラキラと輝くような視線はまさに紫藤イリナと同じこと言いそうな空気を醸し出していた。ここだと生徒の目があるので3人は生徒会室へ足を運んだ
「改めまして!ソーナちゃんのお姉ちゃんで、冥界で四大魔王をやってるセラフォルー・レヴィアタンだよーっ☆」
「個性的で魅力的なお姉さんですね」
「冷蔵便で送るので貰ってくれますか?今なら全部出しますので判子を押すだけで構いませんよ」
「お断りします。姉妹仲良く過ごしてください」
これが身内にいたら心労で寿命が縮む自身がある。血の繋がった姉妹で仲睦まじい生涯を過ごせば不幸になる人たちの絶対数は減るので会長には頑張って血の涙を流し続けてもらおう。もしかしたら稀有な性癖の持ち主が王子様として現れるかもしれないから希望を捨てないでと心の中で応援歌を熱唱する
「さっき言った頼みたいことなんだけど、君の神器って魔獣を創ることが出来るんだよね☆」
「お姉さま…まさか?」
何かを察したソーナは大きく息を吐き出した。そして笑顔満点でニッコニコのセラフォルーは懐から紙の束を出して机の上にドン!と置いた
「今からこのマスコットを全部創れる?」
「………はぁ?」
「もちろん人語で喋るのが必須だから☆獣みたいに呻き声だと可愛い見た目が台無しになっちゃうから!お願いね☆」
ジト目でソーナの方へ視線を向けると顔を逸らした。窓の外に向かって口笛を吹いているつもりだが奏でられているのは不協和音でありメロディや音階も存在しない
「会長さん―――こっちを見てください」
彼女は聞こえないフリをしてポケットから携帯を取り出すと耳に当てて生徒会室から出て行こうとするが、着信音やバイブの振動も聞こえていないのに通話なんて不可能だから肩を掴んで逃亡を阻止した。微笑みの爆弾という歌があるけど今の自分は憎悪の核弾頭という状況だと思う。勇気とパワーは湧いてはこないが怒りでソーナを巻き添えにする力ぐらいは残っている
「こっちのマスコットがソーナちゃんの相棒を務める『セップククロウサギ』で☆声のイメージは口の悪い博多弁を扱える声優さんでお願いね☆」
「ちょっと待ってください!なんで私のまで」
「ソーナちゃんが夏休みのときに劇場版とネット配信版の収録をするから☆もちろん専用のコスチュームも用意してあるから楽しみにしててね☆あとね冥界でライブツアーも計画してるの!オープニング曲のレコーディングもあるからボイスレッスンもしなくちゃ☆」
火事で自宅が全焼した長沢君のような表情で泣いている。ちょっとゾクッとしたので轟は喜々としてセラフォルーが持ってきた参考資料をもとに魔法少女のパートナーになる魔獣を創った。途中で天使の羽にするか悪魔の翼にするかで迷ったが、ロールパンナのように善性と悪意で変貌する案を提示したらOKのサインが出た
「アザゼルちゃんから聞いたけど☆悟空ちゃんの仲間になるんでしょ!」
「ほぼ決まりで和平会談のときにサインを書きますが」
「悪魔を選ばなかった理由はソーナちゃんの報告でだいたいのことを察したけど、別に毛嫌いをしている訳じゃないよね?」
その言葉に頷いた。リアスや兵藤のことは嫌いだが悪魔だからという訳ではない、木場や小猫にアーシアと匙といった面々には普通に接しているし壁も作っていない、筋を通さずに性根の腐った奴に対して嫌悪感があるだけなのだ
「私の立場だと好きなように権力を使って何でも出来ちゃうの☆ソーナちゃんに最高の指導者やカッコよくて強い武器を用意するこも人差し指1本でパパっとやれちゃうけど、これは死んでも絶対にやらないって決めてるの☆」
「………お姉さま」
「そんなことをしてもソーナちゃんは喜ばないし悪魔のためにもならない、公私混同の線引きはちゃんと引かないと!だからもし行き詰って困っていたら相談相手になってくれないかな☆」
さっきまでの言動と見た目とは違い、普通にまともなことを口にしている
「やっぱり第三者の視点て必要だと思うしアドバイザーとかじゃなくていいの!学園の先輩・後輩として普通に接してほしいの☆」
「まぁ―――それぐらいなら別に」
「ホント!ありがとう☆」
セラフォルーは轟の手を持ってブンブンと振り始めた。感謝の気持ちを表しているのだと思うが少し落ち着いてほしいものだ
「じゃあ今からソーナちゃんの眷属たちにも挨拶しちゃうんだから☆」
そのままの恰好で生徒会室の外へ出ようとするのを妹は全力で引き戻した。ソーナは羽交い絞めからチョークスリーパーで姉の行動を止めようとするが彼女はケロッとした表情で見つめていた。それを見てやっぱり魔王なんだと思う轟であった
セラフォルーも基本はシスコンですが、姉の立場と魔王の立場を使い分けて妹を成長させるようにしています。一応はまともの部類です
感想ありがとうございます(おまちしてます)
お気に入り登録もありがとうございます
作品評価もありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
独自設定として神器・神滅具所有者は転生悪魔と同じように「言語」の壁が無くなる
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問題無い
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問題大有りだ